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最終更新日:2025年4月22日

部分矯正のデメリットとは?全体矯正との違いや失敗のリスク・対策まで徹底解説!

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部分矯正をしたいと思っても、「失敗しない?」 「バランスは崩れない?」という点が気になりますよね。

部分矯正には魅力的な点もありますが、後悔しないためには、どのようなリスクがあり、どのような限界があるのかを知っておくことが重要です。

この記事では、部分矯正のデメリットや適応できない症例、注意点を解説します。

「上だけ・下だけ矯正のバランスは?」「口ゴボが悪化することってある?」といったリアルな疑問にも回答しますので、矯正を考えたい方はぜひ参考にしてください。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

部分矯正とは?全体矯正との違いと治療の範囲

部分矯正・全体矯正の違いとは?

部分矯正は、文字通り歯並び全体ではなく、気になる一部分だけをピンポイントで整える矯正治療法です。特に、「前歯のすき間が少し気になる」「軽い凹凸を治したい」といったニーズに応えられる場合があります。

部分矯正は「前歯だけ」・「上下どちらかだけ」を整える矯正

全体矯正は、奥歯まですべての歯を動かし、見た目の美しさはもちろん、歯がしっかりと噛み合う機能的なバランスまで整えることを目指す治療法です。

これに対して部分矯正は、「上の前歯だけ」「下の前歯のガタつきだけ」といった特定の箇所の見た目を改善することを目的としています。笑った時に見える前歯(真ん中の歯から数えて3番目の犬歯あたりまで)が主な対象です。

たとえば、以下のような比較的軽い歯並びの問題であれば、部分矯正が選択肢の一つになるかもしれません。

  • 前歯のわずかなデコボコ

  • 前歯のすき間

  • 歯の傾きが原因の軽い出っ歯や受け口

  • 以前矯正治療を受けた後、少し歯並びが戻ってしまった後戻り

使用される装置も目立ちにくいマウスピース型や、歯の表面に小さなブラケットをつけるワイヤー矯正など、いくつかの種類があります。

動かす歯の範囲が限定されているため、奥歯から動かす全体矯正と比べて治療に必要な期間が比較的短くなる傾向にあります。個人差はありますが、2ヶ月~1年程度で治療が終わるケースも多く、結婚式や就職活動といった目標時期までに見た目を整えたい場合には、検討しやすい方法と言えるでしょう。

治療期間が短いことや使用する装置が少ないことから、全体矯正よりも費用を抑えられる可能性がある点も、多くの方にとってメリットと感じられるようです。

全体矯正は「噛み合わせの改善」も可能だが、部分矯正ではできない

全体矯正は、すべての歯を動かすことを前提としています。そのため、歯列全体のバランスを考慮し、見た目の美しさはもちろん、機能的に正しい噛み合わせの確立を目指せます。

一方、部分矯正は、動かす歯が限定されているため、奥歯を含めた全体の「噛み合わせ」までは改善できません。

部分矯正のデメリット6選|やって後悔する前に確認を!

デメリット6選

部分矯正は、全体的な矯正治療に比べて期間が短く、費用も抑えられる可能性があるため、魅力的に映るかもしれません。

しかし、手軽に見える部分矯正にも、知っておくべきデメリットががあります。治療を始めてから「こんなはずではなかった…」と後悔しないためにも、事前に部分矯正のデメリットやリスクをしっかり理解しておきましょう。

①全体バランスを無視した治療計画は噛み合わせのバランスが崩れることがある

部分矯正は「前歯だけ」「上の歯だけ」など一部に限定して行う治療法です。しかし、私たちの歯はそれぞれが独立しているわけではありません。

上下左右の歯が互いに影響し合い、「噛み合わせ」というバランスを保っています。歯並びを整える上で大切なのは、上下の歯がしっかりと噛み合い、顎関節や筋肉に負担がかからない機能的な位置関係を築くことです。

この全体の調和を考慮せずに一部の歯だけを動かすと、予期せぬ問題が生じる可能性がある点がデメリットとして挙げられます。

たとえば、上の歯だけを動かすと、噛み合わせにズレが出たり、顔の左右差が強調されることも。

また、以前は問題なかった歯だけが強く当たる、逆に全く噛み合わない部分ができる、顎関節が痛むといったことが起こる可能性があります。

②スペース不足での無理な治療は口ゴボやEラインへ悪影響を与えることがある

部分矯正は抜歯をせずに行うことが多い傾向にあります。

もし、歯が並ぶスペースがあごの大きさに対して明らかに不足している状態で、無理に前歯のガタつきだけを解消しようとすると、歯列全体が前方に押し出され、口元が以前より突出してしまうことが。

