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歯科矯正
最終更新日:2024年4月2日

歯並びの悪さは虫歯に影響する?原因や改善方法を解説

虫歯

歯並びの悪さは虫歯に影響するのでしょうか?今回は、歯科医師監修のもと、歯並びが虫歯に影響する原因や改善方法を解説します。

岩田 良子
歯科医師

岩田 良子

歯並びが悪く、歯のすみずみまで磨けないことが原因で、虫歯になった経験はありませんか?はたまた、「歯並びが悪いと虫歯になるのでは?」と、虫歯予防に関して気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、阿佐ヶ谷あまぬま1丁目歯科医院 の岩田 良子先生監修のもと、歯並びの悪さが虫歯に影響する原因や、改善方法を解説します。

最後には、歯並びが悪い場合のケア方法やアイテムについてもご紹介しているので、清潔な口腔内を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

歯並びの悪さは虫歯に影響する?

【歯科医師監修】虫歯や歯周病による突然の歯痛に対する9つの対処法

歯並びの悪さはすばり、虫歯になりやすいです。主な原因を解説します。
歯並びの悪さが虫歯を引き起こす原因は主に3つあります。

  • 磨き残しが多くなる

  • プラークが自然に剥がれにくい

  • 口の中が唾液で満たされにくい

それぞれの原因について詳しく解説していきます。

【原因①】磨き残しが多くなる

歯並びが悪く、歯ブラシの毛先が歯の隙間に届きにくいと、磨き残しが多くなり虫歯を引き起こす可能性があります。

虫歯になる大きな原因はプラークと呼ばれる細菌の塊で、食べかすの中にある糖分をエサにして作り出されます。つまり、十分に歯磨きができず食べかすが口に残った状態だと、プラークを作り出しやすい口内環境になってしまうのです。

たとえば、歯が捻じれていたり、歯が重なっており歯と歯の間が磨きにくいなどの場合は磨き残しがひどくなる場合があります。

歯医者で磨き残しをよく指摘される、虫歯になりやすい、磨いた後も汚れが溜まっていると感じる方は特に虫歯にならないような注意が必要です。

【原因②】プラークが自然に剥がれにくい

前述したプラークは、自然に剥がれないと虫歯になりやすいです。歯並びが正常だと、嚙み合わせによって摩擦が起き、プラークが自然と剥がれ落ちることがあります。

しかし、歯並びが悪いと嚙み合わせも悪いため、この現象が起こりません。

歯列がでこぼこしていたり、反対咬合(受け口)だと嚙み合わせが悪くプラークが自然に剥がれないのです。

歯並びの悪さを自覚している、嚙み合わせが悪いと感じる方は早期治療を検討しましょう。

【原因③】口の中が唾液で満たされない

歯並びが悪く嚙み合わせが悪いと、口内が細菌の洗浄効果のある唾液で満たされません。

これは、歯並びの嚙み合わせが悪いために口呼吸になる場合があるからです。口呼吸は、乾燥した外気を取り込み、口の中も乾燥させてしまいます。すると唾液が蒸発し、口の中が唾液で満たされず、洗浄効果を十分に期待できなくなるのです。

とくに、出っ歯で常に唇に隙間ができてしまったり、上下の歯が前に突き出て唇がうまく閉じられない場合などは口呼吸となりやすく、虫歯にもなりやすい口内環境を構築してしまいます。

日ごろ自分の呼吸が口呼吸になっていないか意識してみることで、虫歯になりにくい口内環境にすることが重要です。

虫歯になりにくくするために…歯並びを治す方法、歯並びの悪化を防止する方法

ポイント

歯並びをなおし虫歯になりにくくするには、矯正などの抜本的な治療や、頬杖をやめるなどの生活習慣の見直しが必要です。今回は歯並びを整える方法と、悪化させない方法を1つずつご紹介します。

矯正で歯磨きしやすい歯並びへ整える

歯並びが虫歯の主な原因となっている場合は、矯正して歯並びを整えるのがおすすめです。歯磨きしやすく磨き残しが少なくなる歯並びへ整え、虫歯になる要因を軽減しましょう。

矯正には「表面矯正」、「裏側矯正」、「マウスピース矯正」、「ハーフリンガル矯正」の4種類があり、それぞれ下記のような違いがあります。


表側矯正

裏側矯正

ハーフリンガル矯正

マウスピース矯正

対応症例

抜歯を伴う大きな歯の移動も可能

(歯並び悪さ:〜重度)

比較的多くの症例に対応可能

(歯並び悪さ:〜重度)

