歯の矯正に抜歯は必要?メリット・デメリットと後悔しない方法を紹介

「矯正のために歯を抜くって言われたけど、本当に大丈夫?」
「4本も抜いて後悔しないかな…?」
歯の矯正で抜歯が必要と言われると、不安や疑問がたくさん出てきますよね。
「健康な歯を抜くなんてもったいない」と思う一方で、「きれいな歯並びになるなら仕方ないのかな…」と迷ってしまうのは当たり前のことです。
本記事では、抜歯が本当に必要な理由やメリット・デメリットをわかりやすく解説。さらに、抜歯をしない選択肢や後悔しないためのポイントも紹介します。
歯の矯正での抜歯についてお悩みの方はぜひ参考にしてください。

木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
- 歯科矯正の抜歯で後悔する?抜歯が必要な理由とは
- 歯科矯正で抜歯をする理由
- 矯正でなぜ4本も抜く?どの歯を抜けば後悔しない?
- 歯科矯正の抜歯で後悔した3つの例
- 口元が引っ込みすぎる
- ほうれい線が目立つ
- 痛みや腫れがある
- 歯科矯正で抜歯するメリットは?理想に近づける3つの利点
- ①正しい噛み合わせを得られる
- ②Eラインを改善できる
- ③難しい症例に対応できる
- 歯科矯正で抜歯するデメリットは?後悔につながる3つの理由
- ①抜歯後に痛みが生じやすい
- ②治療期間が長くなる
- ③健康な歯を失う
- 歯科矯正で後悔したくない!抜歯を避ける方法は?
- ①拡大床による歯列拡大
- ②アンカースクリューによる後方移動
- ③IPR(ディスキング・ストリッピング)
- 歯科矯正の抜歯で後悔しないための3つのポイント
- 複数のクリニックでカウンセリングを受ける
- 歯科医師とゴールをすり合わせる
- シミュレーションを比較する
- 歯科矯正の抜歯に関するよくある質問(FAQ)
- 矯正で4本抜歯して後悔しない?
- 矯正抜歯は保険適応?値段はどれくらい?
- 矯正装置をつけるのはいつ?
- 歯科矯正の抜歯で後悔しないため歯科医師と相談しよう
抜歯 が必要かどうかは、お口の中の状態や矯正治療のゴールに応じて歯科医師が判断します。抜歯が必要になるケースの例は以下の通りです。
【抜歯が必要になるケースの例】
歯の大きさに対してあごが小さい
親知らずが歯の移動を邪魔している
Eラインの改善を目的としている
鼻の先端とあごの先端を結んだ線のこと。唇がEラインよりもほんの少し内側に入っていると美しい横顔と言われています。

なお、「なるべく抜かない」「非抜歯矯正を推奨」という方針を掲げるクリニックがほとんどです。ただそのなかでも、抜歯が必要になるケースがあることは理解しておきましょう。
歯科矯正で抜歯をする理由
矯正治療で抜歯を行う主な理由は、歯を並べるスペースを確保するためです。歯とあごの大きさのバランスがよい状態は、歯がきれいに並びます。しかし、あごが小さいと歯はきれいに並びません。

たとえば、3人掛けの椅子に4人が座ろうとする場合のように、限られたスペースに歯を並べるのは困難です。同じように歯科矯正でも、スムーズに治療を進めるに抜歯が必要になるケースがあります。
矯正でなぜ4本も抜く?どの歯を抜けば後悔しない?
歯科矯正治療では、一般的に前から4・5番目の歯(第一・第二小臼歯)を抜歯します。
4番目と5番目の歯は、歯列のちょうど真ん中にあるため、歯並びを調整しやすいこともあり抜歯対象となりやすいです。

歯並びの状態によっても異なりますが、左右上下1本ずつ合計4本抜歯することもあります。また、親知らず(第三大臼歯)を4本抜く場合もあります。
矯正で4本の抜歯をする理由は、歯のスペースを作り、きれいに並べることが目的です。
ただし、健康な歯を抜くことに対しては慎重に判断しましょう。セカンドオピニオンを活用しながら、抜いてから後悔しないようにすることが大切です。

矯正で抜歯は必要?歯を抜く理由やデメリット・メリットを紹介

「抜歯矯正で後悔した」「口元が引っ込みすぎた」などSNS上の声を目にした方もいるでしょう。実際に、抜歯矯正で後悔につながる事例を紹介します。
口元が引っ込みすぎる
抜歯矯正で後悔した例のひとつが、口元が引っ込みすぎて、理想とのギャップがあった場合です。
抜歯矯正では、歯並びの状態によって、前歯を後方に移動させる必要があります。しかし、抜歯によってできたスペースが大きい場合、口元が引っ込みすぎることがあり、ほうれい線が目立ち老けたような印象を与えてしまう可能性も。
特にEラインの改善を目的に無理に抜歯すると、このようなリスクが高まります。
ただし、矯正治療は長期間にわたるもののため、20代後半~30代にかけて行われた場合は、加齢による自然な変化ともいえるでしょう。
ほうれい線が目立つ
抜歯矯正によって、ほうれい線が目立ってしまうケースもあります。抜歯をすると歯並び全体がうしろに引っ込みやすく、Eラインのバランスが崩れて、ほうれい線が目立つケースもあるでしょう。
矯正中 は噛み合わせの変化が生じやすいことに加え、装置をつけていることによって硬いものが食べられません。そのため、お口周りの筋肉が衰え、頬にハリがなくなったりほうれい線が目立つようになることがあります。
矯正治療終了後に表情筋トレーニングやマッサージを行うことで改善が期待できますが、そうならないためにも顔の変化について不安がある場合は、歯科医師に遠慮せずに相談することが重要です。
痛みや腫れがある
痛みや腫れに対して強い不安を持っている場合は、抜歯矯正で後悔することも考えられます。抜歯は麻酔をしっかりと効かせるため、術中に痛みはほとんどありません。しかし、麻酔が切れてからは多少の痛みをともなうことがあります。
痛みの感じ方には個人差があるため、強い痛みが生 じると後悔してしまう可能性があるのです。
特に抜歯後の注意点を守れない場合は、痛みや腫れが出やすくなります。痛み止めと抗生物質の服用方法や抜歯後の運動、入浴を避けるなど、ドクターの指示に従うことが大切です。

30代・40代・50代以降の歯の矯正でよくある後悔とその原因
抜歯矯正を勧められた場合は、メリットとデメリットをよく理解しておくことが大切です。ここでは、抜歯矯正のメリットを紹介します。
①正しい噛み合わせを得られる
抜歯によって歯を並べるスペースが確保できると、歯が正しい位置に並びやすくなります。噛み合わせが整うと咀嚼(そしゃく)効率や発音の改善、顎関節症のリスク軽減などさまざまなメリットがあります。
抜歯で噛み合わせがよくなれば、歯が長持ちすることも期待できるでしょう。