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歯科矯正
最終更新日:2023年12月15日

歯並びが悪い原因とリスクを解説!あなたの歯並びはどの種類?

歯並びが悪い原因とリスクを解説!あなたの歯並びはどの種類?

「自分っての歯並びが悪いかも」と気になっていませんか?当記事では、出っ歯・受け口・すきっ歯などの悪い歯並びの種類や放置するリスクを分かりやすく解説。合わせて治療法やこれ以上悪化させないための予防法をまとめています。歯並びでお悩みの方は必見です。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

「鏡や写真で歯並びをみると何だか気になる」「自分の歯並びって悪いのかな?」

このように自分の歯並びについて、悩み・不満を感じていませんか?

本記事では、出っ歯や受け口などの悪い歯並びの種類や、歯並びが悪くなる原因について分かりやすく解説。図解もあるので、あなたの歯並びが本当に悪いのか照らし合わせながらご覧ください。

また悪い歯並びを放置するリスクや治療法・予防法などもまとめています。今以上に歯並びを悪くしたくない方も必見です。

あなたの歯並びの悪さの原因や適した治療方法は、詳しく検査しないとわかりません。 マウスピース矯正 Oh my teethの無料診断は、歯科医師による口腔内診査・3D歯型スキャン・レントゲン撮影が無料です。あなたの今の歯並びのお悩みをヒアリングした上で、最適な治療方法をご提案しますので、まずはお気軽にご予約ください。

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【歯並びが悪い(不正咬合)7種類】あなたはどれ?

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

歯の位置やあごの大きさ、上下の噛み合わせなどに乱れが生じている悪い歯並びを、専門用語で「不正咬合(ふせいこうごう)」と言います。

ここからは7つの不正咬合と、それぞれの特徴・原因を解説します。あなたの歯並びがどの不正咬合なのか、鏡を見ながらチェックしていきましょう。

【不正咬合の種類】
  • 上顎前突(出っ歯)

  • 下顎前突(受け口)

  • 空隙歯列(すきっ歯)

  • 過蓋咬合(深い噛み合わせ)

  • 交叉咬合(一部反対の噛み合わせ)

  • 叢生(八重歯などのガタガタの)

  • 開咬(上下の前歯が噛み合わない)

上顎前突(出っ歯)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

上顎前突(出っ歯)とは、上の前歯が前に突出している状態のことです。上顎前突(出っ歯)には、歯自体が前に出っぱっているものと、上顎全体が前に出ている骨格性のものがあります。

そして横から見たときに、口元がゴボっと前に突き出たような状態(いわゆる口ゴボ)になっていることも。

出っ歯の原因には、生まれつきの歯の大きさによるもの、上あごの骨の過成長や下あごの劣成長などがあります。後天的な原因では、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などもあげられます。

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下顎前突(受け口)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

下顎前突(受け口)とは、下あごが上あごより前に出ている状態です。

正常な骨格は下あごよりも上あごが前に出ている状態のため、それが逆になっているこの不正咬合は、「反対咬合」とも呼ばれます。

受け口は、生まれつきのあごの発育不全などによって、上あごよりも下あごが大きくなってしまったときに起こることが多いです。

また、子どもの頃から舌癖(舌で前歯を押す癖)があると、骨格に異常がなくても歯が前に押し出されてしまい、成長と共に受け口になってしまうことがあります。

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空隙歯列(すきっ歯)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

空隙歯列(すきっ歯)は歯と歯の間に隙間が空いている歯並びのことです。生まれつき歯の本数が少なかったり(先天性欠如歯)、成長の段階で歯を失ってしまったりすることがあります。

また「歯とあごの骨とのバランスの悪さ」や、「舌で歯を前に押し出す癖」が原因になることもあります。

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過蓋咬合(深い噛み合わせ)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上下の歯を噛み合わせたときに、下の歯が上の歯に隠れてほぼ見えない状態の不正咬合のことです。

嚙み合わせが深いことから「ディープバイト」と呼ばれることもあります。

上あごよりも下あごが大きく後方にあるときに起こり、出っ歯を併発している場合も。

また、乳歯の虫歯などで早期に奥歯を失い、永久歯が十分に生えないと、噛み合わせが深くなることもあります。

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交叉咬合(一部反対の噛み合わせ)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

