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歯科矯正
最終更新日:2024年9月9日

受け口じゃないのにしゃくれる原因は?治し方を解説

「受け口じゃないのにしゃくれに見えるのはなぜ?」このような疑問を抱えていませんか?

結論から言うと、受け口じゃないしゃくれは下あご自体が前に出ている状態です。歯並びが原因でしゃくれになっているなら、歯科矯正で改善できる場合もありますが、下あごの状態によっては外科手術が必要になることがあります。

本記事では、受け口としゃくれの違いや原因ごとの治療方法、自力で治せるかどうかを解説します。この記事を読めば、あなたのしゃくれは歯並びに原因があるのか、骨格に原因があるのかがわかり、治し方も把握できますよ。

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歯科医師

太田 吏帆子

鶴見大学歯学部卒業。卒後、東京歯科大学にて研修。一般歯科、矯正歯科勤務。

受け口かしゃくれかは外見だけでは判断が難しいケースも。マウスピース矯正Oh my teethでは3Dスキャンやレントゲン写真を用いて、あごの骨格を詳細に分析。あなたに合った治療プランをご提案します。受け口ではないのにしゃくれていると感じる方は、無料診断へお気軽にお越しください。

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受け口じゃないのにしゃくれる理由

受け口(下顎前突)

しゃくれは一般的に下あごが突き出た状態のことを言いますが、同じような見た目から受け口のことをしゃくれとも呼びます。しゃくれにもさまざまなケースがあり、受け口じゃないのにしゃくれている場合もあります。反対にしゃくれじゃないのに受け口の場合も。

受け口じゃないのにしゃくれる理由は、下の歯ではなく下あご自体が前に突出した状態だからです。受け口じゃないしゃくれは骨格に問題があるため、外科手術が必要になる可能性が高いです。

外見的には似ていても、歯が出ているのかあごが出ているのかによって、治療方法も異なります。しゃくれの治し方については、後ほど詳しく解説します。

受け口としゃくれは何が違う?

受け口としゃくれは、どちらも下あごが出ているような見た目から名付けられた俗称です。同じ意味で使われることも多いですが、厳密には以下のように違う意味があります。

受け口は歯並びの状態のこと

受け口は下の歯が上の歯より前に出ている歯並びの状態のことです。通常の噛み合わせとは逆になっていることから歯科用語では「反対咬合(はんたいこうごう)」と言います。食べ物が噛みにくかったり、滑舌が不明瞭になっているケースも多いです。

しゃくれは輪郭の形状のこと

しゃくれは下あごが前に突き出たような顔の輪郭の形状のことです。しゃくれは歯科クリニックでは使わないワードで、歯科用語では「下顎前突(かがくぜんとつ)」と言います。

噛み合わせも前方にずれているケースが多いですが、前述したように必ずしも受け口のように噛み合わせが逆になっているとは限りません。上と下の前歯がぎりぎりあたっていたり、下の前歯が極端に内側に倒れ込んでいる場合もあります。

しゃくれ・受け口には2つのタイプがある

しゃくれや受け口には、以下のように2つのタイプがあります。

  • 骨格に問題がある(下あごが上あごより前に出ている)

  • 歯並びに問題がある(上の歯が内向きに生えている・下の歯が外向きに生えている・前歯の位置が原因で奥歯を噛み合わせる過程で下顎を突き出してしまう)

「しゃくれは骨格的な問題」「受け口は歯並びの問題」と言われることもありますが、一概にそうとは限りません。なぜなら、受け口でも骨格的な問題が原因になっていることもあり、しゃくれでも歯並びの問題が原因になっていることもあるからです。

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しゃくれの基準は?セルフチェック方法を解説

自分がしゃくれかどうかをチェックする方法の一つにEラインがあります。Eラインは鼻先からあご先を結んだラインのことで、アメリカの歯科矯正医ロバート・リケッツが提唱した横顔の美しさを決める基準の一つです。

Eラインの解説イラスト

理想的な横顔は、Eラインの内側に口先がある状態だと言われています。ただし日本人は欧米人に比べて鼻が低い傾向にあるため、Eラインに若干唇が触れるくらいであれば美しい横顔だと言えます。

しゃくれの場合下あごが出ているため、Eラインより上唇が大きく内側に入っていることが多いです。人差し指や定規などを鼻先とあご先にあてるだけで簡単に確認できますので、ぜひチェックしてみてください。

マウスピース矯正Oh my teethなら診断まで無料です。自分では気づかないあごの歪みや軽度のしゃくれも歯科医師の目を通して詳細に診断できますよ。

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しゃくれ・受け口の原因

しゃくれや受け口になってしまう原因にはさまざまなものがありますが、大きく分けて以下の三つが考えられます。

遺伝によるもの

骨格や歯並びは両親や祖父母から遺伝することもあります。両親がしゃくれや受け口だと必ず遺伝するわけではありませんが、子どももしゃくれや受け口になる要素を持っていると考えられます。

