歯並びの矯正にかかる値段は?平均費用・内訳・追加料金を解説
歯並びの矯正をしたいと考えているものの、お金がどのぐらいかかるのか気になって、なかなか治療に踏み出せず悩んではいませんか。
歯並びの矯正は基本的に自由診療となるため、歯科クリニックによって値段にバラつきがあります。
値段を決める要素は、矯正方法や適応範囲などさまざまです。そのため、なるべく費用を抑えて歯並びを矯正するには、それぞれの相場を把握しておくことが大切です。
本記事では、歯並びの矯正にかかる値段を徹底解説。矯正方法別に、部分矯正と全体矯正の相場を紹介します。
治療前後にかかる費用も紹介しているので、「歯並びの矯正にかかる値段をし っかり把握しておきたい」という方はぜひ参考にしてください。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
- 歯並びの矯正にかかる値段はピンキリ
- 矯正の値段を決める要素
- 【矯正方法別】歯並びの矯正にかかる値段の相場
- 表側矯正:30万~130万円
- 裏側矯正:40万~170万円
- ハーフリンガル矯正:35万~150万円
- マウスピース矯正:10万~100万円
- 歯並びの矯正は治療前後も費用が発生する
- 歯並びの矯正をはじめる前にかかる費用
- 歯並びの矯正中にかかる費用
- 歯並びの矯正を終えた後にかかる費用
- 歯並びの矯正の支払い制度は2種類
- 治療費総額制(トータルフィー制・定額制)
- 処置別支払い制
- 歯並びの矯正の支払い方法
- 一括払い
- デンタルローン
- クレジットカード
- 院内分割払い
- 歯並びの矯正で保険適応や医療費控除対象となるケース
- 保険適応となるケース
- 医療費控除対象となるケース
- 歯並びの矯正にかかる値段に関してよくある質問
- 歯並びの矯正中に追加費用が発生する可能性はある?
- 矯正をはじめる場合、費用を支払うタイミングはいつ?
- 矯正装置や補助 装置を一時的に外す際は費用がかかる?
- 治療を途中でやめる場合は返金してもらえる?
- 矯正後に後戻りした場合は再矯正にいくらかかる?
- 未成年でもデンタルローンは利用できる?
- 歯並びの矯正がいくらか診断を受けてみよう
歯並びの矯正にかかる値段はピンキリで、10万円ほどで済む場合もあれば、170万円ほどかかる場合もあります。なぜ値段に幅があるのかというと、歯並びの矯正は基本的に自由診療となるためです。
自由診療とは、国民保険や社会保険などの公的医療保険が適応されない診療(自費診療)のことです。保険診療とは異なり、治療にかかる値段は各医療機関が自由に決められます。
矯正の値段を決める要素
矯正の値段を決める主な要素は以下の通りです。
歯並びの状態
矯正方法
適応範囲(部分矯正or全体矯正)
治療期間
噛み合わせの治療の有無
前述の通り、歯並びの矯正にかかる値段は歯科クリニックによって異なります。
歯並びの状態や矯正方法が同じでも、技術力が高い歯科医師が治療したり、歯科医療機器などの設備にお金をかけたりしている歯科クリニックで矯正を行う場合は、値段が高額になりやすいです。
歯並びの矯正にはさまざまな方法があり、矯正方法によって値段の相場が異なります。
表側矯正や裏側矯正などのワイヤー矯正は、矯正装置の素材や医師の技術力が値段に影響しやすく、歯科クリニックによって値段の幅が広いです。
一方、マウスピース矯正は矯正装置の素材や開発コスト、人的費用がワイヤー矯正に比べて安価なため、リーズナブルな値段で治療を行っている歯科クリニックが多いです。
加えて、歯並びの矯正は奥歯から動かす「全体矯正」と、特定の部分のみをなおす「部分矯正」のどちらを行うかによっても値段が変わります。
ここでは主な矯正方法別に、それぞれの特徴と部分矯正・全体矯正にかかる値段の相場を紹介します。
表側矯正:30万~130万円
表側矯正とは、歯の表面に「ブラケット」と「ワイヤー」と呼ばれる器具を装着して歯を移動させる矯正方法です。
歯並びの矯正で最もスタンダードかつ歴史のある矯正方法で、多くの歯科クリニックが取り扱っています。
表側矯正はワイヤー矯正の中で最も値段が安く、費用相場は部分矯正で30万〜60万円程度、全体矯正で60万〜130万円程度です。
一般的には金属製のメタルブラケットが用いられますが、セラミックブラケットやジルコニアブラケットなど、目立ちにくく強度が高い素材のブラケットを使う場合は値段が高くなりやすいです。
また、目立ちにくいホワイトワイヤーを使う場合は、値段がプラス10万円ほど高くなります。
表側矯正とは?メリット・デメリットや裏側矯正との違い
裏側矯正:40万~170万円
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを取り付けて歯を動かす矯正方法です。
一人ひとり歯の裏側の形に合わせたブラケットをオーダーメイドで作 成しなければならない上、高い技術力が求められるため、ほかの矯正方法と比べて値段が高い傾向にあります。