交叉咬合とは、一部分が反対の噛み合わせになっている不正咬合のことで、別名「クロスバイト」と呼びます。

生まれつきのあごの大きさのアンバランスや、舌癖(舌を前歯に押し付ける癖)などが原因です。

子どもの頃の交叉咬合は、奥歯の噛み合わせが横にズレていることで引き起こされているケースが多いです。

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叢生(八重歯などのガタガタ)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

ガタガタの歯並びは、歯と歯が部分的に重なっている状態で、「叢生(そうせい)」や「乱ぐい歯」とも呼ばれる不正咬合です。いわゆる八重歯もこの叢生の一種です。

厚生労働省の調査によると、日本人の不正咬合のうち4割以上が叢生というデータもあります。

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

画像出典元:e-ヘルスネット

叢生は基本的に、歯が生えるスペースが足りないことで起こることが多いです。例えばあごのスペースに対して歯が大きすぎたり、歯の大きさに対してあごのスペースが小さいなどです。

また、指しゃぶりや舌で歯を押す癖などによって、部分的に歯並びが悪くなってしまうこともあります。

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開咬(上下の前歯が噛み合わない)

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに、上下の前歯が噛み合わない不正咬合のことです。

下あごの発育不全や、あごの成長期における指しゃぶりや口呼吸、舌を前に出す癖などで起こります。

以下の記事では歯並びが悪くなる癖について解説しています。あわせて参考にしてください。

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【歯並びが悪い原因】15選

【歯並びが悪い原因】15選

歯並びが悪くなる原因とには、生まれつきの歯の本数やあごの大きさとのバランス、無意識に行っている習慣などがあります。

頬杖

頬杖をつくと、あごの関節や骨に強い力がかかるため、歯並びや噛み合わせに影響が出ると言われています。

同じ側でばかり頬杖をついてしまうと、歯並びはもちろん、左右の顔のバランスも損なわれる可能性があるので注意が必要です。

一例を挙げると、ペンのお尻を頬に当てるのが癖になっていたユーザーさんは、ちょうどその箇所の歯が内側に入っているケースがありました。断続的に力がかかり続けると、歯は動いてしまいます。

噛み癖

食べ物を噛むときの癖は、歯並びが悪くなる原因になり得ます。

片方の歯ばかりで噛んでいると、力の加わり方がアンバランスになり、歯並びが悪くなったり、あごの歪みにつながったりします。

また、虫歯や歯周病で痛みがある場合、痛くない方の歯で噛んでしまう癖がある人もいるでしょう。治療で痛みを取り除き、左右均等に噛めるようにすることは、歯並びを維持する上で重要です。

爪を噛む癖

爪を噛む癖は、子どもに多いと思われがちですが、大人になっても癖がなおらずに噛んでしまう人がいます。

固い爪を噛むと、歯に強い力がかかり、歯並びが乱れる原因になってしまいます。

食いしばり・歯ぎしり

食いしばりや歯ぎしりは、歯に強い力がかかるため、歯並びが悪くなる癖の一つです。

就寝中に無意識のまま食いしばり・歯ぎしりを行ってしまう方も多く、毎日続けると「歯がすり減る」「動く原因になる」ため注意が必要です。

柔らかいものばかり食べる

柔らかいものばかり食べていると、あごの成長・発達が損なわれてしまう原因になります。その結果あごが小さくなると、歯が正常に並べずに歯並びが悪くなる恐れがあります。

口呼吸

口呼吸は、口が開いた状態が長く続きやすく、舌やあごの位置が下がります。正しい位置に舌やあごがないと、口周りの筋肉のバランスが崩れ(舌の圧力よりも頬の圧力が優位になり)、歯並びが悪くなる原因になってしまいます。

また、口呼吸は歯並び以外にも虫歯や風邪のリスクを高めたり、口臭の原因になったりすることもあるので注意しましょう。

舌癖

無意識に行っている舌の癖は、歯並びを悪くする原因になり得ます。

正しい舌の位置は、前歯の付け根の少し盛り上がった「スポット」と言われる場所についている状態ですが、舌癖があると、舌で前歯を押し出してしまうことに。

よって、舌癖が習慣になってしまうと、歯に力が加わり歯並びを悪くすることがあります。

虫歯・歯周病

虫歯や歯周病によって歯が欠けたり抜けたりしている場合、周辺の歯の生え方や歯並びに影響することがあります。

また、歯周病により歯を支えている骨が溶かされると、歯並びが不安定になり、歯並びの乱れにつながることもあります。

親知らず

親知らずは、10代後半以降、あごの成長が完了した後に生えてくるため、正常に生えてくるスペースがないことが多いです。スペースがないと、ほかの歯を圧迫したり、横向きに生えたりして、歯並びに悪い影響を与えることがあります。