骨格の発育異常

遺伝ではなく成長する過程で、下あごが上あごより大きくなってしまった場合も、しゃくれや受け口になります。

骨格の発育異常の原因には、舌の位置が関係しているケースがあります。舌は上あごにくっついている状態が正しい位置です。

舌の正しいポジション

舌の位置が下がっていると下あごが発達し、結果的にしゃくれたあごになってしまうこともあります。

幼少期の口周りの癖

あごの骨が柔らかい幼少期に以下のような癖を行っていた場合も、しゃくれや受け口を引き起こす原因になります。

  • 口呼吸

  • 指しゃぶり

  • 爪噛み

  • 下あごを前に突き出す

  • 舌で前歯を押す

  • 頬づえをつく

しゃくれの治し方

しゃくれや受け口を放置すると、見た目だけでなく正しく咀嚼できず、顎関節症や頭痛など全身に悪影響を及ぼす可能性があるため、早めの治療がおすすめです。

ここからは、しゃくれを治す方法を紹介します。

骨格に問題がある場合は外科的矯正治療

骨格に重度の問題がある場合は、歯科矯正だけでは骨を動かすことができないため、下あごの骨を切る外科手術を併用した外科的矯正治療で改善します。受け口じゃないしゃくれの場合も、この治療方法になる可能性が高いでしょう。

骨格的な問題から外科手術が必要なしゃくれは、「顎変形症(がくへんけいしょう)」という病名がつくケースが多いです。顎変形症と診断されると、矯正治療と外科手術に健康保険が適用されます。

歯科矯正の保険適用については、以下の記事も参考にしてください。

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歯並びが原因の場合は歯科矯正

骨格的には問題がなく歯並びが原因でしゃくれになっている場合は、歯科矯正による治療が可能です。歯科矯正には主に表側矯正・裏側矯正・マウスピース矯正があります。

表側矯正

裏側矯正

マウスピース矯正

メリット

・適応範囲が広い

・発音への影響が少ない

・目立ちにくい

・目立ちにくい

・装置を取り外しできる

デメリット

・装置が目立つ

・装置に食べかすが引っ掛かりやすい

・違和感が出やすい

・話しづらい

・歯磨きが難しい

・対応できない症例がある

・1日20時間以上の装着が必要

費用の目安

全体矯正:60~130万円

部分矯正:30~60万円

全体矯正:100~170万円

部分矯正:40~70万円

全体矯正:60~100万円

部分矯正:10~40万円

治療期間の目安

全体矯正:1~3年程度

部分矯正:2ヶ月~1年程度

全体矯正:2~3年程度

部分矯正:5ヶ月~1年程度

全体矯正:1~3年程度

部分矯正:2ヶ月~1年程度

表側矯正

表側矯正(ワイヤー矯正)

表側矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーという器具を装着して、歯を動かすワイヤー矯正の一種です。昔から使用されてきた最もオーソドックスな矯正方法で、多くの実績があります。

抜歯が必要な場合など適応範囲は最も広いですが、金属の装置が目立つため矯正中だと周囲に気づかれたくない方には不向きです。装置が目立つことは気にせず、歯を大きく動かす必要のある方に向いています。

裏側矯正

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して歯並びを整えます。矯正器具が歯の裏側にあるので、目立たないことがメリットです。

ただし矯正器具が舌にあたるため、痛みや違和感が出やすく、話しづらいデメリットがあります。矯正中だと周囲に気づかれたくない方に向いています。

マウスピース矯正

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、マウスピース型の矯正装置を装着し少しずつ歯並びを整える方法です。マウスピースは薄くて透明なため、近くで凝視しない限り矯正中だと気づかれることはありません。またワイヤー矯正とは異なり、矯正装置を取り外せるメリットがあります。

一方でマウスピースの装着や洗浄など、ワイヤー矯正にはない自己管理が必要です。自己管理ができる方や、矯正中の食事や歯磨きを快適に行いたい方に向いています。

自力で治すことはできる?

インターネットやSNSでは「しゃくれは自力で治せる」と紹介されていることがあります。しかし自己判断でしゃくれを治すのは危険です。自分で治そうとすると、歯やあごの骨、あごの関節にダメージを与えてしまいます。

しゃくれの治療は必ず歯科クリニックでドクターに診断してもらった上で、あなたに適した治療を受けましょう。

口周りの癖を治すことで予防することは可能

しゃくれを自力で治すことはできませんが、前述した口周りの癖を治すことで、しゃくれが悪化するのを予防することは可能です。

爪噛みなどの幼少期の癖は、大人になってからも行っている方は少なくありません。無意識に行っていることも多いので、意識して改善するようにしましょう。

しゃくれでお悩みならまずは相談を

受け口じゃないのにしゃくれている場合、下あご自体が突き出ている可能性があります。骨格に原因がある場合は外科的な手術が必要ですが、歯並びが原因のしゃくれであれば歯科矯正で治せることがあります。

自分自身で骨格的な問題か歯並びの問題かの判断はできないため、まずはクリニックの矯正相談に行ってドクターに診断してもらいましょう。

あなたのしゃくれはマウスピース矯正で治せる?

しゃくれを歯科矯正で改善できるかどうかを知るには、歯科医師による診査・診断が必要です。

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