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歯科矯正
最終更新日:2024年9月9日

ダイレクトボンディングとは?メリット・デメリット・費用など徹底解説

ダイレクトボンディングとは?

「ダイレクトボンディングって何?」

「ダイレクトボンディングですきっ歯は治せるの?」

「保険適用の詰め物と何が違うの?」

このような疑問はありませんか?

ダイレクトボンディングとは、歯に直接レジンを詰めて自然な見た目に仕上げる治療法です。

セラミック治療と異なり型取りの必要がなく、歯を削る量も抑えられます。虫歯治療や前歯のすきっ歯の改善、欠けた歯の修復など、さまざまな症例に適応されています。

そこで本記事では、 TOTAL TOOTH TREATMENT の井上 慎太郎先生監修のもと、 ダイレクトボンディングの治療の手順や適応症例、メリット・デメリット、そして気になる費用まで詳しく解説。

後悔しない選択のためにも、ダイレクトボンディングについて理解を深めていきましょう。

井上 慎太郎先生
歯科医師

井上 慎太郎

日本大学歯学部卒業後、大学付属歯科病院 歯内療法科・インプラント科にて勤務。2012年 大阪市淀川区に井上歯科CLINIC&WORKS OSAKA 十三、2017年 港区新橋に井上歯科CLINIC&WORKS TOKYO 、2018年 中央区八丁堀にTOOTH CREATE TOKYO、2024年 港区赤坂にTOTAL TOOTH TREATMENTを開院し現在4クリニックを経営している。

目次

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ダイレクトボンディングとは

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

ダイレクトボンティングは、レジンとセラミックを組み合わせた「ハイブリッドセラミック」と呼ばれる充填剤を、歯に直接塗布して固める治療方法です。

ハイブリッドセラミックは、適度な強度と、自然な美しさを併せ持ち、さまざまな審美治療を行えます。

たとえば、前歯の隙間を埋めたり、虫歯の治療後に銀歯の代替として詰めたり、欠けてしまった歯を修復したりするなどの症例に対応可能です。

また、治療期間が短くて済む点や、審美治療のなかでは良心的な価格設定であることも、ダイレクトボンディングの特徴です。

ダイレクトボンディングとコンポジットレジン(CR)との違い

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ダイレクトボンディングと似たような治療に「コンポジットレジン充填」と呼ばれる治療方法があります。どちらも歯の修復を目的とした治療で、施術方法に大きな差はありません。しかし、使用できる材料が異なります。

コンポジットレジン充填は保険診療で行われることが多く、使用できる材料はレジン(プラスチック)のみです。

これに対し、ダイレクトボンディングはレジンにセラミック粒子を混ぜたものを使用でき、審美性と強度の向上を目指せます。

ダイレクトボンディングはコンポジットレジン充填よりも、より自然な見た目と耐久性に優れた修復ができるワンランク上の治療方法と言えるでしょう。

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ダイレクトボンディングで対応できる症例

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

ダイレクトボンディングは、すべての審美治療に適応できるわけではなく、一部の治療に限られます。ダイレクトボンディングが適している症例をみていきましょう。

虫歯治療

ダイレクトボンディングは、虫歯治療で用いることが可能です。虫歯治療で削った部分にレジンとセラミック粒子を混合した材料を埋めることで、天然歯の色合いや透明感を再現できます。

