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最終更新日:2025年6月30日

顎が出てるのを自分で治すには?原因・セルフチェック・治療方法まで解説

あごが出てるのを引っ込める方法

「顎が出てるのが気になるけど、お金もないし自分で治す方法を知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

SNSやネットでは「スプーンを使う」「舌を鍛える」といったセルフケア方法が紹介されることも多いですが、注意点もあります。

本記事では、自分でできる顎周りのトレーニングや癖の改善法から、歯科矯正の選択肢まで、段階的にわかりやすく解説します。

「本当に自力で治せるの?」「放っておくとどうなる?」という疑問にもお答えしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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歯科医師

吉良 佳子

マウスピース矯正 Oh my teeth 導入クリニック 所属歯科医師。福岡歯科大学歯学部卒業。卒後、東京歯科大学にて研修。在学中、イギリス、リヴァプール大学にて研修。

「顎が出てる」とはどんな状態?

受け口(下顎前突)

「顎が出てる」といっても、実は見た目や噛み合わせの違いによって、いくつかのタイプがあります。よく混同されるのが「受け口」と「しゃくれ」です。

受け口は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態。歯科用語では「反対咬合(はんたいこうごう)」や「下顎前突(かがくぜんとつ)」と呼ばれます。

しゃくれは、横顔や輪郭において下あごが前に突き出して見える状態を指し、歯並びに異常がなくてもそう見える場合があります。そのため、歯科クリニックでは「しゃくれ」という表現は使わないのが一般的です。

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顎が出てるのはなぜ?

困っている女性

顎が出て見える原因には、「先天的要因(遺伝など)」と「後天的要因(習慣や環境)」があり、具体的には次の3つが主な原因として挙げられます。

  • 顎の発達のアンバランス:成長期に上下のあごのバランスが崩れてしまう

  • 日常の癖:頬杖・うつ伏せ寝・食いしばりなど、無意識の習慣が顎に影響

  • 遺伝:骨格や歯の配置など、生まれつきの特徴

3つの原因について、ここから詳しく見ていきましょう。

顎の発達がアンバランス

顎が出てしまう原因のひとつに、上下の顎の発達バランスがあります。

具体的には、下あごが必要以上に成長してしまう「過成長」や、上あごの成長が不十分な「劣成長」が挙げられます。

成長バランスの崩れは、生まれつきの骨格による場合もありますが、成長期における日常の癖が影響することも。

たとえば、口呼吸や指しゃぶり、頬杖などが長期間続くと、あごの位置や骨の発達に偏りが生じることがあります。

日頃の癖

普段の生活の中で何気なく続けている癖も、顎の位置や形に影響を与える要因です。

たとえば、爪や唇を噛む癖は前歯に力がかかりやすくなり、受け口(反対咬合)を助長するリスクがあります。

また、口呼吸が習慣になっていると、舌が本来あるべき上あごから下に落ちやすくなり、舌で下の歯を押す力がかかることで、下あごの過成長を促してしまう可能性も。

些細な癖でも積み重ねると、顎の位置に大きな差が出ることもあるため、気づいたタイミングで見直してみるのがおすすめです。

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遺伝

顎が出ている原因のひとつに、遺伝的な影響があります。

顎の大きさや形、骨格のバランスは遺伝により決まる部分も多く、両親や祖父母が受け口やしゃくれであると、子どもにも似た特徴が現れることがあります

ただ、遺伝だけが顎が出るすべての原因ではありません。生活習慣や成長期の癖が加わることで、顎の出方が強調されてしまうケースも少なくないのです。

遺伝的な影響を改善することは難しいですが、後天的な要因を見直すことで、見た目の印象を緩和できる可能性があります。

顎が出てることで起こる4つのリスク

受け口を表したイラスト

顎が出ている状態は、見た目の問題だけでなく、機能面でもさまざまなリスクを引き起こすことがあります。

具体的には、以下のような影響が考えられます。

  • 歯に負担がかかりやすい

  • 顎関節症を引き起こしやすい

  • 咀嚼(そしゃく)機能が低下しやすい

  • 発音が不明瞭になりやすい

ここからは、4つのリスクについて詳しく解説します。

①歯に負担がかかりやすい

顎が出ていると、噛み合わせがずれやすくなり、一部の歯に過度な負担がかかることがあります。

特定の歯にだけ力が集中すると、歯がすり減ったり、ひび割れたりするリスクが高まります。この状態が長く続くと、知覚過敏や歯の破折など、歯の健康全体に影響を与えることも。

