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最終更新日:2025年6月28日

しゃくれは矯正で治る?原因別の治療方法を解説

しゃくれ アイキャッチ

しゃくれが気になるけれど、「矯正で治せるの?」「費用はどのくらい?」と不安を感じていませんか?

しゃくれには、歯並びや骨格のズレなどの原因があり、症状によって治療法やかかる費用も大きく変わります。中には、矯正だけで改善できるケースも少なくありません。

この記事では、しゃくれの原因をタイプ別にわかりやすく解説。

「矯正で治せるケースの見分け方」「治療ごとの費用の目安」さらに「自力で治すことはできるのか?」という疑問についても解説します。

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歯科矯正ブログ編集チーム

木村真由美

Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。

【結論】歯並びが原因のしゃくれは矯正で治せる

結論から言うと、歯並びが原因のしゃくれであれば、矯正治療によって改善できるケースが多いです。

そもそもしゃくれとは「下あごが前に突き出ているように見える状態」のことで、「歯並びが原因のもの」と「骨格が原因のもの」があります。

歯並びのズレによるしゃくれは、マウスピース矯正やワイヤー矯正で歯を正しい位置に整えることで、見た目や噛み合わせの改善が可能です。

たとえば、上の前歯より下の前歯が前に出ている反対咬合の場合、ワイヤー矯正で歯の位置を動かしたり、マウスピースで前歯の傾きを調整したりすることで、正常な噛み合わせに近づけることができます。

特に軽度のケースであれば、外科手術を伴わずに治療を完了できることも。

「しゃくれ=手術が必要」と思いがちですが、歯並びが原因であれば、矯正だけで治せる可能性が十分あります。まずは原因を正しく見極めることが大切です。

しゃくれには「骨格」「歯並び」2種類の原因がある

しゃくれの原因は、大きく分けて「骨格によるもの」と「歯並びによるもの」の2種類。

見た目は似ていても、原因によって治療の内容や難易度、費用が大きく変わります。

そのため、まずは自分のしゃくれがどちらに当てはまるのかを正しく把握することが重要です。

ここからは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

歯並びが原因のしゃくれなら、矯正で治る

歯並びが原因で起こるしゃくれは、「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれ、上下の前歯の噛み合わせが逆になっている状態です。

このタイプは、矯正治療だけで改善できるケースが多く、軽度であれば手術は不要です。

歯の傾きや位置のズレが原因であれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で噛み合わせを整えることができます。

また、子どもの場合は成長を利用した矯正がしやすく、早期の対応でスムーズに改善できることもあります。

まずは歯並びが原因かどうか、歯科医師の診断を受けることが大切です。

骨格が原因のしゃくれは外科手術が必要

骨格が原因で起こるしゃくれには、「下顎前突(かがくぜんとつ)」(※)と呼ばれるものがあります。これは、下あごの骨自体が前に出ている状態です。

このタイプは、歯並びだけを整える矯正では改善が難しく、外科手術が必要になることが多いです。

まずは歯科医師の診断を受けて、骨格が原因かどうかを確認することが大切です。

※ 「下顎前突(かがくぜんとつ)」には歯並び由来のものもある。

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自分のしゃくれが「歯並びによるもの」なのか「骨格によるもの」なのか、見た目だけでは判断が難しいこともあります。

Oh my teethでは、歯型スキャンによる無料診断を実施。

治療が必要かどうか、矯正で対応できるかなども確認できるので、

「矯正を始めるべきか悩んでいる」「手術になるか不安」という方も、お気軽に相談してください。

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しゃくれの原因別治療法

しゃくれを治す矯正方法

ワイヤー矯正

反対咬合の治療には、矯正力の強いワイヤー矯正が選ばれることが多く、しゃくれの改善を目指す歯科矯正でも主流の治療法です。

歯を並べるスペースが足りない場合は、下の歯を抜歯して奥へ動かす治療を行うケースもあり、その動きにはワイヤー矯正の方がマウスピース矯正よりも適しています。

ブラケットやワイヤーの見た目が気になる場合は、目立ちにくい素材や裏側矯正を選ぶことも可能です。

ただし、これらは費用が高くなる傾向にあります。

ワイヤー矯正の費用目安

  • 表側矯正(全体矯正):60万〜130万円/期間目安:1〜3年

  • 裏側矯正(全体矯正):100万〜170万円/期間目安:2〜3年

見た目の希望や予算に応じて、装置の種類を選ぶとよいでしょう。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくい装置を使って歯を少しずつ動かす矯正方法。

