噛み合わせによる頭痛の特徴とは?原因や治し方を解説
噛み合わせが、後頭部やこめかみ付近の頭痛、吐き気、肩こりなどの原因になることを知っていますか。この記事では、噛み合わせと頭痛の関係性や、引き起こされる体の不調の特徴・治し方を解説します。

後頭部やこめかみ付近の頭痛、吐き気、肩こりなどに悩んでいませんか。
このような頭痛や体の不調は、噛み合わせが原因で引き起こされることがあります。
本記事では、噛み合わせと頭痛の関係・噛み合わせによる頭痛や体の不調の特徴・悪い噛み合わせの治し方を解説。噛み合わせ治療を代表する矯正に保険が適用されるのかも紹介します。
【本記事の要点】
噛み合わせと頭痛が関係する原因は、悪い噛み合わせによる筋肉のバランスの乱れや顎関節症を発症している可能性が考えられる
悪い噛み合わせが原因の不調には、こめかみ・後頭部などの頭痛、睡眠不足、肩こり、めまい、吐き気、聴覚障害などがある
噛み合わせの治し方には、抜けた歯を補う・親知らずを抜く・治療痕をチェック・歯科矯正・左右バランスよく咀嚼・ストレス改善がある
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噛み合わせの悪さは頭痛につながることがあります。しかし、なぜ噛み合わせが原因で頭痛が引き起こされるのでしょうか。
噛み合わせの悪化が筋肉のバランスを乱す
歯を噛み合わせるときに働く筋肉は、実は頭を支える役割もあります。しかし噛み合わせが悪化するとその筋肉のバランスが崩れ、うまく頭を支えられなくなる原因に。
その結果、ほかの筋肉で頭の重さをカバーするため、姿勢が歪んでしまいます。そして偏った箇所に筋肉の緊張が起こり、頭部に血液が運ばれるのが阻害され、頭痛を引き起こすことがあります。
顎関節症を発症している可能性も
頭痛とあわせて、顎を動かすたびに関節付近で音がしたり、痛みが生じたりする場合は、顎関節症を疑ってください。顎関節症は睡眠時の噛み締め・歯ぎしりなどが原因になっていることもあり、その場合は夜中に頭痛をともなって目覚めてしまうことがあります。
また、日中も噛み締めや歯ぎしりを続けている場合は、日中にも頭痛が発生することがあります。

噛み合わせが原因で引き起こされる頭痛には特徴があるのでしょうか? 実は以下のような頭痛すべて、噛み合わせが原因である可能性があります。
後頭部付近の痛み
こめかみ付近の痛み
偏頭痛
前頭部付近の痛み
つまり「頭のここが痛むから噛み合わせからくる頭痛だ」とは一概には言えません。
たとえば噛み合わせが崩れ、左右等しく噛み締められないと、あごが左右どちらかに歪んでいく原因になります。その結果、右側にあごがズレると右側のこめかみが、左側にあごがズレると左側のこめかみが痛むようになることがあります。
もし「自分の頭痛は噛み合わせが原因かもしれない」と思うのであれば、まずは食事の際に左右バランスよく噛むことを意識してみましょう。また、後ほど紹介する「悪い噛み合わせの治し方」も参考にしてください。

噛み合わせが乱れると、頭痛だけでなくあらゆる体の不調の原因になり得ます。このような体の不調のことを「咬合関連症」と言います。
睡眠不足
噛み合わせが乱れると体のバランスが歪み、その結果睡眠障害につながることがあります。また、そもそも噛み合わせの悪化の要因が睡眠時の歯ぎしりや食いしばりにある場合、質のよい睡眠がとれていない可能性があります。
首や肩のこり
噛み合わせが悪いと、噛み締めたときに働く筋肉により頭をうまく支えられません。ほかの筋肉で頭の重さをカバーしなければならず、首・肩の筋肉が過度の緊張状態になることがあります。その結果首や肩のこりにつながります。

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めまい
顎関節付近には平衡感覚を司る三半規管があり、噛み合わせの悪さが内耳にも影響を及ぼす可能性があります。そのため噛み合わせの悪化がめまいや耳鳴りなどの原因になっていることがあります。
吐き気
噛み合わせが原因で頭痛が起こっている場合、悪化すると吐き気をともなうことがあります。また、睡眠時の歯ぎしりや食いしばりが原因で睡眠障害に陥っている場合、自律神経のバランスが乱れ、吐き気を引き起こすことがあります。
聴覚障害
噛み合わせが原因で聴覚障害が起こる場合もあります。
噛む際に動かす顎関節は耳の近い位置にあり、耳と顎には共通の神経や血管があります。そのため、噛み合わせの不具合が耳への悪影響として現れることも。
たとえば、耳鳴り・難聴・めまいといった症状が出ることがあります。

