歯列矯正した歯並びが戻るのはなぜ?後戻りを防ぐためのポイント4つ
「歯列矯正後に後戻りした」という話を聞いて不安になっていませんか?
確かに歯列矯正後にリテーナーを装着しなければ、歯は元の状態に戻ってしまいます。長い時間と費用をかけてきれいな歯並びを手に入れたのに、元に戻ってしまったらショックですよね。
そこで本記事では「なぜ歯並びが元に戻るのか?」という疑問を解消しつつ、後戻りを予防するポイントを解説します。後戻りしたときの対処法も紹介しますので、これから矯正治療をはじめる方や矯正中の方だけでなく、すでに後戻りしてしまった方も参考にしてください。
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木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
後戻りとは、矯正治療できれいに整った歯並びが元の状態に戻ってしまうことです。「出っ歯を矯正したのにまた前歯が出てきた」「歯列を整えたのに隙間が空いてきた」このような現象が後戻りです。
歯列矯正にはワイヤー矯正やマウスピース矯正などがありますが、どの矯正方法で治療した場合でも後戻りは起こり得ます。そもそもなぜ歯並びが戻るのでしょうか。それは歯が動く仕組みに関係しています。
![歯が動く仕組み](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/2YgebPiGjWiGf6vCMd9K4w/fe6ed8f1273ecac5374d91675d8082b1/hagaugokusikumi.png)
歯は歯根膜という弾力のある薄い組織によってつながっており、骨に直接くっついているわけではありません。歯列矯正では、矯正装置によって歯に力を加えると歯が動く方向の歯根膜が縮み、反対側は引っ張られて伸びます。
歯根膜には一定の厚さを保とうとする性質があるため、縮んだ方の歯根膜は元の厚さに戻ろうとして骨を溶かす(吸収)細胞ができるのです。一方、伸びた歯根膜は元の厚さに縮もうとして骨を作る(再生)細胞ができます。
骨の吸収と再生を繰り返すことが歯列矯正で歯を動かす仕組みです。矯正装置を外した直後は、歯の根っこや周辺の骨が不安定で動きやすい状態にあります。そのまま何もせずに放置しておくと、歯根膜は元の位置に戻ろうとして後戻りしてしまうのです。
歯列矯正では「リテーナーの装着時間が確保できない人」「歯並びに悪影響を及ぼす癖がある人」「親知らずが斜めに生えている人」は後戻りしやすいです。
①リテーナーの装着時間が十分確保できない人
歯列矯正で後戻りする原因で最も多いのが、保定装置(リテーナー)の装着ができていないことです。歯並びが固定されるまではリテーナーの装着は必須です。歯科医師の指示通りにリテーナーの装着ができていないと、後戻りするリスクが高くなります。
②歯並びに悪影響を及ぼす癖がある人
普段無意識にしている以下のような癖が、歯並びに悪影響を与えているケースもあります。
舌で前歯を押す
頬杖
爪噛み
口呼吸など
このような癖は悪習癖(あくしゅうへき)と呼ばれ、継続的に歯に力が加わることで歯並びや噛み合わせを悪くします。通常は矯正期間に改善するのが望ましいですが、保定期間に入っても癖が残っていると後戻りしやすいです。
③親知らずが斜めに生えている人
![斜めに生えている親知らず](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/6cc73bb1-cc51-49a7-bcc5-dad5a151c690/39b58c1c9a82c309b9bf93f01320f21a/s-2400x1500_v-frms_webp_77d7cbf6-c000-425e-abe9-a32088230c00.jpg)
斜めや横向きに生えている親知らずは、手前の歯を押してしまい歯並びを乱すことがあります。このような歯並びに悪影響を与える親知らずは、矯正前に抜歯するのが一般的です。
まっすぐ生えて歯並びや噛み合わせに影響のない親知らずであれば、そのままでも問題はありません。親知らずが生えてくるのは10代後半から20代前半ですが、親知らずが存在しない人や、歯茎に埋まったままの人もいます。
矯正治療後に親知らずが生えてきた場合は、後戻りの原因になっている可能性があります。
歯列矯正で後戻りを予防するためには、 リテーナーの装着時間を守ることが重要です。また悪習癖がある方は改善したり、口腔ケアを徹底することも大切です。
①リテーナーの装着時間を守る
![リテーナー](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/f68320f0-d9f5-4735-bcd8-f8568a90ca78/b5219bca018739f2f586eec188563def/s-1892x1321_v-frms_webp_f63d4af1-1914-43f8-bbb5-f822b1f50dd9.jpg)
後戻りを予防するために最も重要なのは、リテーナーの装着です。リテーナーの種類には「固定式」と、取り外しできる「可動式」があります。可動式のリテーナーを使用する場合、矯正直後は20時間以上の装着が必要です。
歯並びが安定してくると歯科医師の判断で装着時間は徐々に短くなっていきますが、装着をさぼったり自己判断で装着自体をやめてしまう方もいます。きれいな歯並びを維持するためにも、歯科医師の指示通りにリテーナーを装着するようにしましょう。