抜歯の費用がすぐわかる!親知らず・矯正・保険の有無で値段はどう変わる?

「親知らずを抜歯する際の費用は?」
「歯科矯正で抜歯が必要と言われた!さらに値段は高くなるの?」
このように抜歯の費用や、保険適用があるのか気になる方も多いはず。
本記事では、親知らずや矯正などケース別の抜歯費用について、令和6年度診療報酬改定を反映した2025年4月時点の最新情報をもとに解説します。
保険が適用される条件や自由診療の費用感、大学病院や口腔外科での費用目安もご紹介。
抜歯の費用を知ってから治療を検討したい方、綺麗 な歯並びを手に入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 抜歯の費用は歯の種類や目的で変わる
- 乳歯の抜歯は自己負担なしのケースが多い
- 前歯・小臼歯の費用目安と注意点
- 奥歯・親知らず:抜歯の難易度と金額の関係
- 歯科矯正の抜歯は保険適用外が原則
- 抜歯費用を早見表・ケース別でチェック
- ケース①比較的単純な奥歯・まっすぐ生えた親知らずの抜歯(保険適用)
- ケース②歯ぐきに埋まった(埋伏)親知らずの抜歯(保険適用)
- ケース③歯科矯正のための小臼歯抜歯(原則 保険適用外)
- 抜歯の費用に関するよくある質問(FAQ)
- 大学病院で抜歯をするといくらかかりますか?
- 親知らずを2本抜歯すると費用はいくらかかりますか?
- 入院が必要な親知らずの抜歯はいくらかかりますか?
- 抜歯後はどんな処置を行いますか?
- 抜歯の費用は事前に明確にしておくことが大切

抜歯にかかる費用は、「どの歯を抜くか」と「抜歯の目的」によって異なります。
たとえば、前歯や小臼歯など比較的抜きやすい部位と、埋まっている親知らずでは、手術の難易度も料金も大きく変わります。
親知らずや虫歯・歯周病の進行により歯を残すのが難しいと診断された場合や、歯科矯正により歯を並べるスペースを確保する必要があるでしょう。
虫歯や歯周病、親知らずは保険適用になりますが、歯科矯正の抜歯は基本的に自由診療となります。以下の表は抜歯の費用をまとめたものです。
抜歯の種類 | 1本あたりの費用 |
---|---|
乳歯 | 0円 |
前歯・小臼歯 | 1,500~3,200円 |
奥歯・親知らず | 3,000~10,000円 |
歯科矯正の抜歯 | 5,000~15,000円 |
※別途で初診料や再診料、検査料、麻酔代、投薬代などがかかります。
乳歯の抜歯は自己負担なしのケースが多い
乳歯が自然に抜けない場合や、永久歯が先に生えてきた場合には、歯科医院で乳歯を抜歯することがあります。
通常、乳歯の抜歯には初診料・再診料・検査料などが加算され 、以下の費用が必要です。
未就学児:医療費2割負担で約260円
義務教育就学後:3割負担で約480円
しかし、地方自治体の支援により、窓口での自己負担は0円になるケースが一般的です。
前歯・小臼歯の費用目安と注意点
前歯・小臼歯(前から4・5番目の歯)の抜歯は、初診・再診料・検査料を含めて1,500~3,200円程度かかります。(3割負担の場合の目安)
奥歯・親知らず:抜歯の難易度と金額の関係
前から6・7番目の奥歯、親知らずの抜歯は、生え方や処置によって費用が異なります。目安費用は3,000円~10,000円程度です。
歯ぐきに埋まっていたり斜めに生えている親知らずは、まっすぐ生えている親知らずと比較すると抜歯が難しいため、費用がやや高くなります。
歯科矯正の抜歯は保険適用外が原則

