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歯科矯正
最終更新日:2023年10月9日

歯科矯正のリスク・副作用とは?発生を抑える4つのポイントを解説

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

歯科矯正には、歯根吸収・歯肉退縮・虫歯や歯周病など、さまざまなリスクと副作用があります。発生を防ぐには違和感があったらなるべく早く相談する、ドクターの指示に従うなどユーザー側も気をつけなければなりません。

そこで本記事では、歯科矯正で起こり得るリスクと副作用、発生を抑えるポイントを紹介。この記事を読めば、歯科矯正を受ける上での注意点がわかり、納得してから治療を受けられますよ。

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歯科矯正中に起こり得る7つのリスクと副作用

歯科矯正のリスク

どの治療にもリスクがあるように、歯科矯正にも歯根吸収や歯肉退縮、虫歯・歯周病などさまざまなリスクがあります。そのため、歯科矯正を受ける際はリスクがあることを理解しなければなりません。

ここでは、矯正で起こり得る7つのリスクと副作用について、詳細と原因を紹介します。

【歯科矯正のリスク】

  • 歯根吸収

  • 歯肉退縮

  • 虫歯・歯周病

  • 顎関節症

  • 金属アレルギー

  • 後戻り

  • 口内炎

歯根吸収

歯根吸収とは、歯の根っこ(歯根)が短くなってしまう現象のことです。歯科矯正によって歯が移動する際は、歯の根の部分も一緒に動きます。その動きに無駄があったり何度も繰り返したりすると歯根吸収が起きるリスクは高くなります。

ただし、通常歯科矯正で起こる歯根吸収はわずかで、矯正によって歯がグラつくほどの状態になることはほとんどありません。

原因

歯科矯正における歯根吸収の原因には、以下のようなものがあります。

  • 歯を動かす力が強すぎた

  • 無駄な動きが加わった

歯科矯正で歯を動かす力には適正な度合いがあり、弱すぎると歯が動かず、強すぎると歯根吸収を起こす原因になります。

また、歯科矯正では歯を揺らすように力を加えながら動かしていきます。この動きが何度も無駄に繰り返されると、歯根吸収の原因になることがあります。

歯肉退縮

歯肉退縮(しにくたいしゅく)とは、歯茎が下がって歯が長く見えたり、歯と歯の間に隙間ができたりする状態です。

歯茎に覆われている部分が露出し、歯の根の一部が見えてしまうと、知覚過敏やむし歯・歯周病のリスクが高くなります。

また、前歯の重なりが強いケースは、歯並びが整う際に、歯と歯の間に三角のすき間ができることがあり、これを「ブラックトライアングル」と呼びます。虫歯・歯周病のような病気ではありませんが、食べ物が挟まりやすくなったり、見た目に影響を与えたりすることも。

ブラックトライアングル

歯周病を患ったことがある方や年齢を重ねている方は歯茎が下がっていることも多く、歯肉退縮が起きるリスクは高くなります。

原因

歯科矯正における歯肉退縮の原因には以下のようなものが挙げられます。

  • 歯を動かす力が強すぎた

  • 重なり合っている歯の下にあごの骨がなかった

  • 過剰な歯列の拡大を行った

歯科矯正で歯に過度な力が加わると、歯を支える骨(歯槽骨)が吸収され、それにともない歯茎が下がってしまうことがあります。

歯槽骨は、一度減ってしまうと自然に元に戻ることはありません。歯周病が原因で歯槽骨が減ってしまったり、かみ合わせが強すぎて負担がかかり減少してしまうことも。

歯を並べるスペースを確保する方法として歯列の拡大が行われることがあります。しかし許容範囲を超えてあごを広げると、歯の根が見えてしまうことがあります。

拡大装置を使用した治療は歯肉の退縮が起きるリスクがあるということを念頭に置き、治療前にドクターとよく相談してから納得したうえで臨みましょう。

虫歯・歯周病

歯科矯正中は、虫歯や歯周病リスクが高まることも注意点の一つです。特に歯に装置をつけるワイヤー矯正は、矯正前よりも歯磨きが困難になります。もともと虫歯になりやすかった場合は、今まで以上に念入りなオーラルケアが必要です。