比較的多くの症例に対応可能

(歯並び悪さ:〜重度)

抜歯が必要な場合など対応できない症例もある

(歯並び悪さ:軽度〜中度)

見た目

目立つ

正面からは見えないが角度によっては見える

角度によっては装置が見える

目立ちにくい

固定式 or 着脱式

固定式

固定式

固定式

着脱式

費用目安

全体:60万〜130万円

部分:30万〜60万円

全体:100万〜170万円

部分:40万〜70万円

全体:80万〜150万円

部分:35万〜65万円

全体:60万〜100万円

部分:10万〜40万円

期間目安

全体:1〜3年程度

部分:2ヶ月〜1年程度

全体:2〜3年程度

部分:5ヶ月〜1年程度

全体:2〜3年程度

部分:5ヶ月〜1年程度

全体:1〜3年程度

部分:2ヶ月〜1年程度

医師に相談し、ご自身の歯並びに合った矯正方法を選択しましょう。

歯並びを悪化させないよう頬杖などの悪癖をやめる

歯並びを悪化させないよう悪癖をやめることも虫歯になりにくくする方法の1つです。

例えば頬杖などの悪癖は顎に力が加わり、少しずつ歯並びが悪化してしまいます。

ここでは歯並びを悪くする悪癖4つを知って、日常的に行っていないか注意してみてください。

1つ目は、頬杖。習慣的な頬杖は顎や歯に力が加わり、歯並びを悪くしてしまいます。

2つ目は、猫背。下顎は顎関節に引っ掛かった状態でぶら下がっており、筋肉の力によって上下左右に動きます。

背筋を真っすぐにして座り、リラックスしながら口を少し開けた状態は、下顎にもっとも負担がかからない位置とされています。

しかし、猫背の場合はいくらリラックスした状態でも下顎が前にずれてしまうため、負担がかからない状態とは言えません。下顎に負担がかかると、噛む位置が変わってしまうので、歯並びや嚙み合わせが悪くなるのです。

3つ目は、歯ぎしりやうつ伏せ寝などの睡眠習慣。歯ぎしりは、体重のおよそ2倍もの力が歯や顎関節にかかることもあります。

その力によって歯並びや嚙み合わせが徐々に悪くなっていってしまうのです。また、うつ伏せ寝は下顎がずれた状態が続くため、噛む位置が不安定になる可能性が高いです。

就寝中の無意識状態の場合はナイトガードと呼ばれる就寝時専用のマウスピースを装着するといいでしょう。

4つ目は、唇を噛んだり、舌を前に押し出したりする口周りの癖。これらの癖は前歯が外側に出やすくなります。

顎などに力が加わり歯並び悪化につながる悪癖を意識的に改善することで、虫歯になりにくい歯並びを保つことができます。

歯並びの悪さと虫歯の関係についてよくある質問

フロス

歯並びの悪さと虫歯に関する2つの質問「乳歯の場合の歯並びと虫歯との関係」「歯並びが悪い際のケアアイテム」についてまとめてみました。

子供の乳歯の歯並びが悪くても虫歯になりやすいですか?

乳歯の歯並びが悪いと、永久歯と同じように磨き残しが多くなります。すると乳歯が虫歯になり、口内の環境が悪くなります。たとえ乳歯が抜けたとしても、口内環境により永久歯も虫歯になる可能性が高くなるのです。

歯並びが悪い場合の虫歯対策でおすすめのケアアイテムなどはありますか?

理想的な対策は、やはり歯列矯正をして歯並びを治し、日々のブラッシングケアを怠らないこと。しかし歯列矯正が出来ない場合は、歯ブラシの他、デンタルフロスや糸ようじ、歯間ブラシなどを使い、丁寧に歯垢を落とすことが大切です。

また電動歯ブラシも効率よく歯垢を落とすことができるのでおすすめです。デンタルリンス、マウスウォッシュ、歯科医院で専売しているフッ素ペースト等も併用するとより効果的に。またキシリトールのガムやチョコなども虫歯を抑制すると言われています。

虫歯になりにくい口腔内を目指すために歯並びの悪さも見直してみて

虫歯と歯並びには密接な関係があります。これ以上悪化させない、また虫歯になりにくい口内環境を目指すためにも、今回紹介した4つの対策を意識してみてくださいね。

また歯並びを整えるのが難しい方は、デンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどのケア方法を試して常に清潔な口内環境を保つことが大切です。

健康的な歯をいつまでも保ち、歳を重ねても自分の歯で食事を楽しめるよう、虫歯にならない歯並びを目指しましょう。

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