日々の咀嚼や歯ぎしりの中でダメージが蓄積されるため、見た目以上に噛み合わせのバランスは重要です。

②顎関節症を引き起こすリスクがある

顎が出ていることで噛み合わせがずれると、顎の関節に過度な負担がかかり、顎関節症を引き起こしやすくなります

顎関節は、口の開け閉めや会話・食事に欠かせない重要な関節です。ここに負担がかかると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 口が大きく開かない

  • 開閉時に「カクッ」と音が鳴る

  • 顎の周辺に痛みを感じる

症状が悪化すると、日常生活に支障が出ることもあるため、早めに歯科医師に相談しましょう。

③咀嚼機能が低下しやすい

食べ物をしっかり噛めないことで、体に思わぬ負担がかかることがあります。

顎が出ている状態では、上下の歯がうまくかみ合わず、食べ物を細かく噛み砕きにくくなります。よく噛まずに飲み込んでしまうと、胃腸での消化に時間がかかり、負担が大きくなる可能性も

「よく噛むこと」は消化の第一歩。見た目の問題だけでなく、内臓の健康にも影響する重要な要素です。

④発音が不明瞭になりやすい

あごの位置がずれることで、発音が聞き取りづらくなることがあります。

特に「サ行」「タ行」「ラ行」などは、舌の位置が正確でないと発音しにくい音です。通常は舌先が上の前歯の裏側に軽く触れることでクリアな音になりますが、下あごが前に出ていると、そのポジションが取りづらくなります。

子どもの場合は、発音の習得時期に影響を与える可能性もあるため、注意が必要です。

顎が出てるのを自分で治す方法と注意点

注意喚起する医師

顎が出ているのを整形や矯正なしで改善したいと思う方は少なくありません。実は、スプーンや舌のトレーニングなど、自宅で試せるセルフケア方法もあります。

ここでは、それぞれの方法と行う際の注意点や限界について、わかりやすく紹介します。

スプーンを使う

SNSなどで、「スプーンで顎を引っ込める方法」が話題になることがあります。たとえば、スプーンの持ち手を下あごに当てて押し込むことで、出っ張ったあごを矯正しようとするものです。

しかし、スプーンで骨格や歯並びを直接動かすことはできません。無理な力をかけると、歯や顎関節を痛めるリスクもあるため、矯正目的ではスプーンを使わないようにしましょう。

舌をトレーニングする

舌の位置や使い方も、顎の見た目に影響を与える要素のひとつです。口呼吸の方や舌が下がっている方は、舌で下の歯を押してしまい、下顎が出やすい状態になっていることも。

本来、舌は上あごに軽く触れている状態が理想です。舌を正しい位置につけた状態で、鼻呼吸を意識するだけでも、舌の位置を改善するトレーニングになります。

癖を直す

癖を見直すことは、顎の出っ張りを悪化させないための有効な対策のひとつです。

特に注意したいのが、頬杖・うつ伏せ寝・片側ばかりで噛む癖など、顎や顔に偏った力をかける習慣です。これらの癖は、顎の骨や筋肉のバランスを崩し、成長や見た目に影響を与える可能性があります。

毎日の積み重ねが影響するからこそ、まずは自分にどんな癖があるのかを知ることが大切です。気づいたその日から少しずつ直していくことが、将来的な見た目の変化を防ぐ第一歩になります。

顎が出てるのを自分で治すのが難しい場合は歯科矯正が選択肢

顎が出ている状態は、自分で治すのが難しい場合、歯科矯正や外科的な治療が必要になることがあります。

年齢・症状・原因によって適した治療法は異なるため、まずは歯科クリニックでの検査・診断を受けることが重要です。

大人の場合

大人は顎の骨の成長が完了しているため、歯科矯正や外科的治療が必要です。顎が出ている原因によっては、歯並びの調整だけで済むケースもあれば、骨格レベルの治療が必要になるケースもあります。

以下では、大人の受け口やしゃくれに対する主な治療法をご紹介します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正