費用相場は部分矯正で40万〜70万円程度、全体矯正で100万〜170万円程度です。
裏側矯正とは?後悔しないためにデメリットや値段・期間を徹底解説
ハーフリンガル矯正:35万~150万円
ハーフリンガル矯正は、表側矯正と裏側矯正を組み合わせた矯正方法です。矯正装置が目立ちやすい上の歯に裏側矯正、矯正装置が比較的目立ちにくい下の歯に表側矯正を行います。
ハーフリンガル矯正にかかる値段の相場は、部分矯正で35万〜65万円程度、全体矯正で80万〜150万円程度です。
ハーフリンガル矯正とは?値段やメリット・デメリットを徹底解説
マウスピース矯正:10万~100万円
マウスピース矯正は、現在の歯並びよりも少し理想の歯並びに近い形のマウスピースを装着し、段階に応じて交換しながら徐々に歯並びを整える矯正方法です。
金属製の矯正装置を使ったり、歯科技工士のもとで制作されたりすることが多いワイヤー矯正に対し、マウスピース矯正はプラスチック製のマウスピースをテクノロジーの力で効率的に制作します。
そのため、歯並びの矯正にかかる値段の相場は最も安く、部分矯正で10万〜60万円程度、全体矯正で60万〜100万円程度です。
また、マウスピース矯正がワイヤー矯正よりも安い理由としては、通院回数の少なさも挙げられます。
ワイヤー矯正はワイヤー調整やブラケットのメンテナンスが必要であるため、基本的に月に一度は通院しなければなりません。
一方、マウスピース矯正は受け取ったマウスピースを決められた日数ごとに自分で交換するため、ワイヤー矯正に比べて通院回数が少なく、その分の費用が抑えられます。
マウスピース矯正とは?メリットや後悔しないために特徴を徹底解説
歯並びの矯正では治療中だけでなく、治療の前後でも費用が発生します。
料金の提示方法や値段は歯科クリニックごとに異なりますが、どの費用も矯正方法に関係なく発生するため、歯並びの矯正を検討している人は事前に相場を把握しておくことが大切です。
ここでは治療前・治療中・治療後にかかる費用の相場を解説します。
歯並びの矯正をはじめる前にかかる費用
歯並びの矯正をはじめる前にかかる費用は以下の通りです。
初回カウンセリング料:無料~5,000円程度
精密検査:診断料:10,000~65,000円程度
虫歯や歯周病の治療費:1回につき1,500~10,000円程度
抜歯代:1本あたり5000〜15,000円程度
歯並びの矯正を行う際は、まず歯科クリニックで歯並びに関する悩みや不安を相談したり、レントゲン撮影や歯科用CTで歯並びの状態を診てもらったりする必要があります。その際にかかるのが、「初回カウンセリング料」や「精密検査・診断料」です。
検査によって虫歯や歯周病が見つかった場合や、矯正をはじめるにあたり抜歯が必要と歯科医師が判断した場合は、治療費や抜歯代も別途発生します。
虫歯・歯周病の治療にかかる費用は保険が適応されますが、セラミックやジルコニアなど、審美性や強度が高い素材の詰め物・被せ物を選択する場合は自由診療となります。
また、矯正のための抜歯は基本的に保険が適応されません。ただし、抜歯する歯が重度の虫歯や歯周病に罹患している場合は保険が適応される可能性があります。
歯並びの矯正中に かかる費用
歯並びの矯正中にかかる費用は以下の通りです。
矯正治療費(矯正装置料):10万~170万円程度
調整料(処置料):1回につき3,000~10,000円程度
「矯正治療費(矯正装置料)」は前述の通り、矯正方法や矯正装置の素材によって値段の相場が異なります。
矯正方法は大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類ですが、同じワイヤー矯正でも裏側矯正は高度な技術が必要とされるため、ほかのワイヤー矯正に比 べて値段が高くなりやすいです。
また、ワイヤー矯正は矯正装置の素材の選択が可能で、どれを選ぶかによっても値段が変わります。
「調整料(処置料)」は文字通り、矯正装置の調整にかかる費用です。1回あたりの値段で見ると安く感じますが、歯科クリニックによっては通院のたびに発生するため、長期の治療が見込まれる場合は事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
歯並びの矯正を終えた後にかかる費用
歯並びの矯正を終えた直後は歯が元の位置に戻りやすいため、歯を保定(固定)する保定期間が必要となります。その期間にかかる費用は以下の通りです。
保定装置料:1万~6万円程度
観察料:1回につき3,000~5,000円程度
「保定装置料」とは、歯を固定する「保定装置(リテーナー)」にかかる費用です。保定装置にはいくつかの種類があり、どれを装着するかによって費用が変わります。
保定装置の種類 | 費用の目安 |
---|---|
マウスピースタイプ | 1万〜2万円 |
プレートタイプ | 2万〜6万円 |
ワイヤータイプ | 2万〜6万円 |
また、保定期間中は数ヶ月に1回、歯科クリニックで経過観察を行います。歯科クリニックによっては、矯正治療費に含まれている場合もあります。