修復後の歯が自然に見えるため、見た目を重視している方に適した治療方法と言えるでしょう。

ただし、重度の虫歯や広範囲にわたる場合は、セラミック治療などが必要になることがあります。

歯の隙間の改善

すきっ歯など、歯と歯の間に隙間がある場合、ダイレクトボンディングでその隙間を埋められます。

前歯のすきっ歯は歯科矯正(部分矯正)でも歯並びを整えることも可能ですが、費用が高く、時間も要します。

前歯以外の歯並びに問題がない場合は、ダイレクトボンディングで前歯のすきっ歯を改善することも選択肢の一つです。

欠けた歯の修復

転倒などの不慮の事故や、過去に治療した歯の経年劣化で、歯が欠けてしまった場合にもダイレクトボンディングで治療できます。

特に前歯の場合は見た目に影響があるので、早く治したいですよね。

ダイレクトボンディングであれば、短い通院日数で自然な歯の再現が可能です。

虫歯の治療跡に詰める

虫歯を治療した場合、虫歯だった部分を削り取った跡に詰め物や被せ物をするケースが多いです。

保険適用になる銀歯を使われる方も多いですが、銀歯は笑った時や大きく口を開けた時に目立ちがちなので気になる方もいるでしょう。

銀歯の代わりにダイレクトボンディングを使用すれば、虫歯の治療跡を目立たせず、自然な歯に見えるように修復できます。

ただし、銀歯が大きく両方の隣接と接している場合は、強度が不足するためダイレクトボンディングは適用外になります。

歯の形状を整える

歯の形状の悩みにも、ダイレクトボンディングを用いて自然に歯の形を修正できます。たとえば、歯ぎしりで犬歯が摩耗してしまった、歯の先がギザギザしている、大きさが揃っていない小さい歯があるなどの悩みがある場合などです。

ただし、治療した歯は、従来の歯と同じまたは大きくなります。歯を小さくすることはできないため注意しましょう。

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ダイレクトボンディングの費用

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

ダイレクトボンディングは、保険適用外の自由診療になります。治療相場は1本あたり2万〜5万円程度です。

たとえば、前歯2本のすきっ歯を治療する場合、総額は4万円〜10万円程度かかることになります。

歯科矯正では部分矯正の場合でも10万円〜70万円ほどかかることになりますので、比較的良心的な価格と言えるでしょう。

ダイレクトボンディングのメリット

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

ダイレクトボンディングにはいくつかの特徴があります。まずはメリットからみていきましょう。

費用が安い

ダイレクトボンディングは、1本あたり2万〜5万円と比較的安価な価格で治療が可能です。

保険は適用できませんが、それでもセラミック治療や歯科矯正などほかの自由診療と比べると、良心的な価格設定が特徴です。

見た目が自然

ダイレクトボンディングでは、ほかの歯に合わせた色調にすることが可能です。適度な透明感もあるため、ほかの歯と比較しても浮かずに自然な仕上がりになります。

銀歯だった箇所をダイレクトボンディングで白い歯にする場合はもちろん、前歯を治療する場合も、治療した箇所がほとんどわからないほどの見た目になるでしょう。

治療期間が短い

ダイレクトボンディングの治療は、1回で終わるのが大きなメリットです。たとえば、すきっ歯の改善を歯科矯正で行おうとすると数ヶ月はかかります。

その点、ダイレクトボンディングであれば短期間で改善が見込めるので、メリットを感じやすくなるでしょう。

ただし、治療時間は1本あたり1時間以上かかることがあります。なぜなら治療の精度を高めるために「ラバーダム」と呼ばれるゴムのマスクをして、患部に唾液が入らないように慎重に処置を行うからです。

そのため、本数が多い場合は複数回にわけることもあります。

また、初診の場合はその日はカウンセリングのみで時間を要してしまうため、治療は日を改めて行うこともあります。

ダイレクトボンディングの予後の確認や微調整などを行うために、後日通院が必要になる場合もありますので、最大3回程度は通うつもりで考えておくとよいでしょう。

歯を削る量が少ない

ダイレクトボンディングは、ほかの治療法と比較して歯を削る量が最小限で済むのもメリットです。

詰め物やセラミック治療の場合は、接着の強度を高めるために歯を削ってから接着させますが、ダイレクトボンディングの場合は直接歯に充填剤を入れて固めるため、歯を削る必要がほとんどありません。

