ワイヤー矯正で歯が動く仕組みを解説!通院が必要な理由は?
「ワイヤー矯正はどんな仕組み?もしかして自分でも歯は動かせる?」
「歯が動きやすい人はいるのかな?」
ワイヤー矯正に興味を持たれている方の中には、こんな風に考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
本記事では ワイヤー矯正の仕組みや、歯がどうやって動くのかを具体的に紹介します。
ワイヤー矯正をはじめる上で、歯が動く仕組みを知ることはとても大切です。ぜひ参考にしてください。
目次
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ワイヤー矯正ではブラケットとワイヤーという矯正装置を使って、歯に少しずつ力を加えて動かします。ブラケットにはワイヤーを通す穴やへこみがあります。そこにワイヤーを通し、ゴムで止めます。
ワイヤーの性質(もとの形に戻ろうとする力やしなりなど)を利用し歯に適切な力をかけて動かします。歯の動きにあわせて 定期的に歯科クリニックでワイヤーを調節しながら、理想の歯並びへ近づけていきます。
ワイヤー矯正についての詳しい方法は、以下の記事も参考にしてください。
ワイヤー矯正とは?値段・期間・メリット・デメリットなど徹底解説
歯を動かすための力が歯根膜に伝わる
歯の根は歯根膜(しこんまく)という弾力のある薄い組織で覆われています。歯根膜は、噛む力が加わったときにクッションの役割をしているとても大切な組織。歯を動かすときに重要な働きをします。
ワイヤー矯正によって歯に力が加わると、力が歯根膜に伝わります。
歯が動く方向に「骨を溶かす細胞」ができる
ワイヤー矯正装置によって歯が動く方向側にある歯根膜は、圧迫されます。圧迫されると歯根膜が縮み、縮んだ歯根膜は元の厚さに伸びようとし、骨を溶かす細胞ができます。
それによって歯が動く方向にスペースが生まれます。
歯が動く 方向の反対側には「骨を作る細胞」ができる
歯が動く方向とは反対側にある歯根膜は、引き伸ばされます。伸びた歯根膜は元の厚さに縮もうとして、骨を作る細胞ができます。
これにより歯が移動した後のスペースが埋まります。
歯根膜が一定の厚みをキープする
歯根膜には一定の厚みをキープする性質があります。そのためここまで紹介したような現象が起こります。動く方向の骨がなくなり、反対側に骨が作られることが繰り返され、歯が徐々に動いていきます。
このような歯周組織の代謝を利用するのが、ワイヤー矯正の仕組みです。
以下はここまでの仕組みを図解したものです。参考にしてくださいね。
歯科矯正で痛いのはいつまで続く?耐えられない時の対処法6つ
ワイヤー矯正をはじめとした歯科矯正では、矯正装置で歯に少しずつ継続的な力を加え、歯周組織の代謝を利用し徐々に歯を動かします。実際に歯はどれくらい動くのでしょうか。
1ヶ月で動かせるのは0.3mm〜0.5mm程度
個人差はありますが、1ヶ月で歯を動かせるのは0.3〜0.5mm程度。つまり0.5mm程度動いたとしても、3mm動かすには半年はかかるという計算です。
かなりゆっくりに感じるかもしれませんが、骨が作り替えられるのを待って歯を動かすため、時間がかかります。
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力を強くするとリスクも高まる
歯に加える力を強くすれば早く動くというわけではありません。強すぎると歯や歯を支える骨にダメージがかかり、歯茎が下がったり、歯の根っこが吸収され短くなったりするリスクがあります。
そのため適切な力を加えて時間をかけて徐々に歯を動かします。
自力でやろうとするのは危険
「歯に力をかければ動く」と聞くと「自分でもできるのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかしそれはとても危険です。
歯科矯正はドクターが歯並びや歯周組織の状態を検査した上で行われるべきもの。それらを考慮せずに自力で力を加えると、最悪歯が抜けてしまうことにもつながります。
自己判断はせずに、歯科クリニックで相談することをおすすめします。
ワイヤー矯正をスタートすると、月に1回を目安に通院し、ワイヤーの調整を行います。
これはなぜ必要なのか? 具体的に説明します。
ワイヤーの種類・太さを調整して歯の動きをコントロールする
ワイヤー 矯正では治療段階に応じてワイヤーの種類を変えたり、曲げ方を変えたりして歯を理想の位置へ動かします。このような調整を通院時に行います。
たとえばワイヤーには断面が四角いものや丸いものがあります。丸いものよりも四角いものの方が力をかけやすく、一般的に矯正開始〜中盤までは丸いもの、仕上げの段階で四角いものを使います。
またワイヤーの太さを変えて力の強さをコントロールします。矯正をはじめたときは細いワイヤーを使用し、徐々に太いワイヤーへ変えていきます。太いワイヤーの方が、力を強くかけられます。
このように使うワイヤー自体を変えたり、ワイヤーの曲げ方を変えたりして、適切にコントロールし歯列を矯正していきます。
ワイヤーの装着には高度の専門技術が必要とされており、口腔内を傷つけてしまう危険 性もあるため、自分でワイヤーを交換することはできません。
ワイヤー矯正の種類や値段は?体験談を元にメリットやデメリットを紹介
ワイヤー 矯正は長く計画的に治療を進めていくことが基本です。しかし一概には言えませんが、以下のような場合は歯が動きやすいと考えられています。
成長期の子供
成長期の子供はあごがまだ柔らかく少しの力で影響が出やすくなっています。
そのため時期によもりますが、あごの成長を生かして歯列を広げるような装置(拡大装置)を使用して矯正を行うことも。大人になると歯列を広げることは難しくなります。
あごがやわらかいということは、悪習慣の影響も出やすいということ。そのため子どもに歯並びの悪化につながる癖(指しゃぶり・舌で歯を押す 癖・爪噛み)などがある場合は、早めの対処が必要です。
新陳代謝が活発な人
冒頭で説明したような骨の吸収・再生は、新陳代謝が活発な人ほどスムーズで、結果として歯が早く動く傾向がみられます。
矯正治療中に十分な睡眠や健康的な食事、適度な運動など、生活習慣や健康状態に気を使ってみることも、よい結果につながるかもしれません。
ワイヤー矯正の期間はどれくらい?大人と子供に違いはある?
ワイヤー矯正の仕組みは歯周組織の代謝を利用したものです。歯に力をかけ続けるのがワイヤーの役割で、ワイヤーの性質(もとの形に戻ろうとする力やしなりなど)を利用しています。
定期的に歯科クリニックへ通院しながら、歯に適切な力をかけ少しずつ動かすため、長期間かかります。
子供の場合は成長期を生かしてスムーズに歯が動く可 能性があるため、歯並びが気になる場合は早めに相談するのがおすすめです。
矯正を検討している方もまた、どんな矯正方法が自分に合っているのかを知るために、歯科クリニックでの相談をしてみてはいかがでしょうか。