原因

歯科矯正における虫歯・歯周病の原因は以下の通りです。

  • 矯正装置がついているためブラッシングがしにくい

  • 装置に食べかすなどが溜まりやすい

ワイヤー矯正をしている場合、ブラケットやワイヤーの間に食べかすなどの汚れが残りやすいです。

ワイヤー矯正は取り外しができないため、つけたまま歯磨きをしなければなりませんが、歯ブラシだけのケアではなかなか汚れを取りきれません。

タフトブラシや歯間ブラシも併用するなどオーラルケアの方法を工夫するほか、餅やキャラメルなど粘着性の高い食べ物を避けるのも、食べかすを残さないための一つの方法でしょう。

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顎関節症

顎関節症とは、口を開けたときにカクカクとあごの骨が鳴ったり、痛みが出たりするなど、違和感を生じる状態のことです。下あごの骨と上あごの骨の間にある関節円板(かせつえんばん)のズレや変形よって生じることが多く、重度になると日常生活に支障をきたすこともあります。

原因

歯科矯正は正しい噛み合わせに導くために行う方法でもあります。しかしその過程で噛み合わせのバランスが崩れてしまう可能性もゼロではありません。

たとえば抜歯をしてスペースを作る場合、今までと違う噛み合わせになってほかの歯や顎関節に負荷がかかり、違和感が出ることがあります。

金属アレルギー

ワイヤー矯正の場合、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。金属アレルギーは、「ニッケル」「コバルト」「すず」「クロム」「銀」などの金属の成分によって引き起こされます。

金属が直接触れてその部分が湿疹のように赤くなったり、腫れたりする症状が出ることがあります。

原因

ワイヤー矯正で用いられる金属製のブラケットやワイヤーは、丈夫で比較的費用を抑えて矯正できますが、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。

一方、審美ブラケットを使用すると「セラミック」や「歯科用プラスチック」を使用するため、金属アレルギーの心配がありません。また、ワイヤーの種類にはアレルギーがでにくいチタン合金を使用したものもあります。

マウスピース矯正は金属を使わないため、金属アレルギーの心配はありません。

後戻り

不安そうに鏡で口元を見る女性

後戻りとは、歯科矯正完了後、歯が再び動いてしまう現象のこと。これはどの矯正方法を行った場合にも起こり得るリスクです。

原因

後戻りの原因には以下のようなものがあります。

  • リテーナーの装着不足

  • 口まわりの悪習慣

後戻りの最大の原因はリテーナーの装着不足です。

矯正装置を外した直後は、歯を支える骨が固まっていない状態で元の歯並びに戻ろうとします。

そのため、矯正してキレイな歯並びを保つために「保定装置(リテーナー)」をつける「保定期間」が必要。

リテーナーは、最短でも矯正にかかった期間と同じ期間装着し、その後も寝ているときは装着し続けるのが理想的です。

また、舌を前に出す癖など、歯並びを悪化させる癖が後戻りの原因になることもあります。特に保定期間中に歯と歯の間に隙間ができてしまう場合、舌癖が残っていることが多いです。

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口内炎

口内炎は口腔内の粘膜が炎症を起こし、しみたり、食事の際に痛みが出たりすることがあります。

1度できるとすぐには治らず、完治まで1〜2週間程度がかかることもあります。

原因

口内炎ができるのは比較的ワイヤー矯正に多いです。ブラケットが当たったり、ワイヤーの先が当たったりして、最初の1〜2週間は特に口内炎ができやすいようです。

マウスピース矯正の場合は、マウスピースの縁が尖っている部分に舌先が当たったり、マウスピースを取り出すときに口腔内に傷がついて、口内炎になってしまうことがあります。

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筆者の場合、20代後半にワイヤー矯正を行ったのですが、ブラックトライアングルと歯根吸収が発生しました。中でも歯根吸収は食いしばりによって現在も進んでおり、経過観察中です。ただ、矯正中はよくできると言われている口内炎は一度もできませんでした。発生するリスクは一人ひとり違うのだと実感しています。