見た目の改善を期待したのに、かえって口ゴボが強調されたり、Eラインから唇がはみ出したりするリスクがあります。特にもともと口元が出ている傾向のある方は、慎重な判断が必要です。

③適応できる症例が限られている

部分矯正の対象となるのは、歯並びのズレが軽度で、噛み合わせに大きな問題がないケースが中心。

以下のような場合は部分矯正が難しいことが多いです。

  • 奥歯の噛み合わせに大きなズレがある

  • 歯を並べるスペースが著しく不足している

  • あごの骨格にズレがある

部分矯正は、あくまで「気になる部分」の見た目をピンポイントで改善する治療法であり、全体の機能や骨格とのバランスまで考慮した設計ではありません。

本来、全体治療が必要な方が無理に部分矯正を選ぶと、長期的に見て噛み合わせの不具合や後戻りのリスクが高まる可能性があります。

「誰でも前歯だけ矯正できる」というわけではないことを理解しておきましょう。

④歯を削らなければいけないケースもある

歯がきれいに並ぶためのスペースを確保するために、歯の側面をわずかに削る処置が必要になることがあります。

これは「IPR」や「ディスキング」、「ストリッピング」などと呼ばれる処置で、部分矯正を検討する際に知っておくべき処置の一つです。削る量は歯の一番外側にある硬いエナメル質の範囲内(片側最大0.25mm程度)で行われ、健康に影響は少ないとされています。

しかし、処置中や処置後に一時的に歯がしみたり、知覚過敏が出たりする可能性はゼロではありません。

ただし、すべての部分矯正で必ず行われるわけではなく、必要性は歯並びの状態や治療計画によって異なります。大きなリスクではありませんが、「歯を削ること」に抵抗がある人には注意点となります。

⑤出っ歯や歯の傾きが悪化することがある

口の中では全ての歯が互いに影響し合っています。スペース不足の状態で無理に歯を並べようとすると、歯列全体が前方に押し出され、出っ歯が悪化することがあります。

また、一部の歯だけに力を加えることで隣接する歯が予期せぬ方向に傾いてしまう可能性も考えられます。

全体のバランスを考慮せずに歯を動かすと、意図せず奥歯を含む噛み合わせに影響を与えるケースもあるということを念頭に置いておきましょう。

⑦結局、全体矯正が必要になることもある

部分矯正はあくまで「見た目の一部を整えるための治療」です。前歯のすきっ歯や軽度のガタつきなどには向いていますが、歯並びや噛み合わせ全体に問題がある場合には「根本的な解決」にはなりません。

たとえば、「見た目はきれいになったけど、噛みづらい」「後戻りしてしまった」「左右の歯の高さがずれている」などの問題が後から出てくることも。

その結果、一度は部分矯正で整えたものの、「やっぱり全体矯正をやり直すことになった」というケースも少なくありません。

時間もお金も二重にかかってしまうため、最初から全体的な診断を受けて、自分に合った治療方針を選ぶことが大切です。

部分矯正で失敗しないための3つのチェックポイント

マウスピース矯正 ポイント3つ

部分矯正のデメリットを理解した上で、後悔しない部分矯正を行うためには、3つのポイントを確認する必要があります。

①安さだけで選ばず、精密検査を受けて詳細な治療計画を立てる

「10万円で部分矯正できる」と聞くと、つい飛びつきたくなりますが、費用や期間の手軽さだけで部分矯正を選ぶのは危険です。

見た目には問題なさそうでも、歯根の状態や顎の骨格、全体の噛み合わせなど、精密検査をしなければ分からない要素が多くあります。

まずは“レントゲン撮影(パノラマ、セファロ)、歯型の採取、口腔内写真・顔貌写真などの精密検査を受けて、部分矯正が本当に適しているか見極めることが大切です。

また、簡易的なカウンセリングだけで契約してしまうと、治療開始後に「やっぱり全体矯正が必要」となり、時間も費用も余計にかかる可能性も。

安価なプランに飛びつく前に、検査体制、治療計画の具体性、説明の丁寧さなどを確認し、納得できるまで歯科医師と話し合いましょう。

②見た目だけでなく噛み合わせまで診てもらう

部分矯正では前歯など見える部分の変化に意識が向きがちですが、噛み合わせや歯の機能面もしっかり確認してもらいましょう。

「きれいに見えるけど噛めない」「ズレが気になる」などのトラブルは、噛み合わせを軽視した治療が原因になることも。

「前歯だけきれいにしたい」という希望であっても、奥歯を含めた全体のバランスやあごの動きまで考慮した診査・診断が必要です。治療前に必ず噛み合わせに関する説明も受け、納得した上で治療に進みましょう。