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歯科治療の中断

歯科治療を中断した歯は、うまく噛むことができず、周囲の歯に負担をかけるため、歯並びに悪影響を及ぼします。

抜歯した歯を放置しておく場合も同様です。抜歯で空いたスペースに周辺の歯が倒れてきて、噛み合わせが乱れることもあります。

歯科治療は自身の判断で中断せず、完了することが重要です。

加齢による口まわりの筋力の低下

加齢とともに起こる筋力低下は、腕や脚だけではなく、口周りの筋肉でも起こり得ます。

口まわりや舌の筋力が低下すると、舌の位置が下がり下の前歯を押してしまったり、食べ物を飲み込む際に舌で上の前歯を押してしまったりする原因に。その結果歯に不要な力が加わり、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。

生まれつき歯が多い・少ない

生まれつき歯が多く、きれいに並ぶスペースが確保できずガタガタの歯並びになることも。通常乳歯は20本、永久歯は28〜32本ですが、それよりも多く生えてきた歯のことを「過剰歯(かじょうし)」と言います。

過剰歯の生え方によっては、ガタガタの歯並びになることに加えて、歯の根っこが溶けてしまうトラブルを引き起こすこともあります。

また、生まれつき歯が少ないのも、歯並びが悪くなる原因に。具体的にはすきっ歯につながったり、片側の歯のみ少ないことで正中(上下のあごそれぞれの真ん中のライン)がずれたりします。

専門的には「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」といい、10人に1人の割合で起こる身近な現象です。

参照:日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査

生まれつき歯がない現象に関しては、以下の記事もあわせて参考にしてください。

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生まれつき歯が大きい・小さい

歯並びが悪くなる主な原因は、あごのスペース不足です。たとえば生まれつき1本1本の歯が大きすぎると、歯列がきれいに並ぶスペースが確保できず、ガタガタの並びになってしまいます

逆に1本1本の歯が小さすぎるのも問題です。あごにスペースが余ってしまい、すきっ歯に繋がります。

歯の大きさが歯列に与える影響に関しては、以下の記事もあわせて参考にしてみてくださいね。

大人の歯並びが悪くなる癖や原因の多くは、子どもにも当てはまります。ただ、以項のような子どもの頃特有の癖が原因で、歯並びが悪くなるケースもあります。

指しゃぶり・おしゃぶり

指やおしゃぶりを吸うことで上あごへ力がかかり、出っ歯や上下の噛み合わせが合わない「開咬」といった症状が出ることがあります。

なぜなら「吸う」という行為によって口腔内の圧力が高まり、これを長期間続けることで歯にも圧力がかかり続けるからです。

指しゃぶりやおしゃぶりを吸うことは、3歳くらいまでは歯並びに大きな影響を与えないと言われています。

ただ「3歳を過ぎたのに1日6時間以上指しゃぶりをしている」といった場合は、一度小児歯科クリニックに相談してみましょう。

乳歯の虫歯

「乳歯は永久歯に生え変わるから、虫歯を放置してもいい」と考えがちですが、それは大きな間違いです。乳歯の虫歯は永久歯の歯並びに影響を及ぼすからです。

虫歯による痛みで片側だけで噛んでいると、骨やあごの成長を妨げ、歯並びが悪くなる原因に。また、乳歯の虫歯を治療せず早期に失ってしまった場合、次に生えてくる永久歯の生え方にも悪影響を及ぼします。

