部分矯正の期間はどれくらい?治療方法や歯並びによる違いを紹介
本記事では部分矯正の治療期間を矯正装置ごとに詳しく解説。実際に部分矯正で改善した歯並びの期間も紹介しますので、自分の歯並びが部分矯正で本当に短期間で治せるのか気になっている方は必見です。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
「部分矯正は全体矯正より期間が短いって本当?」「前歯のすきっ歯を部分矯正で治すと期間はどれくらい?」など、部分矯正の期間について疑問をお持ちではありませんか?
確かに部分矯正は2ヵ月〜1年程度と治療期間が短いです。ただし、部分矯正は動かせる範囲が限定されているので、歯並びの状態によっては治せないケースもあります。
そこで本記事では、すきっ歯や出っ歯など部分矯正で改善した歯並びとともに、実際に治療期間がどれくらいかかったのか詳しく解説します。
部分矯正の矯正装置別の期間や全体矯正との期間の違いについても紹介しますので、「部分矯正で歯並びを短期間で改善したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
部分矯正は基本的に前歯部分(前から3番目の犬歯まで)を動かす方法です。見た目を整えることが主な目的で、噛み合わせの改善はできません。まずは、部分矯正の期間が具体的にどれくらいなのかを見ていきましょう。
最短2ヶ月!全体矯正より短期間で治療ができる
部分矯正 | 全体矯正 | |
---|---|---|
治療期間 | 2ヵ月~1年程度 | 1~3年程度 |
部分矯正の期間は最短2ヶ月、長くても1年程度で治療ができます。一方、歯並び全体を動かす全体矯正の治療期間は1〜3年程度です。部分矯正は全体矯正と比べて、歯を動かす範囲が少ない分、短期間で治療ができます。
また、治療期間は前歯と奥歯の構造の違いも関係しています。前歯の根っこは1本ですが、奥歯は2〜4本です。歯の根っこの本数が多ければそれだけ頑丈で動かしにくいため、前歯を中心に動かす部分矯正の方が治療期間が短くなります。
マウスピース矯正 Oh my teethでは、以下のように最短2ヶ月で矯正が終了した例があります。※2020/1~2023/7 Basicプランの実績値(保定期間除く)
矯正期間だけでなく保定期間も必要
部分矯正の治療期間2ヵ月〜1年というのは、矯正装置を使用して歯を動かすのにかかる「矯正期間」です。しかし矯正治療が終わった直後は、歯の周りの骨が安定していないため、歯並びを固定する「保定期間」も必要になります。
そのまま何もせずに放置していると、歯は元の位置に戻る「後戻り」を起こします。後戻りを防ぐには、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着する保定期間が非常に重要です。
保定期間は矯正期間と同じ期間必要で、その間はリテーナーを1日20時間以上装着しなければなりません。歯の状態が安定してきたら、就寝時のみなど装着時間を徐々に短くしていきます。
部分矯正できれいになった歯並びをキープするためには、できるだけ長期間リテーナーを装着しておくのが理想です。
部分矯正の治療期間の目安は一般的に、マウスピース矯正の場合2ヶ月〜1年、表側矯正の場合2ヶ月〜1年、裏側矯正の場合5ヶ月〜1年程度です。このように部分矯正は矯正装置によって治療期間の目安が異なります。
【部分矯正の矯正装置別比較表】
マウスピース矯正 | 表側矯正 | 裏側矯正 | |
---|---|---|---|
特徴 | 透明なマウスピースを使用する方法 | 歯の表面に矯正器具を装着する方法 | 歯の裏面に矯正器具を装着する方法 |
メリット | ・目立ちにくい ・装置を取り外せる | ・実績が多い ・自己管理が不要 | ・目立ちにくい ・自己管理が不要 |
デメリット | ・自己管理が必要 ・適応範囲が限られる | ・装置が目立つ ・装置の厚みで口元に突出感が出る | ・歯磨きがしにくい ・滑舌への影響が出やすい |
治療期間 | 2ヶ月~1年程度 | 2ヶ月~1年程度 | 5ヶ月~1年程度 |
マウスピース矯正:2ヶ月~1年程度
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型矯正装置をつけて歯を動かす方法です。治療段階に応じて作製されたマウスピースを順番通りにつけ替えることで、少しずつ歯並びを整えます。
矯正装置が取り外し可能なため、食事や歯磨きはこれまで通りできる点がメリットです。
一方で、1日20時間以上の装着時間が守れないと、計画通りに歯が動かず治療期間が長引く原因になる点がデメリットです。
マウスピース矯正と一口に言っても、さまざまなブランドやプランがあり、治療期間の目安が異なります。たとえば、世界シェアNo.1の「インビザライン」は部分矯正のプランが3つあり、以下のように使用できるマウスピースの枚数によって治療期間の目安が違います。
種類 | 適応症例 | 枚数 | 治療期間 |
---|---|---|---|
インビザライン エクスプレス | ごく軽度 | 最大7枚 | 3〜4ヶ月 |
インビザライン ライト | 軽度 | 最大14枚 | 最大5ヶ月 |
インビザライン Go | 比較的軽度 | 最大20枚 | 最大7ヶ月 |
