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歯科矯正
最終更新日:2024年4月11日

歯科矯正の医療費控除はいくら戻る?計算方法や必要書類を詳しく解説

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本記事では、医療費控除の計算方法や必要書類など、実際の症例を参考にご紹介します。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

歯科矯正治療を受けた場合、医療費控除制度を利用することで支払った治療費の一部を還付金として戻ってきます。

ただし、還付金を受け取るためにはいくつかの条件があり、書類提出なども必要です。

本記事では、歯科矯正の医療費控除でいくらお金が戻ってくるのか解説。医療費控除の適応条件や、具体的な矯正の症例をご紹介します。

どうしたら医療費控除で還付金がもらえるのか、どれくらいの金額が戻るのか、気になる方はぜひ最後までご覧ください。

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医療費控除って何?いくら戻る?

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が10万円を超えた場合に適用される所得控除制度です(総所得金額200万円未満の方は総所得金額の5%が基準)。

医療費控除を利用すると、かかった医療費の一部が所得から差し引かれその結果税金が安くなります。

たとえば、医療費控除で戻って来る金額は、マウスピース矯正で100万円支払った場合は18万ほどです。ただし、所得によって控除される金額は変動します。

医療費控除とは

※総所得金額が600万円、補填金が0円の場合の一例。所得税率は記事更新時点。

計算方法はこちらへ

医療費控除の対象となる「医療費」の種類

医療費とは

1年間に支払った医療費に含まれるのは、以下のような費用です。

  • 検査料

  • 診断料

  • 矯正装置料

  • 処置・調整料

  • 治療に必要な医薬品の費用

  • 通院のためにかかった交通費(公共交通機関利用時)

一方で、以下のような費用は対象外です。

  • 予防や健康増進のための医薬品費用

  • ローンや分割支払い時の手数料・金利

  • 通院時にかかったガソリン代・駐車料金

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歯科矯正で医療費控除の対象になる条件

歯科矯正で医療費控除の対象になる条件は、以下の通りです。

  • 年間に支払った医療費が10万円を超える場合

  • 審美目的の治療ではない場合

  • 子どもの矯正治療である場合

①年間に支払った医療費が10万円を超える場合

医療費控除は、年間に支払った医療費が10万円を超える場合に適応します。歯科矯正の場合、全体矯正なら10万以上かかることが多いため、控除対象になるでしょう。

控除される金額は200万円が限度額で、配偶者やそのほかの親族の医療費も含まれます。

②審美目的の治療ではない場合

歯科矯正で医療費控除が適応するのは、審美目的ではない場合です。

審美治療とは、歯や歯並びの美しさを実現する治療で、見た目を美しくさせることを目的とします。容姿改善のために行う矯正は、対象外なので注意してください。

一方、医療目的の歯科矯正が必要で、噛み合わせの問題がある方などは控除対象となります。

③子どもの矯正治療である場合

子どもの矯正治療は、歯並びに機能的な問題がなくても控除対象になるケースもあります。子どもに矯正治療を行うのは、今後の成長に悪影響が出ないように、予防として治療することがあるからです。

噛み合わせが悪くてあごや歯の成長を阻害していたり、歯並びの影響で発音が不明瞭な場合も医療費控除の対象になります。

医療費控除の対象となる矯正治療の具体例

医療費控除の対象

歯科矯正で医療費控除の対象となりうるのは、以下のような問題が生じている場合です。

  • 健康面の問題:歯並びが悪いことで虫歯や歯周病につながるなど

  • 機能面の問題:発音に支障が出る、食べ物を噛み切れないなど

ここでは、医療費控除の対象・非対称になるそれぞれの具体例を紹介します。

全体矯正で100万円を支払った場合(噛み合わせ改善が目的)

噛み合わせの改善を目的とした矯正治療は、医療費控除の対象になります。

日常的に利用する「食べ物を噛む機能」を取り戻すための治療だからです。たとえばその年の所得が400万円で、ほかに支払った医療費はなく、「保険金などで補填される金額」もない場合、医療費控除額は以下の通りです。

①100万-10万=90万

次に、医療費控除額に所得税の税率をかけます。所得400万円の税率は20%なので、医療費控除による還付金は以下です。

②90万x20%=18万

部分矯正で40万円を支払った場合(見た目の改善が目的)

見た目の改善を目的とした歯科矯正治療は、医療費控除の対象外です。

たとえば前歯の小さなガタガタが気になり、部分矯正をしてきれいに整えた方は、医療費控除は利用できません。

歯科矯正以外でも、見た目を改善するためにセラミック治療やホワイトニングも対象外です。

医療費控除の計算方法の詳細はこちら

私の矯正医療費控除の対象になる?
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医療費控除で戻る金額の計算方法

