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歯科矯正
最終更新日:2024年2月11日

下顎前突は矯正だけでなおせる?手術するの?気になる費用・期間も解説

本記事では、下顎前突が矯正だけでなおせる場合と、手術が必要な場合について解説します。さらに、矯正方法ごとに気になる費用や治療期間もまとめています。下顎前突の治療について詳しく知りたい方は必見です。

真由美さんアイコン
歯科矯正ブログ編集チーム

木村真由美

Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。

受け口やしゃくれの原因である下顎前突。前に突き出たあごが目立ち、コンプレックスを感じやすい症例です。

しかし、治療法について調べると、手術が必要とされることも多いため「大掛かりな手術は避けて、矯正だけでなおしたい」と思っている方も多いのではないでしょうか?

そこで当記事では、下顎前突が矯正のみでなおせる場合と、手術が必要な場合について解説します。合わせて、矯正方法ごとの費用や治療期間もまとめました。下顎前突をなおして、きれいなフェイスラインを手に入れたい方は、ぜひ最後まで読んでください。

下顎前突とは?原因や放置するリスク

OMT歯並びイラスト受け口

下顎前突とは、噛み合わせたときに下あごが前に出ている状態 のことです。正常な噛み合わせとは逆に噛み合わせているため、反対咬合(はんたいこうごう)とも呼ばれます。

しゃくれたように見えるので、外見が良くないのはもちろんですが、下顎前突を放置するとさまざまなリスクが生じます。ここでは下顎前突の原因と放置するリスクを見ていきましょう。

下顎前突の原因

下顎前突の原因は、主に以下の2つです。

  • 歯並びが原因のタイプ

  • 骨格が原因のタイプ

歯並びによる下顎前突の場合、歯が生えている向きが大きな原因 です。たとえば、上の歯が内向きに生えていたり、下の歯が外向きに生えていたりすると、噛み合わせたときに下の歯が前に出てしまいます。

骨格が原因の下顎前突の場合、下あごの骨が上あごの骨よりも前に出ているのが特徴 です。骨格は遺伝によって引き継がれやすいため、両親や親戚に下顎前突の人がいることが多いでしょう。

なお、下顎前突の原因は日頃の癖も影響します。特に口呼吸をしている人は、下顎前突になりやすいです。舌の位置が下がって前に押し出され、下の歯が外側に傾いてしまうためです。そのため、下顎前突の治療は、癖の改善も合わせて行う場合があります。

下顎前突を放置するリスク

下顎前突を治療しないと、以下の3つのリスクが考えられます。

  • 発音への悪影響

  • あごや歯に負担がかかる

  • 虫歯や歯周病のリスクが高まる

1つ目のリスクは、発音が不明瞭になることです。下あごが前に出ていると唇が閉じやすく、舌足らずな話し方になりやすい です。特にサ行・タ行・ラ行は、舌の位置が重要なため、発音しにくい傾向があります。そのため、英語などの言語学習で、正しい発音の習得が難しくなります。

2つ目のリスクは、あごや歯への負担が大きいことです。下顎前突はあごが動きにくくなるため、あごの関節や一部の歯に負担がかかりやすくなります。そのため、顎関節症のリスクが高まったり、歯が欠けたりしやすい です。

3つ目のリスクは、虫歯や歯周病にかかりやすいことです。歯並びが原因の下顎前突だと、歯並びに凹凸があるので、歯磨きがしにくく汚れがたまりがち。結果として、虫歯や歯周病の原因菌が増えやすくなります。

下顎前突は矯正でなおせる?手術は必要?

疑問のある女性の画像

下顎前突の治療は、矯正が基本 です。ただし症状に応じて、手術が必要な場合もあります。 ここでは、下顎前突の治療方法について解説します。

歯並びが原因の下顎前突は矯正のみでなおせる

歯並びによって下顎前突が起きている場合は、矯正のみでなおせることが多いです。矯正によって歯の位置を少しずつ変える ことで、症状の改善が見込めます。

矯正方法は、ワイヤーとマウスピースの2つ。症状が軽い場合、マウスピース矯正で対応できますが、中程度〜重度の症状になると、ワイヤー矯正で治療します。

骨格が原因の下顎前突は手術と矯正でなおす

下顎前突の原因が骨格にあると、手術が必要です。下あごが大きく前に出ていると、矯正で歯を動かすだけでは、下顎前突はなおりません。

具体的には、あごの骨を切って後ろに下げる手術(セットパック法)がメジャーです。手術で骨格を整えてから、矯正で歯並びを整えることで、症状の改善につなげます。

【矯正方法別】下顎前突の矯正にかかる費用・期間

お金と歯の模型を手に乗せている画像

ここでは、矯正方法ごとに治療にかかる費用や期間を解説します。

費用相場

治療期間

表側矯正(ワイヤー矯正)

全体矯正:60~130万円
部分矯正:30~60万円

全体矯正:1~3年程度
部分矯正:2ヶ月~1年程度

裏側矯正(ワイヤー矯正)

全体矯正:100~170万円
部分矯正:40~70万円

全体矯正:2~3年程度
部分矯正:5ヶ月~1年程度

マウスピース矯正

全体矯正:60~100万円
部分矯正:10~40万円

全体矯正:1~3年程度
部分矯正:2ヶ月~1年程度

外科的矯正

保険適用:50万~65万円
保険適用外:140万~400万円

2年程度

表側矯正・裏側矯正(ワイヤー矯正)

ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して矯正する方法 です。最もオーソドックスな矯正方法で、治療実績も多く、さまざまな症例に対応できます。主に表側矯正と裏側矯正の2つがあります。

