親子で歯科矯正を受けるメリット・デメリット!治療費のモデルケースも紹介
子どもの歯科矯正を検討している、あるいはすでに子どもが歯科矯正をスタートしている親御さんの中には「自分も矯正をしてみようかな」 と考える方もいらっしゃるのでは?
実際に筆者である私自身、小学生の子どもを持つ母親ですが、子どもの歯科矯正を検討していくうちに、兼ねてからコンプレックスだった自分自身の歯並びもなおしたいと考えるようになり、矯正をスタートした経験があります。
そこで今回は、親子で歯科矯正を受けようか検討している方に向けて、
子どもの歯並びは親から遺伝するのか
親と子の歯科矯正の違い
親子で歯科矯正を受けるメリット・デメリット
などについて解説します。
親子で歯科矯正を受ける際の治療費の目安も紹介しますので、コストに不安を感じている方もぜひ参考にしてくださいね。
目次
- 子どもの歯並びは親から遺伝したもの?
- 先天的要因が8割・後天的要因が2割程度
- 先天的要因の例
- 後天的要因の例
- 親と子の歯科矯正の違い
- 子どもの歯科矯正(小児矯正)の内容例
- 親の歯科矯正(成人矯正)の内容例
- 親子で歯科矯正を受けるメリット
- 親子で共感し合える
- 一緒に歯並びの変化を感じられる
- 歯科矯正の知識を深められる
- 親子でオーラルケアの意識を高められる
- 親子で歯科矯正を受けるデメリット
- 治療のゴールにズレが生じる
- 高額な治療費がかかる
- 親子で歯科矯正を受ける場合の治療費の目安
- 子どもの歯科矯正(小児矯正)の費用目安
- 親の歯科矯正(成人矯正)の治療費の目安
- 親子で歯科矯正した場合の治療費モデルケース
- 今すぐ歯科矯正できなくても一度相談してみよう
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子どもの歯並びが悪いと「自分の歯並びの悪さが遺伝したのかな」と悩む親御さんもいらっしゃるでしょう。 筆者である私自身も「自分の前歯の大きさが子どもに遺伝し、歯並びが悪化しているのでは?」と悩んだ経験があります。
しかし、実は歯並びが悪化するのは遺伝的要因のみではありません。ここでは子どもの歯並びが悪くなる要因について解説します。
先天的要因が8割・後天的要因が2割程度
歯並びが悪化する要因には、大きく先天的要因(生まれつきの特徴などによるもの)と後天的要因(生まれてからの習慣などによるもの )の2つがあります。先天的要因には遺伝も含まれます。
歯並びを構成するのは、先天的要因が8割、後天的要因が2割程度とされています。
先天的要因の例
歯並びの先天的要因には以下のようなものがあります。
歯が大きい(小さい)
歯が多い
上あご(下あご)が相対的に大きい
生まれつき上記のような特徴があると、歯がきれいに並び切らず、出っ歯・ガタつき・すきっ歯・受け口などの原因になります。
後天的要因の例
歯並びは生まれつきの特徴だけでなく、以下のような習慣によって悪化するケースもあります。
口呼吸
指しゃぶり
頬杖
舌の癖(舌で前歯を押し出す・舌を噛む など)
爪を噛む癖・柔らかいものばかり食べる
片方の歯ばかりで噛む
歯周病
虫歯
上記にある口まわりの悪習慣と歯並びとの関係については、以下の記事でも紹介しています。あわせて参考にしてください。
このように、歯並びを構成するのは先天的要因が8割と言われているものの、後天的要因にもさまざまなものがあります。また、後天的要因は無意識にしてしまうことも多いため、普段何気なくしてしまう癖に気をつけることも、歯並びを悪化させない一つの方法と言えるでしょう。
親子で歯科矯正を受ける場合、親子それぞれで治療内容が異なることがあります。なぜなら親子でも歯並びの悪化の度合いが異なったり、親世代ではあごの発達が完了しているため、子どもとは別のアプローチが必要だったりするためです。
ここでは親世代の歯科矯正(成人矯正)と子ども世代の歯科矯正(小児矯正)の内容の違いを紹介します。
子どもの歯科矯正(小児矯正)の内容例
あごの成長過程にある子どもの歯科矯正では、あごの発達を生かした歯科矯正ができます。以下に子どもの歯科矯正をスタートする時期や、それぞれの時期に行われる矯正治療の内容の例を紹介するので参考にしてください。
治療を行う年齢(目安) | 治療の目的・内容 | 用いられる装置の例 | |
---|---|---|---|
0期治療 | 3歳〜5歳頃 | ・乳歯の時期の行う | ・ムーシールド |
1期治療 | 6歳〜12歳頃 | ・乳歯と永久歯が混在する時期に 行う | ・リンガルアーチ |
