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歯科矯正
最終更新日:2024年5月21日

矯正中ブラケットやワイヤーが外れたらどうする?対処法を解説

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

「矯正中にワイヤーやブラケットなどが外れた場合どうしたらいい?」
「次回の通院までに時間があるんだけど、自分で応急処置したほうがいいの?」
「矯正器具が何回も取れるのはなぜ?」

ブラケットやワイヤーなどの矯正装置が外れてしまうのは、歯科矯正中にはよく起こるトラブルの一つ。どう対処したらいいのか分からず戸惑う方が多いでしょう。

そこで本記事では、ブラケットやワイヤーなどが外れてしまった場合の対処法や応急処置方法、矯正器具が外れる原因を解説します。

ブラケットやワイヤーが外れてお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

【本記事の要点】

  • ワイヤー・ブラケットが外れた際は自己判断せず速やかにクリニックに連絡して指示を仰ぐ

  • クリニックが休診日・都合が付かないなどの理由で受診できない場合は、矯正用ワックスで固定するなどの応急処置で対応する

  • ワイヤー・ブラケットが外れるトラブルは主に、矯正を開始したばかりの段階で起こることが多く、時間が経つと外れなくなる

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矯正中にワイヤーやブラケットが外れたら?

ワイヤーが外れた時は

歯科矯正中のワイヤーやブラケットなど矯正器具が外れてしまった場合、速やかにクリニックに連絡しましょう。

自己判断で放置してしまうと後にトラブルが起こる原因になる可能性があります。

担当ドクターの指示を仰ぐ

ワイヤーやブラケットが外れたら自己判断せずに、クリニックに連絡して担当ドクターの指示を仰ぎましょう。

状況から、すぐにクリニックに来院した方がいいケースと、都合のつく日に来院しても問題ないケースに分かれます。

クリニックに来院できない場合でも、自分でできる応急処置の方法を教えてもらえるので連絡して指示を仰ぐことが大切です。

クリニックに連絡する際には、以下の項目を伝えるとよいでしょう。

  • 外れた部分

  • 何が外れたのか

  • いつ外れたのか

  • 痛み・違和感などの症状の有無

このような情報を伝えると、ドクターが状況を判断しやすく、適切な指示をしやすくなるでしょう。

矯正器具が外れたのに休診日で連絡できないときは?

クリニックが休診日で連絡が取れない場合、本記事で紹介した応急処置方法を試してみてください。そして休診日が明けたら、速やかにクリニックに連絡をして現状を伝えましょう。

後戻りなどのトラブルを回避するために、ドクターから適切な指示を仰ぐことが大切です。

外れた後何日なら放置しても大丈夫?

一般的には次の診察日まで4〜5日程度であれば、そのままでも問題のないケースが多いです。10日以上あく場合は後戻りのリスクが高まりますので、受診日を早めるなどの対処が必要でしょう。

ただし自己判断による放置は禁物。後戻りやトラブルを回避するためにも、矯正器具が外れたらなるべく早くクリニックに連絡して相談することが大切です。

歯科医師に相談した上で、指示されたタイミングで受診し、矯正器具を再装着したり、調整したりしてもらいましょう。

再度装置をつけるときの料金はいくら?

クリニックによって対応が異なりますが、無料でつけ直せるのが一般的です。ただし中には、装置を失くしてしまうと追加で料金が掛かるクリニックもあります。

また、日常生活で外れてしまったケースでは無料で対応するクリニックが多いですが、結婚式などの自己都合で一時的に装置を外すケースは、料金が掛かることが多いでしょう。

ワイヤー矯正で装置を一時的に外したいと考えている方は、以下の記事を参考にしてみてください。

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ワイヤー矯正を一時的に外すことはできる?費用や注意点を解説

矯正中ワイヤーが外れたときの付け方(応急処置)

外れるケース2つ

矯正中のワイヤーが外れた場合、考えられるケースは二つあります。

  • アーチワイヤーが外れたケース

  • リガチャーワイヤーが外れたケース

「アーチワイヤー」とは、歯を動かす役割を担っているワイヤーのこと。一方「リガチャーワイヤー」とは、歯に付いているブラケット装置とアーチワイヤーを固定するワイヤーのことです。

以下に、アーチワイヤー・リガチャーワイヤーが外れた場合の応急処置法を紹介します。

※前述したように、矯正中にワイヤーが外れた場合はまずクリニックに連絡してください。以下はあくまでも応急処置方法です。自己判断で放置するのはやめましょう。

アーチワイヤーが外れたときの応急処置方法

アーチワイヤーが外れた場合、元の位置に戻せそうなら戻しましょう。戻すことが難しい場合、矯正用ワックスを持っていたら、矯正用ワックスでワイヤーをブラケットに固定します。

