歯周ポケット掃除のコツ4選!自宅でできるセルフデンタルケア
「最近口臭が気になるから、歯周ポケットを掃除したい」
歯周ポケットは、歯周病の予備軍ともいえる症状です。そのままにしておくと口臭だけでなく、将来健康な歯を失うことにもつながりかねません。
そこで本記事では、歯周ポケットのリスクや自分でできる掃除方法4選を解説します。
「健康的で美しい歯を手に入れて、人前でも自信をもって話したい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
まずは「歯周ポケットとは何か」を理解しましょう。
歯周ポケットは「歯と歯茎の間にできる溝」
歯周ポケットとは歯と歯茎の境目にあるすき間のことで、歯肉溝(しにくこう)とも呼ばれます。健康な状態だと、歯周ポケットの深さは1〜3mmほど。
4〜5mmになると初期の歯周病、6mm以上は重度の歯周病と判断されます(参考:厚生労働省)。
歯周ポケットが深くなる主な原因は、汚れの蓄積です。汚れを放置しておくと細菌がどんどん増え、炎症が起きてポケットが深くなります。
歯周ポケットが深くなるほど、酸素を嫌う歯周病菌が増えやすくなり、歯周病が進行する悪循環に陥ってしまうんです。
歯周ポケットを放置するとどうなる?
歯周ポケットを掃除しないと、細菌も増えやすくなります。ここでは、歯周ポケットを放置した場合に起こり得る症状を見ていきましょう。
腫れ・痛み
口臭
知覚過敏
歯のグラつき
歯周ポケットが進行すると、細菌が炎症を引き起こし、歯茎の腫れや痛みが出ることがあります。また、細菌は悪臭を放つため、口臭にもつながりやすくなるでしょう。
さらにポケットが深くなると、歯の根元にある象牙質に冷たいもの・熱いものが入り込みやすくなります。象牙質に加わった刺激は、歯の神経に伝わり、知覚過敏を引き起こします。
症状がそのまま悪化していくと、歯周病菌が歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしはじめます。それにより歯がグラつき、歯が抜け落ちてしまうこともあるんです。
そのため、歯周ポケットが進行しないよう、口内を丁寧に掃除することは大切。ポケットが深くなってしまうと、セルフケアでは対処できないため歯科クリニックでの処置が必要です。
セルフケア×プロフェッショナルケアで、歯周ポケットの改善・予防を目指しましょう。
→ Oh my teethのマウスピース矯正について詳しく知る
歯周ポケットの進行を防ぐためにも、口内環境を清潔に保ちましょう。ここでは、自宅でできる歯周ポケット掃除のコツをご紹介します。
歯ブラシは歯と歯茎の境目を重点的に磨く
歯周ポケットは歯と歯茎の間にできるため、そこに汚れを溜めないことが大切です。歯ブラシの当て方を工夫すると、細かな境目にもブラシの毛先が届きやすくなります。
ポイントは、歯と歯茎の境目に対して45°の角度で歯ブラシを当てること。最初は鏡を見て、毛先が境目に届いているかを確認しながら磨きましょう。
歯ブラシは細かく優しく動かすだけで、汚れを十分に落とせます。力を入れると、毛先が開いてしまい逆に汚れが落ちません。
細かなところが磨きにくいと感じる方は、ワンタフトブラシを使うのもおすすめです。毛束が1本にまとまっており、ヘッドも小さいため、奥歯や歯並びが悪い部分の歯周ポケットも磨きやすくなります。
歯磨き粉の量や種類を見直す
歯磨き粉の量や種類も、口内を効率的に掃除するうえでチェックしたいポイント。歯磨き粉の量が多すぎると、泡立ちがよかったり清涼感が強かったりするため、歯をあまり磨けていなくても満足感が得られてしまいます。
歯磨き粉は1~2cmほど使うのが適量です。適切に歯を磨くためにも、泡立ちが少ないジェルタイプの歯磨き粉を使うのもよいでしょう。
歯周病予防が期待できる歯磨き粉に変えるのも一案です。例えば、殺菌成分や抗炎症成分が配合されていると、歯周病菌対策につながります。
デンタルフロス&歯間ブラシを使う
歯ブラシでは届かない歯 間の汚れを落とすのも、歯周ポケットのケアには欠かせません。歯ブラシだけだと、実は7割ほどの汚れしか落とせないと言われています。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、汚れの除去率は大幅にアップします。
デンタルフロスは、狭い歯間に使うのがおすすめです。初心者は「持ち手付きのY字型」のフロスが適しています。取り回しがしやすく、前歯から奥歯までフロスを通しやすいです。
デンタルフロスの使い方を解説!歯垢を効果的に落とすコツとは?
