矯正中に滑舌が悪くなる原因とよくするコツ!歯並びによる影響も解説
歯科矯正中に滑舌が悪くなるのは、なぜなのでしょうか?本記事では矯正中に滑舌が悪くなる原因や装置ごとの影響、よくするためのトレーニング法を解説します。

「矯正をはじめたら滑舌が悪くなった……」
「矯正中の喋りにくさに慣れるまでにはどれくらいかかる?」
歯科矯正をはじめると、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、歯科矯正中に滑舌が悪くなる原因や、よくなるトレーニング法、慣れるまでの期間を解説。表側矯正・裏側矯正・マウスピース矯正など、矯正装置の種類別に、喋りにくさはどれくらいあるのか、歯並びが滑舌に与える影響も紹介します。
矯正中に滑舌が悪くなったとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
【本記事の要点】
歯科矯正をはじめると滑舌が悪くなるのは「舌や唇の動きに制限がかかるため」「あごの位置が変わるため」「歯の隙間から息漏れするため」などが原因として考えられる
もっとも滑舌に影響を及ぼしやすい歯科矯正方法は裏側矯正(歯の裏側に矯正装置を装着する方法)
個人差はあるが歯科矯正スタート後1週間から1ヶ月程度で装置による滑舌への影響には慣れる
- 歯科矯正中に滑舌が悪くなる原因
- 矯正装置が滑舌に与える影響
- そもそも矯正装置にはどんな種類がある?
- 表側矯正(ワイヤー矯正)が滑舌に与える影響
- 裏側矯正(ワイヤー矯正)が滑舌に与える影響
- ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)が滑舌に与える影響
- マウスピース矯正による影響
- 矯正開始後 滑舌に慣れるまでの期間
- 歯並びが滑舌に与える影響
- 舌や唇の動きに制限がかかる
- あごの位置が変わる
- 歯と歯の隙間から息漏れする
- 舌の筋力が滑舌に影響していることも
- 低位舌が引き起こす恐れのある症状
- 歯の矯正をすると滑舌はよくなる?
- 滑舌をよくするコツはトレーニング
- 舌のトレーニング
- 発音・発声のトレーニング
- 歯科矯正と滑舌に関するよくある疑問
- 人前で話をする職業の方におすすめの矯正装置は?
- 矯正中に管楽器の演奏はできる?
- 歯科矯正による喋りにくさは徐々に慣れる
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滑舌の悪さが歯並びにある場合、歯科矯正によって改善が見込めます。その一方で、歯科矯正中に装着する装置によって、滑舌が悪くなることもあります。
歯並びが滑舌の悪さに影響を与えるのは、以下の3つが原因として考えられます。
舌や唇の動きに制限がかかるから
顎の位置が変わるから
歯の隙間から息漏れするから
上記について詳しくはこちらの項で紹介していますので参考にしてください。
歯科矯正によって滑舌が悪くなる原因としては、以下のようなものが考えられます。
矯正装置が舌にあたるから
矯正装置によって口が動かしにくくなるから
上記については、次項でSNSの声もあわせて紹介しますので参考にしてください。

「滑舌を良くしたいから、歯科矯正をしたいけど.....矯正装置付けるので、人の視線が気になるし、より喋りにくくなりそう.....」とお考えになる方も多いでしょう。
そこでここからは、矯正装置の種類や、それぞれの矯正装置が滑舌に与える影響を、SNSの声とともに紹介します。
そもそも矯正装置にはどんな種類がある?
歯科矯正には「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」があります。さらにワイヤー矯正は、装置をつける位置によって「表側矯正」「裏側矯正」「ハーフリンガル矯正」に分けられます。
以下の表は、それぞれの矯正装置の特徴・メリット・デメリットをまとめたものです。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
表側矯正 | 歯の表側に装置をつけるワイヤー矯正 | ・幅広い症例に対応できる | ・目立つ |
裏側矯正 | 歯の裏側に装置をつけるワイヤー矯正 | 正面から見えない | ・費用が高い |
ハーフリンガル矯正 | 上の歯は裏側、下の歯は表側に装置をつけるワイヤー矯正 | 表側矯正と裏側矯正それぞれのメリットを兼ね備えている | 表側矯正と裏側矯正それぞれの欠点を被る可能性がある |
マウスピース矯正 | 透明のマウスピースを使った矯正方法 | ・目立ちにくい | 自己管理が必要 |
上記のように、各種矯正方法ごとに特徴やメリット・デメリットがあり、滑舌への影響も異なります。ここから詳しく見ていきましょう。
表側矯正(ワイヤー矯正)が滑舌に与える影響

表側矯正(ワイヤー矯正)は歯の表面に「ブラケット」と「ワイヤー」と呼ばれる器具をつけて、歯を動かす矯正方法です。
表側矯正は裏側矯正やマウスピース矯正よりも滑舌に影響を与えにくいです。しかし口腔内に装置がつくことには変わりないため、口を動かしにくくなることで滑舌に影響が出ることがあります。
たとえば矯正装置の厚みの分、唇が閉じにくくなったり頬への違和感があったりして発音に影響が出ることがあるでしょう。
裏側矯正(ワイヤー矯正)が滑舌に与える影響

