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歯科矯正
最終更新日:2024年9月9日

コンポジットレジンとは?費用やメリット・デメリットを解説!

虫歯の詰め物や被せ物といえば、一昔前までは合金や銀歯でした。しかし、これらは見た目が悪く、恥ずかしくて口を大きく開けられないなどコンプレックスやストレスになっている方も多いのではないでしょうか?

近年、合金や銀歯に代わる詰め物・被せ物として、コンポジットレジンと呼ばれるものが登場しました。

そこで今回は、第二浜野歯科医院 の浜野 裕先生監修のもと、 コンポジットレジンとは何か、メリット・デメリット、治療手順などを解説します。

合金の詰め物や銀歯もコンポジットレジンに変えられますので、気になっている方はぜひ最後までお読みください。

浜野 裕
歯科医師

浜野 裕

日本大学歯学部卒業後、日本大学歯学部の補綴学教室に勤務。1978年に第二浜野歯科医院を開院。1985年には医学博士を取得。日本補綴歯科学会日本顎咬合学会日本公衆衛生学会日本インプラント学会に所属。

今すぐ相談した方がいい理由とは

コンポジットレジンとは?

詰め物

コンポジットレジンとは、ベースレジンとフィラーという粉末を主成分としたプラスチック材料です。
さまざまな用途があり、歯科治療では欠かせない存在です。

用途別に解説していきます。

詰め物

コンポジットレジンの一番多い用途は、詰め物です。CR充填とも呼ばれ、虫歯を取り除くために歯を削った箇所にコンポジットレジンの液を充填し、専用の光を当て固めます。

従来は合金を詰めていましたが、金属アレルギーが起こったり見た目が悪かったりと、難点がありました。
しかし、コンポジットレジンの詰め物はプラスチック製のため、そのような難点が解消されます。

軽度の虫歯や狭い範囲の患部に適用される治療法で、重度の虫歯や広範囲にわたる患部には適用できませんので留意しておきましょう。

被せ物(レジン前装冠、CAD/CAM冠)

詰め物に次いで多い用途として、被せ物があります。その中でも2種類あり、レジン前装冠、CAD/CAM冠と呼ばれています。

レジン前装冠は、前歯に用いる被せ物です。保険適用での虫歯の被せ物は銀歯が主流でしたが、見た目が悪く、とくに前歯などの人目につきやすい箇所への使用は躊躇されるものでした。

しかし、コンポジットレジンを銀歯の表面に貼り付けることで、自然な歯に近づけることが可能となったのです。

CAD/CAM冠は、コンポジットレジンの塊を専用の機械で削り出して作る被せ物です。近年、銀歯に代わる保険適用の被せ物として注目されています。

矯正治療の装置

コンポジットレジンは、矯正治療の装置にも使用されています。主に、子供用の矯正装置や、矯正治療終了後の子供・大人用のリテーナー(保定装置)に使われています。

レジン床義歯(入れ歯)

コンポジットレジンは、入れ歯にも使われています。

レジン床義歯は、歯肉に触れる部分がコンポジットレジンで作られています。また、人工歯自体もコンポジットレジンで作られているものもあり、入れ歯治療でも重宝されている存在です。

コンポジットレジンのメリット5選

デメリット

こちらでは、コンポジットレジンの用途に多い詰め物・被せ物においてのメリット5選を紹介します。

歯を削る量が少ない

コンポジットレジンの詰め物の最大のメリットは、歯を削る量が少なくて済む点です。

合金を詰める従来の詰め物治療では、虫歯の部分だけでなく健康な歯も含む広範囲を削らなければなりませんでした。技工物の詰め物(インレー)の接着力や歯として使える強度を上げるためには、接着面積や深さなどを一定量しっかりと削って保つ必要があるためです。

