裏側矯正で出っ歯がなおるまでの期間は?短縮する3つの方法も紹介
「裏側矯正で出っ歯をなおしたいけど、長期間続けられるかな……」
「1年後の結婚式までには終わるだろうか」
このように出っ歯を裏側矯正でなおしたいと考えていても、「裏側矯正の期間は長い」イメージがあり、不安になっている方もいるのではないでしょうか。
確かに裏側矯正による出っ歯の治療期間は、2〜3年程度かかることがあります。しかし、出っ歯の状態によっては、1年以内で終わるケースもあります。
そこで本記事では、吉祥寺矯正歯科クリニック の鈴木 美穂先生監修のもと、 裏側矯正による出っ歯の治療期間を短期間になりやすいケースと合わせて紹介。期間を短縮する3つの方法も紹介しますので、出っ歯の裏側矯正をできるだけ早く終わらせたい方は必見です。
鈴木 美穂
日本歯科大学卒業後、日本歯科大学附属病院にて研修に励み、日本歯科大学矯正学講座に入局し、日本矯正歯科学会認定医を取得。その後、医療法人社団矯栄会 六本木 広瀬矯正歯科にて経験を積む。日本大学大学院 歯学研究科の博士課程を修了し、博士号を取得。2020年に吉祥寺矯正歯科クリニックを開院する。日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会、顎変形症学会、日本口蓋裂学会、日本歯科保存学会、日本接着歯学会など多数の学会に所属している。
目次
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裏側矯正で出っ歯がなおるまでの期間は、平均5ヶ月〜3年です。ただし、実際には出っ歯の状態や矯正する範囲によって大きく異なるため、あくまで目安期間として参考にしてください。まずは矯正範囲によってどう期間が違うのかを見ていきましょう。
部分矯正:5ヶ月~1年程度
部分矯正は、基本的に前から3番目の犬歯~犬歯の間にある計6本を動かす方法です。歯を動かす範囲が限定されているため、矯正期間も全体矯正と比較して短い傾向にあります。
出っ歯の場合、軽度であれば部分矯正でなおせる可能性があります。裏側矯正の部分矯正による出っ歯の治療期間は5ヶ月〜1年程度です。部分矯正で対応できる軽度の出っ歯とは以下のようなケースです。
前歯が少しだけ前に出ている
噛み合わせに異常がない
抜歯が必要ない
全体矯正:2~3年程度
全体矯正は、奥歯からすべての歯を動かせる方法です。歯を動かす範囲が広いため、矯正期間も部分矯正と比較して長い傾向にあります。
中度〜重度の出っ歯の場合、全体矯正での対応となる可能性が高いでしょう。裏側矯正の全体矯正による出っ歯の治療期間は2〜3年程度です。全体矯正での対応となる中度〜重度の出っ歯とは以下のようなケースです。
前歯が大きく前に出ている
噛み合わせに問題がある
抜歯が必要
※実際に部分矯正・全体矯正どちらに適応するかは、クリニックで精密検査を行った上でドクターの診断が必要です。
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出っ歯の裏側矯正が短期間になりやすいのは以下のようなケースです。
①矯正範囲が狭い
前述したように部分矯正は全体矯正と比べて、矯正範囲が狭い分早く終わる傾向にあります。同じ全体矯正であっても、動かす範囲が広くなるほど長い期間必要です。
②抜歯をしない
出っ歯の裏側矯正で抜歯をすると、抜歯をしない場合と比較して治療期間は長くなります。なぜなら、抜歯をすると大きなスペースが開くため、移動させる歯の距離が長くなるからです。
ただし、出っ歯の状態によっては抜歯をした方が短期間で終わるケースもあります。
③年齢が若い
歯科矯正は歯周組織の代謝を利用して歯を動かします。そのため、年齢が若く骨の代謝が活発な人の方が歯が動きやすい傾向にあります。特に成長過程にある子どもは、新陳代謝が活発で骨も柔らかいので、歯が動きやすいです。
ただし、歯の動きやすさには個人差があるので、年齢が若ければ必ず矯正期間が短くなるわけではありません。また、高齢だからといって出っ歯の裏側矯正ができないわけでもなく、歯と歯茎 が健康であれば、何歳からでも矯正治療をスタートできます。
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「裏側矯正は治療期間が長い」と言われることがあります。確かに以下のような理由から、出っ歯の裏側矯正は表側矯正よりも治療期間が長引く傾向にあります。
歯の裏側は表側に矯正装置をつけるよりも作業がしづらく高い技術が必要
一人ひとりにあわせたオーダーメイドのため矯正装置の作成に時間がかかる
表側矯正と比べて矯正装置が外れやすい
歯を動かすための微調整に時間がかかる
治療技術が1番難しく術者の経験と技術、知識に大きく左右されるため
ただし、近年はデジタル技術の導入や装置の設置方法の工夫など、裏側矯正の治療システムの確立によって期間の差はほとんどなくなってきています。
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出っ歯の裏側矯正は、以下のような方法を用いることで治療期間の短縮が見込めます。
①インダイレクトボンディング
インダイレクトボンディング法は、矯正装置を治療計画通りの正しい位置につけるための一つの方法です。
裏側矯正を含めワイヤー矯正では、ブラケットを正確な位置に装着することがとても重要です。なぜなら、適切な位置に設置されなかった場合、治療期間が伸びてしまったり、歯並びがきれいに整わないこともあるからです。
従来は、目でブラケットの位置を確認しながらお口の中で直接歯に装着する「ダイレクトボンディング法」がとられていました。しかし、歯の裏側は作業がしにくく非常に高度な技術が必要です。
その点インダイレクトボンディング法であれば、模型上でブラケットの位置決めを行った上で装着できます。治療計画通り適切な位置にブラケットを装着できるため、矯正期間の短縮と治療結果の向上にもつながります。
②セルフライゲーションブラケット
セルフライゲーションブラケットは、弱い力で効率的に歯を動かせる矯正治療システムです。これまでの装置は、ゴムや細い針金でブラケットにワイヤーを強く縛り付けた状態で行っていました。
しかし、ブラケットとワイヤーの間に摩擦が生じるため、歯の動きが妨げられてしまいます。その点セルフライゲーションブラケットは、ブラケット自体についた蓋を閉じることでワイヤーを弱い力で保持できます。
ワイヤーを縛り付けないので、摩擦が少なく弱い力で歯を動かすことが可能です。治療中の痛みや違和感も少なく、従来の裏側矯正より2割程度治療期間を短縮できると言われています。
③インプラント矯正
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