保険適用で抜歯が認められるのは、虫歯や歯周病の進行によって歯を残すことが難しい場合など、機能回復を目的としたケースに限られます。
一方、歯科矯正にともなう抜歯は、保険適用外(自由診療)です。
歯並びを整えるために健康な歯を抜く「便宜(べんぎ)抜歯」と呼ばれ、あくまで見た目の改善が主な理由となり緊急性のある病気ではないため保険適用になりません。
保険適用と自由診療の違いとは?
項目 | 保険適用 | 自由診療 |
---|---|---|
治療内容・費用 | 国が定めた範囲内で治療内容・費用が決まっている | 治療内容や費用が医院ごとに自由に設定される |
自己負担 | 原則3割負担 (年齢や所得による) | 全額自己負担 |
治療目的 | 「機能回復」を目的とした治療 | 見た目の改善や利便性を重視する治療も対象 |
抜歯費用目安 | 親知らずは保険適用 1本あたり3,000〜10,000円 | 小臼歯は自由検診 1本あたり5,000〜15,000円 |
※実際の金額は、抜歯の難易度や医院によって異なります。
また、歯科矯正を行う際、歯列が小さく歯が並びきらない場合や、親知らずが矯正治療の進行を妨げる場合、抜歯が必要になります。
矯正治療のための抜歯費用は事前に確認を!
矯正治療を検討している方は、事前に「抜歯が必要か」「費用はいくらか」「保険適用になる可能性があるか」確認しておきましょう。
気になることがある方は、無料カウンセリングで相談するのがおすすめです。

※保険適用外の自由診療です

抜歯にかかる費用は、治療内容や歯の状態、抜歯方法によって大きく変わります。
具体的なケースは以下。
抜歯する歯の種類(前歯/奥歯/親知らずなど)
抜歯の難易度(通常抜歯/難抜歯/手術抜歯など)
保険適用の有無
このような条件に応じて、費用目安を2025年4月時点の保険点数基準をもとにまとめました。
※下記の治療費はあくまでも目安です。
※保険点数は治療内容で決められており、1点=10円で計算します。
※点数は2年に1度改定があり、負担額が変わることがあります。
※2023年4月からマイナンバーカードを利用したオンライン資格確認システムが導入されています。システムが導入されているクリニックとそうでないクリニックでは初診・再診料が異なります。
ケース①比較的単純な奥歯・まっすぐ生えた親知らずの抜歯(保険適用)
再診でまっすぐに生えている親知らずや前から6・7番目の歯を抜歯する場合は、以下の費用がかかります。
診療項目 | 保険点数(点) |
---|---|
再診 | 58 |
明細書発行体制等加算 | 1 |
パノラマX線撮影・診断 | 402 |
浸潤麻酔 | 30 |
臼歯抜歯 | 270 |
処方料(院内) | 42 |
調剤料(内服・頓服) | 11 |
薬剤情報提供料 | 10 |
薬剤(処方により異なる) | 28 |
合計 | 857点(3割負担2,571円) |
初診時にパノラマX線の撮影が行われていた場合、その分費用が安くなります。しかし、虫歯が進行し、歯の根っこしか残っていない状態は、抜歯の難易度が上がるため、難抜歯加算(230点)が算定されます。また、歯の根っこが半分残せるような状態は、分割抜歯(470点)が算定されます。
ケース②歯ぐきに埋まった(埋伏)親知らずの抜歯(保険適用)
再診で歯ぐきに埋まった親知らずを抜く場合は、以下の費用がかかります。
診療項目 | 保険点数(点) |
---|---|
再診 | 58 |
明細書発行体制等加算 | 1 |
歯科用CT撮影・診断 | 1,170 |
伝達麻酔 | 42 |
浸潤麻酔 | 30 |
下顎水平埋伏歯 | 1,080 |
埋伏加算 | 230 |
処方料(院内) | 42 |
調剤料(内服・頓服) | 11 |
薬剤情報提供料 | 10 |
薬剤(処方により異なる) | 28 |
合計 | 2,702点(3割負担 8,106円) |
親知らずが埋まっている場合、歯科用CT撮影を行い、歯の形態や顎の骨の量、神経と血管の位置を3D画像で正確に把握することが多いです。
費用は状況により変動するため、当日は15,000円程度の余裕を持って準備しておくと安心でしょう。
ケース③歯科矯正のための小臼歯抜歯(原則 保険適用外)
診療項目 | 費用目安 |
---|---|
再診料 | 3,000~5,000円/回 |
小臼歯抜歯 | 5,000~15,000円/本×2 |
合計 | 13,000~35,000円 |
1本ずつ抜歯することが多いですが、左右どちらかに分けて上下2本抜歯を行い、1週間程度空けてから反対側の抜歯を行うこともあります。
一気に4本抜歯を希望する方もいますが抜歯後の腫れや痛み、食事のしにくさなどを考慮し、複数回に分けて行うのが一般的です。無理な抜歯は推奨されません。