また、虫歯治療で削る際は「MI:Minimal intervation(最小限の侵襲)」にもとづいて治療を行うため、歯を削る量が少なくて済みます。

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ダイレクトボンディングのデメリット

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

続いて、「寿命がある」「適応できない症例がある」など、ダイレクトボンディングのデメリットを紹介します。デメリットを理解した上で治療法を選択しましょう。

寿命がある

ダイレクトボンディングは、セラミックが配合されているため耐久性に優れていますが、それでも永久的なものではありません。

ダイレクトボンディングの寿命は、保険適用のプラスチックレジンの寿命(2年〜3年)に比べると比較的長いですが、4年〜6年程度で劣化するといわれています。

もちろん個人差がありますので、10年以上持つこともありますが、変色したり、摩耗してしまう可能性があることは理解しておきましょう。

ダイレクトボンディングで治療した歯を長くきれいに保つためには、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。

かみ合わせや飲食物の嗜好など口腔内環境により個人差はありますが、6ヶ月~1年に1回くらいの頻度で定期健診を受けるとよいでしょう。

適応できない症例がある

ダイレクトボンディングは、比較的小さい箇所や噛んでも力が加わりにくい歯の治療に向いています。

そのため以下の症例は、セラミック治療や歯科矯正を検討するか、ドクターに相談して治療方針を決めるようにしましょう。

  • 奥歯や広範囲の治療となる場合

  • 虫歯などで広範囲にわたり歯の体積を失った場合

  • 前歯の先端が大きく欠けている場合

  • すきっ歯の隙間が大きすぎる場合

ドクターの技量が必要

ダイレクトボンディングは歯科医師が直接歯に充填材を塗布し、形成する治療法です。

歯科医師の技術依存度が高いため、安さだけで決めたりせず、治療例や治療後の写真などもチェックして、信頼できる歯科クリニックを選ぶことをおすすめします

また、すべての歯科クリニックで導入している治療法ではないことも理解しておきましょう。

ダイレクトボンディングの治療手順

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

ダイレクトボンディングはどのような順序で治療を行うのでしょうか?一般的な流れをみていきましょう。

①検査・診断・カウンセリング

ドクターが歯の状態を確認し、ダイレクトボンディングが適応できる症例か確認します。ほかの治療法と組み合わせたりする場合は、歯型を取ってシミュレーションを行うこともあります。

治療内容やメリット・デメリットなど知りたいことなどあれば、カウンセリングの段階で聞いておきましょう。

②歯のクリーニング

ダイレクトボンディングを行う前に、歯のクリーニングを行うのが一般的です。

歯に汚れがついたままだと、ボンディング材(接着材)の効果が弱くなってしまうため、事前のクリーニングで治療後の持ちをよくします。

また、クリーニングでお口の中の細菌量を減らすことで、再び虫歯になるのを予防できます。

③ボンディング材と充填剤の塗布と形成

ボンディング材を歯の表面に塗布し、光を照射します。次にセラミックとレジンを混合した充填剤を詰めて、歯の形状や色調を調整します。

④硬化

充填材が適切に形成されたら、特殊な光を使用して硬化させ、強度を高めます。

⑤仕上げ

硬化が終わったら、歯の形状を最終的に調整します。必要に応じて磨きをかけて、ほかの歯との色合いを見て自然な光沢を出します。

クリニックによっては1回ですべての工程を行う場合もありますが、カウンセリングに時間をかけて行うために、治療の日をわけているクリニックも多いです。

治療を急ぐ場合やカウンセリングと治療を同日に行いたい場合は、あらかじめ歯科クリニックの方針を確認しておくとよいですね。

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ダイレクトボンディングを検討する際の注意点

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ダイレクトボンディングで後悔しないためにも、治療を検討する際は以下の点を押さえておきましょう。

