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歯科矯正
最終更新日:2023年10月12日

歯科矯正が保険適用になるケースはある?適用症例や費用を抑える方法を紹介

歯科矯正は基本的に保険適用外の自由診療です。しかし中には保険が適用されるケースもあります。本記事では歯科矯正で保険適用になる症例や、矯正費用を抑える方法を紹介します。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

歯科矯正は基本的に保険適用外のため、高額な費用がかかります。なぜなら、矯正治療は「歯並びの見た目を整える」という審美目的が主のためです。

しかし、医師により病的な診断がされると、歯科矯正が保険適用になるケースがあります。そこで本記事では、保険適用になる症例や受診の流れなどを紹介。

全額自己負担の場合でも矯正費用を抑える方法もあるので、あわせて紹介します。

【本記事の概要】

  • 歯科矯正が保険適用になるのは、厚生労働省が定めた特定の条件を満たした症例のみ

  • 保険適用で歯科矯正を受けるには、医師による病的な診断と国に認可された医療機関での治療が必要

  • 歯科矯正が保険適用外でも医療費控除やデンタルローンを利用すれば費用負担を抑えられたり分割払いができたりする

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歯科矯正が保険適用外なのはなぜ?

歯科矯正が保険適用になるのは、厚生労働省が定めた特定の条件を満たした症例のみです。病的な診断がないと保険適用になりません。

そもそも保険診療は、怪我や病気などの治療目的で行われます。一方で矯正治療は歯並びの見た目を整えるという審美目的が主のため、国民健康保険といった公的医療保険が適用されません。矯正治療にかかるカウンセリング料・検査料・診断料・調整料などがすべて自己負担となり、費用が高額になります。

歯科矯正の費用目安については、後ほど改めて紹介します。

歯科矯正が保険適用になる例

カウンセリングをする医師

歯科矯正が保険適用になる例は、日本矯正歯科学会のホームページで提示されています。

①「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療

②前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療

③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療

なお、これら保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。

出典元: 公益社団法人 日本矯正歯科学会

「別に厚生労働大臣が定める疾患」とは

先述した「別に厚生労働大臣が定める疾患」は、以下です。

唇顎口蓋裂
ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
鎖骨頭蓋骨異形成
トリーチャ・コリンズ症候群
ピエール・ロバン症候群
ダウン症候群
ラッセル・シルバー症候群
ターナー症候群
ベックウィズ・ウイーデマン症候群
顔面半側萎縮症
先天性ミオパチー
筋ジストロフィー
脊髄性筋委縮症
顔面半側肥大症
エリス・ヴァンクレベルド症候群
軟骨形成不全症
外胚葉異形成症
神経線維腫症
基底細胞母斑症候群
ヌーナン症候群
マルファン症候群
プラダー・ウィリー症候群
顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
大理石骨病
色素失調症
口腔・顔面・指趾症候群
メビウス症候群
歌舞伎症候群
クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
ウイリアムズ症候群
ビンダー症候群
スティックラー症候群
小舌症
頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)
骨形成不全症
フリーマン・シェルドン症候群
ルビンスタイン・ティビ症候群
染色体欠失症候群
ラーセン症候群
濃化異骨症
6歯以上の先天性部分無歯症
CHARGE症候群
マーシャル症候群
成長ホルモン分泌不全性低身長症
ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)
リング18症候群
リンパ管腫
全前脳胞症
クラインフェルター症候群
偽性低アルドステロン症
ソトス症候群
グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
線維性骨異形成症
スタージ・ウェーバ症候群
ケルビズム
偽性副甲状腺機能低下症
Ekman-Westborg-Julin症候群
常染色体重複症候群
巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)
毛 ・鼻・指節症候群(Tricho Rhino Phalangeal症候群)
その他顎・口腔の先天異常

出典元: 公益社団法人 日本矯正歯科学会

注意点:矯正器具が限られる

保険適用で歯科矯正を行う場合、顎の手術を含む治療方法や矯正器具が限られています。そのため、病的な診断があっても保険適用外の矯正器具を使用した場合、保険適用外になることがあります。

※マウスピース矯正は保険適用外です。

歯科矯正を保険適用で受ける流れ

歯科矯正が保険適用になるには、医師による病的な診断が必要ですが、診断だけでは保険適用にはなりません。たとえば顎変形症と診断された場合、顎の手術を含む治療方法が保険適用の条件になります。

歯科矯正を保険適用で受ける流れは、以下の通りです。

  • 国に認可された医療機関を探す

  • カウンセリング

  • 検査・診断

  • 術前矯正 通院期間:半年~1年半程度

  • 手術

  • 入院 期間:2週間程度

  • 術後矯正 通院期間:半年~1年半程度

  • 保定期間

上記のように、まずは国に認可された医療機関を探し、検査を受ける必要があります。手術が必要なため、通常の歯科矯正よりも期間が長くかかる傾向にあります。

たとえば、上あごよりも下あごが出ているいわゆる「受け口」「しゃくれ」と呼ばれる状態の中でも、骨格的な問題があるものは「顎変形症」と診断されることがあります。顎変形症と診断されると、矯正治療と外科手術に保険が適用されます。

自分が保険適用の症例か判断するのは難しいため、歯科医院で相談しましょう。

あわせて読みたい

受け口じゃないのにしゃくれる原因は?治し方を解説

国に認可された医療機関の探し方

歯科矯正が保険適用になるには、国に認可された医療機関での治療が対象です。国に認可された医療機関は、以下の方法で検索できます。(参照: 矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは | 公益社団法人 日本矯正歯科学会)

