歯科矯正で痛いのはいつまで?耐えられない時の対処法7つ

「これから歯科矯正を始めるけど、痛いのが不安」、「矯正中の痛みって、一体いつまで続くの?」、「痛すぎて食事もできなかったらどうしよう?」。
このような不安はありませんか?
歯科矯正は、歯を動かして歯並びを整える治療のため、残念ながらある程度の痛みは避けられません。
しかし、痛いピークがいつ頃で、どうすれば和らげられるのかを事前に知っておくだけで、心の準備ができ、落ち着いて対処できます。
そこで本記事では、歯科矯正で痛みが発生する5 つの原因、痛みが続く期間、対処法を7つ解説します。歯科矯正中の方はもちろん、痛みに耐えられるか不安な方も、ぜひ参考にしてください。

Oh my teeth
マウスピース矯正「Oh my teeth」ホームホワイトニング「Oh my teeth Whitening」を提供するOh my teethのコンテンツチームです。Oh my teeth導入クリニックのドクターと連携し、歯科矯正やホワイトニング、自社ブランドに関する確かな情報を発信しています。
目次
- 歯科矯正で痛みが発生する5つの原因
- ①歯が動くことによる痛み
- ②矯正装置が粘膜にあたる物理的な痛み
- ③食べ物を噛むときの痛み
- ④処置に伴う痛み
- ⑤虫歯や歯周病といった口腔内トラブルによる痛み
- 歯科矯正の痛みはいつからいつまで続く?
- 痛みのピークは2~3日後
- 治療期間全体を通して痛みがずっと続くわけではない
- 歯科矯正の痛みをやわらげる7つの対処法
- ①ワイヤーやマウスピースを調整してもらう
- ②鎮痛剤の処方を相談する
- ③装置が当たる箇所を矯正用ワックスで保護する
- ④患部を冷やす
- ⑤食事の内容を工夫する
- ⑥十分な睡眠と休息をとる
- ⑦軽い指圧を試してみる
- ワイヤー矯正とマウスピース矯正どっちが痛い?
- 歯科矯正による痛みの不安は事前に歯科医師とよく相談しよう

矯正治療は、歯を動かす過程で何らかの痛みを感じることが一般的です。痛みの感じ方や程度には個人差がありますが、 矯正中に感じる痛みの種類は、主に以下の5つが挙げられます。
①歯が動くことによる痛み
歯を動かすための力(矯正力)を加えたときに感じる圧迫感や痛みは、ワイヤー矯正のみならずマウスピース矯正でも少なからず感じます。
歯科矯正は、歯に力を加えて動かします。
力が加わると、歯は動く方向のあごの骨(歯槽骨:しそうこつ)を溶かし、反対側には新しい骨が作られるという工程を繰り返しながら移動します。この骨の吸収と再生の際に炎症反応が起こり、痛みの原因となる のです。
ワイヤー矯正では定期的にワイヤーの締め具合などを調整しますが、ワイヤーの締め方がきついとより痛みを感じやすいでしょう。

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②矯正装置が粘膜にあたる物理的な痛み
ワイヤー矯正のブラケットとワイヤー、マウスピース矯正のアタッチメントといった装置が口腔内にあたって痛みが生じる ことがあります。
会話や食事で口を動かす際やスポーツなどで顔に外部から力が加わった際に、装置が粘膜に強くこすれてしまうことも。装置が粘膜に繰り返しあたることで、口内炎ができてしまい、その痛みに悩まされることもあります。
③食べ物を噛むときの痛み
矯正中は、歯を動かすための力が加わっているため、歯やその周りの組織が敏感になっている状態です。そのため、普段は何ともない食べ物でも、 噛む力が加わることで痛みを感じやすくなることがあります 。
噛むときの痛みは、歯科矯正をはじめた初期や、ワイヤー調整・マウスピース交換直後に感じやすいです。治療が進んでくれば減少する可能性があります。

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④処置に伴う痛み
矯正治療を進めるにあたって、抜歯や青ゴム(セパレーター)の装着、アンカースクリューの埋入が必要になることがあります。
歯をきれいに並べるためのスペースが不足している場合、抜歯を行うことがあります。抜歯の際は局所麻酔を使用するため、処置中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、歯を抜く際に押されたり引っ張られたりする感覚を覚える方もいます。
また、ワイヤー矯正では、奥歯に「バンド」と呼ばれる金属製の輪っかを装着することがあります。

