【歯科医師監修】大人の歯列矯正はやめたほうがいい?後悔しないための判断ポイントを解説

「大人の歯列矯正はやめたほうがいい」と聞いて、不安や迷いから矯正をあきらめていませんか?
たしかに、歯列矯正には大人ならではのリスクがあるのは事実です。この記事では、矯正をやめたほうがいいとされる理由と注意すべきケース、後悔しないための判断ポイントを専門的に解説します。
矯正をしたいけど、不安が理由で一歩踏み出せない方は、ぜひ最後までチェックしてください。

目次
- 大人の歯列矯正は危険?やめたほうがいいと言われる理由4選
- ①歯の根が短くなる「歯根吸収」のリスクがあるから
- ②歯茎が下がる「歯肉退縮」が起こりやすいから
- ③健康な歯を抜くケースがあるから
- ④治療期間が長くなりやすいから
- 大人の矯正「やらないほうがいい人」とは?
- 重度の歯周病がある人
- 顎の骨に大きな問題がある人
- 持病や体調面で不安がある人
- 妊娠中・妊活中の人
- 大人が歯列矯正をしたほうがいい理由とは?
- 見た目のコンプレックスが解消される
- 虫歯・歯周病の予防につながる
- 噛み合わせが整い、頭痛・肩こりが和らぐ場合がある
- 消化吸収や発音の改善も期待できる
- 大人の矯正で後悔しないための2つのポイント
- 歯科矯正のリスクを理解する
- 信頼できる矯正歯科を選ぶ
- 大人の歯列矯正でよくあるQ&A
- 矯正して「ブサイクになる」って本当?
- 40歳以上でも歯列矯正ってできるの?
- 「大人の歯列矯正はやめたほうがいい?」と迷ったら矯正歯科に相談しよう