医療費控除で戻る金額を出すには、支払った医療費や所得金額などを確認する必要があります。

1年間で支払った医療費(10万円以上)から、医療保険などの保険金と10万円※を差し引いた金額が、医療費控除の対象です。算出された金額から、申告者が支払っている税金(所得税)の税率をかけた金額が還付される仕組みです。

なお、還付金は、申告をしてから数ヵ月で指定口座に振り込まれます。

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医療費控除の計算方法

①医療費控除の計算方法

医療費控除の計算は、所得が「200万円以上」または「200万円未満」のどちらかで計算方法が異なります。

それぞれの医療費控除の計算方法は、以下の通りです。

総所得金額が200万円以上の場合

医療費控除額=

実際に支払った医療費の合計-保険金などで補填される金額-10万円

総所得金額が200万円未満の場合

医療費控除額=

実際に支払った医療費の合計-保険金などで補填される金額-(総所得金額×5%)

総所得金額とは、収入から控除を差し引いた金額です。200万円以上の総合所得金額で、算出された金額が10万を超えると医療費控除が受けられます。

②還付金の計算方法

還付金は、医療費控除額をもとに計算します。

具体的には以下の計算式を使って、還付金の目安を算出します。

還付される所得税の目安=医療費控除額×所得税率

③所得税率の確認方法

還付金の計算を行う時には、所得税率を把握する必要があります。

所得税率は所得によって違うため、以下の表を目安にして確認してください。

課税される所得金額

税率

控除額

1,000円から1,949,000円まで

5%

0円

1,950,000円から3,299,000円まで

10%

97,500円

3,300,000円から6,949,000円まで

20%

427,500円

6,950,000円から8,999,000円まで

23%

636,000円

9,000,000円から17,999,000円まで

33%

1,536,000円

18,000,000円から39,999,000円まで

40%

2,796,000円

40,000,000円以上

45%

4,796,000円

出典:国税庁

還付金の計算例

たとえば所得600万円で、年間の医療費に80万円かかったとします。その年は、ほかに支払った医療費はなく、「保険金などで補填される金額」もありません。この場合の医療費控除額は、以下の通りです。

①80万-10万=70万

次に、医療費控除額に所得税の税率をかけて戻ってくる税金を算出します。所得600万円の税率は20%なので、医療費控除による還付金は、以下のように算出されます。

②70万x20%=14万

つまり、所得税は14万円安くなり、医療控除によってその分が還付されます。

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※上下前歯の部分矯正プランを120回払い(初回3,519円)で支払う場合の分割支払い金額。総額420,019円(税込)。

大人と子どもで控除対象の違いはある?

大人も子供も対象

大人・子ども関係なく、医療目的で行われる歯科矯正の費用は、原則として医療費控除の対象になります。

ただし、繰り返しになりますが審美性を目的にした治療は対象外です。

子どもの歯科矯正治療の場合

歯科医師が「歯並びや噛み合わせが子どもの成長に阻害する」と判断し、そのために歯科矯正治療を行った場合は医療費控除の対象になります。

成長過程にある子どもが歯科矯正治療を受ける場合、上記のような診断がされることが多いため「子どもの歯科矯正治療は基本的に医療費控除の対象」と考えても問題ないでしょう。

ただし確定申告時に上記の旨の診断書の提出が必要です。また最終的にはお住まいの管轄税務署が判断することなので、注意しましょう。

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大人の歯科矯正治療の場合

「大人の歯科矯正は、医療費控除の対象にならない」と言われることがあります。それは、大人になってからの歯科矯正では、見た目の改善を目的にしている人も多いからです。

医療費控除の対象となるのは「治療が目的の場合」です。治療が目的の場合というのは、噛む機能を取り戻すための歯科矯正治療などです。治療が目的であれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった治療方法に関係なく医療費控除の対象です。

歯科矯正で医療費控除対象となる5つの症例

歯並びの治療が医療費控除の対象になるかどうかは、歯並びの症状によって異なります。

ここでは、医療費控除の対象となる主な症例を5つ紹介します。

①すきっ歯

すきっ歯(空隙歯列)