しかし、コンポジットレジンの場合は直接充填するため、虫歯の部分のみを削れば治療ができるのです。

保険診療で受けられる

保険診療で治療を受けられるのも、大きなメリットです。

保険診療の詰め物や被せ物だと、合金や銀歯を思い浮かべる方が多いですが、現在はコンポジットレジンの詰め物やCAD/CAM冠を選択できます。

保険診療の中では審美性が高い

保険診療の中でも審美性が高いのもコンポジットレジンの特徴です。

プラスチックでできており歯に近い白色のため、合金や銀歯のように目立たず、見た目も悪くありません

短期間で治療ができる

コンポジットレジンの詰め物治療の場合、最短1日で終わります。そのため、通院頻度が少なくて済み、コストも抑えられます。

金属アレルギーが起こらない

コンポジットレジンには金属が一切使われていないため、金属アレルギーを起こす心配がありません。

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コンポジットレジンのデメリット3選

デメリット

コンポジットレジンの詰め物・被せ物には、強度が劣る、プラークがつきやすいなどのデメリットもあります。

順番に解説していきます。

やや強度が劣る

コンポジットレジンはプラスチックのため、金属に比べると強度はやや劣ります

食いしばりの癖があったり、奥歯などの噛む力が強い部分に使用するかどうかは、医師と相談して決めましょう。

プラークがつきやすい

コンポジットレジンは、表面に微細な凹凸があります。時間とともにコンポジットレジンの主成分であるフィラーが取れていくにつれ、この凹凸は徐々に大きくなってしまいます。

また、歯と詰め物の間のすき間も広がってしまうのです。

そのため、虫歯や歯周病のもととなるプラークがつきやすく、再び虫歯になってしまう可能性もあります。

日ごろの歯磨きなどを入念に行い、定期的に検診や歯のお掃除に行くなど、治療後も継続的なケアが必要です。

光沢感がない

コンポジットレジンは色が白く、保険診療の中では審美性が高いですが、光沢感はありません。ですので、のっぺりして少々不自然に感じる方もいるでしょう。

自然な感じの仕上がりにしたい方は、自由診療であるセラミックなどを検討しましょう。

コンポジットレジンにかかる費用は?

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コンポジットレジン治療は、保険診療で受けることが可能です。1本あたり、約1,500~2,000円で受けられます。

ただし、その他の施術や事前検査などは別途費用が加算されるので留意しておきましょう。

コンポジットレジンの治療の流れ

治療

本章では、コンポジットレジンの詰め物治療の流れを説明します。

検査

まずは、虫歯のひどさがどの程度か、虫歯のほかに悪い部分がないかなどを確認するため、検査を行います。

主にレントゲン検査や咬合関係、歯周組織の状態確認などを行います。

古い詰め物や虫歯を除去

古い詰め物や、虫歯を削ります。必要であれば局所麻酔をかけます。

コンポジットレジンを詰める

コンポジットレジンを充填し、専用の光で照射し固めます。痛みはありません。

仕上げ

コンポジットレジンがはみ出た部分を削ったり、自然な歯の形になるよう整えます。その後、ザラザラとした不快な舌触りにならないよう、しっかり研磨して仕上げます。

コンポジットレジンの症例

コンポジットレジンの症例

こちらは第二浜野歯科医院での症例です。医院によって仕上がりが異なりますのでご留意ください。

コンポジットレジンでよくある質問

質問

コンポジットレジンの詰め物についてよくある質問にお答えします。

コンポジットレジンの寿命はどの程度ですか?

一般的に2~3年と言われています。

2~3年経つと、修復部分の劣化が進み変色したり、場合によっては割れてしまうこともあります。

ただし、修復部分や噛む力の強さによって個人差があり、中には十数年経ってもほぼ劣化が見られない人もいます。

日ごろのケアでも寿命が延びる可能性もあるため、怠らないようにしましょう。

治療はどのくらいの期間かかりますか?

メリットでも挙げましたが、充填作業は1本であれば即日終わることがほとんどです。しかし、2本以上だったり、虫歯の程度によっては複数回の通院が必要になります。

ダイレクトボンディングとの違いは何ですか?

コンポジットレジンの素材がプラスチックなのに対し、ダイレクトボンディングの素材はセラミックです。

そのため、長持ちする、自然な歯の色に近づけられる、変色しにくい、欠けにくいなどの特徴があります。

ただし、ダイレクトボンディングは保険診療ではなく自由診療となりますので、注意しましょう。

コンポジットレジン治療ができないケースはありますか?

コンポジットレジンの治療が受けられないケースは、下記です。

  • 修復する面積が大きい

  • 歯の神経が死んでいる

  • 虫歯が広範囲に広がっている

  • 重度の虫歯である

上記の場合は、事前の根管治療やセラミックインレー、セラミッククラウンなど別の治療法が適切です。

コンポジットレジンは保険適用の詰め物・被せもの

今回は、コンポジットレジンは何か、メリットやデメリット、治療の流れなどを紹介しました。

コンポジットレジンは従来の銀歯などより審美性が高く、保険診療が受けられる詰め物・被せ物です。

しかし、ダイレクトボンディングなどの自由診療の治療に比べると審美性や耐久性は劣りますので、ご自身でメリット・デメリットをよく理解した上で治療にのぞみましょう。

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