乳歯の虫歯は放置せず、しっかりと治療してあげましょう。

悪い歯並びを放置する6つのリスク

悪い歯並びを放置する6つのリスク

悪い歯並びを放置すると、以下のようなリスクを生み出してしまいます。

悪い歯並びを放置するリスク
  • 咀嚼不足で胃腸へ負担がかかる

  • 口臭・虫歯・歯周病になりやすい

  • 発音に支障をきたす

  • 口呼吸でドライマウスになる

  • 見た目のコンプレックスにつながる

  • 頭痛や肩こりの原因になる

咀嚼不足で胃腸へ負担がかかる

歯並びがガタガタしていると、食事の際にうまく咀嚼できず、胃腸に負担がかかることがあります。

特に前歯が噛み合わない開咬は、麺類などを前歯で噛み切るのが困難で、細かく嚙み砕けなくなり、唾液が出にくくなります

「食物の大きさ」と「消化に大きな役割を果たす唾液」の2点が正常に働いていないと、胃腸に負担をかける原因になってしまいます。

マウスピース矯正Oh my teethユーザーの中にも、「ラーメンなどの麺類を食べるときに、上下不揃いの歯並びだったため、舌と上の歯の裏の部分ですりつぶすようにして切って食べていました」と、矯正開始前に咀嚼しづらさを感じていた人がいらっしゃいます。

下記の症例のユーザーです。

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説
  • 年代・性別:20代後半男性

  • 総額:33万円 (税込)

  • 期間:2ヶ月

  • 備考:非抜歯/部分矯正/研磨処置込

口臭・虫歯・歯周病になりやすい

特に叢生などでは、歯と歯が重なり合った部分に食べかすが溜まりやすく、歯磨きしても汚れが残りやすいです。

また、歯と歯がぴったりと重なり合っているケースでは、セルフケアが難しいだけでなく、クリニックでのクリーニングも難しくなることがあります。

これらのことから、歯並びの悪さは口臭・虫歯・歯周病のリスクを高めてしまいます。

実は筆者もマウスピース矯正経験者ですが、矯正前にガタつきが強い箇所が「虫歯になりかけている」と歯科医院で指摘されたことがあります。

▼筆者のマウスピース矯正前後の歯型(上顎)です。白い点線で囲った部分が虫歯になりかけていると言われた箇所です。

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説
  • 年代・性別:30代前半女性

  • 総額:33万円 (税込)

  • 期間:7ヶ月

  • 備考:非抜歯/部分矯正/研磨処置込

下記の症例のマウスピース矯正 Oh my teethユーザーも、歯医者に行くたびにガタガタしている部分の歯磨き指導をされて、気になっていたそうです。

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説
  • 年代・性別:40代前半女性

  • 総額:66万円 (税込)

  • 期間:12ヶ月

  • 備考:非抜歯/全体矯正/研磨処置込

発音に支障をきたす

すきっ歯の場合、歯と歯の間の隙間から息が漏れて、発音が不明瞭になることがあります。特に「サ」行が言いにくいでしょう。

すきっ歯以外でも、歯並びのガタつきが原因で舌の動きに制限がかかり、発音がはっきりしないことがあります。

口呼吸でドライマウスになる

特に開咬・上顎前突・下顎前突などでは、口を閉じられず口呼吸になり、ドライマウスとなってしまう場合があります。ドライマウスは口臭や歯周病を悪化させる原因の一つです。

唾液には自浄作用があり、口腔内で細菌が増えるのを防ぐはたらきを持ちますが、ドライマウスになると唾液の循環が悪くなります。

また口呼吸自体が、歯並びにさらに良くない影響を与えてしまうこともあるので注意が必要です。

見た目のコンプレックスにつながる

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

歯並びが悪いことで、「人前で思いきり笑えない」「話すときに口元に手で隠してしまう」など、人とのコミュニケーション面で支障が出るケースがあります。

周囲からの歯並びに対する何気ない指摘が大きなコンプレックスにつながったり、それがきっかけで横顔のラインが過度に気になったりすることもあるでしょう。

以下の症例のマウスピース矯正 Oh my teethユーザーも、大学時代の写真を見返したときに前歯の並びが気になり、「もう少し歯並びがきれいだったらいい笑顔なのにな」と思っていたそうです。

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説
  • 年代・性別:20代前半男性

  • 総額:33万円 (税込)

  • 期間:3ヶ月

  • 備考:非抜歯/部分矯正/研磨処置込

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頭痛や肩こりの原因になる

歯並びの悪さで噛み合わせが崩れていると、頭痛や肩こりの原因になります。

まず、噛み合わせの悪さは顎関節周囲の過度の緊張につながります。顎関節周囲の過度の緊張は血行不良につながり、顎の周りの痛みを引き起こすことも。

さらに、悪い歯並びを放置しているとあごだけでなく肩や首周りの筋肉の緊張も招くことで肩こり・頭痛の原因になってしまいます。

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歯並びが悪い場合で日常生活に支障をきたす場合は要相談

歯並びが悪い場合で日常生活に支障をきたす場合は要相談

歯並びが悪いことが原因で日常生活に支障をきたしている場合は、クリニックに一度相談に行くことをおすすめします。なぜなら、虫歯や歯周病などのリスクが高まり、早期に歯を失ってしまう可能性があるからです。