このバンドをスムーズに装着できるようにするため、事前に奥歯と奥歯の間にわずかな隙間を作る必要があります。そのために使用するのが「青ゴム」「セパレーター」「セパレーティングゴム」と呼ばれる小さなゴムです。

青ゴムを歯の間に挿入する際や挿入後に、歯が押されるような、締め付けられるような痛みを感じることがあります。
痛みの感じ方には個人差が大きく、ほとんど痛みを感じない方もいれば、「ズキズキと痛む」「矯正治療の中でこの青ゴムが一番つらかった」と感じる方もいます。
装着期間は一般的に1〜2週間ですが、装着から2〜3日目あたりで痛みのピークを迎えることが多いようです。特に、食事で物を噛み締めたときに痛みを感じやすいでしょう。
歯科矯正では「アンカースクリュー」と呼ばれるチタン製のネジを埋め込むことがあります(下の写真の白丸部分)。

アンカースクリューはあごの骨に埋め込むもので、痛みが生じることがあります。ただし埋め込む際は局所麻酔がされ、処置後は痛み止めも処方されます。

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⑤虫歯や歯周病といった口腔内トラブルによる痛み
矯正治療中は、装置が常に歯に固定されているため、歯ブラシが届きにくい箇所ができます。そのため、丁寧に歯磨きをしているつもりでも磨き残しが生じやすく、お口の中の衛生環境が悪化してしまうことも。
清掃が不十分な状態が続くと、虫歯や歯周病が進行し、それが原因で痛みが生じるリスクも高まります。

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ここでは、歯科矯正で歯が動くときの痛みがいつから始まり、どの程度続くのかを解説します。ただし、痛みが続く期間や痛みの感じ方は、個人差が大きいため、あくまでも参考程度に読んでくださいね。
痛みのピークは2~3日後
歯科矯正ではブラケットやワイヤー、マウスピースの装着後に痛みを感じはじめます。
痛み出すタイミングには個人差が見られますが、装置の装着や調整から数時間~半日ほどで痛みを感じ始め、2~3日後に痛みのピークを迎えることが多いようです。

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治療期間全体を通して痛みがずっと続くわけではない
矯正開始後の痛みは、3日目頃を過ぎると徐々に楽になりはじめるでしょう。そして1週間程度経つと、痛みがおさまってきます。
食事の際に「痛みでうまく噛めない」「噛むと痛いから普段通りに食べられない」という状態だった人も、1週間程度経てば通常通りの食事内容にシフトで きるでしょう。
また、ワイヤー矯正は、1か月に1回の頻度で通院し、ワイヤーを調整したり交換したりします。調整の度に数日間は痛みが出ることもありますが、調整を繰り返していると痛みの強さが和らいでいくことが多いです。
マウスピース矯正は1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換し、少しずつ力を加えるため、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないと言われています。
マウスピース矯正「Oh my teeth」では、無料診断を実施しており、矯正治療の痛みに関する様々な疑問にお答えしています。お気軽にご利用ください。

矯正中に痛みを感じることは珍しくありませんが、その痛みが日常生活に支障をきたすほどつらい場合は、我慢せずに早めに歯科医師へ相談することが大切です。
ここでは、る主な対処法を7つご紹介します。
①ワイヤーやマウスピースを調整してもらう
ワイヤー矯正の場合、ワイヤーを強く締め付けられると強い痛みを伴います。締め方を緩めてもらうと、痛みを抑えながらゆっくりと歯を動かすことができ、ある程度痛みも和らげられるでしょう。しかし、ワイヤーを緩めると、予定していた治療期間より長引く可能性もあります。
一方、マウスピース矯正の場合は、マウスピースの縁が歯ぐきに当たると痛みが生じる可能性があります。縁を調整してもらうことで当たらなくなるため、痛みが軽減します。ただし、強く締め付けられる感覚があり、耐えられないほどの痛みがある場合は、マウスピース自体が合っていない可能性が。無理に装着を続けず、速やかに歯科医師に相談しましょう。
②鎮痛 剤の処方を相談する
歯科矯正の痛みを和らげるために、鎮痛剤は効果的です。市販の鎮痛剤も有効ですが、抗炎症成分の種類によっては、歯の動きが妨げられるものもあります。
そのため、鎮痛剤を使用する際は、まず歯科医師に相談し、治療に影響の少ない種類を選んでもらったり、処方してもらったりすることをおすすめします。
③装置が当たる箇所を矯正用ワックスで保護する
矯正器具が口腔内にあたったり、矯正中にワイヤーが折れたり外れて、針金の先が口腔内にあたって痛みが生じるケースもあります。この場合は、矯正用ワックスや矯正装置のカバー(リ ップガード)などを使用すると痛みが軽減されることがあります。矯正用ワックスは歯科医院でもらえるか、購入できるのが一般的です。
マウスピース矯正の場合も、アタッチメントの箇所を覆うことで痛みを和らげられます。すぐに歯科医院を受診できない場合の応急処置としても役立ちますので、矯正治療中は手元にワックスを準備しておくとよいでしょう。