歯間ブラシは、広めの歯間掃除にぴったり。「I字型」と「L字型」の2つの形状があり、I字型は前歯、L字型は奥歯を掃除しやすいのが特徴です。また、歯間ブラシにはさまざまな太さがあります。歯間の幅に合うサイズを選ぶことで、効率よく汚れを落とせます。歯間ブラシを使う前に、歯科医師や歯科衛生士に自分に合うブラシのサイズを相談してみてくださいね。
マウスウォッシュで口のすみずみまできれいに
口内の清潔を保つために、マウスウォッシュを活用するのも効果的です。口臭予防や口内を浄化する働きが期待できます。使い方も簡単で、液体を口に含み20~30秒ほどぶくぶくとすすぐだけでOKです。
使うタイミングは「夜寝る前」がおすすめ。就寝中は唾液の量が減ってしまい、口内に細菌が繁殖しやすくなります。夜の歯磨き後にマウスウォッシュ使い、就寝中の細菌の増殖を抑えましょう。
歯周ポケットの悪化を防ぐには、セルフケアと合わせて歯科クリニックでの検診やクリーニングも必要です。専用の器具を用いて、口内のチェックや掃除してもらうことで、歯周ポケットの改善・予防につなげられます。
ここでは、歯科クリニックで行う歯周ポケットの処置を解説します。
→ Oh my teethのマウスピース矯正について詳しく知る
歯周ポケットの深さを測って歯茎の状態をチェック
歯周ポケットの状態は、その深さでチェックできます。
歯科クリニックでは、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使い、歯周ポケットの深さを測定します。初期の歯周病は自覚症状がない場合も多いため、定期的に歯周ポケットを検査することで、歯周病の早期発見・治療につながります。
しかし、検査の重要性がわかっていても「歯周ポケットの検査は痛いのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。
歯周ポケットの測定には針状の器具を使うため、炎症が起きている部分に触れるとチクッとした痛みを感じることがあります。とは言え、非常に軽い圧しか加えないため、痛みはほとんどないことが多いです。
深い歯周ポケットは歯科クリニックでの処置が必須
4mm以上の深さの歯周ポケットは、歯科クリニックでの治療が必要です。主に歯科クリニックでは2つの処置を行います。
SRP
外科治療
SRPは、歯茎の中に溜まった汚れを掃除する処置のこと。痛みが出ないよう麻酔をかけ、専用の器具で歯周ポケットの奥に溜まった汚れを取り除きます。歯の根元を清潔でなめらかな状態にすることで、歯茎の定着を促します。1回では汚れを取りきれない場合が多く、その場合は複数回の処置が必要です。
外科治療は、SRPでも汚れが取りきれないほど歯周ポケットが深い場合に行われます。さまざまな方法がありますが、いずれも歯茎を切開して歯の根元にこびりついた汚れを除去するのが基本です。
外科治療でも改善が難しいほど歯周病が進んでいる場合は、歯を抜かなければならないこともあります。大切な歯を守るためにも、定期的な検診を受けることが重要です。
歯周ポケットをそのままにすると、歯の健康に悪影響を及ぼします。セルフケアと歯科クリニックでのケアで、歯周ポケットを効率的に掃除することが大切です。
セルフケアでは歯磨きの方法を見直したり、補助アイテムを使ったりして口内の汚れをすみずみまで掃除しましょう。
さらに歯科クリニックを受診することで、セルフケアしにくい深い歯周ポケットにもアプローチできます。「歯周ポケットがあるかも…」と心当たりがあるかもという方は、一度歯科クリニックを受診してみましょう。
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