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歯科矯正
最終更新日:2024年9月9日

すきっ歯の原因と治療方法は?放置するリスクや影響を解説【歯科医師監修】

すきっ歯の原因と治療法を解説! 放置するリスクや予防法は?【歯科医師監修】

すきっ歯とは、前歯の歯列に隙間が生じた歯並びです。

「すきっ歯になった原因ってなに?」
「すきっ歯がひどいから治したい…」

このような疑問を解決しながら、この記事ではすきっ歯の治療方法や放置するリスクをご紹介。

治療の費用や治療期間も比較しているので、「すきっ歯がきになる…」「今年こそはすきっ歯を治したい!」という方はぜひ参考にしてください。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

すきっ歯でお悩みなら、一度マウスピース矯正 Oh my teethの無料診断に来てみませんか?マウスピース矯正 Oh my teethの無料診断では、矯正に関する疑問やお悩みを歯科医師に直接ご相談いただけます。

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すきっ歯とは?

すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間がある状態です。

すきっ歯には大きく2種類あり、前歯の真ん中に隙間ができるタイプと、歯が全体的に隙間があるタイプに分けられます。

なお、歯学領域においては、歯の隙間が2mm以上あると「正中離開(せいちゅうかいり)」や空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれる症例に当てはまります。

ただし乳歯の場合は、永久歯が生えるスペースを確保するために必要な隙間であるため、すきっ歯でも問題ない場合が多いです。

成人ですきっ歯がある場合は、矯正などの治療によって改善します。

なお、 「矯正ですきっ歯を治したい」という方は、Oh my teethの無料カウンセリングをご利用ください。

3Dスキャナーで歯型を採取し、マウスピース矯正であなたの歯並びをなおせるか診断させていただきます。所要時間はおよそ30分。

予約も簡単1分で完了するので、ぜひお気軽にご予約ください。

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すきっ歯の原因は?自力で治せる?