装置の着脱が自分でできるため、食事や歯磨きの際に取り外せる利便性の高さも人気の理由です。

軽度〜中度の反対咬合であればマウスピース矯正でも対応可能ですが、適応範囲が限られるため、希望しても適用されないケースもあります。

噛み合わせのズレが大きい場合や抜歯が必要な場合には、ワイヤー矯正が適していることも。

症状によっては部分矯正で対応できることもありますが、多くのケースでは全体矯正になる傾向があります。

マウスピース矯正の費用目安

  • 費用の目安:60万〜100万円程度

  • 全体矯正の治療期間:1〜3年

見た目の自然さや装置の扱いやすさを重視したい方には、有力な選択肢のひとつです。

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外科的矯正

骨格に原因があるしゃくれ(下顎前突)の場合は、あごの骨そのものを整える外科的矯正が必要になることがあります。

これは、外科手術と歯列矯正を組み合わせた治療方法で、主に「顎変形症」と診断された場合に行われます。

手術は全身麻酔で行う骨の切除・移動手術となり、体への負担はありますが、見た目にも大きな変化が期待できるのが特長です。

外科的矯正の流れ
  • 手術前矯正(目安1年)

  • 手術(10日〜2週間入院)

  • 手術後矯正(目安1年)

  • 保定(数年)

クリニックによっては、先に手術を行う「サージェリーファースト」方式を採用している場合もあり、治療期間の短縮や見た目の早期改善が期待できます。

外科的矯正の費用目安

  • 保険適用ありの場合:約50万~65万円

  • 保険適用外(自費)の場合:140万~400万円程度

※顎変形症と診断され、指定医療機関で治療を受ける場合は健康保険が適用されることもあります。

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年齢・時期によって変わるしゃくれ矯正の進め方

しゃくれの矯正は、始める時期によって治療法や効果に違いがあります。子どもは成長を活かした矯正が可能で、早期対応が重要になることも。

大人は骨格が完成しているため、治療の選択肢が変わってきます。ここでは、年齢別に治療の進め方を見ていきましょう。

子どもの場合

子どものしゃくれ(反対咬合)は、あごの骨が成長途中であるため、早期に対応することで改善しやすいとされています。

治療では、成長を利用して上あごの発達を促したり、下あごの前方への成長を抑えたりする矯正装置を使用。マウスピース型の装置や、上あごを広げる拡大床などが主に用いられます。

また、舌の使い方や口周りの筋肉のバランスを整えるMFT(口腔筋機能療法)も、あごの健全な発達に効果的な方法です。

あごの骨は10歳前後から徐々に固まってくるため、治療開始の目安は4〜6歳ごろが理想とされています。

気になる症状がある場合は、早めに歯科医師へ相談しておくと安心です。

中高生〜大人の場合

中高生以降になると、あごの骨格はすでにほぼ完成しており、成長を利用した矯正は難しくなります。

そのため、歯の位置を動かすワイヤー矯正やマウスピース矯正での治療が中心です。歯並びが原因のしゃくれ(反対咬合)であれば、抜歯をともなう矯正で噛み合わせの改善が期待できます。

一方、骨格が原因のしゃくれ(下顎前突)の場合は、外科手術を併用する「外科的矯正」が必要になるケースも。

まずは矯正の専門医に相談し、自分に合った治療方法を確認することが大切です。

しゃくれは自力で治せる?

しゃくれは自力で治せる?

結論からいうと、しゃくれたあごを自力で治すことはできません。

骨格や歯並びに原因があるケースがほとんどで、自己流のマッサージや押し込みでは根本的な改善は難しいです。

また無理に歯を押したりすると、歯やあごに悪影響を与えるリスクもあります。しゃくれが気になる場合は、まずは歯科医院へ相談に行くことが大切です。

ただし自分で治すことはできなくても、あごを出す、頬杖をつくなどの癖を治すことでしゃくれの進行は防げます。しゃくれを進行させる癖は、意識して改善するようにしましょう。

しゃくれの矯正に関するよくある質問(FAQ)

しゃくれを矯正で治すときによくある質問

ここからはしゃくれの矯正でよくある質問を紹介します。

もっとしゃくれを深掘りして、疑問点をなくしましょう。

しゃくれを放置するとどんな影響がある?