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表側矯正:2ヶ月~1年程度
表側矯正は、歯の表面にブラケットという矯正器具をつけ、そこにワイヤーを通して引っ張ることで歯を動かす方法です。1ヶ月に1回程度の頻度でクリニックに通い、ワイヤーを締め直してもらうことで、歯にかける力を調整し歯並びを整えます。
幅広い症例に対応できる点がメリットです。一方で、装置が金属性で目立ちやすい点がデメリットですが、白や透明の目立ちにくい素材の装置もあります。
裏側矯正:5ヶ月~1年程度
裏側矯正は、歯の裏面にブラケットとワイヤーをつけて歯を動かす方法です。表側から装置が見えないので、目立ちにくい点がメリットです。一方で、舌に装置が当たりやすいため、違和感が出やすく口内炎ができやすい点がデメリットです。
また、裏側矯正は表側矯正より若干治療期間が長くなる傾向にあります。期間が長くなる理由は、オーダーメイドで装置を製作したり、表側矯正より矯正装置が外れやすいからです。
部分矯正は動かす範囲が前歯のみに限定されます。そのため、噛み合わせに問題がない比較的軽度の歯の乱れでしか適応されないケースが多いです。
ここからは、マウスピース矯正 Oh my teethの部分矯正プラン(Basicプラン)で改善した症例を治療期間と合わせて紹介します。あなたの歯並びがどれくらいの期間で治るか参考にしてみてください。
すきっ歯:3ヶ月
すきっ歯の中でも前歯だけに隙間がある「正中離開(せいちゅうりかい)」は、部分矯正の適応になるケースが多く、短期間で改善できる可能性が高いです。
軽度の出っ歯:3ヶ月
歯の出っ張りがわずかに見られる軽度の出っ歯は、部分矯正で治せる可能性が高いです。歯の側面を少し削ること(IPR)で、前歯を下げるスペースを確保します。
軽度の凸凹:4ヶ月
前歯が1〜3本軽く重なっている軽度の凸凹も、部分矯正で改善できる可能性が高いです。
矯正後の後戻り:2ヶ月
不十分な保定などで後戻りをしてしまった歯の再矯正は、基本的に部分矯正で対応できるケースが多いです。最初から矯正治療をやり直すわけではないので、比較的短い期間で歯並びを整えられます。
一方で、以下のような歯並びは部分矯正では改善できない可能性が高いです。
重度の出っ歯
重度の凸凹
開咬(かいこう)
過蓋咬合(かがいこうごう)
噛み合わせに問題がある場合
重度の出っ歯や凸凹は、抜歯が必要になるケースが多く、全体矯正が適応されます。開咬(奥歯を噛み合わせたときに前歯が当たらない状態)や過蓋咬合(噛み合わせが深い状態)は、噛み合わせの改善が必要になるため、部分矯正では対応が難しいです。
部分矯正:できない例・できる人・向かない人【歯科医監修】
最後に部分矯正の期間に関するよくある疑問にお答えします。
どのくらいで変化を実感できる?
個人差はありますが、1ヶ月前後で歯が動いたと実感できる可能性があります。部分矯正を含め歯科矯正では、1ヶ月に0.3〜0.5mm程度しか歯は動かせません。少しずつ歯を動かすため、すぐには変化を感じない人が多いです。
同じ距離を動かす場合でも、すきっ歯は比較的早く効果を実感できますが、凸凹の歯はなかなか効果を実感しにくい傾向にあります。
歯科矯正ってどれくらいで変化する?変わらない4つの理由
できるだけ期間を短くするにはどうしたらいい?
最初にクリニックで提示される部分矯正の期間は、計画通りに進んだ場合の期間です。矯正中にトラブルが起きてしまうと、当初の予定より長引いてしまいます。少しでも期間を短くするには、以下の点に気をつけましょう。
歯科医師の指示通りに通院する
虫歯や歯周病にならないよう口腔ケアを丁寧に行う
マウスピース矯正の装着時間を守る
歯列矯正が早く終わる人の特徴は?期間を短縮する3つの方法
失敗しないためにはどんな矯正歯科を選べばいい?
部分矯正で治せる歯並びは限られているため、無理に部分矯正すると、出っ歯になってしまったり、噛み合わせが悪くなる場合もあります。このような失敗を防ぐためにはクリニック選びが非常に重要です。
信頼できる矯正歯科の選び方は、以下のポイントを参考にしてください。
検査結果を丁寧に説明してくれる
経験豊富な矯正専門のドクターが常駐している
悩みや疑問を相談しやすい
複数の選択肢を提示してもらえる
デメリットやリスクも教えてくれる
カウンセリングを受けて納得できない部分がある場合は、別のクリニックにも相談へ行ってから判断しましょう。部分矯正で理想の歯並びを手に入れるためには「ここなら安心して任せられる」と思えるクリニックを選ぶことが大切です。
部分矯正の期間は2ヶ月〜1年程度です。しかし、矯正期間は歯並びの状態や矯正装置の種類によって異なります。また、部分矯正は動かせる範囲が限定されているので、希望してもできない場合もあります。
あなたの歯並びの具体的な治療期間や部分矯正で治療可能かどうかは、精密検査を受けてみないとわかりません。まずは部分矯正ができるクリニックへ、カウンセリングに行ってみましょう。
マウスピース矯正 Oh my teeth導入クリニックでは、上下前歯の部分矯正プラン(一律総額33万円、治療期間は平均3ヶ月)に適合するかの診断や各種検査を無料で実施しています。 ※治療期間平均3ヶ月は2020/1~2023/7 Basicプランの実績値(保定期間除く)
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