歯の健康は生活の質(QOL)に大きく関わります。将来「もっと歯の健康に気をつかっておけばよかった」とならないためにも、以下のような状態になっている場合は、クリニックに相談しましょう

クリニックに相談する基準
  • 歯磨きがしにくい

  • 噛み合わせに不具合がある

  • 食事がしづらい

  • しゃべりにくい

  • 見た目が気になって積極的になれない

上記はあくまでも目安ですが、いずれも歯並びの悪さが日常生活に支障をきたすレベルと言えます。

特に歯磨きがしにくく磨き残しが発生していると、それが原因でいつの間にか歯周病に発展していることも。

歯周病は自覚症状がないまま進む怖い病気です。「歯茎から血が出る」「歯がぐらつく」と言った症状が出る頃にはすでに進行していることも多いため、早めに歯科医院で相談してみてください。

また、歯並びが悪いことで人とのコミュニケーションで影響が出ているのも放置できません。「人からの印象が気になって口元を隠してしまう」といった悩みがあるなら、歯科矯正などの治療法を検討してみましょう。

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「歯並びが悪くなる原因」の部分で紹介した通り、歯並びが悪くなる原因には生まれつきの特徴もありますが、日々の習慣も大きく関係しています。

日々の悪い習慣を「悪習癖(あくしゅうへき)」といい、やめることで歯並びが悪くなるのを予防することにつながります

特にあごの成長期にある子供の歯並びの悪化を防ぐには、ここで紹介する方法をぜひ参考にしてみてください。

【歯並びの悪化を予防する方法】
  • 口呼吸をやめる

  • 指しゃぶりをやめる

  • 仰向けで寝る

  • 頬杖をつかない

  • 爪噛みをやめる

  • 噛みごたえのあるものを食べる

  • 歯科治療を中断しない

  • 正しい舌の位置を知る

口呼吸をやめる

常に口がポカンと空いていて口呼吸になっていると、歯並びが悪くなる恐れがあります。

歯並びは頬側からかかる力(内側へ押す力)と舌からかかる力(外側へ押す力)によって保たれていますが口呼吸になるとそのバランスが崩れるためです。

指しゃぶりをやめる

子どもの年齢が4歳を越えている場合は、指しゃぶりをやめるように促しましょう。指しゃぶりは3歳頃までは本能によるものなので心配はありません。

しかし、4歳を過ぎてからは、力が歯を支える骨に継続的にかかるため、徐々に歯並びが悪化する原因に。

具体的には、歯列が狭くなったり、上顎の前歯が前に出たり、上下の前歯が噛み合わなくなったりします。

仰向けで寝る

横向き寝やうつ伏せ寝を行うと、歯やあごの骨に負荷がかかるので、歯並びが悪くなり得ます

自分に合った高さの枕を選んだり、寝返りを打ちやすいマットレスを敷くなど、なるべく仰向けで寝られるような就寝環境を整えましょう。

頬杖をつかない

頬杖をつくと、歯や顎の骨に負荷がかかります。成長期ではあごの変形につながり、成人では顎関節症の原因にもなります。

爪噛みをやめる

硬い爪をずっと噛んでいると、歯やあごの骨に相応の負荷がかかります。出っ歯や開咬(噛み合わせた時に前歯が噛み合わない状態)の原因になったり、前歯の歯の根が短くなったりするリスクもあります。

噛みごたえのあるものを食べる

成長期にしっかり噛む習慣がついていると、あごの発達を促せます。よく噛むとあご周りの筋肉に刺激が伝わり、あごの骨の成長につながるからです。あごの発達を促せると、歯がきれいに並ぶスペースを確保できるため、歯並びが悪くなるのを予防できます。

歯科治療を中断しない

歯の欠けや歯が抜けたまま放置していると、空いたスペースに周囲の歯が倒れ込み全体の歯並びが崩れる原因になり得ます。虫歯治療も途中でやめることで悪化し、歯が抜け落ちてしまうリスクがあるので、最後まで治療を中断しないようにしましょう。