表側矯正は、歯の表面に器具をつける方法です。費用は30〜130万円治療期間は数ヶ月〜3年程度かかります。矯正器具は目立ちやすいですが、舌に当たらないため、滑舌や咀嚼への影響が少ないのが魅力です。

裏側矯正は、歯の裏側に器具をつけます。費用は40〜170万円治療期間は半年〜3年程度が目安です。表側矯正よりも装着や調整が難しいため、お金や時間がかかりますが、矯正器具は目立ちにくくなります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正では、マウスピースを定期的に交換して、歯を少しずつ動かします。費用は10〜100万円と、ほかの矯正方法よりもコストを抑えられます。治療期間は、大体2ヶ月〜3年です。適応できる症例は限られますが、取り外しができるので、食事や歯磨きがしやすいのがメリットです。

具体的には、以下の画像のように、軽度の歯並びの乱れであれば、マウスピース矯正で症状の改善が望めます。

部分矯正と全体矯正の違いって?メリットデメリットも解説

外科的矯正

外科的矯正とは、外科手術と矯正で歯並びをなおす方法です。あごの骨を切るため、見た目の大幅な改善も期待できます。費用は保険適用で50〜65万円適用外の場合は140〜400万円が目安です。治療は以下のように進みます。

外科的矯正の流れ
  • 手術前矯正(約1年)

  • 外科手術(入院期間:10日~2週間)

  • 手術後矯正(約1年)

治療期間は術後矯正まで2年程度、矯正後の保定期間を含めると、さらに数年かかります。なお、外科的矯正にはサージェリーファーストという方法もあります。手術前矯正をせず、手術を先にするため、治療期間の短縮が期待できる方法です。

下顎前突の矯正費用は保険適用になる?

下顎前突の矯正費用は、保険適用になるパターンもあります。そもそも保険は、病気やケガの治療に適用されるものです。保険適用になるには、顎変形症など特定の病気であると診断されなければいけません

保険適用になるかどうかは、クリニックで検査と診察を受けて、ドクターに判断してもらいましょう。治療法も保険適用になるものに限りがあるため、ドクターと相談しながら治療を検討する必要があります。

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ちなみにOh my teethでは、無料で詳しい検査・診断を受けられます。不適合の場合でも、費用はかからず、ワイヤー矯正できる提携クリニックもご紹介します。ぜひお気軽にご相談ください。

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下顎前突の矯正で後悔しないためにはクリニック選びが大切

歯を見せて笑う女性

「下顎前突の治療をしたのに、肉が噛み切れなくて食事がしにくい」といった失敗をなくすためには、クリニック選びが大切。クリニック選びのポイントは、以下のとおりです。

歯科クリニック選びのポイント
  • 治療のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれるか

  • 実績や経験が豊富であるかどうか

  • 見た目の良さばかりを追求していないか

  • サポート体制が充実しているか

治療のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれるか

ドクターやスタッフから説明を受けるときは、治療のメリット・デメリットを挙げてくれるかをチェックしましょう。下顎前突の治療には、さまざまな選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、丁寧な説明があると、自分が納得できる治療を選択できる でしょう。

特に下顎前突の治療は、全身麻酔を伴う手術が必要な場合もあります。手術をするとなると、不安も大きくなりやすいので、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解できることが大切です。

実績や経験が豊富であるかどうか

ドクターの実績や経験も、クリニック選びでは大切です。歯科矯正や外科手術には、高度な知識と技術が欠かせません。

実績や経験をチェックするには、クリニックのホームページを検索するのがおすすめです。ホームページにある症例写真やドクターのプロフィールを確認しましょう。加えて、日本矯正歯科学会の認定医を取得しているかどうかも、わかりやすい基準の一つです。専門知識があることの証明になるので、クリニック選びに役立ててくださいね。

見た目の良さばかりを追求していないか

カウンセリングで、見た目の良さばかりに焦点を当てるクリニックは避けたほうがよいでしょう。審美性を追求すると、噛み合わせに問題が出やすい ためです。噛み合わせが悪化すると、食事はもちろん肩こりや頭痛など、全身の健康に悪影響を及ぼすこともあります。

審美性だけでなく、歯の機能性や安全性についても丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。

サポート体制が充実しているか

治療中は「矯正器具が取れてしまった」「歯が急に痛くなった」など、急なトラブルに見舞われることもあります。安心して治療を進められるよう、サポート体制が充実しているクリニックを選びましょう。

たとえば、顎変形症の専門医がいる医療機関と連携しているクリニックであれば、手術や術後の矯正もスムーズに進むはずです。クリニックのホームページには、提携病院が載っているので、提携先の実績や症例も確認するとよいでしょう。

下顎前突は矯正でなおせる可能性あり!無料相談を活用して自分に合う歯科クリニックを見つけよう

マウスピース矯正 Oh my teethの無料歯型スキャン

下顎前突は歯並びが原因の場合、矯正のみでなおせることが多いです。骨格が原因の場合は、手術を伴う外科的矯正で、下顎前突は治療できます。放置すると、顎関節症や虫歯、歯周病などさまざまなリスクが考えられるため、口の健康を保つためにも早めの治療を検討しましょう。

なお、下顎前突は手術を含めた大掛かりな治療になることもあるため、自分に合った歯科クリニックで治療を進めることが大切です。複数のクリニックの診察を受けて、治療を安心して任せられるところを選びましょう。

Oh my teethでは、レントゲンや歯型スキャンを含めた診察が無料で受けられます。自分の歯並びに合う治療法を知りたい人も、お近くの導入クリニックで気軽にご相談ください。

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