▼矯正用ワックス

矯正用ワックス

もしくは、外れたワイヤー部分をニッパー・爪切りなどを使って折り曲げて当たらないようにするのも有効です。その際、ワイヤーの先端が頬や歯茎に「当たる・刺さる」など傷つけるリスクがある場合は、矯正用ワックスやガーゼで覆って当たらないように対応しましょう。

まれに、アーチワイヤーがすべて外れてしまう場合があります。ワイヤーで固定できていない状態になるので、長期間に渡り放置すると後戻りのリスクが高まるため、早めに受診しましょう。

リガチャーワイヤーが外れたときの応急処置方法

リガチャーワイヤーが外れた場合、応急処置として割り箸の先やつまようじ・爪などでアーチワイヤーの内側に押し込みましょう。

リガチャーワイヤーは、ブラケットとアーチワイヤーを固定するために巻きつけてあるワイヤーで、通常、先端はアーチワイヤーの内側に入れてあります。

ただ、ブラケットに強い力が掛かったときや、歯磨きなどで外に飛び出してくる場合も。これは珍しいことではないので、焦らず対処して早めにクリニックで処置してもらいましょう。

矯正中ブラケットが外れたときの対処法

ブラケットが外れた場合

ブラケットが外れた場合も、ワイヤーと同様で自己判断せずに速やかにクリニックに連絡し指示を仰ぐようにしましょう。

しかし、都合によりクリニックの受診が遅れそうな場合は、ワックスで固定する応急処置法があります。

ワックスで固定する

ブラケットが外れた場合の応急処置として、矯正用ワックスで固定する方法があります。ブラケットが外れた部分の水分や汚れを取ってから、矯正用ワックスでブラケットを固定しましょう。

ただ、矯正用ワックスを使用してもブラケットが固定できない場合も。その際は、外れたブラケットを持参してクリニックを受診しましょう。

矯正用ワックスの本来の使用目的は、矯正装置が頬や舌に当たって、痛みや傷がつくのを防止すること。口内炎ができた際にも使えるので、手元にない場合は今後のトラブルに備えて購入してもいいでしょう。

矯正歯科医院で購入できるので、ドクターに相談してみてください。

そのほかの矯正器具が外れたときの対処法

ブラケットやワイヤー以外の矯正器具が外れた場合の対処方法を紹介します。

パワーチェーンが外れた場合

パワーチェーン

パワーチェーンが外れて口の中で邪魔になっている場合は、自分でカットしましょう。パワーチェーンはゴム製のため、ハサミなどを使って簡単に切ることが可能です。カットする際は、口の中やほかの矯正器具を傷つけないように注意してください。

パワーチェーンは約2週間ごとに交換するため、つけ始めて2週間以上たっていればそのままでも問題のないケースが多いです。ただし2週間以内で外れた場合は矯正効果が薄れるリスクがあるため、すぐに担当歯科医師に連絡しましょう。

バンドが外れた場合

矯正バンド

奥歯に装着する輪っか状の矯正装置であるバンドが外れた場合、自分で元の位置に戻すのは難しいです。

バンドが外れたまま放置すると矯正効果を得られないだけでなく、バンドと奥歯の境目が虫歯になってしまう可能性があるため、すぐにクリニックへ相談してください。

セパレーター(青ゴム)が外れた場合

青ゴムを歯間にいれるイラスト

矯正装置を装着するために歯と歯の間に隙間を作る目的で使われるセパレーターは、隙間が十分に開くと自然と外れることがあります。

セパレーターが外れた場合、次回の診察日まで4~5日程度であればそのまま放置しても問題はありません。しかし次回の診察まで10日以上あく場合は、隙間が閉じてしまう可能性が。担当歯科医師に相談し、次回の診察日を早めるなどの対処をしてもらいましょう。

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矯正器具が何度も外れるのはなぜ?

