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歯科矯正
最終更新日:2024年4月10日

歯列矯正した歯並びが戻るのはなぜ?後戻りを防ぐためのポイント4つ

本記事では歯列矯正で歯並びが戻る原因や予防するポイントを解説します。後戻りしてしまった場合の対処法も紹介しますので、歯列矯正の後戻りに不安を感じている方は必見です。

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歯科矯正ブログ編集チーム

木村真由美

Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。

「歯列矯正後に後戻りした」という話を聞いて不安になっていませんか?

確かに歯列矯正後にリテーナーを装着しなければ、歯は元の状態に戻ってしまいます。長い時間と費用をかけてきれいな歯並びを手に入れたのに、元に戻ってしまったらショックですよね。

そこで本記事では「なぜ歯並びが元に戻るのか?」という疑問を解消しつつ、後戻りを予防するポイントを解説します。後戻りしたときの対処法も紹介しますので、これから矯正治療をはじめる方や矯正中の方だけでなく、すでに後戻りしてしまった方も参考にしてください。

歯列矯正の「後戻り」とは?歯並びが戻るのはなぜ?

後戻りとは、矯正治療できれいに整った歯並びが元の状態に戻ってしまうことです。「出っ歯を矯正したのにまた前歯が出てきた」「歯列を整えたのに隙間が空いてきた」このような現象が後戻りです。

歯列矯正にはワイヤー矯正やマウスピース矯正などがありますが、どの矯正方法で治療した場合でも後戻りは起こり得ます。そもそもなぜ歯並びが戻るのでしょうか。それは歯が動く仕組みに関係しています。

歯が動く仕組み

歯は歯根膜という弾力のある薄い組織によってつながっており、骨に直接くっついているわけではありません。歯列矯正では、矯正装置によって歯に力を加えると歯が動く方向の歯根膜が縮み、反対側は引っ張られて伸びます。

歯根膜には一定の厚さを保とうとする性質があるため、縮んだ方の歯根膜は元の厚さに戻ろうとして骨を溶かす(吸収)細胞ができるのです。一方、伸びた歯根膜は元の厚さに縮もうとして骨を作る(再生)細胞ができます。

骨の吸収と再生を繰り返すことが歯列矯正で歯を動かす仕組みです。矯正装置を外した直後は、歯の根っこや周辺の骨が不安定で動きやすい状態にあります。そのまま何もせずに放置しておくと、歯根膜は元の位置に戻ろうとして後戻りしてしまうのです。

歯列矯正で後戻りしやすい人の特徴3つ

歯列矯正では「リテーナーの装着時間が確保できない人」「歯並びに悪影響を及ぼす癖がある人」「親知らずが斜めに生えている人」は後戻りしやすいです。

①リテーナーの装着時間が十分確保できない人

歯列矯正で後戻りする原因で最も多いのが、保定装置(リテーナー)の装着ができていないことです。歯並びが固定されるまではリテーナーの装着は必須です。歯科医師の指示通りにリテーナーの装着ができていないと、後戻りするリスクが高くなります。

②歯並びに悪影響を及ぼす癖がある人

普段無意識にしている以下のような癖が、歯並びに悪影響を与えているケースもあります。

  • 舌で前歯を押す

  • 頬杖

  • 爪噛み

  • 口呼吸など

このような癖は悪習癖(あくしゅうへき)と呼ばれ、継続的に歯に力が加わることで歯並びや噛み合わせを悪くします。通常は矯正期間に改善するのが望ましいですが、保定期間に入っても癖が残っていると後戻りしやすいです。

③親知らずが斜めに生えている人

斜めに生えている親知らず

斜めや横向きに生えている親知らずは、手前の歯を押してしまい歯並びを乱すことがあります。このような歯並びに悪影響を与える親知らずは、矯正前に抜歯するのが一般的です。

まっすぐ生えて歯並びや噛み合わせに影響のない親知らずであれば、そのままでも問題はありません。親知らずが生えてくるのは10代後半から20代前半ですが、親知らずが存在しない人や、歯茎に埋まったままの人もいます。

矯正治療後に親知らずが生えてきた場合は、後戻りの原因になっている可能性があります。

歯列矯正の後戻りを予防するポイント4つ

歯列矯正で後戻りを予防するためには、リテーナーの装着時間を守ることが重要です。また悪習癖がある方は改善したり、口腔ケアを徹底することも大切です。

①リテーナーの装着時間を守る

リテーナー

後戻りを予防するために最も重要なのは、リテーナーの装着です。リテーナーの種類には「固定式」と、取り外しできる「可動式」があります。可動式のリテーナーを使用する場合、矯正直後は20時間以上の装着が必要です。

歯並びが安定してくると歯科医師の判断で装着時間は徐々に短くなっていきますが、装着をさぼったり自己判断で装着自体をやめてしまう方もいます。きれいな歯並びを維持するためにも、歯科医師の指示通りにリテーナーを装着するようにしましょう。

②悪習癖を改善する

歯並びに悪影響を及ぼす悪習癖がある人は、後戻りを防ぐためにも早めに改善することをおすすめします。悪習癖を改善する方法には、MFT(口腔筋機能療法)というトレーニングも効果的です。自分で改善が難しい場合は、クリニックに相談してみましょう。