すきっ歯とは

すきっ歯になる原因は、先天的要因と後天的要因があります。それぞれの詳しい要因を見てみましょう。

先天的要因

先天的なすきっ歯の要因は以下の4つです。

  • 上唇小帯の付着異常

  • 歯の大きさが小さい

  • 過剰歯がある

  • 歯の本数が少ない

上唇小帯の付着異常

上唇小帯の付着異常のイメージ

永久歯列期になっても上唇小帯の付着位置が歯と歯の間にあると、正中離開の原因になります。

上唇小帯とは上唇をめくると中央にある、歯茎に向かってある「すじ」のこと。通常、上唇小帯の位置は成長とともに上に移動します。

しかし永久歯列期になっても移動しない場合は、上唇小帯が邪魔になることで歯と歯のあいだに隙間ができるのです。

歯の大きさが平均より小さい

すきっ歯のイラスト

歯の大きさが平均よりも小さいと、歯のスペースがあごのスペースに対して余ってしまい、すきっ歯になることがあります。

特に、上顎の歯で前から2番目の歯が小さくなる傾向が強いです。

過剰歯が隙間の下に埋まっている

過剰歯もすきっ歯の原因になります。

過剰歯とは通常よりも多い歯のことで、過剰歯が歯と歯の間にあると邪魔になり、隙間が閉じないことがあります。

特に一番前の歯と歯の間に過剰歯が見つかることが多いです。

歯の本数が少ない

歯の本数が少ないと、歯列に隙間ができてすきっ歯になります。

本来、親知らずを除いて歯は28本生えていますが、生まれつきすべてが生えそろわない人もいます。

そのような場合、前から数えて2番目の歯・5番目の歯が欠損していることが多いです。

後天的要因

すきっ歯の後天的な要因は、以下の2つです。

  • 奥歯の欠損が原因で前歯で咀嚼する癖がつく

  • 指しゃぶりや舌の癖

奥歯の欠損が原因で前歯で咀嚼する癖がつく

奥歯の欠損が影響して、すきっ歯になるケースがあります。

例えば歯周病や虫歯によって奥歯を失うと前歯でしか噛めなくなり、前歯が外側へ開くように傾いていくことがあります。

それにより前歯に隙間が生まれるのです。痛みもなくゆっくりと進行するため、初期段階では自身で気づかないことが多いです。

指しゃぶりや舌の癖

指しゃぶりなどの癖によって、すきっ歯になる場合もあります。

日常的に指しゃぶりや舌を前に出す癖があると、歯は少しずつ動きます。

歯科矯正を終えた後もこのような悪習癖があると歯が動いてしまうので、改善することが大切です。

すきっ歯の治し方【費用や治療期間】

すきっ歯の治し方

すきっ歯の治療方法は、大きく分けて以下の2つです。

  • 詰め物・被せ物で治す

  • 歯科矯正で治す

そして必要に応じて、以下の治療を行うこともあります。

  • 上唇小帯の切除

  • 過剰歯の抜歯

①詰め物・被せ物で治す

詰め物や被せ物で治療することを補綴治療と呼び、すきっ歯の治療にも使われます。

「ダイレクトボンディング」「ラミネートベニア」「セラミッククラウン」など複数の種類があります。

それぞれくわしく見ていきましょう。

ダイレクトボンディング

  • 治療期間:1〜2日

  • 費用目安:1歯あたり3万〜5万円程度

  • メリット:1回で治療が完了する・値段が安い

  • デメリット:治療付近の歯の虫歯リスク・経年劣化

ダイレクトボンディングは、型どりをせず審美性の高いレジンを歯に直接接着させます。その場で隙間を修復する方法で、歯を削る量を減らせるのが特徴です。

ラミネートベニア

  • 治療期間:3週間〜1.5ヶ月

  • 費用目安:1歯あたり5万〜15万円程度

  • メリット:長期間美しい状態をキープできる・施術を受けていない歯と馴染む

  • デメリット:健康な歯のエナメル質を削らなければならない・値段が高い

ラミネートベニアは、歯の表面のエナメル質だけを薄く削り、薄いセラミックを表面に貼り付けて治療します。隙間が3mm程度であれば適応できます。

すきっ歯の先天的な原因である、「歯の大きさが平均より小さい」「歯の本数が本来より少ない」などの場合にこの治療を行えます。

セラミッククラウン

  • 治療期間:約3週間

  • 費用目安:1歯あたり8万〜15万円程度

  • メリット:審美性に非常に優れる

  • デメリット:歯を削らなければならない・値段が高い

セラミッククラウンは歯を大きく削り、白いセラミックの冠を歯に被せる治療です。歯の大きさにバランスがある場合に適応されます。

すきっ歯の先天的な原因である、「歯の大きさが平均より小さい」「歯の本数が本来より少ない」の場合にこの治療を行えます。

②歯科矯正で治す

歯科矯正で歯を移動させることで、歯と歯の隙間をなくせます。

歯科矯正には大きく「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」の2種類あります。

マウスピース矯正

  • 治療期間:2ヶ月〜

  • 費用目安:10万円〜

  • メリット:自身の歯を削る必要がない

  • デメリット:後戻りのリスクがあるため保定装置の着用が必要

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着して歯を動かします。すきっ歯に適用可能なケースがほとんどで、短期間で見栄えが大きく改善されるケースが多いです。

すきっ歯の先天的な原因である、「歯の大きさが平均より小さい」「歯の本数が本来より少ない」の場合にこの治療を行えます。

マウスピース矯正の詳しい費用や期間、詳細については「マウスピース矯正とは」をご覧ください。

以下は、マウスピース矯正 Oh my teethの実際の症例(すきっ歯の部分矯正)です。

マウスピース矯正 Oh my teethのすきっ歯(空隙歯列)の症例
マウスピース矯正 Oh my teethのすきっ歯(空隙歯列)の症例

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ワイヤー矯正

  • 治療期間:2ヶ月〜

  • 費用目安:30万円〜

  • メリット:自身の歯を削る必要がない

  • デメリット:後戻りのリスクがあるため保定装置の着用が必要

ワイヤー矯正は「ブラケット」と「ワイヤー」と呼ばれる装置を装着して歯を動かします。すきっ歯に適用可能なケースがほとんどで、大きく改善されることが多いです。

一方で種類にもよりますが、矯正装置が目立ちます。

先天的な原因である、「歯の大きさが平均より小さい」「歯の本数が本来より少ない」の場合にこの治療を行えます。

※ワイヤー矯正については「ワイヤー矯正の種類と値段を解説!」を合わせてご覧ください。

すきっ歯によって見た目だけでなく、噛み合わせなど機能的に問題がある場合は、補綴治療よりも矯正治療がおすすめです。

なぜなら歯科矯正治療は補綴治療と異なり、噛み合わせを改善できるからです。また、歯を大きく削る必要がない点もメリットでしょう。

一方で歯科矯正のデメリットは、補綴治療に比べて治療期間が長い点や後戻りする可能性があることです。

すきっ歯の原因が後天的要因の場合、悪習慣を治さずに矯正をすると後戻りの原因に。その点、悪習慣を取り除くことが、すきっ歯の予防につながります。すきっ歯を予防する方法については後ほど詳しく紹介します。

③上唇小帯の切除

  • 治療期間:1〜2週間

  • メリット:改善効果が早く現れる・後戻りを起こしにくい

  • デメリット:外科的治療を行うため、元に戻せない

すきっ歯の原因の1つである上唇小帯をメスやレーザーを使って切除することで、すきっ歯の改善が期待できます。

成長期である6~7歳で行われることが多いです。

④過剰歯の抜歯

  • 治療期間:1日

  • メリット:永久歯が生えていない段階で抜歯することにより、歯並びへの影響を少なくできる

  • デメリット:抜歯後に少し腫れてしまう

過剰歯が原因で歯の隙間が閉じない場合、過剰歯を抜かないと隙間が閉じることはありません。

子どもの歯の生え変わりを考慮して抜歯することが多いです。

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すきっ歯を放置するリスクや影響は?

