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歯科矯正
最終更新日:2023年10月12日

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

歯周病でも先に治療をすれば矯正ができます。しかし進行度合いによっては矯正が難しいことも。本記事では、歯周病とはどんな病気か、矯正の関係性、「矯正すると歯周病になる」と言われる理由を紹介します。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

「歯周病でも矯正できる?」
「矯正すると歯周病になるって聞いたけど本当?」

こう悩んでいませんか?

本記事では、以下について解説します。

  • 歯周病とはどんな病気か?

  • 歯周病でも矯正できるのか

  • 歯周病をなおす方法

  • 矯正中の歯周病予防法

これから矯正を受ける方や、歯周病があって矯正が受けられるかどうか不安な方は必見です。

【本記事の要点👇】

  • 歯周病とは歯茎が炎症を起こし、進行すると歯が抜け落ちてしまう病気のことで、軽度の歯周病なら治療後に歯科矯正を受けられる

  • 歯周病は歯周ポケットの中に歯垢が溜まってしまうことで起こる病気で、矯正を受けたからといって歯周病になるわけではない

  • 矯正中の歯周病予防は、セルフケアとプロフェッショナルケアが重要

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そもそも歯周病とは?

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

歯周病とは、歯と歯茎の間(歯周ポケット)に歯周病菌が侵入すると、歯茎に炎症を起こし、歯を支えている骨が溶けてしまう病気のことです。進行すると歯を支えきれなくなり、歯が抜け落ちてしまうことも。一般的には「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれています。

歯周病の原因は、歯垢(プラーク)です。これは、歯の表面に付着する細菌の塊のことで、白色から黄白色をしています。歯の表面を爪で引っ掻くと白いネバネバした物質がつきませんか?これが歯垢で、1mgあたり1億個以上の細菌が生息しています。

歯磨きを怠ってしまうと歯周ポケットの中に歯垢が溜まり、そこに潜んでいる細菌が毒素を出して、歯茎が炎症を起こします。

歯周病の初期段階は歯茎が腫れて出血しますが、痛みといった自覚症状がほとんどなく、気付いたときには進行していることが多いです。

歯周病でも矯正は受けられる?

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

結論から言うと、軽度の歯周病であれば、歯周病治療を終えてから歯科矯正を受けられます。しかし、重度の歯周病は矯正を受けられない可能性があります。

なぜなら、矯正治療は歯に力を加えて、歯の根っこと歯を支えている骨にある「歯根膜(しこんまく)」に炎症反応を起こして歯を動かしていくからです。重度の歯周病は歯茎の炎症が大きく、歯を支えている骨がすでに少なくなっている状態のため、無理に矯正を進めてしまうと症状が悪化する可能性があります。

歯周病は重度になるまで自覚症状がほとんどありません。ご自身が歯周病になっているのか、進行している状態なのかは、矯正前にしっかり検査してもらう必要があります。

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矯正と歯周病の関係

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

そもそも矯正と歯周病にはどのような関係があるのでしょうか。歯並びが悪いと歯磨きが不十分になり、歯垢が溜まりやすくなるため、歯周病になるリスクが高まります。

歯科矯正で歯並びが整うと歯ブラシが届きやすくなり、日々のブラッシングですみずみまで歯垢を除去しやすくなります。また、噛み合わせが乱れていると、一部の歯だけに負担がかかり、歯周病の進行が早まることも。

歯科矯正によって噛み合わせを整えると噛む力を分散させられるため、歯周病が進行するのを防ぐことも可能です。これらのことから、歯周病予防として歯科矯正を行うことも一つの手と言えるでしょう。

また、歯並びが悪くて歯周病が進行している場合、歯周治療の一つとして歯科矯正を行う歯科クリニックもあります。

ただし、歯並びがよくても歯周病が進行すると歯を支えている骨が少なくなるため、歯並びが悪くなることがあります。減ってしまった骨は元に戻ることはありません。歯周病になったら進行しないようにすることが大切です。

歯周病の人が矯正治療を受けるリスク

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

歯周病の人が矯正治療を受けると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  • 歯周病の悪化

  • 歯肉退縮の出現

歯周病の悪化

歯周病は歯茎に炎症が起きている状態です。歯科矯正は、歯を動かすために歯根膜に負荷をかける必要があります。健康な歯茎の方は問題ありませんが、歯周病の方が歯科矯正を行うと、症状が悪化する可能性があります。また、重度の歯周病まで進行すると、最悪の場合歯が抜け落ちてしまうことも。

歯肉退縮の出現

歯肉退縮(しにくたいしゅく)とは、歯茎が下がって歯が長く見えることです。黒い三角形のように歯と歯の間にすき間ができることから、「ブラックトライアングル」と呼ばれており、見た目に大きな影響を与えてしまいます。

歯肉退縮は歯科矯正のリスクの一つに挙げられますが、歯周病の方が矯正治療を受けると、歯肉退縮が生じる可能性が高まります。

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「矯正すると歯周病になる」ってホント?