しゃくれをそのままにしておくと、見た目だけでなく機能面にもさまざまな影響があります。

たとえば、Eライン(横顔の美しさの基準)から大きく外れることで、顔のバランスが崩れ、コンプレックスを感じやすくなる人も多いです。

また、滑舌が悪くなったり、発音が不明瞭になるなど、コミュニケーションに支障が出るケースもあります。

さらに、噛みにくさや顎の疲れやすさ、顎関節症のリスクにもつながるため、放置はおすすめできません。

気になる症状がある場合は、早めに歯科で相談するのが安心です。

矯正後にしゃくれることも?

歯科矯正をした後にしゃくれた、あごが出たと感じる人もいます。多くの場合、歯科矯正で口元が下がりすぎたことが原因です。

特に以下のような症例は歯科矯正後にしゃくれたと感じやすい傾向があります。

  • 出っ歯

  • 軽度の不正咬合

  • 上下顎前突(口ゴボ)

  • 下あごが小さい

これらの症例に共通しているのが抜歯矯正をしていることです。

歯を動かすスペースを作るために、小臼歯(前から4・5番目の歯)を抜歯することがあります。

そのスペースを埋めるべく歯を動かした結果、上の歯が後退しすぎたり、上下のバランスがとれなくなったりしてしゃくれたように見える場合も。

軽度の不正咬合では、抜歯の必要がなかったのに抜歯をしてしまったことで口元全体を下げなければならず、結果としてしゃくれたように見えてしまうのです。

歯科矯正後にしゃくれたと感じた場合、再度歯科矯正を行うことで改善できることがあります。その分、追加の費用や期間がかかってしまうため、このようなトラブルは回避したいところ。

矯正前のカウンセリング時に仕上がりのイメージをドクターと共有しておくと、しゃくれ防止の対策につながります。

大人でもしゃくれの矯正はできる?

もちろんできます。

細かく言えば、若いほうが骨の代謝などの関係で歯が動きやすい傾向にありますが、実際に歯や歯を支える骨に問題がなければ矯正に年齢制限はありません。

実際、マウスピース矯正「Oh my teeth」の最高齢は77歳です。Oh my teethのユーザーは約半分が20代で、次いで30代・40代が多いです。

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しゃくれは市販のグッズで治せますか?

結論からいうと、市販のグッズでは治せません。

自力で治るかでも解説したとおり、しゃくれの原因が骨格などにある場合、骨格自体をどうにかしないといけないため、グッズで治すことは難しいです。

ただし歯ぎしりや食いしばり、頬づえなどの悪い癖に日頃から気をつけることで、しゃくれの進行を防ぐことはできます。

自分にそのような悪い癖がないかを思い返してみましょう。

しゃくれの矯正は保険適用される?

歯科矯正は原則として自由診療(保険適用外)ですが、「顎変形症」と診断された場合は保険が適用されることがあります。

顎変形症とは、上下のあごのズレが大きく、噛みにくさや発音障害などの機能面に支障がある状態です。

この場合、外科手術をともなう「外科的矯正治療」が保険適用になります。

ただし、診断や治療は指定医療機関で行う必要があるため、まずは専門医に相談しましょう。

また、保険適用外の矯正でも医療費控除の対象になるケースも。

機能改善を目的とした治療なら、確定申告で費用の一部が戻る可能性があります。

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しゃくれの矯正で悩んだら歯科医師に相談しよう

しゃくれは、原因や症状の程度によって治療法が大きく変わるため、自己判断での対処はおすすめできません。

見た目の悩みはもちろん、噛みにくさや滑舌の悪さといった機能面への影響も放置すると悪化してしまう可能性があります。

特に、歯並びが原因のしゃくれは矯正で改善できることが多く、手術をしなくても治療が可能なケースも少なくありません。

「しゃくれ=手術が必要」と思い込まず、まずは専門家に状態を見てもらうことが大切です。

Oh my teethでは、無料で歯並びの状態を診断し、最適な治療法を提案しています。

無理な勧誘はありませんので、「治したいけど不安」「自分の状態がわからない」と感じている方も気軽に相談してみてください。

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