対応できる歯科クリニックは限られている

ダイレクトボンディングは歯科医師の技術が求められることに加えて、さまざまな色調に対応した充填剤や、感染予防対策のための道具など揃えなければなりません。

一つひとつが高価になることから歯科医院における導入のハードルが高いため、ダイレクトボンディングを行っていないところもあります。

ダイレクトボンディングを検討する際は、治療を実施しているか調べ、治療経験のある歯科医師が在籍しているかどうか確認しましょう。

治療後のメンテナンスが必要

ダイレクトボンディングを詰めたばかりのときは、天然歯と馴染み、見た目も美しいです。しかし、プラスチックが混ざっているため着色はどうしても避けられず、長持ちさせるためには定期メンテナンスが必要です。

お口の状態によって異なりますが、3~6ヶ月を目安に定期メンテナンスを受けることをおすすめします。

歯科クリニックによって使用する材料が異なる

使用する材料には「エステライトアステリア」「グラディアダイレクト」「プレミス」といった種類があり、それぞれ質感や光沢が異なります。

もし複数の歯を治療する場合は、同じクリニックで一貫した治療を受けることをおすすめします。

ダイレクトボンディングに関するQ&A

ダイレクトボンディングとは?気になる費用やメリット・デメリットまとめ

最後に、ダイレクトボンディングに関するよくある質問をまとめてみました。セラミック治療との比較、治療の痛みなど気になる疑問を解決しておきましょう。

ダイレクトボンディングとセラミック治療はどちらがいいですか?

どちらがいいかはそれぞれの特徴を理解し、適応症例や審美性、機能性、予算などを考慮した上で決めるのが望ましいです。

セラミック治療は、ダイレクトボンディングと比べて劣化に強く、変色や汚れがほとんどありませんが、広い範囲の歯を削る必要があります。

また、費用相場もセラミック治療の方が高くなるため、セラミック治療に興味がある場合は一度歯科クリニックで相談してみましょう。

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ダイレクトボンディングは保険が適用されますか?

ダイレクトボンディングは基本的には、審美目的の治療となるため保険は適用されません。

たとえ不慮の事故で歯を失った際の治療だとしても、見た目を改善する目的の処置になるため、保険適用外となります。ただし、審美歯科治療のなかでは比較的良心的な価格で、相場は1本2万〜5万円です。

ダイレクトボンディングの材料は安全ですか?

ダイレクトボンディングに使用する材料は、ハイブリッドセラミックと呼ばれるレジン(プラスチック)とセラミックを混合したものです。

レジンもセラミックも歯科治療で使用されている実績のある材料です。ただし、まれにレジンアレルギーの方もいますので、心配な方は皮膚科でパッチテストを受けるとよいでしょう。

また、ダイレクトボンディングは金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。

ダイレクトボンディングとホワイトニングは同時に行えますか?

ダイレクトボンディングとホワイトニングは同時に行えます。ホワイトニングで白くなった歯に合わせて、充填材の色調を調整することが多いです。

ただし、ホワイトニングした色が後戻りすると、ダイレクトボンディングとの色の境目が目立ってしまうことがあります。そのようなリスクを避けるため、定期的にホワイトニングをすることをおすすめします。

ダイレクトボンディングの治療は痛いですか?

ダイレクトボンディングは歯を削る部分が少なく、歯を形成したり硬化したりする際も痛みはありません。

虫歯治療と同時に行う場合を除いて局所麻酔が必要ないことがほとんどです。

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ダイレクトボンディングの特徴を知って納得できる選択を

ダイレクトボンディングは、プラスチックとセラミックが混ざった充填剤を歯に直接塗布して固める治療方法です。隙間の修正や欠けた部分の修復、虫歯治療に用いられ、自然に近い見た目を再現できます。

費用の面や治療期間の短さから手軽な選択肢に見えますが、寿命があることと、適用できない症例があることに注意が必要です。

ただ、メンテナンスを行えば長くきれいな歯を保つことは可能ですし、自分の悩みがダイレクトボンディングを適応できる症例の場合は、選択肢の一つに入れておきたいですね。

後悔しない治療法を選ぶために、クリニック選びは慎重に行い、ドクターに相談しながら治療法を決めていきましょう。

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