すきっ歯は、前歯同士の距離が離れていて、歯の間に隙間がある状態です。

すきっ歯は、上唇と歯茎をつなぐ上唇小帯(じょうしんしょうたい)の異常、歯ぎしり、歯茎が下がることなどが原因で引き起こされると医学的に考えられています。

歯と歯の間が広いと、それだけで通常よりも歯茎はダメージを受けやすくなります。

また、歯茎が下がることは歯周病などによっても起こるため、病気が原因であれば、治療が必要です。すきっ歯の状態を放っておくと、噛み合わせの問題や虫歯が発生するリスクが高くなります。

*軽度のすきっ歯で、機能的な問題を引き起こさない場合は医療費控除の対象とならないことがあります。ご自身の場合、対象となるのかは歯科医師にご確認ください。

以下の記事では、すきっ歯の治療内容や保険について解説しています。

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②出っ歯

出っ歯

出っ歯のように、前歯が通常の歯並びよりも前に出ている症状は、唇が適切に閉じられず、下の前歯とも噛み合いません。食べ物を噛み切れない、転んだときにケガをしやすいなどトラブルの原因になるため、医療費控除の対象になる場合があります。

③デコボコな歯並び

デコボコな歯並びとは、歯と歯が前後している、または重なり合っている歯列のことです。

食べかすが残りやすいうえ、通常の歯並びよりも歯磨きしにくく、虫歯や歯周病といった口内の病気を引き起こしやすくなります。

軽度のズレであれば医療費控除の対象とならないことがあります。

④受け口

受け口

受け口とは、下の歯が上の歯を覆うという、通常の噛み合わせと反対の状態を指します。上と下の歯との間に十分な隙間がなく、サ行の発音がしにくいなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

ほかの症例同様に、医療費控除の対象となるかはケースバイケースなので、矯正治療を受ける歯科医院に判断してもらいましょう。

⑤開咬(かいこう)

開咬

開咬(かいこう)とは、奥歯の噛み合わせは問題ないが、上と下の前歯が噛み合わず、前歯で食べ物を噛み切ることができない状態のことです。

開咬には以下2種類があります。

  • 前歯部があいている→前歯部開咬

  • 臼歯部があいている→臼歯部開咬

また、前歯から舌が出てしまいやすく、発音がはっきりしないなどの問題を引き起こします。

医療費控除の申請方法【必要書類や準備するもの】

確定申告

医療費控除を受けるには、確定申告をする必要があり、必要書類を準備して申請を行います。確定申告とは、年間の所得に対する税金を計算し、それを税務署に届け出る申告手続きのことを言います。

医療控除の対象者は、その年の1月1日~12月31日までに支払った医療費を計算し、2月16日~3月15日の間に書類を税務署に提出します。

対象となる医療費には、歯科矯正に直接かかった費用のほか、交通費や薬代などが含まれます。

該当する医療費について詳しくは、国税庁のホームページで確認できます。

医療費控除の概要や控除に必要な書類について知りたい場合は、Yahoo!の還付申告についてまとめたページが便利です。

確定申告の提出方法

確定申告の提出は、以下の流れで行います。

  • 申告時の住所地を管轄する税務署に郵送する。

  • 申告時の住所地を管轄する税務署に持参する。

  • 電子申告(e-tax)で申告する。

また、医療費控除は、その年の申告期間を過ぎてしまっても、5年前まで遡って申告できます。

▷参考: 国税庁 確定申告書等作成コーナー

医療費控除申告時に用意するもの

医療費控除を申告するのに、必要なものは以下の通りです。

  • 還付申告をする年の「給与所得の源泉徴収票」

  • 還付申告をする年の医療費のレシート、領収書など(※)

  • 保険金で補填された金額がある場合には、その金額のわかるもの

  • 申告者の口座番号(還付金を振り込む口座。申告する本人の口座が必要。)

  • 印鑑

領収書代わりに「医療費控除の明細書」を添付

2017年の確定申告から、医療費控除は医療費の領収書が提出不要となりました。領収書の代わりに「医療費控除の明細書」を提出する必要があります。

ただし、医療費の領収書は税務署から提出・提示を求められた場合は必要になりますので、自宅で5年間保存しなくてはいけません。

▷国税庁の詳細ページ:平成30年分の確定申告においてご留意いただきたい事項

電子申告はマイナポータル連携が便利

マイナポータルアプリ

引用: Apple Store

マイナンバーカードと健康保険証を紐付けし、マイナポータルと連携することで、確定申告の手続きが簡単にできるようになりました。

確定申告時に1年分の情報を一括取得し、確定申告書に自動入力・提出できます。

医療費控除のために確定申告をするのは面倒だと感じている方は特に、マイナポータル連携を試してみてください。

※保険適用外の費用はマイナポータルの医療費通知情報に含まれませんのでご注意ください。

用意するもの

マイナポータル連携に必要なものは、下記の通りです。

  • マイナンバーカード

  • パスワード
    利用者証明用電子証明書のパスワード:数字4桁
    著名用電子証明書のパスワード:英数字6〜16文字

  • マイナンバーカード読み取り機能に対応しているスマートフォン(ICカードリーダーライタ)