�外れるのはなぜ

矯正中に何度もワイヤーやブラケットが外れると、ストレスになりますよね。何度もワイヤーやブラケットが外れる原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • 矯正器具は外すことを前提に装着されている

  • 装置が外れやすい食事をしている

  • 噛む力が強すぎる

  • 被せ物やセラミックの歯が多い

  • 噛み合わせが深い

  • 矯正器具を舌で無意識に触っている

  • 歯にフッ素塗布をしている

  • 防湿が十分にできていない

矯正器具は外すことを前提に装着されている

そもそもワイヤーやブラケットなどの矯正器具は、治療後に外すことを前提に装着するため、100%外れなくすることはできません。

特に矯正をはじめて最初の半年くらいは外れやすいですが、徐々に安定していきます。

装置が外れやすい食事をしている

ワイヤー矯正中の食事の内容によって、ワイヤーやブラケットが外れやすい場合があります。

矯正装置が外れやすくなる食べ物は、以下のようなものです。

  • 粘着性・弾力性のある食べ物

  • 硬い食べ物

上記のような食べ物は、ワイヤー矯正中はできるだけ避けるか、細かく切るなどの工夫が必要です。

以下に、矯正中の食事の注意点は以下の記事にまとめてあるので気になる方は参考にしてみてください。

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噛む力が強すぎる

噛む力には個人差がありますが、強い方で100キロほどの力が掛かると言われています。噛む力が強い方は、矯正装置に伝わる力も大きくなるので負担が掛かりやすく、外れやすい傾向があります。

また、普段から力仕事などで食いしばる機会が多い方や、夜寝ている間に食いしばりや歯ぎしりをする方も注意が必要。噛む力が強い人の身体の特徴としては、以下の点が挙げられます。

  • エラが張っている

  • 奥歯がすり減っている

矯正治療が進んで噛み合わせが変化すると自然に装置が外れる回数も減少しますが、初期の段階では外れやすい傾向があります。

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被せ物やセラミックの歯が多い

金属の被せ物やセラミックの歯は、天然の歯と比較して矯正装置が外れやすい傾向にあります。原因として、歯科矯正で使用する接着剤と金属・セラミックなど人工の歯に使う素材との相性の悪さが挙げられるでしょう。

対処法として、被せ物に特殊な処理を行ってから、装置を接着する方法をとるケースが一般的ですが、それでも外れてしまう場合があります。被せ物によって外れる頻度が多いと、歯科矯正が完了するまでの期間、プラスチックの仮歯に置き換えて治療を進める場合もあります。

噛み合わせが深い

「噛み合わせが深い」とは、上下の歯を噛み合わせた際に、上の前歯が下の前歯がほとんど見えなくなるまで覆いかぶさる状態を言います。

噛み合わせの深い人が矯正装置を装着すると、噛んだとき時に、下のブラケットが歯にあたるので外れてしまうことがあります。

矯正治療を進めていくと、噛み合わせが浅くなるので自然に改善されるケースが多いですが、治療初期は噛み合わせが深い場合、外れやすい傾向にあると言えるでしょう。

舌で無意識に触っている

ブラケットや矯正装置を装着すると、中には装置が気になって日常的に舌で触ってしまう方がいます。このように弱い力が慢性的に掛かることで、ワイヤーの変形やブラケットが外れてしまう原因になることも。

子どもの場合、無意識に行っているケースが多いので、目に入ったときに声掛けをするなど対策が必要でしょう。

歯にフッ素塗布をしている

ブラケットは歯にフッ素を塗布していると外れやすい傾向にあります。

ブラケットを装着する際、しっかりとくっつけるため歯の表面のエナメル質を脱灰させるエッチングという前処置が行われます。フッ素でエナメル質が強化された歯は、エッチングが不十分になりブラケットとの接着が弱くなってしまうのです。

エッチングの時間を通常より長めに行うことで外れにくくすることができます。

防湿が十分にできていない

接着剤は水分に弱いため、ブラケットを装着する際に装着面に唾液がつかないよう防湿する必要があります。特に子どもなど唾液の分泌量が多い人は防湿するのが困難な場合があり、十分に防湿できていないとブラケットが外れる原因になることも。

唾液の分泌量が多い人などには、インダイレクトボンディング法(間接接着法)などによって対処します。

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矯正器具が外れたらまずは歯科医院に相談しよう

歯科医院で相談している男性

ワイヤー矯正の場合、強い力や衝撃が加わるとワイヤーやブラケットが外れてしまうことがあります。その際大切なのは、速やかにクリニックに連絡して指示を仰ぐことです。

ワイヤーが外れたまま1週間、1ヶ月と長期間に渡って放置すると、場合によっては後戻りが起こる・思わぬ方向に歯が移動してしまうなどのリスクがあります。このようなトラブルを回避するためにも、矯正装置が外れた際には自己判断で放置しないでクリニックに相談しましょう。

ワイヤー矯正について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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