  • 地方厚生(支)局の一覧ページから、お探しのエリアの厚生(支)局のホームページへアクセス

  • サイト内検索などで、施設基準届出受理医療機関名簿へアクセス

  • お探しのエリアの「歯科(PDF)」へアクセス

  • 「矯診」あるいは「顎診」と記載のある指定医療機関を探す

「矯診」…下記①、②が保険適応される医療機関
「顎診」…下記③が保険適応される医療機関

①「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療

②前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療

③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療

出典元: 公益社団法人 日本矯正歯科学会

▼関東エリアで上記の医療機関を探す方法

国に認可された医療機関(保険適用の歯科矯正治療を受けられる歯科医院)の探し方(関東エリア)
国に認可された医療機関(保険適用の歯科矯正治療を受けられる歯科医院)の探し方(関東エリア)

上記の方法のほか、インターネット検索で検索窓に「指定自立支援医療機関 矯正」およびお探しのエリアを入力して検索することもできます。

保険適用外になった場合の矯正費用

保険適用外で全額自己負担になった場合の歯科矯正の費用目安は、以下の通りです。

大人の歯の矯正の種類別の値段
  • 表側矯正:30〜130万円程度

  • 裏側矯正:40~170万円程度

  • ハーフリンガル矯正:35~150万円程度

  • マウスピース矯正:10~100万円程度

上記のほか、以下のような費用もかかります。

歯科矯正の流れ

内訳

費用目安

モデルケース(合計:98万円)

プレ矯正期間

カウンセリング

精密検査・診察

虫歯・歯周病治療

抜歯

無料~5,000円

10,000~65,000円

1,500~10,000円/回

5,000~15,000円/本

カウンセリング:無料
精密検査・診察:30,000円
虫歯・歯周病治療:なし
抜歯:4本(5,000円/本)

合計50,000円

矯正期間

矯正費用

調整料

10万~170万円

3,000~10,000円/回

矯正装置料:75万円
調整料:5,000円/回
矯正期間:2年間
矯正中の通院頻度:1ヶ月に1回

合計87万円

保定期間

保定装置料

観察料

10,000~60,000円

3,000~5,000円/回

保定装置料:20,000円
観察料:5,000円/回
保定期間:2年間
保定期間中の通院頻度:3ヶ月に1回

合計60,000円

費用の設定は、歯科医院によって異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。

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歯列矯正の平均費用まとめ!種類別の平均相場や支払い金額の抑え方も分かりやすく解説

保険適用となった場合の費用

歯科矯正が保険適用になる場合、治療費の3割負担が一般的です。他にも適用される制度があるので、以下を紹介します。

  • 民間の保険がおりる

  • 子どもは医療費補助制度がある

  • 高額療養費制度が適用される

すきっ歯の治療の保険適用については、以下の記事を参考にしてください。

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歯の隙間を埋めるのは保険適用になる?すきっ歯の費用を抑えたい方へ

民間の保険

手術や入院が必要な場合、申請すれば民間の保険がおります。加入している保険会社の申請方法を確認しておきましょう。

医療費補助制度

子どもは自治体ごとの医療費補助制度が適応されるため、大人より医療費の負担が少なく済みます。子どもの歯科矯正の値段で悩んでいる場合、自治体によって医療費補助制度の年齢や金額が異なるため、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。

まずは、保険適用の症例か確認してみてください。

高額療養費制度

保険適用の歯科矯正は、高額療養費制度が適用されます。

高額療養費制度とは、医療費の支払いがひと月で上限額を超えた場合、超えた金額が支給される制度です。年齢や所得によって金額が異なり、申請が必要です。

詳しい申請方法は、以下を参考にしてください。

歯科矯正費用の負担を軽くする方法

「顎変形症と診断されたけど手術はしたくない」
「保険適用外の費用の負担を軽くする方法はある?」

こうお考えの方もいるかもしれません。歯科矯正が保険適用になるケースは少なく、歯科矯正を保険適用で受ける場合には、決められた治療方法や矯正器具で治療する必要があります。

しかし、顎変形症と診断されたからといって、必ずしも手術をしないといけない訳ではありません。その場合、保険適用外のため全額自己負担になります。

ここでは、歯科矯正費用の負担を軽くする方法を紹介します。

医療費控除

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が一定の額を超えた場合、受けられる所得控除です。自分だけでなく、配偶者や家族も対象となるため、領収書は大切に保管しておきましょう。

マウスピース矯正でも噛み合わせの治療であれば、診断書を貰って医療費控除が受けられる場合があります。

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歯科矯正の医療費控除はいくら戻る?計算方法や必要書類を詳しく解説

デンタルローンを利用する

デンタルローンとは医療ローンの一つで、歯科治療の費用を患者の代わりに信販会社が建て替え、歯科医院に支払うローン契約です。安定した収入があれば利用でき、未成年や学生でも親名義で申請が可能です。

メリットは金利が低い点で、デメリットは審査がやや厳しい点です。

以下の記事では「矯正を受けたいけどお金がない」と言う人に向けて、費用を抑える方法を詳しく紹介しています。あわせて参考にしてくださいね。

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歯科矯正のお金がないときの4つの選択肢と安くする方法

歯科矯正は基本的に保険適用外

歯科矯正は基本的に保険適用外ですが、噛み合わせの治療のために必要という医師の診断書があれば医療費控除を受けられます。全額自己負担となった場合でもデンタルローンで毎月少しずつ払うことも可能です。

どれくらいの費用がかかるかは歯並びによるので、まずは矯正相談に行ってみて見積もりを出してもらうのがおすすめです。

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