歯並びの矯正の支払い制度には、総額が提示された「治療費総額制」と、処置や通院ごとに支払いを行う「処置別支払い制」の2種類があります。
治療費総額制(トータルフィー制・定額制)
治療費総額制は、歯並びの矯正にかかる費用の総額を事前に提示し、まとめて支払いを行う 制度です。トータルフィー制や定額制ともいいます。
治療費総額制を採用している歯科クリニックでは、最初に提示される料金に矯正治療費・調整料・追加の矯正装置が含まれている場合が多いです。
そのため、もし矯正期間が長引いても、追加費用を支払わずに治療を行えます。一方、矯正期間が短くなり、通院の回数が減っても返金はありません。
また、治療費総額制を採用している場合でも、以下の料金は別途支払いが必要となるケースがあります。
カウンセリング料
精密検査・診断料
虫歯や歯周病の治療費
抜歯代
保定装置料
観察料
治療費総額制に含まれる料金内容は歯科クリニックによって異なります。採用している歯科クリニックで矯正を行う場合は、事前にしっかりと料金内容を確認しておきましょう。
なお、マウスピース矯正 Oh my teethでは、2つのプランを用意しています。
Basicプラン(上下前歯の部分矯正):33万円(9,800円/月)
Proプラン(奥歯からなおす全体矯正):66万円(10,600円/月)
※再矯正1回までが料金に含まれます。マウスピースを破損、紛失した場合などは別途料金が発生します。9,800円/月とは36回払い(初回13,054円)で支払う場合の分割支払い金額。総額356,054円(税込)。19,700円/月とは全体矯正プランを36回払い(初回22,608円)で支払う場合の分割支払い金額。総額712,108円(税込)。
マウスピース矯正 Oh my teethの費用や支払い方法:追加費用が発生するケースとは?
処置別支払い制
処置別支払い制は、調整料や保定装置料などの各料金が設定されており、必要となった場合に都度支払いを行う制度です。
通院のたびに支払いを行うため、まとまったお金を用意する必要がないのがメリットですが、一方で総額がわかりにくいのがデメリットとして挙げられます。
予定よりも治療期間が短くなった場合は安く済みますが、反対に治療期間が延びた場合は予定していた費用をオーバーすることが多いです。
歯並びの矯正の主な支払い方法は以下の通りです。
一括払い
デンタルローン
クレジットカード
院内分割払い
対応している支払い方法やローン利用可能金額などは、歯科クリニックによって異なります。ここでは各支払い方法について解説します。
一括払い
一括払いは多くの歯科クリニッ クで導入されているスタンダードな支払い方法です。現金または口座振替で、歯並びの矯正にかかる費用を一度にまとめて支払います。
一括払いは矯正開始前に支払いを済ませるのが一般的であるため、事前にまとまったお金を用意しておく必要があります。そのため、ほかの支払い方法に比べて経済的な負担は大きいです。
一方、デンタルローンやクレジットカードでの分割払いと異なり、手数料や利子がかからないメリットがあるため、トータル的に安く済ませたい人や矯正費用が比較的安い人にはおすすめの支払い方法といえます。
デンタルローン
デンタルローンは歯科治療に特化した医療ローンです。信販会社や銀行が歯並びの矯正にかかる費用を立て替え、患者側は医療費と利息を分割払いで返済していきます。
デンタルローンは目的が決まっていないフリーローンや、クレジットカードでの分割払いに比べて金利が安いことが最大のメリットです。一方、デメリットとしては審査が厳しく、時間がかかることが挙げられます。
金融機関と提携している歯科クリニックで矯正を行う場合は、クリニックからデンタルローンの申し込みが可能です。
一方、金融機関と提携していない歯科クリニックでデンタルローンを利用する場合は、自身で金融機関に直接申し込みをしなければなりません。
歯科矯正はデンタルローンを使える?仕組みや月々の支払い額を解説
クレジットカード
歯科クリニックによっては、クレジットカードでの一括払いや分割払いができる場合もあります。
クレジットカードで分割払いをする場合は、デンタルローンのように審査が必要なく、手持ちのクレジットカードで支払いを済ませられます。
ただし、金利はデンタルローンよりもクレジットカードのほうが高くなりやすいです。また、クレジットカードの限度額よりも治療費が高くなる場合は利用ができません。
クレジット カードでの支払いを検討している場合は、分割払いの手数料や限度額を確認しておくことが大切です。
院内分割払い
院内分割払いは外部のデンタルローンなどを通さず、患者自身と歯科クリニックが直接分割払いの契約をする支払い方法です。
歯科クリニック独自のサービスのため、手数料や分割回数などはクリニックごとに異なりますが、基本的に利息や分割手数料はなく、治療予定期間内に支払いを完了できるように分割するクリニックが多いです。
そのため、1回に支払う金額はデンタルローンやクレジットカードでの分割払いよりも高い傾向にあります。