すきっ歯を放置するリスク

すきっ歯を放置することで考えられるリスクは、以下の4つです。

  • 見た目が気になる

  • 虫歯・歯周病リスクが高まる

  • 発音や滑舌が悪くなる

  • 噛み合わせが悪くなる

見た目が気になる

すきっ歯の中でも特に正中離開は見た目に影響しやすいです。人前で笑うときに口元を隠すのが癖になるなど、外見のコンプレックスにつながるでしょう。

虫歯・歯周病リスクが高まる

すきっ歯は、歯と歯の隙間に食べ物が詰まりやすく、自然に磨いても食べかすが残りやすいです。歯間ブラシやフロスを併用するなど、工夫を施さないと虫歯や歯周病のリスクが上がってしまいます。

発音・滑舌への悪影響

すきっ歯は、隙間から息が漏れることで、発音や滑舌への悪影響が考えられます。特に「サ行」「タ行」が不明瞭になることがあります。

噛み合わせへの悪影響

すきっ歯で噛み合わせに不具合があると、食べ物をうまく咀嚼できなかったり、食べやすい片側だけで食事をしたりすることも。

その結果胃腸への負担が大きくなったり、全身のバランスが崩れ肩こりや腰痛の原因になったりすることがあります。

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すきっ歯を治すメリットは?

すきっ歯を治すことは、以下のようなメリットがあります。

  • 発音がしやすくなる

  • 口元に自信が持てる

  • 虫歯や歯周病のリスクを抑える

  • 噛み合わせがよくなる

  • 歯の寿命が延びる

すきっ歯を治療することで、発音がきれいになったり、口元を隠さずに笑えるようになります。また矯正で噛み合わせも改善できると、歯の摩耗を抑えられて、結果として歯の寿命も延びるでしょう。

すきっ歯を治す矯正の種類

すきっ歯を治すための矯正は、いくつか種類があります。


全体矯正

部分矯正

表側矯正

60万〜130万円

30万〜60万円

裏側矯正

100万〜170万円

40万〜70万円

マウスピース矯正

60万〜100万円

10万〜40万円

ワイヤー矯正の種類は大きく分けて2つあり、表面に装置をつけるのが「表側矯正」で、歯の裏側から行う矯正治療は「裏側矯正」です。

透明で目立ちにくいのはマウスピース矯正ですが、費用には差があるので予算にあった方法を選びましょう。

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すきっ歯に関するよくある疑問

最後に、すきっ歯に関するよくある疑問にお答えします。

すきっ歯はかわいい?

フランスでは、歯の隙間から幸運が入ってくるとされ「幸運の歯」と呼ばれています。すきっ歯には魅力的でかわいいというイメージを持たれており、モデルや女優がそのまま放置していることも。

しかし日本では、すきっ歯はあまりよいイメージを持たれていないことがほとんどです。先述したように放置しておくことでリスクもあるため、治療した方がよいでしょう。

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子どものすきっ歯(発育空隙)は何歳までに自然に治る?

個人差はありますが、子どものすきっ歯(発育空隙)は前歯が生えそろう10歳ごろまでに整ってくることが多いです。

一般的には永久歯は乳歯よりもひとまわり大きいため、永久歯が生えそろうことで、自然と隙間が埋まります。

しかし、乳歯の時期に歯と歯の間に全く隙間がないと、永久歯に生え変わる際に十分にスペースがなく、歯並びがガタガタになるリスクも考えられます。

気になるようであれば、そのままにしておいても問題ないかを、歯科医師に相談してみましょう。

すきっ歯の治療は保険適用される?

すきっ歯の治療は、原則保険適応されないことがほとんどです。虫歯や歯周病の治療は保険適応されることが多いですが、矯正治療などは「審美目的」に該当するからです。

詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

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大人のすきっ歯は自然に治る?

大人のすきっ歯は自然に治ることはありません。しかし、乳歯のすきっ歯は自然に治ることがあります。

乳歯は永久歯が生えるスペースを確保するため、元々隙間があります。この場合、永久歯に生えかわると隙間が無くなるため、「すきっ歯が自然に治った」と感じることがあります。

また、上唇小帯の付着異常で正中離開していても、永久歯に生えかわることですきっ歯が改善されるケースもあります。

永久歯に生えかわっても正中離開が改善されない場合、歯科クリニックに相談しましょう。

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すきっ歯に悩んでいるなら早めに相談を

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子どものすきっ歯は、永久歯に生えかわることで自然に治るケースがあります。しかし、大人のすきっ歯は、自然に治ることはありません。

さらに生活習慣によってすきっ歯を進行させてしまうこともあるため、口周りの悪習慣がある場合には取り除く必要があります。

すきっ歯は見た目だけでなく、噛み合わせや発音など機能障害の原因になることも。すきっ歯でお悩みの方は、早めに歯科クリニックに相談しましょう。

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