特に、使用するスマートフォンがマイナンバーカード読み取り機能に対応したものかを確かめておきましょう。

対応しているスマートフォンに関する情報は、デジタル庁の公式サイトを確認してください。

マイナポータルで医療費通知情報を確認・取得する方法

マイナポータルでは、医療費通知情報のPDF版をダウンロードできます。確定申告書を税務署に郵送・持参する場合は、こちらの方法を参考にしてください。

取得方法は以下の通りです。

マイナポータルで医療費通知情報を確認・取得する流れ

出典元:マイナポータルの機能追加について

  • マイナポータルにログイン

  • 「わたしの情報」から「医療費通知情報」を選択

  • 医療費通知情報を表示・ダウンロード

ただし、保険適用外の費用は含まれません。自由診療である矯正費用の領収書は、必ず保管しておきましょう。

また、マイナポータルから確認できるのは、20219月以降に支払った医療費の情報です。2022年から1年分の確定申告ができるようになっています。

歯科矯正で医療費控除を申告するときのポイント

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歯科矯正で医療費控除を申告するときのポイントは、以下の5つです。

  • 年末調整では控除されないので要注意

  • 診断書がなくても医療費控除は受けられる

  • 分割で支払う場合も控除に適応する

  • 医療費控除は5年前まで遡って申告できる

  • 生計を共にする家族も控除対象になる

①年末調整では控除されないので要注意

年末調整では医療費控除がされないので、サラリーマンなど給与所得者も確定申告をする必要があります。医療費控除は自己申告に限られるため、申請しなければ還付されません。確定申告を忘れないように、気をつけましょう。

確定申告する際は、申告に必要となる書類(確定申告書Aなど)に加えて、源泉徴収票が必要です。

確定申告の準備から書類の提出までの流れについて、詳しく知りたい場合は、Yahoo!がまとめた、確定申告に関するページが参考になります。

②診断書がなくても医療費控除は受けられる

カウンセリングをする医師

歯科矯正の診断書がなくても、医療費控除を受けることは可能です。

ただし「どのケースも診断書なしでOK」という意味ではありません。診断書なしで申告できるかどうかは、税務署の担当者の判断次第だからです。

なお、医療費控除の明細書で医療費の内訳がある程度まで明確になるものの、場合によっては税務署から診断書の提出を求められるということを知っておきましょう。

③分割で支払う場合も控除に適応する

矯正歯科治療では治療費の支払い方法として、デンタルローンやクレジットの分割払いを利用するケースがあります。そのような分割払いで支払う場合も医療費控除は適用できます。

デンタルローンを利用した場合も、信販会社が立替払いした金額はその患者のその立替払いをした年(歯科ローン契約が成立した時)の医療費控除の対象となります。

また、手元に歯科医院の領収証がないこともありますが、その場合は、医療費控除を申告する時の添付書類として、デンタルローンの契約書の写しなどを用意してください。

※金利及び手数料相当分は医療費控除の対象になりません。

④医療費控除は5年前まで遡って申告できる

なんらかの理由で歯科矯正の医療費控除ができなかった場合も、5年前まで遡って申告できます。

提出期限を過ぎてしまっても申告が可能なため、控除を受けたい場合は利用しましょう。

⑤生計を共にする家族も控除対象になる

歯科矯正の医療費控除は、「生計を共にする家族」も対象です。

具体的には、以下のような場合が対象となります。

  • 生活費や学資金などを常に送金している一人暮らしの子ども

  • 共働きで扶養控除から外れている妻

参考:国税庁

医療費控除の利用のために歯科医院で診断書を発行してもらおう

歯科矯正の費用は、医療目的であれば医療費控除の対象になります。

医療費控除は税金が還付される制度なので、もし利用できるのであれば使わない手はありません。

そして、医療費控除の申告をするためにも歯科医院で診断書を発行してもらいましょう。

診断書なしでも確定申告はできますが、診断書の提出を求められたときに対応できないと、受理してもらえない確率が高くなります

医療費控除の制度を上手に活用して、歯の健康を守りましょう。

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