③後戻りを防ぐため、保定装置(リテーナー)まで含めて確認する

部分矯正で歯並びが整っても、治療は終わりではありません。矯正後は動かした歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために、「保定装置」を使用する保定期間に移行します。

矯正装置は一般的に、矯正治療にかかった期間と同じか、それ以上の期間が必要とされます。部分矯正を検討する際には、歯を動かす期間や費用だけでなく、以下の点も必ず確認しましょう。

  • 保定期間の目安

  • リテーナーの種類(マウスピースタイプ、固定式ワイヤーなど)

  • リテーナーに関する費用(治療費に含まれるか別途か)

  • 保定期間中の通院頻度

これらの確認を怠ると、後々の不満やリテーナー使用を怠ることによる後戻り、最悪の場合、再矯正につながりかねません。治療計画の初期段階で、保定まで含めた全体像を理解することが大切です。

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✅精密検査と詳細な治療計画は当たり前!Oh my teethでは、3D歯型スキャンやレントゲン撮影に基づき、歯科医師があなたの歯並び、噛み合わせ、あごの状態を正確に診断 。部分矯正が最適かしっかり見極め、一人ひとりに合わせた治療計画を立案します。「安さ」だけでなく「質」を重視し、納得いくまでご説明します。

✅見た目と機能性(噛み合わせ)の両立を目指します! 前歯の見た目だけじゃない。Oh my teethは、矯正後の噛み合わせや歯全体のバランスも考慮した治療計画を重視しています。歯科医師が診査・診断を行うので、「見た目はきれいだけど、噛みにくい…」といった後悔を防ぎます。

✅ゴールは「きれいな歯並びの維持」。保定期間までしっかりサポート!歯を動かしたら終わり、ではありません。 Oh my teethのプランには、後戻りを防ぐためのリテーナーが含まれています

あなたの歯並びのお悩み、Oh my teethが解決できるか、ぜひチェックしてみてください。

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部分矯正が向いている人・おすすめできるケース

部分矯正にはメリットだけでなく注意点もありますが、それを踏まえた上で、どのような場合に部分矯正が選択肢となり得るのでしょうか。具体的なケースをいくつかご紹介します。

見た目の前歯を短期間で整えたい人

部分矯正は全体の噛み合わせに大きな問題がなく、動かす歯が少なければ2ヶ月~1年程度の期間で治療が終わる可能性があります。

そのため、「結婚式までに前歯の隙間をなくしたい」「面接に向けて、少しガタついた前歯をきれいに見せたい」など、気になる部分だけを早く整えたい場合に選択肢の一つになります。

すでに矯正経験があり、部分的に後戻りした人

過去に矯正治療を受けたものの、保定装置の使用が十分でなかったなどの理由で、前歯などに少し「後戻り」が見られるケースです。このような場合に、もう一度、全体矯正をするのではなく、部分矯正で対応できる場合があります。

歯科医師と相談し、噛み合わせや骨格に問題がないと診断された人

見た目では前歯だけの問題のように思えても、原因が奥歯や骨格にあるケースもあります。その場合に部分矯正を行うと、噛み合わせが悪くなったり、後戻りしたりする可能性が出てきます。

レントゲンやCT、歯型模型、お口や顔の写真、問診などを通して、歯科医師が総合的に「部分矯正で対応できる」と判断した場合に部分矯正は良い選択肢となるでしょう。ご自身で判断せず、まずは専門家である歯科医師の診断を受けてください。

診断には通常、検査費用がかかることが一般的ですが、気軽に相談できる無料診断を提供しているクリニックもあります。

たとえば、マウスピース矯正Oh my teethは、矯正相談や精密検査、診断を無料で行っています。まずはこういったサービスを利用して、ご自身の歯並びの状態を確認してみてください。

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部分矯正が向かない人

一方で、以下のようなケースは、デメリットがメリットを上回る可能性が高いです。

  • 噛み合わせ全体に問題がある方

  • 歯を大きく動かす必要がある方

  • 骨格的な問題が原因の歯並びの方

  • 重度の虫歯や歯周病がある方

これらのケースに該当する場合は、安易に部分矯正を選ばず、全体矯正や他の適切な治療法について歯科医師と相談しましょう。

デメリットも理解して後悔のない部分矯正を

部分矯正には魅力的な面がある一方で、注意すべき点や限界も存在します。「手軽そうだから」という理由だけで安易に治療を選択すると、思っていた結果と異なり、後悔につながることも。

納得のいく治療を受けるためには、まず、部分矯正で「できること」と「できないこと」をきちんと理解しておくことが大切です。

信頼できると感じる歯科医師とよく話し合い、十分納得した上で、ご自身にとってより良い治療法を選んでください。

部分矯正 デメリット CTA③

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