「大人の矯正はやめたほうがいい」と聞くと、不安になりますよね。ここでは、そう言われる主な理由を4つに絞って紹介します。
①歯の根が短くなる「歯根吸収」のリスクがあるから
「歯根吸収」とは、矯正によって歯を動かす過程で、歯の根っこ(歯根)が少しずつ短くなってしまう現象のことです。
子どもでも起こることはありますが、大人は骨の代謝が落ちているぶん、より進行しやすいといわれています。
歯根吸収が進むと、歯がぐらつきやすくなったり、最悪の場合は抜けてしまうリスクもあります。
ただし、多くのケースでは目立った症状が出るほどではなく、日常生活に支障をきたすことはまれです。
治療中は定期的にレントゲンなどで歯根の状態をチェックしながら進めるため、必要以上に不安に感じる必要はありません。
②歯茎が下がる「歯肉退縮」が起こりやすいから
「歯肉退縮」とは、歯を支える歯茎が下がって、歯の根元が見えてしまう状態のことです。
矯正によって歯が動くと、それにともなって歯茎の位置も変わるため、特に大人では起こりやすいとされています。
歯肉退縮が進むと、見た目が気になるだけでなく、冷たいものがしみる知覚過敏が起きたり、歯周病のリスクが高まることもあります。
ただし、すべての人に起こるわけではなく、歯茎の厚さやもともとの歯周状態によっても差があります。
矯正前に歯茎の状態をしっかりチェックしておけば、リスクを抑えながら治療を進めることが可能です。
③健康な歯を抜くケースがあるから
矯正治療では、歯をきれいに並べるスペースを確保するために、健康な歯を抜く「抜歯矯正」を行うことがあります。
とくに大人は、あごの成長が止まっていて歯列を広げにくいため、抜歯が必要になる確率が子どもより高いとされています。
たとえば、あごが小さい・噛み合わせが悪い・親知らずが歯並びを押している、などのケースでは抜歯によってスペースを確保します。
もちろん、すべての人に抜歯が必要なわけではありません。非抜歯で治療できるかどうかは歯並びの状態によるため、複数のクリニックで方針を聞いて比較するのがおすすめです。
④治療期間が長くなりやすいから
大人は骨の代謝がゆるやかになっているため、歯の動きが子どもよりもゆっくりです。その分、治療期間も長くなる傾向があります。
一般的には1年半〜2年程度が目安ですが、歯並びや噛み合わせの状態によってはさらに時間がかかることもあります。
治療が長引くと、モチベーションの維持やスケジュール調整、自己管理の負担が増える点にも注意が必要です。
あらかじめどれくらいの期間がかかるのか、医師としっかり確認しておきましょう。
「矯正って、何年もかかるんでしょ…?」そう思っている方もいるかもしれませんが、マウスピース矯正なら、軽度の歯並びは2〜3か月で終わることも。
目立ちにくくて、通院も少なく済むから、忙しい大人の方にも選ばれています。まずは無料診断で、あなたの歯並びがどんなふうに変わるのかチェックしてみませんか?
大人でも歯列矯正は可能ですが、すべての人におすすめできるわけではありません。体調や歯ぐきの状態によっては、矯正を控えたほうがいい場合もあります。
ここでは、「今は矯正を避けたほうがいい」とされる代表的な例をご紹介します。自分に当てはまるかどうか、参考にしてみてください。
重度の歯周病がある人
顎の骨に大きな問題がある人
持病や体調面で不安がある人
妊娠中・妊活中の人
重度の歯周病がある人
歯周病が進行していると、歯を支える骨や歯茎が弱くなっているため、矯正による歯の移動に耐えられない可能性があります。
無理に矯正を進めると、歯がぐらついたり、最悪の場合は抜けてしまうリスクも。軽度〜中等度であれば、歯周病治療を先に行ってから矯正できるケースもあるので、まずは歯科での検査・相談がおすすめです。
顎の骨に大きな問題がある人
上下の顎の位置が大きくずれている場合や、骨格に関わる問題がある場合は、矯正の前に顎の骨の位置を整える手術が必要になることがあります。
こうしたケースでは、歯だけを動かしても理想的なかみ合わせが得られないため、すぐに矯正を始めるのはおすすめできません。
まずは顎の状態を詳しく検査し、必要があれば専門機関での治療を優先するのが適切です。
持病や体調面で不安がある人
矯正治療は、歯や歯ぐきに負担がかかるため、全身の健康状態によっては注意が必要です。たとえば糖尿病があると、歯ぐきの炎症が治りにくかったり、歯周病が悪化しやすいことも。
心臓病などを持っている方は、治療中に体調を崩すリスクがあるほか、薬の影響で治療に制限が出る場合もあります。
また、矯正には装置の自己管理や定期的な通院が欠かせないため、体調によっては治療がスムーズに進まないことも。
矯正を考えている方は、事前に主治医や歯科医に持病や服薬のことをしっかり伝えておくと安心です。
妊娠中・妊活中の人
妊娠中は、つわりや体調の変化で矯正装置の装着が負担に感じやすくなります。また、ホルモンバランスの影響で歯ぐきが腫れやすくなる「妊娠性歯肉炎」が 起こることも。
さらに、レントゲン撮影や一部の処置は妊娠中に避けたほうがよいとされるため、治療内容に制限が出てしまう可能性もあります。
妊活中の方も、途中で妊娠が分かった場合に治療スケジュールを調整する必要が出てくることがあるため、矯正を始めるタイミングは慎重に検討するのがおすすめです。
矯正が絶対にできないわけではありませんが、ライフプランをふまえて医師と相談しながら、ベストなスタート時期を考えるのがよいでしょう。

ここまで、矯正を控えたほうがいいケースについてご紹介してきました。しかし一方で、大人になってから矯正を始めることで得られるメリットもたくさんあります。
見た目の変化だけでなく、健康面や日常生活の快適さにも良い影響があるのが歯列矯正。
「大人になってからじゃ遅いかも…」と迷っている方にこそ、知っておいてほしい理由をご紹介します。
見た目のコンプレックスが解消される
歯並びの乱れが気になって「人前で話しにくい」「口元を見せられない」といった悩みを抱えていた場合、歯列矯正によってコンプレックスが解消できます。
人前で思い切り笑いやすくなり、「明るくなったね」と言われることも増えるかも しれません。矯正をすることで見た目の変化だけでなく、気持ちまで前向きになる人も多いです。
虫歯・歯周病の予防につながる
「毎日しっかり歯を磨いているのに、なぜか虫歯ができてしまう…」という人は、歯並びが原因になっている可能性があります。
歯が重なっている部分には歯ブラシが届きにくく、歯垢がたまりやすいことで虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。
虫歯になれば歯を削る必要があり、歯周病を放置すれば最悪の場合、歯が抜けてしまうことも。
矯正によって歯並びが整うと、汚れがたまりにくくなり、磨き残しも減少します。見た目だけでなく、歯の健康を守る予防ケアとしても効果的です。
噛み合わせが整い、頭痛・肩こりが和らぐ場合がある
慢性的な頭痛や肩こりがある方は、噛み合わせの乱れが原因になっている可能性があります。
噛み合わせるときに使う筋肉は、頭を支える役割も担っているため、歯並びが悪く噛み合わせがずれていると、筋肉のバランスが崩れてしまいます。
その結果、姿勢が歪んだり、一部の筋肉に緊張が集中してしまうことで、頭痛や肩こりの原因になることがあるのです。
矯正によって噛み合わせが整えば、体全体のバランスが改善され、症状がやわらぐ可能性があります。
消化吸収や発音の改善も期待できる
歯並びの改善によって、見た目以外にもさまざまな良い変化が期待できます。実は、歯並びが悪いと食べ物をうまく噛み砕けず、胃腸に負担がかかっていることも。
矯正によってしっかり噛めるようになると、食べ物を細かく咀嚼できるため、消化を助け、胃腸への負担を軽減できます。
また、発音に影響していた歯の位置が整うことで、言葉がはっきりしやすくなる人もいます。
特にサ行やタ行などが言いにくかった人には、話しやすくなったと感じる変化があるかもしれません。

