受け口(反対咬合)とは?しゃくれとの違い、原因、矯正治療の費用まで徹底解説

「受け口かも……」「しゃくれてる?」
そんな見た目の悩みや、噛みにくさ・発音のしづらさに悩んでいませんか?
受け口(反対咬合)は、歯並びや骨格だけの問題にとどまらず、口の機能面・心理面の両方に影響を与えることがあります。
この記事では、「受け口」と「しゃくれ」の違いから、原因、リスク、子どもと大人の矯正治療法、費用相場までわかりやすく解説します。矯正の症例も紹介しながら、治療を検討するうえで役立つ情報もまとめました。
「自分や子どもに矯正は必要?」「費用はどれくらい?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次
- まずは確認!「受け口」「反対咬合」「しゃくれ」は何が違う?
- 受け口・反対咬合は「歯の噛み合わせ」の状態
- しゃくれは「顎の骨格」を含めた見た目の状態
- 受け口だけど、しゃくれていないケースもある
- なぜ受け口になるの?考えられる3つの主な原因
- ① 遺伝による骨格的な要因(骨格性の受け口)
- ② 歯の生え方や傾きによる要因(歯槽性の受け口)
- ③ 幼少期の癖(指しゃぶり・舌で歯を押す等)など後天的な要因
- 受け口を放置する4つのリスク・デメリット
- ① しっかり噛めず、消化不良の原因になる(咀嚼機能の問題)
- ② サ行・タ行が言いにくいなど、滑舌・発音への影響
- ③ 顎の疲れや痛み(顎関節症)のリスク
- ④ 見た目のコンプレックスによる心理的ストレス
- 受け口の治療・矯正方法|子どもと大人でアプローチが異なる
- 子どもの受け口治療(小児矯正)
- 大人の受け口治療(成人矯正)
- 【危険】受け口は自分で治せる?巷の噂のウソ・ホント
- 受け口矯正にかかる費用はどれくらい?
- 子どもの矯正(1期治療)の費用相場:約10万~50万円
- 大人の矯正(2期治療)の費用相場:約70万~170万円
- 【症例紹介】受け口(反対咬合)の矯正治療実績
- 受け口・しゃくれの悩みは、まず専門家への相談から
受け口に関する情報を調べていると、「反対咬合」や「しゃくれ」といった言葉も目にすることがあります。
これらは似たような意味で使われることもありますが、厳密には異なる概念です。それぞれの違いを正 しく理解することが、適切な治療選択の第一歩になります。
受け口・反対咬合は「歯の噛み合わせ」の状態

「受け口」や「反対咬合」は、医学的には同義で、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態を指します。
これは上下の歯の噛み合わせが通常と逆になっていることを意味し、噛む・話すといった機能面で支障が出ることがあります。
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しゃくれは「顎の骨格」を含めた見た目の状態

「しゃくれ」は、一般的に下顎が前に突き出しているように見える状態を指す言葉で、医学的な診断名ではありません。
歯の噛み合わせだけでなく、顎の骨格そのものが前方に出ている 場合に使われることが多く、見た目のコンプレックスとして悩む方も多いです。
受け口だけど、しゃくれていないケースもある
受け口としゃくれは重なる部分もありますが、必ずしもイコールではありません。
歯の傾きだけが原因で受け口になっている人は、「しゃくれ」とは見なされないこともあります。逆に、顎の骨格が突出している「しゃくれ」でも、噛み合わせが正常な場合もあります。
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受け口の原因は一つではありません。主に「遺伝」「歯の生え方」「生活習慣」の3つに大別され、それぞれに応じた治療法の選択が必要です。
① 遺伝による骨格的な要因(骨格性の受け口)
両親や祖父母が受け口だった場合、顎の骨格や成長パターンが遺伝していることがあります。
このタイプは「骨格性の受け口」と呼ばれ、顎の骨の大きさや位置関係そのものが原因です。子どものうちであれば、顎の成長をコントロールする小児矯正が有効ですが、大人の場合は外科手術を伴う外科矯正が検討されることもあります。
② 歯の生え方や傾きによる要因(歯槽性の受け口)
歯の傾きや位置のずれが原因で、上下の歯が正しく噛み合わずに受け口になるケースです。
この場合は「歯槽性の受け口」に分類されます。顎の骨格には問題がないため、マウスピース矯正やワイヤー矯正などの歯列矯正で改善できる可能性があります。
③ 幼少期の癖(指しゃぶり・舌で歯を押す等)など後天的な要因
指しゃぶりや、舌で前歯を押す癖、うつぶせ寝などの習慣が、歯並びや顎の成長に悪影響を与えることがあります。
たとえば 、舌で下の前歯を押す癖があると、歯が前にずれてしまい、結果として受け口のような噛み合わせになることがあります。
こうした癖が長く続くと、成長期の顎や歯に影響して、受け口の原因になることがありますが、小さいうちなら癖をやめさせることで改善できる場合も。必要に応じて、癖の改善にあわせて専用のマウスピース装置などを使った小児矯正を行うことで、より効果的に治療できます。