特に歯周病は、軽度の状態だと自覚症状がないまま進行します。進行すると歯を残せなくなることもあり、歯並びにも影響が出るので、定期検診を受けることも大切です。

正しい舌の位置を知る

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

上のイラストは上顎の裏側を表したものです。舌がリラックスした状態で、舌先が赤丸部分にあるのが正しい位置「スポット」といいます。

正しい舌の位置は、上あごに舌が触れ、舌先がスポットに収まります。舌で歯を押す癖をやめ、正しいポジションに常に収まっている状態をキープできると、歯並びの悪化を防げるでしょう。

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舌のトレーニング「あいうべ体操」

あいうべ体操は、福岡県のみらいクリニック 今井一彰院長が考案した舌のトレーニングで、舌を正しい位置に引き下げることを目的としています。

やり方は、大きく「あ」「い」「う」と口を動かし「べ」で舌を思い切り下に伸ばします。これを1セットとし、食後10セット、1日合計30セット続けます。

継続することで、舌の筋力がつき、舌が正しいポジションに収まるようになるでしょう。

参照: あいうべ体操 | 福岡のみらいクリニック

歯並びが悪いのを治す方法

歯並びが悪いのを治す方法

悪くなってしまった歯並びは自分で治せないため、歯科矯正が必要です。歯並びは一人ひとり異なり、悪くなる原因もさまざまです。

歯科矯正には、ワイヤー矯正、マウスピース矯正があり、MFT(口腔筋機能療法)によって、お口の筋力を整えることも大切です。

ここでは、それぞれの治療方法とメリット・デメリットを紹介します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とはブラケットとワイヤーと呼ばれる器具を歯に装着し、適切な力を加えて歯を動かす矯正方法です。費用は状態によって異なりますが、全体矯正の場合60万〜170万円が目安。

ワイヤー矯正のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • あらゆる不正咬合に対応できる

  • 発音に影響しにくい(表側矯正の場合)

  • 費用が比較的安い(表側矯正の場合)

ワイヤー矯正は、あらゆる不正咬合に対応できるため、外科的処置が必要な難しい症例などでも活躍しています。裏側矯正は歯科医師の技術力や豊富な経験が必要なため費用は高額な設定です。症例にもよりますが、表側矯正であれば期間や費用を抑えられます。

デメリット

  • 矯正装置が目立つ(表側矯正の場合)

  • 装置が当たって痛むことがある

  • ブラッシングや歯磨きがしにくい

ワイヤー矯正のデメリットには、見た目に影響したり、ブラッシングがしにくかったりと日常生活に影響する点があります。

そしてブラケットやワイヤーの先が粘膜に当たって、痛みが出る場合があることも覚えておきましょう。

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マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の矯正装置を歯に装着して少しずつ歯を動かす矯正方法です。費用は歯並びの状態によっても異なりますが、全体矯正の場合60万〜100万円が目安。

マウスピース矯正のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 装置が目立たない

  • 取り外して食事・ブラッシングできる

  • 痛みが比較的少ない

マウスピース矯正は着脱できる透明のマウスピースを使用するため、見た目に影響しません。また、矯正治療特有の食事や痛みのストレスも比較的減らすことができます

デメリット

  • 難症例が苦手

  • 1日20時間以上装着しなければならない

  • 装着中は飲食できない

マウスピース矯正は着脱できますが、食事以外(1日20時間以上)はマウスピースの装着が必要です。

マウスピース装着を継続することで歯を少しずつ動かすため、つけ忘れや紛失など自己管理に不安がある方にはおすすめできません

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以下はマウスピース矯正 Oh my teethの症例です。

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説
  • 年代・性別:30代女性

  • 総額:33万円 (税込)

  • 期間:3ヶ月

  • 備考:非抜歯/部分矯正/研磨処置込

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MFT(口腔筋機能療法)

歯並びが悪くなる原因には口周りの癖があると紹介しましたが、これを取り除くために行うトレーニングがMFT(口腔機能療法)です。

舌や唇などの筋肉の機能改善をはかったり、いつも唇と舌が正しい位置になるように促します

費用は歯科医院によって異なりますが、調べたところ、30分のトレーニングで5,500円程度としているところが多くありました。

矯正装置を使った矯正と並行する場合、MFTの費用が矯正費用に含まれるクリニックもあります。

MFT(口腔機能療法)のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 舌が正しい位置になり口呼吸が改善する

