オーラルケア
最終更新日:2025年6月5日
「e-maxインレーとは?メリット・デメリット・費用・保険適用を解説

「虫歯治療で削った部分の詰め物は見た目がいいものにしたい」「見た目がいいだけではなく、強度や耐久性があるものがいい」と思われる方は多いのではないでしょうか?
そんなお悩みを解決できるのが近年注目されているe-maxインレーです。
今回は、e-maxインレーの魅力を調査するべく、高木歯科クリニック の 高木 廉平先生監修のもと、e-maxインレーとは何か、どのようなメリット・デメリットがあるのか、保険は適用されるのかなどを解説します。
そんなお悩みを解決できるのが近年注目されているe-maxインレーです。
今回は、e-maxインレーの魅力を調査するべく、高木歯科クリニック の 高木 廉平先生監修のもと、e-maxインレーとは何か、どのようなメリット・デメリットがあるのか、保険は適用されるのかなどを解説します。
歯科医師
高木 廉平
昭和大学歯学部卒業後、医療法人社団厚誠会にて代々木上原院長や理事を務める。2000年に高木歯科クリニックを開院。日本口腔インプラント学会、歯科インプラント臨床研究グループ デンタルコンセプト21に所属。
e-maxインレーとは?
e-maxインレーとは、セラミックでできた歯の詰め物です。神経まで達していなかったり、歯の頭を大きく失っていない中等度の虫歯にまで使用でき、実際の歯の色に近く高い審美性を誇っています。

e-maxインレーは「セラミックインレー」と呼ばれるインレーの一種で、従来のセラミックインレーよりも強度・耐久性に優れており、近年人気があります。従来のポーセレン製のセラミックに比べ、硬度や靭性などの耐久性が飛躍し、セラミックブロックからデータで効率的に作り出せるためです。
虫歯の治療後の詰め物として、また、合金の詰め物をしていたけれど見た目を改善したい方などにおすすめの詰め物です。
虫歯の治療後の詰め物として、また、合金の詰め物をしていたけれど見た目を改善したい方などにおすすめの詰め物です。
e-maxインレーのメリット

e-maxインレーには、下記のメリットがあります。
- 審美性が高い
- 強度・耐久性が優れている
- 再治療をする確立が低い
- 金属アレルギーの心配がない
審美性が高い
前述したように、e-maxインレーは審美性が非常に高いです。
その理由は、一人ひとりの天然歯に近い色調を再現できるからです。インゴットと呼ばれるセラミックブロックは色の種類が多数あるのと、場合によってはステイン法と呼ばれる色付け方法で自然に色を再現できのです。
また、光沢感もあるため、一見普通の歯とは区別がつかないくらいの仕上がりになります。
強度・耐久性が優れている
e-maxインレーは、従来のオールセラミックインレーよりも強度・耐久性が優れています。
二ケイ酸リチウムガラスと呼ばれるセラミック素材で作られており、従来のオールセラミックインレーに使用されていたポーセレンよりも4倍の強度をもつ※ことが証明されています。
ですので、嚙み合わせの力が強い方や歯ぎしりの癖がある方などでも割れにくいでしょう。
※ IPS e.max プレス|Ivoclar Vivadent
二ケイ酸リチウムガラスと呼ばれるセラミック素材で作られており、従来のオールセラミックインレーに使用されていたポーセレンよりも4倍の強度をもつ※ことが証明されています。
ですので、嚙み合わせの力が強い方や歯ぎしりの癖がある方などでも割れにくいでしょう。
※ IPS e.max プレス|Ivoclar Vivadent
再治療をする確率が低い
e-maxインレーは、再治療が必要になる確率が低いと言われています。その理由は、二次カリエスが起きにくいからです。
二次カリエスとは、虫歯治療を行った部分が二次的に虫歯になることです。保険適用の詰め物である合金は、詰め物と歯の間にすき間ができやすく、そこから虫歯菌が入り込み再び虫歯になる可能性が高くなってしまいます。
一方e-maxインレーは、インレーと歯の接着度が高く施術後時間が経ってもすき間ができることがほぼありません。そのため、二次カリエスによる再治療の確率が下がるのです。
二次カリエスとは、虫歯治療を行った部分が二次的に虫歯になることです。保険適用の詰め物である合金は、詰め物と歯の間にすき間ができやすく、そこから虫歯菌が入り込み再び虫歯になる可能性が高くなってしまいます。
一方e-maxインレーは、インレーと歯の接着度が高く施術後時間が経ってもすき間ができることがほぼありません。そのため、二次カリエスによる再治療の確率が下がるのです。
金属アレルギーやメタルタトゥーの心配がない
e-maxインレーは金属を一切使用していないため、金属アレルギーやメタルタトゥーの心配がありません。
メタルタトゥーとは、金属イオンが詰め物から溶け出して歯茎に沈着し、黒ずんでしまう現象です。メタルタトゥーを治したい場合は、入れ墨と同じでレーザー治療での除去が必要となります。
メタルタトゥーとは、金属イオンが詰め物から溶け出して歯茎に沈着し、黒ずんでしまう現象です。メタルタトゥーを治したい場合は、入れ墨と同じでレーザー治療での除去が必要となります。
e-maxインレーのデメリット