2期治療 | 13歳以降 | ・永久歯が生え揃った後に行う | ・マルチブラケット装置 |
このように、子どもの歯科矯正は大きく3つのタイミングに分けられ、あごの発達を利用するのは0期治療と1期治療です。2期治療は基本的に親の歯科矯正(成人矯正)と同様のことが行われます。
子どもの歯科矯正については、以下の記事でより詳しく解説していますので参考にしてください。
親の歯科矯正(成人矯正)の内容例
親の歯科矯正(成人矯正)では、基本的に以下のような歯科矯正が選択されることが多いです。
装置の種類 | 特徴 |
---|---|
ワイヤー矯正 | ブラケットという装置を歯につけ、そこへワイヤーを通し、適切な力をかけて歯を少しずつ移動させる |
マウスピース矯正 | 矯正用の透明なマウスピースを装着して歯を少しずつ移動させる |
コンビネーション矯正 | 一般的に矯正治療期間の前半にワイヤー矯正、後半にマウスピース矯正を行う |
インプラント矯正 | アンカースクリューと呼ばれる小さなチタン製のネジを歯茎に埋め込み、そこを支点にして歯を動かす |
親世代はあごの発達が完了しています。そのため抜歯や研磨(歯の表面を薄く削る)をして歯が移動できるスペースを作り、ワイヤーやマウスピースなどを用いて歯を並べる矯正を行うのが一般的です。
一方、基本的には子どもの歯科矯正で行われることが多い「拡大床」が、大人の歯科矯正に適応されるケースも。この場合、歯列を広げることで、歯が並ぶスペースを確保します。
子どもが歯科矯正を始めると、歯並びの変化に驚きつつも、「自分も矯正をやってみたい」と考える親御さんもいらっしゃるのでは?
そこでここからは、親子で歯科矯正を受けるメリット・デメリットについて紹介します。まずはメリットについてです。
親子で共感し合える
矯正方法にもよりますが、歯科矯正は少なからず痛みや違和感が出ることがあります。そのような歯科矯正ならではの痛みや違和感を、親子で一緒に矯正をしていることで共有できます。
また、自分自身が矯正しているからこそ、「痛いときはこのような食べ物が楽」といった矯正中のポイントも把握しやすいでしょう。
特に取り外し可能な装置を使った小児矯正の場合、子ども自身のモチベーションを保てるかどうかがカギです。そのため親子で一緒に矯正を行うことでお互い励まし合えるのは、治療をスムーズに進める上で好影響になるでしょう。
一緒に歯並びの変化を感じられる
親子で歯科矯正をすると、自分の歯並びの変化に気づくだけでなく、親や子どもの歯並びの変化にも気づけるようになります。つまりお互いの歯並びの変化を喜び合えるのです。
これは筆者である私自身も経験したことです。ある日子どもから「お母さん、歯 がすごくきれいになってきたね!」と言われてうれしかったのです。
また、私の子どもはドクターの診断によりまだ歯科矯正をスタートしていませんが、私の歯並びの変化を見て「お母さんみたいに矯正してきれいになったらいいな」と、将来の歯科矯正について考えるきっかけにもなっています。
痛みは分かち合い、喜びは倍にできるのは、親子で歯科矯正を受ける大きなメリットと言えるでしょう。
歯科矯正の知識を深められる
前述したように、親世代と子ども世代では歯科矯正方法の選択肢が異なります。これまで小児矯正の内容しか知らなかった親御さんにとって、成人矯正の内容も把握することは、子どもの2期治療についての予習になります。
そのため将来を見越した子どもの0期治療・1期治療を受けることが可能に。「うちの子は将来的にどこを抜歯しなければならないか」なども把握しながら治療を進められ、ドクターに効果的な相談や質問ができるようになります。
親子でオーラルケアの意識を高められる
歯科矯正中は虫歯や歯周病のリスクが高まるため、いつも以上にブラッシングなどを丁寧に行わなければなりません。「すでに子どもにしっかりオーラルケアを習慣づけている」という方も、親である自分自身が矯正をスタートすることで、より意識が高まります。
親自身が行動を起こすことで、その姿を見た子どもも、自然とオーラルケアができるようになるでしょう。つまり親子で歯科矯正を受けると、親子でオーラルケアの意識を高められ、口内環境を良好に保てるのです。
親子で歯科矯正を受けることには、以下のようなデメリットもあります。
治療のゴールにズレが生じる
親子同時に歯科矯正をスタートしても、治療内容やゴールの時期が異なる可能性は高いです。そのため親子で一緒に頑張って治療を続けていても、たとえば親が先に治療を完了することで、多少なりとも子どもの矯正モチベーションの低下につながるかもしれません。