ここでは、抜歯の費用でよくある質問について紹介します。
大学病院で抜歯をするといくらかかりますか?
大学病院で抜歯する場合、紹介状の有無で費用は異なりますが、目安は10,000円程度です。
かかりつけの歯科医院から大学病院へ紹介される場合、検査や抜歯は大学病院で行い、消毒や抜糸はかかりつけの歯科医院で行うことがあります。
その際、紹介状の目安費用1,000円と処置料500~1,000円程度必要になります。
親知らずを2本抜歯すると費用はいくらかかりますか?
親知らずを同じ日に2本まとめて抜歯する場合、6,000〜20,000円程度が目安です。
これは、生え方や処置の難易度、保険の有無によって大きく変わります。
たとえば、
まっすぐ生えている親知らず(保険適用) → 1本3,000円前後
横向き・埋まっている親知らず(難抜歯) → 1本7,000円〜10,000円前後
といったように、片方が難抜歯の場合、合計で1〜2万円前後になるケースもあります。
また、同日に上下左右2 本まとめて抜くこともありますが、抜歯後の痛みや食事がしづらくなるので、医院の判断で1本ずつ日を分けて行うことも多いです。
入院が必要な親知らずの抜歯はいくらかかりますか?
歯科恐怖症の方や強い嘔吐反射がある方、親知らずが下あごの神経に触れている方など、全身麻酔下で行われることがあり、入院が必要になります。
1泊2日の入院は2万~3万円程度、2泊3日の入院は6万~7万円程度かかることがあります。ケースによっては10万円程度必要になるため、事前に確認しておきましょう。
抜歯後はどんな処置を行いますか?
抜歯直後は、抜歯した穴 に止血剤と抗生剤を入れることがあります。これは、ドライソケット(抜いた箇所にかさぶたができず、穴が空いたままの状態)を防止するために行われる処置で、保険適用になります。
また、抜いた箇所の骨や組織の回復を促進するコラーゲンを入れる処置(自由診療)を提案されることもあります。この場合自由診療になるため、5,000~10,000円程度かかります。
翌日は必要に応じて消毒を行うことがあります。うがい薬や痛み止めの処方の有無によって異なりますが、500円程度です。また縫合した場合は、1週間後に抜糸をします。その際の費用は200円程度必要。クリーニングなどほかの処置を行う場合は、その分費用がかかるため注意しましょう。

抜歯にかかる費用は、歯の種類や抜く目的、処置の難易度によって大きく異なります。
「保険適用だと思っていたら自由診療だった…」
「追加費用がかさんで、思ったより高くなってしまった」
そんな後悔を防ぐためにも、事前に費用の目安を確認し、必要な処置かどうかも含めて相談できる歯科医院を選ぶことが大切です。
Oh my teethの無料診断では、矯正に抜歯が必要かどうかも歯科医師に直接相談できます。
費用や治療の進め方が気になる方は、お気軽にチェックしてみてくださいね。