e-maxインレーには、下記のデメリットがあります。
- 歯を削る量が多い
- 治療費が高い
- 場合によっては割れることがある
それぞれ解説していきます。
歯を削る量が多い
e-maxインレーのデメリットとして、合金の詰め物と比べ歯を削る量が多いことが挙げられます。これは、一定の厚みがないと割れやすくなってしまうためです。
治療費が高い
e-maxインレーは保険適用されず自由診療のため、治療費が高くなってしまいます。1箇所あたり約5~8万かかるでしょう。
場合によっては割れることがある
メリットで「強度・耐久性に優れている」と述べましたが、ジルコニアインレーと呼ばれる詰め物よりは強度が劣ります。そのため、嚙み合わせの負荷が大きい奥歯などに詰めると割れてしまう場合もあるのです。
歯科医院によっては、奥歯にはジルコニアインレー、それ以外はe-maxインレーを使用するというように、治療箇所によって分けているところもあります。
歯科医院によっては、奥歯にはジルコニアインレー、それ以外はe-maxインレーを使用するというように、治療箇所によって分けているところもあります。
e-maxインレーとほかのインレーはどう違う?各種インレーとの比較表

インレー(詰め物)には、5つの種類があります。こちらでは、保険適用可否、費用、メリット、デメリット、治療期間の5つの項目でそれぞれ比較します。
e-maxインレー | CRインレー(コンポジットレジン) | ハイブリッドインレー | ジルコニアインレー | ダイレクトインレー(ダイレクトボンディング) | |
---|---|---|---|---|---|
保険適用可否 | 不可 | 可 | 場合によっては可 (CADCAMインレーと呼ばれる保険適用のハイブリッドインレーが2022年より登場。適用条件あり) | 不可 | 不可 |
費用 | 約5~8万円/1箇所 | 約1,500~2,000円/1箇所 | 保険適用:保険適用範囲内 自由診療:約3~5万円/1箇所 | 約5〜10万円/1箇所 | 約2万円〜5万 |
メリット | ・審美性が高い ・強度・耐久性が優れている ・再治療をする確立が低い ・金属アレルギーやメタルタトゥーの心配がない | ・歯を削る量が少ない ・保険診療で受けられる ・短期間で治療ができる ・金属アレルギーの心配がない | ・周囲の歯や噛み合う歯を痛めにくい ・金属アレルギーの心配がない | ・強度が高い ・金属アレルギーの心配がない ・インプラント体・義歯・ブリッジへの応用など幅広い治療・設計が可能 ・仮止めで経過を見れる | ・自由診療の中では費用が安い ・見た目が自然 ・治療時間が短い ・歯を削る量が少ない |
デメリット | ・保険診療に比べ歯を削る量が多い ・治療費が高い ・場合によっては割れることがある | ・やや強度が劣る ・プラークがつきやすい ・光沢感がない | ・オールセラミックインレーよりは着色やすり減りがある ・歯科医のテクニックによる差が出やすい ・治療が長引くことがある | ・歯をやや多めに削る必要がある ・歯との接着が難しくドクターの技量が必要 ・費用が高額になる | ・寿命がある ・適応できない症例がある ・ドクターの技量が必要 |
治療期間 | 約2~4週間 | 1本であれば即日 | 約2~3週間 | 約2週間 | 1箇所であれば即日 |
e-maxインレーの症例

こちらは高木歯科クリニックでの症例です。医院によって仕上がりが異なりますのでご留意ください。
e-maxインレーは最近人気の強度・耐久性ともに優れている詰め物
今回は、e-maxインレーの概要、メリット・デメリット、他のインレーとの比較結果を紹介しました。
e-maxインレーはその審美性の高さや強度の高さから、最近人気の詰め物です。
合金の詰め物を審美性の高いものに変えたい、せっかく詰め物をするなら強度や耐久性があるものがいいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
e-maxインレーはその審美性の高さや強度の高さから、最近人気の詰め物です。
合金の詰め物を審美性の高いものに変えたい、せっかく詰め物をするなら強度や耐久性があるものがいいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
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