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④患部を冷やす
歯が動く際の痛みや、装置が当たることによる炎症でジンジンとした痛みがある場合、患部の外側から冷やすことで一時的に痛みが和らぐことがあります。
清潔なタオルで包んだ保冷剤や、冷たい水を含ませたガーゼなどを頬の上から優しく当ててみましょう。ただし、直接氷を長時間当てるなど、冷やしすぎると血行が悪くなり、かえって治りを遅らせる可能性もあるため、様子を見ながら短時間にとどめるようにしてください。
⑤食事の内容を工夫する
食べ物を噛むことで、より歯に力がかかるため痛みを感じることがあります。矯正中の痛みがあるときは、堅い食べ物は避け、おかゆや豆腐など噛む力が少なくて済む柔らかいものを食べるとよいでしょう。

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⑥十分な睡眠と休息をとる
痛みを感じているときは、身体もストレスを感じやすくなっています。痛みがつらいときは無理をせず、リラッ クスできる時間を作り、心身を休ませることが大切です。
質の良い睡眠は免疫機能の向上も期待できるので、口内炎ができてしまった場合も回復を促すことができます。
⑦軽い指圧を試してみる
「鎮痛剤を飲みたいけどちょうど切らしている」「薬はあまり飲みたくない」といった場合に試していただきたいのが、ツボ押しです。
効果に個人差はあるものの、以下の3つのツボをマッサージするように押すと、矯正中の歯の痛みが和らぐ可能性があります。

顴髎(かんりょう):頬骨の下部分にあるツボ
合谷(ごうこく):手の人差し指と親指の間にあるツボ
頬者(きょうしゃ):グッと噛み締めたときに筋肉(咬筋)が盛り上がる箇所にあるツボ
※妊娠中の女性が合谷のツボをおさえると陣痛が起こると言われています。妊娠中の方は違うツボをおさえるようにしましょう。

マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて痛みにくいと言われています。
その理由は、ワイヤー矯正が約1ヶ月に1度、比較的大きな力をかけて歯を調整することがあるのに対し、マウスピース矯正は少しずつ歯を動かしていくからです。
治療計画に基づいて作製された複数のマウスピースを、1~2週間ごとにご自身で交換して装着します。1枚のマウスピースで歯が動く距離はわずか0.25mmほど。
このように、一度に大きな力を加えるのではなく、時間をかけてじっくりと歯を動かしていくため、治療に伴う痛みが出にくいとされています。
そのほかにも以下のようなメリットがあります。
基本的に抜歯をしない矯正が適応されることが多い
歯磨きのときに外せるので歯が磨きやすく、口腔内トラブルが少ない
食事の際は、矯正器具を外すため食べるときの痛みが少ない
矯正器具が目立たない
歯科矯正の痛みに耐えられるか不安な方は、マウスピース矯正を検討するのも一つの方法でしょう。マウスピース矯正についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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歯科矯正の痛みは、歯が動く際に骨の代謝が起こること、矯正装置が口の粘膜に当たることが主な原因です。痛みは装置の調整後2〜3日をピークに、1週間ほどで落ち着くのが一般的で、治療期間中ずっと痛みが続くわけではありません。
痛みに耐えられない時は、我慢せずに鎮痛剤を服用したり、矯正用ワックスで粘膜を保護したり、食事を柔らかいものに工夫したりといった対処法を試してみましょう。
また、ワイヤー矯正の痛みに耐えられるか不安な方は、痛みの少ないマウスピース矯正も検討してみてください。ただしワイヤー矯正と比べて適応範囲が制限されますので、まずは今のあなたの歯並びの状態をドクターに診てもらうことが大切です。
マウスピース矯正「Oh my teeth」は、矯正治療に必要な相談と検査を無料で受けられます。ぜひお近くのクリニックへお越しください。