矯正にはメリットも多い一方で、事前に知っておくべきリスクや注意点もあります。
「知らずに始めて後悔した…」ということを避けるために、始める前に押さえておきたい大切なポイントをまとめました。
歯科矯正のリスクを理解する
大人の歯列矯正で後悔してしまう多くのケースは、「リスクをよく知らないまま始めてしまった」ことが原因です。
歯列矯正には、以下のようなリスクがあることをあらかじめ知っておくことが大切です。
歯肉退縮: 歯の位置が整ったあと、歯ぐきが下がり、歯の根が露出してしまうことがある
歯根吸収・歯髄壊死: 歯の根が短くなったり、神経がダメージを受ける可能性がある(事前のCT検査でリスクを見極めることが重要)
金属アレルギー: ワイヤー矯正などで金属装置を使う場合に注意が必要
不定愁訴: 頭痛・肩こり・倦怠感・吐き気など、原因がはっきりしない体調不良が出ることも
顎関節症: 口が開きづらくなったり、耳鳴りがすることがある
後戻り: 矯正後にリテーナーをつけないと、歯が元の位置に戻ってしまうことがある
これらのリスクを把握したうえで矯正を始めれば、治療期間中の不安を減らし、後悔のない選択がしやすくなります。
信頼できる矯正歯科を選ぶ
大人の歯列矯正を成功に導くためには、通院する矯正歯科の選び方も重要です。信頼できる矯正歯科の選び方は、以下のポイントを意識してみましょう。
コ ミュニケーションが取りやすい
複数の選択肢を提示してくれる
歯列矯正のデメリットも教えてくれる
トラブルに対応してくれる
矯正歯科を選ぶ際は、インターネット上の口コミのみで判断するのではなく、実際にクリニックの矯正相談に行ってみることも大切。 できれば複数のクリニックへ矯正相談に行ってみて比較検討してみるのが理想的です。
矯正して「ブサイクになる」って本当?
「矯正したら口元が引っ込んで、顔が変わる」「ブサイクになったって聞いた…」という声を見かけることもありますが、すべての人がそうなるわけではありません。
矯正によって口元の印象が変わることはありますが、それが「スッキリした」「上品に見えるようになった」と感じる人もたくさんいます。
ただし、顔立ちの変化には個人差があるため、事前に仕上がりのイメージや懸念点をしっかり相談しておくことが大切です。
40歳以上でも歯列矯正ってできるの?
もちろん40代以降でも歯列矯正は可能です。実際に、最 近では50代・60代で矯正を始める方も増えてきています。
年齢よりも大切なのは、歯や歯ぐきの健康状態が矯正に適しているかどうかです。
歯周病などがある場合は、まずそちらの治療を優先する必要がありますが、条件を満たせば年齢制限はありません。
「今さら遅いかも…」とあきらめず、まずは専門医に相談してみることをおすすめします。
「矯正するべきか、それともやめたほうがいいのか…」
自分の歯並びを前に、判断に迷っている方は多いはずです。ですが、見た目ではわからない噛み合わせの不具合が、肩こりや頭痛などにつながっているケースも少なくありません。
矯正が必要かどうか、どんな治療法が合っているのかを知るには、歯科医師による精密な診断が欠かせません。
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