受け口は 見た目の問題だけではなく、日常生活における様々な不調やトラブルの原因になります。放置してしまうと、身体的にも精神的にも影響が及ぶため、早めの対処が重要です。
① しっかり噛めず、消化不良の原因になる(咀嚼機能の問題)
受け口だと上下の歯がうまく噛み合わず、食べ物をしっかり噛み砕けないことがあります。
噛む力が弱まると、食べ物が大きいまま飲み込まれてしまい、結果的に胃腸に負担をかける原因になります。
② サ行・タ行が言いにくいなど、滑舌・発音への影響
歯の噛み合わせがずれていると、舌の動きが制限され、特定の発音が不明瞭になることがあります。
特に「サ行」や「タ行」が言いづらくなり、会話の際にストレスを感じる人も少なくありません。
③ 顎の疲れや痛み(顎関節症)のリスク
無理な噛み合わせの状態を続けることで、顎の関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症を引き起こすリスクがあります。
症状が進行すると、口の開けづらさや顎の異音、頭痛などの不調につながることもあるため注意が必要です。
参考:受け口は早めの治療が大切と聞きましたが、なぜですか?|日本臨床矯正歯科医会
④ 見た目のコンプレックスによる心理的ストレス
見た目の悩みから自信をなくし、人前で笑えない・話せないといった精神的なストレスを抱えることもあります。
特に思春期や就職活動など、他人とのコミュニケーションが重要な場面では、大きな影響を及ぼす可能性も考えられるでしょう。
日本臨床矯正歯科医会でも、受け口は早めに治療したほうがいいと、その重要性を強く推奨しています。

受け口の治療は、年齢や原因によって適切なアプローチが異なります。特に「子ども」と「大人」では、選べる治療法の幅や治療の目的が変わってくるため、それぞれに 合った方法を選ぶことが大切です。
子どもの受け口治療(小児矯正)
成長期の子どもに対しては、顎の成長を適切に促しながら、将来の正しい噛み合わせを目指すことが治療のゴールになります。
いわゆる「1期治療」と呼ばれる段階で、骨格の成長バランスを整えることが重視されます。
ゴールは顎の健やかな成長を促すこと(1期治療)
1期治療は、永久歯が生えそろう前(6〜12歳ごろ)に行う小児矯正で、顎の成長をコントロールしながら噛み合わせの土 台を整えることが目的です。
この段階で骨格のズレを抑えることで、後の「2期治療」(中学生以降の成人矯正)を不要にできる場合もあります。
小児矯正は「1期治療→必要に応じて2期治療」の2段階構成になっています。1期治療で骨格を整え、2期治療で歯並びを仕上げるのが一般的な流れです。
主な治療法:ムーシールド、プレオルソ、上顎前方牽引装置など
受け口の小児矯正では、症例に応じて以下のような装置が使われます。いずれも、顎の成長をサポートしながら噛み合わせの改善を図るのが目的です。
ムーシールド:マウスピース型の矯正装置で、就寝時に使用。舌の位置を整え、上顎の成長を促す効果があります。
プレオルソ:子どもの口腔筋の機能を整えるマウスピース型矯正装置。日中1~2時間と就寝中に使用して、噛み合わせと筋肉のバランスを改善します。
上顎前方牽引装置:歯と顎に装着して、上顎を前方に引き出す装置。骨格のバランスを整えられ、骨格性の受け口に用いられることが多いです。
このほかにも、子どもの矯正では顎の成長や口周りの癖を改善する装置があります。詳しい治療内容については、以下の記事もぜひ参考にしてくださいね。
大人の受け口治療(成人矯正)
大人の場合は、歯列矯正や場合によっては外科手術を組み合わせることで、噛み合わせや見た目の改善を図ります。
治療方法は「歯並びが原因か」「骨格が原因か」によって異なります。
歯並びが原因の場合:ワイヤー矯正・マウスピース矯正