  • 成長期に行うことで歯並びが悪くなるのを予防できる

  • 矯正後の後戻りが防げる

  • 矯正の難易度を下げ、結果費用や期間を抑えられる

口周りの筋力の低下が原因で歯並びが悪くなっている場合、成長期であればMFT(口腔機能療法)を継続することで、骨と筋肉のバランスが整いあごの成長を促せるため、歯が正しい位置に動きます。

成長期が終わっている場合、あごの拡大や抑制はできませんが、矯正中にMFT(口腔機能療法)を取り入れることで、口周りの筋肉のバランスが整うことが矯正力となり、結果として矯正の費用や期間を抑えられます

また、矯正後の後戻りの防止として矯正治療のメニューにMFTを含む場合もありますが、必ずしも全員が対象となるわけではありません。

デメリット

  • 成人はMFT(口腔機能療法)だけでは歯並びは治らない

  • 継続しないと効果が出ない

  • 習慣化するのが難しい

成人は顎の成長が終わっているため、MFT(口腔機能療法)だけで歯を動かすことは難しいです。また成長期の子供の場合でも、半年以上、毎日継続することが望ましいため、子どもだけでトレーニングを習慣化するのは難しく、保護者の協力が必要です。

口周りの筋肉のトレーニングは、アンチエイジングにもつながるため、親子で一緒に楽しみながら取り組んでみてくださいね。

歯並びが悪いのを改善するクリニックの選び方

歯並びが悪いのを改善するクリニックの選び方

歯科矯正は費用と時間がかかるため、「自分でどうにか治せないだろうか?」と考える人もいるでしょう。しかし歯並びは自分で治すことはできません

歯並びを治そうと自己判断で歯に力を加えることは、さらなる歯並びの悪化を引き起こすこともあり、危険な行為です。歯科矯正では、歯科医師の判断によって、適切な力をかけながら少しずつ歯を動かします。自力での矯正は絶対に避けましょう。

では、歯並びを改善するクリニックは、どう選べばいいのでしょうか。

ここでは3つのポイントで解説します。

  • 質問・相談がしやすい

  • メリットもデメリットも教えてもらえる

  • 複数の選択肢を提示してもらえる

質問・相談がしやすい

矯正相談の時点で、コミュニケーションが取りやすいクリニックであるかをチェックするのがおすすめ。

なぜなら矯正治療は歯科医師との二人三脚で進めていくものだからです。信頼関係が構築できないと、スムーズな治療につながりません。

「こちらの質問に納得のいく説明がもらえるか」「不安な気持ちに寄り添ってもらえるか」などを確認してみましょう。

メリットもデメリットも教えてもらえる

矯正治療にはメリットもあればデメリットもあります。高額な費用がかかったり、場合によっては治療が長引いたりすることもあるでしょう。

このような歯科矯正治療のデメリットやリスクも加えた説明をしてもらえるかをチェックしてみてください。

カウンセリングの時点で不安を解消できると、その後の治療も進めやすいでしょう。

複数の選択肢を提示してもらえる

歯科矯正治療には種類があり、どの治療方法が適切かは検査してみないとわかりません。

あなたの理想の歯並びについてしっかり耳を傾け、その状態を目指すための選択肢を複数提示してもらえるかをチェックしましょう

複数の選択肢から自分の納得できる治療法を選べると、治療がスムーズに進みやすいです。

このほか、矯正歯科医院選びについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてくださいね。

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歯並びが悪いのが気になるなら早めに相談してみよう

歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

自分の歯並びは治療するほど悪いのかが気になるなら、一度お近くの歯科クリニックに相談に行ってみませんか? 特に子供の歯並びは、早めに相談することで顎の成長を生かした治療を受けられます。

大人になってからでも、歯並びが悪いのを治療する方法には選択肢があります。歯並び相談は無料でおこなっているところもあるので、自分の悪い歯並びの治療方法にはどんなものがあるのか尋ねてみましょう。

マウスピース矯正「Oh my teeth」も、無料で歯並び相談を行っています。まずはお気軽に無料診断へ。

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歯並びが悪くなる原因と種類・治療方法を解説

矯正についてもっと知る

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矯正歯科治療にともなうリスクについて