Oh my teeth
コラム歯科矯正マウスピース矯正
最終更新日:2025年10月8日

歯科矯正に関するアンケート実態調査。2万人の回答から見える歯並びへの意識

歯科矯正に関するアンケート実態調査。2万人の回答から見える歯並びへの意識
マスクを外す機会が増えたことで、歯並びを意識する人が増えています。
笑顔や口元の印象が人の第一印象を左右する場面も多くなり、歯列矯正を“治療”ではなく“自己投資”として考える人も少なくありません。
こうした意識の高まりを受け、株式会社Oh my teethは全国2万人以上を対象に日本人が歯並びをどのように捉え、どんな理由で矯正を考えるのかを明らかにする調査を実施しました。
本記事では、そのアンケート結果をもとに、世代・ライフスタイル・価値観の違いから見えてきた「歯列矯正に対する意識の変化」を読み解いていきます。
調査概要
  • 対象:22,165名
  • 調査方法: オンラインアンケート調査
  • 地域:11都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県)
  • 年齢:18〜59歳の男女
  • 調査期間:2024年7月
Oh! Black
歯科矯正ブログ編集チーム

Oh my teeth

マウスピース矯正「Oh my teeth」ホームホワイトニング「Oh my teeth Whitening」を提供するOh my teethのコンテンツチームです。Oh my teeth導入クリニックのドクターと連携し、歯科矯正やホワイトニング、自社ブランドに関する確かな情報を発信しています。

世代別にみる矯正意向、10代・20代の4割以上が矯正を検討

矯正意向を聞いたところ、「矯正を検討している」または「矯正をすでにしている」と回答した割合は、29%という結果になりました。また、年代別では10代・20代で44.0%と最も高く、30代で34.7%、40代で26.2%、50代では17.5%と、年齢が上がるにつれて減少しています。

所見

若年層に歯並びの悩みが集中している背景には、SNSの普及や就職・婚活などにおける見た目への関心の高まりが影響していると考えられます。特に10・20代では、自撮りやビデオ通話の機会が増えたことで、自身の歯並びを意識する機会が格段に増加しています。
さらに、コロナ禍が一段落し、マスクを外す場面が増えたことも、歯並びへの関心を高める要因となっているでしょう。マスク着用緩和に伴い、歯並びの印象が与える社会的インパクトを意識し始めた若年層が増えていると推察されます。
また、グローバル化の進展により、海外の美意識への接触機会も増加しています。特に欧米では歯並びの良さが社会的ステータスとして認識される傾向が強く、そうした価値観が若い世代を中心に浸透してきていることも、歯列矯正への関心を高める一因となっているでしょう。
若い世代にとって、歯列矯正は「治療」というよりも、自己投資やキャリア形成の一環として捉えられている傾向が見て取れます。
一方で、50代で悩みの割合が低い理由としては、すでに矯正治療を終えている可能性や、長年の生活の中で自身の歯並びを受容してきた可能性が考えられます。

歯並びの悩みランキング、歯のガタつきが上位

歯並びの悩みで最も多く挙げられたのは「歯のガタつき」で、下側が41%、上側が39%と、約4割の回答者が歯のガタガタ(叢生・乱ぐい歯)に悩みを抱えていることがわかりました。
そのほかには、「前歯の出っ歯」(28%)や「前歯のねじれ」(24%)、「八重歯」(17%)、「受け口」(13%)が続く結果となりました。

所見

今回の結果で特徴的なのは、上下の歯のガタつきが上位を占めていることです。これは日本人特有の骨格的な特徴が背景にあると考えられます。日本人は顎が小さい傾向にあり、32本の歯が正常に並ぶスペースが十分にないことが多いのです。そのため、歯が密集して重なり合う「叢生(そうせい)」や「乱ぐい歯」と呼ばれる状態になりやすく、見た目の問題だけでなく、歯磨きがしづらい、食べ物が詰まりやすいなど、口腔衛生の面でもリスクとなります。
さらに現代人は縄文時代から比べると顎が小さくなっているとされ、これは食生活の変化が一因とされています。やわらかい食事が中心となり、顎を動かす機会が減少したことで、世代を追うごとに顎が小さくなる傾向にあります。

年代別にみる歯並びの悩み - 10・20代で顕著な前歯への意識

年齢層による歯並びの悩みの違いを分析したところ、若い世代ほど歯並びに悩みを抱えている傾向が強いようです。たとえば、前歯の出っ歯に悩んでいる割合は、50代では18%なのに対して、10・20代では38%と最も高い割合を示しました。
⻭のガタつき(下側)
⻭のガタつき(上側)
前歯の出っ歯
前⻭のねじれ
すきっ⻭
⼋重⻭
受け⼝
10・20代
45%
44%
38%
24%
20%
18%
14%
30代
44%
41%
32%
26%
21%
18%
13%
40代
37%
35%
23%
22%
23%
17%
13%
50代
36%
34%
18%
25%
28%
15%
10%
「歯のガタつき」に関しては、10・20代で上側44%、下側45%と最も高く、年齢が上がるにつれて徐々に減少する傾向が見られました。
このデータからは、若年層ほど口腔内の様々な状態に敏感であり、特に他者の目に付きやすい前歯部分への関心が強いことが読み取れます。
ただし、「すきっ歯」の悩みが50代で28%と比較的高いことは、加齢による歯の移動や歯周病などの影響が表れている可能性を示唆しています。