歯の傾きや並びが原因の受け口には、ワイヤー矯正が有効です

歯にブラケットとワイヤーを装着し、徐々に歯を動かして噛み合わせを整えます。治療実績も多く、幅広い症例に対応可能です。

装置の装着位置も、表側・裏側から選べるため、見た目や予算に合わせた選択ができます。

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マウスピース矯正

マウスピース矯正 Oh my teethのマウスピースを装着した女性

軽度の受け口には、マウスピース矯正も選択肢のひとつです。

透明なマウスピースを装着し、1~2週間ごとに交換しながら歯を少しずつ動かします。自分で取り外しができるため、食事や歯磨きが普段通り行えるのがメリットです。

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外科矯正

骨格に原因があるしゃくれや重度の受け口の場合は、外科手術が必要になることもあります。歯科矯正と併用し、下あごの骨を切って後方に下げる手術を行います。

顎変形症と診断されると、保険適用で治療できる場合もあるため、歯科医師と事前に相談するのがおすすめです。

外科矯正は骨格からの改善が見込めるため、「Eライン」と呼ばれる理想的な横顔ラインも目指せるでしょう。

子どもの場合

子どもの顎の出っ張りは、適切なタイミングで治療を始めると、成長とともにコントロールできる可能性があります。

成長期は骨や筋肉が柔軟なため、負担の少ない方法で骨格のバランスを整えやすい時期です。早期に対応することで、将来の外科手術を回避できるケースも多くあります。

治療のスタートは3歳頃からが目安。以下に、年齢や症状に応じて使われる装置を紹介します。

マウスピース型の装置(3〜8歳)

プレオルソ・T4K・ムーシールドなどの既製マウスピースを、主に就寝中に装着します。

歯や顎にやさしく力をかけることで、噛み合わせを正しい位置へ誘導するのが目的です。痛みや違和感が少なく、初期段階の受け口に有効です。

上顎前方牽引装置(7〜10歳)

上顎の成長が不足している場合に用いられる装置です。

頭で固定する大きな装置ですが、就寝中のみの使用で、周囲の目を気にする心配はないでしょう。成長期に上顎を前方へ引っ張ることで、骨格バランスの改善が期待できます

チンキャップ

チンキャップの装着を表したイラスト

下あごの成長を抑制するために使われる装置で、ワイヤー矯正と併用されることが多いです

頭部を支点に固定するためやや大きめですが、1日10時間の装着が必要ですが、就寝時間と家で過ごす時間に装着すれば、学校生活への影響は最小限に抑えられます。永久歯が生えそろった時期(12歳前後)が適応の目安です。

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歯科矯正で顎が出てるのはどのくらい改善する?

「歯科矯正であごが引っ込むの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。受け口やしゃくれの原因が「歯並び」や「骨格のアンバランス」であれば、適切な矯正治療によって見た目を大きく改善できる可能性があります。

ここでは、実際に歯科矯正で受け口を治した方のSNS投稿を見ていきましょう。

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どの方も横顔や笑ったときの口元に変化が見られ、すっきり整ったことがわかります

また、Oh my teethでもマウスピース矯正で受け口を改善されています。

受け口(反対咬合)の症例

こちらの方は部分矯正プランで、軽度な受け口を治療されました。治療後は、自然で美しい歯並びになっています。

「自分はどの治療が合っているのだろう?」と思った方は、まずは無料診断で相談してみませんか?

Oh my teethの提携クリニックでは、専門の歯科医師が丁寧に状態を確認し、あなたに合った治療プランを提案いたします。

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「顎が出てるのがずっとコンプレックス…」。そんなときは、まずは専門の歯科医師に相談してみることが大切です。

受け口としゃくれは見た目が似ていて、原因にも共通点がありますが、治療法はまったく異なる場合もあります。自己判断では難しいため、正確な診断と適切な治療プランを立てるには、歯科クリニックでの検査が必要です。

マウスピース矯正 Oh my teeth の提携クリニックでは、歯科医師による無料診断を実施しています。矯正に関する疑問や不安な点も、直接相談することができます。

「私の顎も歯科矯正で引っ込められる?」
「どのくらいの期間で改善できそう?」

どんな些細なことでも、相談大歓迎です。まずは無料診断で今の状態を知り、治療への一歩を踏み出しましょう。

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