裏側矯正は、歯の裏面にブラケットとワイヤーを設置して、歯列を整える方法です。
裏側矯正はブラケットやワイヤーが舌にあたりやすく、滑舌に影響を与えやすいです。舌が矯正装置に引っかかり傷つくことで、口内炎ができるケースもあります。
一度舌に口内炎ができると装置に舌が当たらないように動かすため、矯正前のように発音しにくくなることがあります。

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ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)が滑舌に与える影響

ハーフリンガル矯正とは簡単に言うと、表側矯正と裏側矯正を組み合わせた矯正方法のことです(器具を同じ側に取りつける場合は、フルリンガルと呼ばれます)。
上の歯は舌側に、下の歯は唇側に器具を取りつけます。
ハーフリンガル矯正は表側矯正と裏側矯正のメリットをあわせ持つ矯正方法なので、裏側矯正の喋りにくさも軽減した矯正方法と言えます。ただし矯正装置を装着することによる違和感には個人差があり、かつ、上あごは裏側矯正のため、多少なりとも滑舌に影響が出ます。
マウスピース矯正による影響

透明のマウスピースを歯にかぶせて、歯並びを整える矯正方法です。
歯科矯正に使うマウスピースは、歯並びにフィットさせるため、採取した歯型を基にオーダーメイドで製作されます。
マウスピース矯正は、ここまで紹介した各種ワイヤー矯正と比較すると滑舌への影響が出にくいです。ただし口腔内に装置をつけるのはワイヤー矯正と同様です。慣れないうちは、舌がマウスピースにあたりやすい「タ行」「サ行」への影響が大きいでしょう。英語であれば「S」や「Th」の発音への影響が考えられます。
筆者もマウスピース矯正経験者ですが、オンライン英会話中の発音に苦労しました。日本語もサ行やタ行は言い直したりしていましたが、周囲の人はそこまで気にならなかったようです。
特に矯正装置を歯の裏側につける裏側矯正(ワイヤー矯正)はつけた当初はかなり舌の動きが制限されるので、しばらく発音しにくい状態になりやすいです。マウスピース矯正も装着して最初のころはどうしても違和感を感じることが多く、舌ったらずな発音になってしまう方も多いでしょう。
しかし個人差はありますが、一般的には1週間から1ヶ月ほどでスムーズな発音を取り戻せるケースがほとんどです。
マウスピース矯正経験者の筆者も、初めの頃は装置がついていることに慣れず、口腔内に唾が溜まってしまいうまく話せなかったです。しかし1週間を過ぎたあたりから徐々に慣れていきました。
矯正によって滑舌は一時的に悪化してしまいますが、慣れることにより自然に改善されます。
万が一、数ヶ月経過しても「喋りにくい」「発音しにくい」という場合はドクターに相談してみましょう。

歯並びが滑舌に影響を与えるのは、以下のような原因が考えられます。
舌や唇の動きに制限がかかる
歯並びが悪いと、歯の凹凸が原因で正しい発音をするために必要な舌や唇の動きが制限されることがあります。また、そもそも歯並びの悪さが舌の癖にあることもあり、それが原因で滑舌が悪くなっているケースもあります。
あごの位置が変わる
歯並びの悪さによって上下のあごのバランスが整っていないと、それが発語に影響を及ぼすこともあります。たとえば歯並びによって受け口になっている場合、声がこもりやすくなったり、「サ行」や「タ行」が言いにくくなったりする原因になります。
歯と歯の隙間から息漏れする
発音は発声の仕方や舌の動きによって、受け取る方の聞き取りやすさが大きく変わってきます。
そのため、口の内部を構成する歯並びは発音においてとても重要です。
歯並びに隙間がある、一般的に「すきっ歯」と呼ばれる状態の場合は隙間から息が漏れてしまうため発音に支障が生じやすくなります。
特に、前歯を擦り合わせて息を飛ばすように発音するサ行、英語における「S」、「Th」などの発音に影響があります。
舌の大部分は筋肉で構成されています。そのため、発声において舌の筋力はとても重要です。
舌の筋力が弱いと舌が垂れ下がり気味になり、文字通り「舌足らず」な発声になって、滑舌が悪化する要因になります。
自身における舌の筋力を確認する方法をご紹介します。
軽く姿勢を正して、口を閉じた時にあなたの舌は口腔内のどこに収まっていますでしょうか?
舌の後ろまで、上顎の口蓋部分にピッタリくっついている
舌は上顎に全く触れていない
舌の前方は上顎にくっついているが、後方は分からない状態
もしあなたが2番に該当するとしたら、あなたは医療用語における「低位舌」に当てはまります。これは、舌が正常な位置より低い位置にある状態です。
低位舌は舌の筋力が弱いので、上顎の口蓋部分に舌をつけることが難しいです。したがって、タ行・ナ行など、上顎の口蓋に舌をつける発音が悪くなってしまいます。
低位舌が引き起こす恐れのある症状