マウスピース矯正、若年層での選好が顕著に

歯列矯正の方法において、世代による傾向の違いもみてとれます。全年代を通じて表側ワイヤー矯正が60%前後と主流である一方、マウスピース矯正は世代によって選択率の差が見られます。
10・20代では32%がマウスピース矯正を選択しているのに対し、年代が上がるにつれてその割合は減少。30代で26%、40代と50代ではともに21%という結果となりました。また、40~50代ではセラミック矯正の割合が高いのも特徴です。
表側ワイヤー矯正
マウスピース矯正
裏側ワイヤー矯正
セラミック矯正
ハーフリンガル矯正
外科矯正
10・20代
56%
32%
7%
2%
2%
2%
30代
60%
26%
8%
3%
2%
1%
40代
64%
21%
7%
5%
2%
1%
50代
63%
21%
8%
5%
0%
3%
収入層による選択の違いも顕著です。年収200万円未満の層ではマウスピース矯正の選択率が33%と最も高い一方、年収1,500万円以上の層では裏側矯正が11%と、収入による矯正方法の選好に特徴的な差異が見られました。
表側ワイヤー矯正
マウスピース矯正
裏側ワイヤー矯正
セラミック矯正
ハーフリンガル矯正
外科矯正
200万未満
53%
33%
6%
5%
1%
2%
200万〜400万未満
58%
30%
6%
3%
2%
1%
400万〜600万未満
61%
26%
9%
4%
1%
0%
600万〜800万未満
62%
24%
7%
4%
1%
1%
800万〜1000万未満
66%
19%
9%
2%
2%
2%
1000万〜1200万未満
66%
21%
8%
4%
0%
2%
1,200万〜1,500万未満
58%
26%
10%
2%
3%
2%
1,500万以上
57%
22%
11%
4%
3%
3%

所見

若年層でマウスピース矯正の選択率が高い背景には、近年の多様な価格帯のマウスピース矯正ブランドの登場が大きく影響していると考えられます。テクノロジーの発達により従来より手の届きやすい価格帯で矯正ができるようになり、歯科矯正へのハードルが下がっていることが要因のひとつでしょう。若い世代ほど新しい治療方法への抵抗感が低く、かつ審美性を重視する傾向があるためマウスピース矯正が受け入れられていると考えられます。
また、年収200万円未満層でマウスピース矯正が33%と高い選択率を示している点については、この層に学生が含まれることが一因として考えられます。
年収1,500万円以上の層で、裏側矯正の選択率が11%とほかの世代より高くなっているのは注目すべき点です。裏側矯正は管理の手間が比較的少なく、見た目に配慮された矯正方法としての特徴が評価されていると考えられます。
全年代・全収入層において表側ワイヤー矯正が依然として50%以上の高いシェアを維持している点は、歴史のある矯正方法があること、取扱う矯正歯科・歯科クリニックが多いことなどが挙げられるでしょう。

ライフステージと矯正意向の相関も顕著に

結婚状況別に矯正への意向を分析したところ、未婚層の33.2%が「矯正をしたい」または「矯正をすでにしている」と回答し、既婚層(24.7%)を8.5ポイント上回る結果となりました。この差は、就職活動や婚活といったライフイベントを控えた層において、歯並びへの投資意欲がより高いことを示唆しています。

総評:一般社団法人OralX代表理事 本多宣陽(ほんだのぶきよ)

歯科矯正への意識の高まり

歯のガタつきへの懸念が4割を超えている点、特に若年層で顕著な歯並びの悩みが見られる点などから、歯科矯正への意識の高まりがうかがえます。
若年層を含めて矯正の関心が高まっている背景には、マウスピース矯正の普及もあるでしょう。これまで歯科矯正といえば、銀色のワイヤーを歯列全体に装着する方法が一般的でしたが、マウスピース矯正では矯正装置がほとんどめだちません。
裏側矯正やハーフリンガル矯正も含め、選択肢が増えたことで従来は治療に踏み切れなかった方々にも歯列矯正の機会が広がっています。

どんな歯科矯正治療にもメリット・デメリットがある

ただし、どの方法を選ぶにしても万能な治療法はありません。たとえば、マウスピース矯正は審美性に優れ、着脱可能という利点がありますが、一方でその利点が治療の進捗に影響を与える可能性もあります。効果を得るためには1日20~22時間のマウスピースの装着が必要で、使用時間が守られない場合は、後戻りを起こしたり、シミュレーション通りに歯が動かないリスクがあります。
そのため、治療方法を選ぶ際は、症例の難易度や治療目的、ライフスタイルなどを総合的に考慮することが大切です。実際、今回の調査でも、若年層でマウスピース矯正が、高収入層で裏側矯正が選ばれているなど、それぞれのニーズに合わせた選択がなされています。

噛み合わせの改善も大切な目的の一つ

そしてなにより、歯列矯正は見た目の改善が注目されがちですが、同時に重要なのが「噛み合わせの改善」です。
正しい噛み合わせを獲得することで、結果として審美性の向上だけでなく、歯磨きがしやすくなることで虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。さらに、将来的な咬合(こうごう)の悪化や顎関節症などの機能的な問題を予防することにもつながります。
患者さんそれぞれの状況に応じた治療方法を選択できる時代になってきました。外見意識の高まりやグローバル化の進展を背景に、歯列矯正への関心は今後さらに高まっていくでしょう。歯並びでお悩みの方は、ご自身に合った治療法を見つけるため、まずは矯正歯科での相談を検討してみてはいかがでしょうか。
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■調査概要
  • 対象:22,165名
  • 調査方法: オンラインアンケート調査
  • 地域:11都道府県(北海道,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,静岡県,愛知県,京都府,大阪府,兵庫県,福岡県)
  • 年齢:18-59歳の男女
  • 調査期間:2024年7月
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