③口腔ケアを徹底する

後戻りを防ぐためには、口腔内を清潔にすることも大切です。口腔ケアがおろそかになると、歯周病になるリスクが高まります。歯周病は悪化すると歯を支える骨を溶かす恐れがあるため、歯の周りの骨が不安定になり結果的に後戻りしやすくなります。

固定式のリテーナーの周りは汚れが溜まりやすいので、丁寧に歯磨きをしてください。可動式のリテーナーは、毎日柔らかめの歯ブラシで水洗いし清潔に保ちましょう。

自分では落としきれない汚れもあるため、定期的にクリニックでクリーニングを受けるのがおすすめです。

④信頼できるクリニックを選ぶ

リテーナーを正しく装着していても、診断ミスや無理な治療計画によって後戻りをすることもあります。たとえば、抜歯が必要な症例にもかかわらず無理に非抜歯矯正で治療した場合や、噛み合わせの調整が不十分だったケースです。

このようなトラブルを防ぐためにも、クリニック選びは慎重にしなければなりません。以下のポイントを参考に信頼できるクリニックを選びましょう。

  • 経験豊富な矯正専門のドクターが在籍している

  • 精密検査に必要な設備が整っている

  • 丁寧に説明してくれる

  • 悩みや疑問を相談しやすい

歯列矯正で後戻りしてしまったときの対処法

マウスピース矯正

歯列矯正後に後戻りした歯は、そのまま放置しても自然に治ることはありません。放置しておくと後戻りが進行して、どんどん歯並びが乱れてしまう可能性があります。

また、自力で治すこともできません。自分で歯を押して治そうとすると、歯並びが悪くなる恐れがあります。ごくわずかな後戻りでリテーナーが装着できる状態であれば、リテーナーの装着時間を見直すことで改善できるケースがあります

ただし、リテーナーがはめられないほど大きく後戻りしてしまった歯を改善するには、再度治療が必要です。再矯正は一度歯並びをきれいに整えているため、一からやり直しになる訳ではありません。最初の矯正よりも軽い治療で済むケースが多いです。

後戻りが気になった時点でクリニックに相談すれば、費用や時間の負担も比較的少なくなります。後戻りの再治療には、主に以下の5つの方法があります。

種類

ワイヤー矯正

マウスピース矯正

セラミック矯正

ダイレクトボンディング

ラミネートベニア

治療内容

ブラケットとワイヤーで歯を動かす

透明なマウスピース型矯正装置で歯を動かす

歯を削ってセラミックでできた被せ物で見た目を整える

ハイブリッドセラミックを歯の表面に塗り重ねて見た目を整える

歯の表面を少量削りセラミックの薄い板を貼り付け見た目を整える

メリット

・適応範囲が広い

・自己管理が不要

・装置が目立たない

・食事や歯磨きの際に取り外せる

・歯の形や色を調整できる

・後戻りの心配がない

・自然な仕上がりになる

・1回で治療が終わる

・歯の色も同時に改善できる

・短期間で治療できる

デメリット

・表側矯正だと装置が目立つ

・違和感や痛みが出やすい

・ワイヤー矯正と比べて適応範囲が限られる

・自己管理が必要

・歯を削らなければならない

・定期的なメンテナンスが必要

・定期的なメンテナンスが必要

・適応できない症例がある

・少量だが歯を削る必要がある

・適応できない症例がある

費用目安

部分矯正30万円〜

部分矯正10万円〜

1本あたり8万円~

1本あたり2万円~

1本あたり5万円~

※セラミック矯正・ダイレクトボンディング・ラミネートベニアは、詰め物や被せ物で見た目を改善する方法で、歯を動かすことはできません。

それぞれの治療方法にはメリット・デメリットがありますので、歯科医師とよく相談した上で最適な方法を選択しましょう。

歯列矯正の後戻りに関するよくある疑問

Q&A

最後に歯列矯正の後戻りに関するよくある疑問にお答えします。

後戻りが起こる確率は?

歯列矯正後にリテーナーを装着しなければ、ほぼ100%後戻りが生じます。装着時間が不足していると、リテーナーしているのに後戻りするケースもあります。後戻りする確率を下げるためには、歯科医師の指示通り適切にリテーナーを装着することが重要です。

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リテーナーはどのくらいの期間装着しておくもの?

一般的には、歯を動かすのにかかった矯正期間と同程度の期間リテーナーの装着が必要とされています。たとえば矯正期間が2年だった場合、保定期間も2年必要ということです。

ただし歯は一生動き続けています。きれいな歯並びをキープするためには、保定期間が終わってもできるだけ長い期間リテーナーを装着しておくのが理想です。

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歯列矯正の後戻りが気になるなら早めに相談を

マウスピース矯正 Oh my teethの無料歯並び相談

歯列矯正後は、歯科医師の指示通りリテーナーをしっかり装着しておかなければ、歯は後戻りしてしまいます。また、無意識にしている癖が原因になっていることもあります。

わずかな後戻りであればリテーナーで治せることもありますが、大きく後戻りした場合は再矯正が必要です。再矯正は避けたいと思うかもしれませんが、費用や時間の負担を軽くするためにも、後戻りが気になるなら早めにクリニックへ相談することをおすすめします。

マウスピース矯正 Oh my teethでは、他クリニックでの矯正治療後に後戻りしてしまった方からのご相談も承っています。実際にOh my teethで再び美しい歯並びを取り戻しているユーザーもいますので、再矯正を検討している方はぜひご相談ください。

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