低位舌は滑舌の悪さ以外に、下記のような症状を引き起こす要因にもなります。
風邪を引きやすい
口を開けたまま呼吸(口呼吸)をするため、ポカンと口を開けた状態になりやすく、風邪や感染症になりやすくなります。
いびきをかきやすい
舌の位置が低いために、気道が狭くなりやすいため、いびきをかきやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい
気道が狭くなる事で、空気の吸入量が少なくなり、睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高まります。
ドライマウス
低位舌だと口呼吸になりやすいので、常に口腔内が乾燥している、ドライマウスの状態になる事が多いです。
食事の時に音を立てて食べるようになる
舌の筋力が弱いと、舌を丸めて食べ物の形を整えたり、潰して食べることがしにくいので、音を立てて食べる癖がついてしまいます。
虫歯・歯周病になりやすくなる
低位舌は口を閉じていると気道の上に舌が一部乗るため、呼吸を楽にしようと、口を開けて気道を確保しています。したがって、くちびるも荒れ気味、口呼吸になりお口の中が乾燥して、虫歯、歯周病が発生しやすいです。
もし低位舌という自覚があれば滑舌の悪さ以外にも上記のような様々な障害を引き起こす可能性があります。
低位舌を改善する方法については、こちらの項で詳しく説明しています。

歯並びの悪さが原因で滑舌が悪くなっていた場合、歯科矯正をして歯並びが整うことで、滑舌に好影響を与えられます。その一方で、歯並びがよくなるとすぐに発音や滑舌が良くなるわけではありません。
なぜなら歯並びによる舌や唇の癖は、歯並びが整ったからすぐになおるわけではないからです。滑舌の悪さをなおすためには、次項で紹介するようなトレーニングもあわせて行うのがおすすめです。
滑舌をよくするためには、以下のようなトレーニングを試してみてください。
舌のトレーニング
滑舌を良くするための改善方法の一つとして、トレーニングが挙げられます。
表情筋を意識しながら正しく丁寧に口を動かす
ガムを舌に乗せて丸めたり、押し広げたりするガムトレーニング
あいうべ体操(大きく「あ・い・う・べ」と口を動かし、「べ」のときに舌を思い切り下に伸ばす)
上記は継続して行うことによって滑舌を改善できる可能性はありますが、その改善具合も個人差があり、必ずしも改善できるとは限らないです。そのため、口内の根本問題を改善できる歯科矯正と並行してトレーニングを行うと効果的です。
発音・発声のトレーニング
発音・発声のトレーニングとしては、以下のようなものが挙げられます。
母音のみで話す
早口言葉を練習する
仰向けで腹式呼吸を意識する
何気ない言葉でも母音のみで話そうとすると、しっかり口を動かしたりお腹から声を出したりしないと、一語一語が曖昧になってしまいます。また腹式呼吸がいまいちわからないという方は、仰向けで呼吸してみるのがおすすめ。
息を吸ったときにお腹に空気が入り膨らむのを感じ、逆に息を吐くときにお腹から空気が出て凹むのを感じるようにすると、腹式呼吸を意識できるようになります。
最後に歯科矯正と滑舌に関するよくある疑問にお答えします。
人前で話をする職業の方におすすめの矯正装置は?
人前で話をする職業(接客業・営業職・教師など)の方にとって、矯正中の発音や滑舌は気になる部分だと思います。
滑舌に影響を与えにくいという点では表側矯正です。ただし人前に出ることを考えると、見た目も考慮する必要があるため、目立ちにくいマウスピース矯正を選択する方が多いです。個人差はありますが、マウスピース矯正は喋りにくさに慣れるまでも早い傾向にあります。
先ほど紹介したトレーニングを行うのが、早く滑舌をよくするためのコツです。ぜひ試してみてください。
矯正中に管楽器の演奏はできる?

金管楽器(フルート・トランペットなど)や木管楽器(サックス・クラリネットなど)といった管楽器は、口を使って演奏するため、滑舌と共に矯正中の影響が気になる方も。矯正中でも管楽器の演奏をすることは可能ですが、唇や舌の動きが制限されるため、影響が出る可能性はあります。
たとえばトランペットを演奏する人が表側矯正をはじめると、トランペットのマウスピースを口に当てた際、装置があることで違和感が出やすいです。そのため矯正前の感覚で演奏をするのは難しくなります。個人差はありますが、矯正装置をつけた状態でうまく演奏できるようになるには、1ヶ月程度はかかると見た方がよいでしょう。
楽器の種類によっても影響は異なるため、矯正をはじめる前にドクターとよく相談しましょう。

いかがでしたでしょうか?
滑舌が悪い原因は、口腔内における歯並びと舌の位置に問題がある場合があります。
それらを根本的に改善する最適な改善手段が歯科矯正ですが、矯正装置による滑舌への影響もあることを把握しなければなりません。
ただし、矯正装置による滑舌の悪化は、しばらくすると慣れるのが一般的です。「滑舌が悪いから歯科矯正をしたい」「でも矯正装置でもっと滑舌が悪くなったら?」こうお悩みなら、一度矯正歯科医院に相談に行ってみましょう。
それぞれのメリット・デメリットを知った上で矯正方法を選ぶことが、後悔のない歯科矯正につながります。

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