一方、一緒に歯科 矯正治療した期間があることで、共感できることが増えるのには変わりありません。適切な声かけによって、子どものモチベーションを上げることはできるでしょう。
高額な治療費がかかる
コスト面は、親子で歯科矯正を受ける際の最大のデメリットと言えるでしょう。
子どもの0期〜1期治療のみで歯科矯正治療が完了する場合、治療費は比較的安く済むことが多いです。しかし子どもの2期治療および成人矯正は本格的な治療となるため、治療費は高額になります。
次項で子どもの矯正と親の矯正でかかる費用目安を紹介するので、参考にしてください。
親子で歯科矯正を受けるかどうか検討している方にとって、一番の懸念点は治療費がかさむことではないでしょうか? ここでは子どもの歯科矯正、大人の歯科矯正それぞれでかかる費用目安を紹介します。
子どもの歯科矯正(小児矯正)の費用目安
矯正時期 | 矯正費用(目安) | 治療期間(目安) |
---|---|---|
【0期治療】 | 3万〜10万円程度 | 1年〜2年程度 |
【1期治療】 | 20万〜30万円程度 | 10ヶ月〜3年程度 |
【2期治療】 | 30万〜100万円程度 | 1年〜3年程度 |
このように、子どもの歯科矯正では、年齢が低いうちに開始する治療は費用が安く、年齢が上がるごとに治療費が高くなる傾向があります。
0期および1期治療から歯科矯正を開始し、2期治療も継続する場合、クリニックによっては、0期および1期治療でかかった治療費を2期治療の治療費から差し引いてくれるところもあります。
親の歯科矯正(成人矯正)の治療費の目安
矯正の種類 | 矯正費用(目安) | 治療期間(目安) |
---|---|---|
ワイヤー矯正 | 30万〜170万円程度 | 1年〜3年程度 |
マウスピース矯正 | 10万〜100万円程度 | 1年〜3年程度 |
コンビネーション矯正 | 30万〜170万円程度 | 2年程度 |
インプラント矯正 | 1本あたり2万〜3万円 | 使用すると3〜6ヶ月程度治療期間が短縮されると言われている |
ワイヤー矯正・マウスピース矯正の矯正費用にかなり幅があるのは、全体矯正と部分矯正も含めた目安であるためです。
ここでは、親子で歯科矯正をした場合の治療費の目安を、4つのモデルケースで紹介します。
【今回想定した4つのモデルケース】
子どもが1期治療までで終了+親の部分矯正
子どもが1期治療までで終了+親の全体矯正
子どもの2期治療+親の部分矯正
子どもの2期治療+親の全体矯正
それぞれの治療費目安は次の表をご覧ください。
子どもの歯科矯正内容→ | 1期治療までで終了 | 2期治療以降も継続 |
---|---|---|
部分矯正 | 子どもの治療費目安:3万〜40万円 | 子どもの治療費目安:30万〜100万円 |
全体矯正 | 子どもの治療費目安:3万〜40万円 | 子どもの治療費目安:30万〜100万円 |
今回紹介したモデルケースはあくまでも目安です。クリニックによっては親子や兄弟姉妹で歯科矯正を受ける場合に割引制度を設けているところもあります。
ただし割引制度があるかどうかや、治療費を安く抑えられるかどうかのみでクリニック選びをすると、満足のいく治療が受けられないことも。
歯科矯正は基本的に自由診療になるため、親子で受けるとなると、高額な治療費に躊躇ってしまう方も多いでしょう。しかし特に子どもの場合、あごの発達過程にあるからこそできる矯正治療があります。さらに、早めに治療をスタートすることで結果的に治療費を抑えることもできます。
そのため、すぐには矯正費用を捻出できないとしても、クリニックの無料矯正相談などを利用して、ドクターに「今だからできること」を尋ねるのはとても大切です。
また、親御さんの歯並びも、相談するだけなら無料でできるクリニックも多いです。もしかすると「自分の歯並びをなおすのには高額な費用がかかる」と思っていたとしても、実際に相談に行ってみると気になる部分だけ矯正する部分矯正が適応となり、かなり費用が抑えられるケースもあります。
Oh my teethではドクターによる口腔内診査・レントゲン撮影・3Dスキャンが無料で受けられるので、お気軽にご予約ください。無理な勧誘はいたしません。
※Oh my teethでは年齢よりも永久歯が生えそろっていることや歯やあごの成長度合い等を基準にしています。10代の方でも適応となる場合があるのでご相談く ださい。
なお、未成年の場合は、親権者の同意が必要となります。