そもそも噛み合わせが悪いとはどんな状態なのでしょうか。今回は7つの不正咬合(噛み合わせ・歯並びがよくない状態)を紹介します。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)(出っ歯):上の前歯が前に傾斜していたり、上顎の歯全体が前に出ていたりする状態
下顎前突(かがくぜんとつ)(受け口):反対咬合とも言う。下の歯が上の歯よりも前に出ている状態
空隙歯列(くうげきしれつ)(すきっ歯):歯と歯の間に隙間が空いている状態
過蓋咬合(かがいこうごう):奥歯で噛み合わせた際に上の歯が下の歯に大きく覆いかぶさっている状態
交叉咬合(こうさこうごう):噛み合わせが途中で上下反対になっている状態
叢生(そうせい)(乱ぐい歯):歯と歯が部分的に重なっている状態
開咬(かいこう):奥歯を噛み合わせた際に前歯が噛み合わない状態

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噛み合わせの悪化を予防、あるいは改善するには、まず歯科医院に相談しましょう。相談に行くと、以下のような予防法や治療法を提案されることがあります。

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抜けた歯を補う
事故や虫歯、歯周病などで歯を失ったまま放置していると、噛み合わせが悪化する原因になります。歯がない部分に周りの歯が徐々に移動してしまうためです。
もし歯が抜けて放置している箇所があるのであれば、なるべく早く歯科医院で診てもらいましょう。
親知らずを抜歯する
噛み合わせの不具合は、親知らずが関係していることもあります。親知らずは真っ直ぐ生えてくることは少なく、横向きや斜めに生えてくることが多いです。
また、親知らずは4本同時に綺麗に生えてくることも少なく、一部だけ生えて噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。
もし現在頭痛に悩まされていて、親知らずが一部だけ斜めに生えているのであれば、歯科医院で親知らずについて相談してみるとよいでしょう。

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治療痕をチェックしてもらう
詰め物や被せ物が原因で噛み合わせに不具合が生じているケースもあります。虫歯の治療で詰め物や被せ物をした場合、噛み合わせを調整します。しかしこの調整がうまくいかず、噛み合わせが乱れる原因になっている可能性も。
もし虫歯の治療後に頭痛がよく起こるようになった場合は、治療痕を歯科医院でチェックしてもらうとよいでしょう。
歯科矯正をする
歯並びが原因で噛み合わせに不具合が生じている場合もあります。たとえばストレスなどが原因で歯ぎしりが習慣になっていると、徐々に歯並びが乱れ、噛み合わせに不具合が生じる可能性があります。
頭痛とともに歯並びの悪化が気になる場合は、歯科医院で歯科矯正について相談してみてはいかがでしょうか。

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左右でバランスよく咀嚼する
噛み合わせの悪化は、咀嚼時の習慣を改善することで予防できる可能性があります。一度自分の食事の際の咀嚼の仕方に注目してみてください。無意識だと右側、あるいは左側のみで噛んでしまっていることは多いものです。
もし片方のみで咀嚼しているのであれば、今日からは左右バランスよく咀嚼することを意識してみましょう。

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ストレスを溜めない生活を心がける
噛み合わせの悪化の原因には食いしばりや歯ぎしりがありますが、これらはストレスが要因になっていることがあります。そのためストレスを溜めない生活を心がけることも、結果的に噛み合わせの悪化の予防につながります。
噛み合わせの治療で代表的なものが歯科矯正です。歯科矯正は一般的に自由診療ですが、以下のようなケースでは保険が適用されます。
- 「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
出典元: 矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会

歯科矯正が保険適用になるケースはある?適用症例や費用を抑える方法を紹介
上記を見ると分かる通り、噛み合わせの矯正治療が保険適用になるのは限定的です。ただし矯正治療にかかった費用は、医療費控除を受けられるケースがあります。
医療費控除を受けられるのは「噛み合わせの悪さが原因で日常生活に支障が出ており、治療が必要」と医師が判断し、歯科矯正を行った場合です。確定申告時に医師の診断書を提出すれば、医療費控除を受けられます。
噛み合わせ矯正の費用を少しでも抑えたい場合は、医療費控除を受けられるかどうかを確認してみましょう。
マウスピース矯正「Oh my teeth」も診断書の発行が可能です。お気軽に無料初回診断へお越しください。「まずは噛み合わせの状態を知りたい」という段階でも構いません。
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頭痛とともに歯並びの乱れも気になるのであれば、その頭痛は噛み合わせが原因で引き起こされているのかもしれません。噛み合わせの不具合が原因で頭痛が起こっている場合は、歯科矯正によって噛み合わせが改善されれば、頭痛も抑えられる可能性があります。
特に起床時に顎が疲れていたり、いくら寝ても日中眠くなってしまったりする場合は、睡眠時に食いしばりや歯ぎしりをしてしまっているのかもしれません。一度歯科医院に相談し、頭痛の原因について検査してもらいましょう。