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

矯正を受けた方の中には、いつの間にか歯周病が進行していたという方もいるでしょう。しかし、矯正したからといって歯周病になるわけではありません。

歯周病は、原因となる歯垢が溜まることで生じます。矯正中で以下のことに当てはまる方は、歯周病リスクが高まるので注意が必要です。

  • ワイヤー矯正中で装置の周囲をしっかり磨けていない

  • マウスピース矯正中で食後歯磨きせずにマウスピースを再装着している

  • 歯科クリニックで定期的なクリーニングを受けていない

矯正治療中は歯周病にならないように、セルフケアをしっかり行い、定期的なプロフェッショナルケアを受ける必要があります。

プロフェッショナルケアとは、歯医者でドクターや歯科衛生士から受けるクリーニングのこと。矯正中にこれらを怠ってしまうと歯周病リスクが高まりますが、矯正後歯並びがよくなり、歯ブラシが届きやすくなることで歯周病の症状が改善する方も多くいます。

【歯周病の薬はない】歯周病をなおす方法は?

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

歯茎に炎症が起きたときの対症療法として、抗生剤を投与することがありますが、現在歯周病をなおす薬は存在しません。また、歯周病を完治させるのは難しいです。

歯周病治療は、以下のような方法で歯周病菌を増やさないようにコントロールして改善を目指します。

  • 正しいブラッシングを毎日行う

  • 歯医者のクリーニングで歯石を除去する

  • 歯周病を悪化させる生活習慣を見直す

正しいブラッシングを毎日行う

歯周病菌を増やさないようにコントロールするには、原因となる歯垢を取り除き、溜めないことが重要です。自分では毎日正しく歯を磨いているつもりでも、実は磨けていなかったということは少なくありません。

自己流のブラッシングは、磨けない部分ができてしまうほか、歯茎を傷つけてしまうことも。正しいブラッシングを行うためにも、歯医者でドクターまたは歯科衛生士に教わるようにしましょう。

歯医者のクリーニングで歯石を除去する

歯垢はそのままにすると歯石になり、歯や歯茎の下で強固に付着します。歯石はざらざらしているため、さらに歯垢がつきやすい環境に。歯石はブラッシングで落とすことができないため、歯医者のプロフェッショナルケアを受けることが重要です。

なお、重度歯周病の場合、外科的手術で歯周ポケットを浅くしたり歯を支えている骨を再生させる手術を行ったりすることもあります。

歯周病を悪化させる生活習慣を見直す

丁寧なブラッシングや歯医者のクリーニングを受けていても、歯周病になりやすい方がいます。実は、歯周病は生活習慣に大きくかかわっているのです。

疲労やストレスは身体の免疫力が低下し、歯周病菌の活動が活発になる原因に。疲れを感じたときに「歯茎が腫れて出血した」という方は、免疫力が低下しているかもしれません。

また、歯周病を悪化させる生活習慣の中には喫煙も。タバコに含まれるニコチンは歯茎の血管を収縮させます。その結果血液の流れが悪くなり、酸素を嫌う歯周病菌が増殖してしまうのです。

ストレスの発散や睡眠時間を十分にとる、禁煙するなど、生活習慣の見直しを心がけることで、歯周病の悪化を防げます。

矯正中の歯周病を予防する3つのポイント

歯周病でも矯正できる?矯正中の歯周病予防法3つ

矯正中は健康な歯茎でいたいものですよね。矯正中の歯周病を予防するには、3つのポイントがあります。

  • 正しいオーラルケアを身につける

  • 補助清掃用具を使用する

  • 歯医者のクリーニングを定期的に受ける

正しいオーラルケアを身につける

オーラルケアとは、虫歯や歯周病予防のために、口腔内を清潔に保つことです。特に矯正中は、装置の種類に合ったオーラルケアを身につけておくと歯周病予防につながります。

たとえばワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーがついているため歯ブラシが届きにくく、矯正前と同じブラッシング方法では、装置の周囲についた汚れを取り除くことが困難です。そこでおすすめなのが、ブラケットとワイヤーの間に歯ブラシが入るように、下から歯ブラシを斜め45°に入れて小刻みに動かしていく方法です。

正しいオーラルケアやブラッシング方法は、歯科ドクターまたは歯科衛生士から指導を受けられるので気軽に相談してみましょう。

補助清掃用具を使用する

補助清掃用具とは、フロス・歯間ブラシ・タフトブラシ(ヘッドが小さく毛先が一つの歯ブラシ)など、歯ブラシ以外の道具のことです。歯ブラシで落とせる汚れは約58%。歯ブラシとフロスを使用すると歯垢除去率は約86%に上がり、約1.5倍の差があると言われています。

歯周病のリスクを下げるためには、歯垢除去率を80%以上にすることが望ましいです。ワイヤー矯正など、歯に直接装置をつけている場合、矯正していない方よりも除去率は劣るため、補助清掃用具を上手く活用しましょう。

*出典元: 山本 昇 Interdental Brush と Dental Floss の清掃効果について 日本歯周病学会誌 17巻2号 P258-264 1975年

歯医者のクリーニングを定期的に受ける

セルフケアを丁寧に行っても落としきれない汚れはあるため、歯医者のクリーニングを受けることをおすすめします。歯医者のクリーニングでは、歯周ポケットの中の汚れを除去でき、加えて、歯の状態を確認してもらえるため、早期にむし歯・歯周病の発見もできます。

歯科矯正を受ける前に虫歯・歯周病の検査も受けよう

矯正治療を受ける際は、はじめる前に虫歯・歯周病の詳しい検査を行う歯医者に受診することをおすすめします。検査をしっかり行う歯医者では、歯周病予防に力を入れているところも多く、矯正後に歯周病が悪化してしまったという事態を避けられるでしょう。

また、歯並びが整うことで、歯ブラシが届きやすくなり結果的に歯周病予防にもつながるので、歯を守るための歯科矯正を検討してみるのはいかがでしょうか。

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