予想外だったのが、ワイヤー矯正中に顔脱毛ができなかったこと。どうやら火傷のリスクがあるようで、当時通っていたところでは断られてしまいました。

マウスピース矯正や裏側矯正はOKでも表側矯正はNGということを理解していなかったので、それぞれのリスクをよく把握しておけばよかったと思います。

矯正装置はさまざまな種類があるので、歯科矯正を検討している方はそれぞれのメリット・デメリットなど比較して選択してくださいね。

30代・40代以上の方が歯科矯正をするリスク

歯科矯正は、歯を支えている骨と歯ぐきが健康であれば何歳からでもはじめられます。

とはいえ、40代以降は歯を支えている骨が硬くなります。つまり歯を動かすためには、若いときよりもよりも大きな力が必要です。

大きな力がかかる分、矯正中に痛みがともないやすい傾向にあります。

また、30代以降は歯周病に罹患している割合が高くなる点も注意が必要です。重症化しているケースで歯科矯正を行うと、歯や歯を支えている骨に取り返しのつかないダメージを与えてしまうことも。

さらに、30代、40代以降の矯正の悩みでよく聞かれるのが、顔の見た目の変化です。歯科矯正で歯並びや噛み合わせが変化するとともに、特に口元の変化(ほうれい線が濃くなった・頬がこけたようになった など)が気になるというケースがあります。ただしこのケースは、単に加齢が原因であることも。その場合は表情筋のトレーニングやマッサージで改善できる可能性があります。

このように、30代・40代からの歯科矯正はリスクがあるものの、得られるメリットは大きいです。歯並びが整うことで見た目はもちろん、歯磨きがしやすくなるため虫歯や歯周病の予防につながります。

歯科矯正を検討している方は、自分のお口の中の状態をよく理解し、ドクターとよく相談した上で納得のいく選択をしましょう。

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歯科矯正のリスクを抑える4つのポイント

歯科矯正のリスクを抑えるポイント

歯科矯正のリスクを最小限に抑えるには、治療を行う前にどのようなリスクがあるのか理解し、痛みや違和感、装置の破損などが発生した場合は、ドクターに相談することが大切です。

【歯科矯正のリスク発生を抑える4つのポイント】

  • 矯正中の違和感は相談する

  • クリーニングを受ける

  • ドクターの指示に従う

  • 口内炎の薬を使用する

矯正中の違和感は相談する

「歯科矯正中、いつの間にか虫歯になっていて矯正を中断しなければならなくなった」という事態を避けるには、矯正中に違和感があったらなるべく早く相談することをおすすめします。

まだ痛みが発生していない程度の虫歯で、オーラルケアがしっかりできていれば、矯正完了後の治療で大丈夫と判断されるケースもあります。

また顎関節症などのリスクも、違和感を感じた時点で相談できれば、噛み合わせを調節する治療を受けることで防げる可能性があります。

クリーニングを受ける

毎日歯磨きをしていても、歯ブラシだけでは6割程度の汚れしか取れていないというデータがあります。

そこでデンタルフロスやタフトブラシなどのデンタルグッズも併用して細かい汚れを落としましょう。

ただ、セルフケアだけでは限界があります。特に装置がつけっぱなしのワイヤー矯正の場合はセルフケアの難易度が高いです。むし歯・歯周病のリスクを下げるためにクリニックで定期的なクリーニングを受けましょう。

ドクターの指示に従う

歯科矯正では、あらかじめ矯正計画が立てられます。その計画通りに歯が動くのが理想的です。

理想通りの矯正生活を送るには、ドクターが計画したタイミングで通院をして、ワイヤー調整などを受ける必要があります。ドクターが指示した通りに通院できないと、その間歯に無駄な力がかかる期間が発生し、歯肉退縮や歯根吸収のリスクが高まる可能性もあります。

口内炎の薬を使用する

歯科矯正中、口内炎ができてしまったときは、口内炎の薬や矯正ワックスの使用などで痛みを抑えられます。ここでは、3つの対処法を紹介します。

口内炎の薬を使用する

口内炎の薬は塗り薬、貼るタイプやスプレータイプなどがあり、口内炎の大きさや場所によって使い分けられます。

比較的範囲が広い場合には塗り薬やスプレーを使用して、口内炎の範囲が広くない場合には貼るタイプの薬がおすすめです。

矯正用ワックスを使用する

矯正装置が当たって痛い場合には矯正用ワックスで装置を保護すると、粘膜に強く当たることがありません。

装置を調整してもらう

ワイヤー矯正でワイヤーの先が出ていたり、マウスピース矯正で縁が尖っていたりする場合には、装置を調整する必要があります。クリニックに相談して調整してもらいましょう。

歯科矯正のリスクは、完全に排除できるものではありません。治療前に歯科医師と十分に話し合い、リスクや副作用について知識を得ることが重要になります。

歯科矯正はリスクとメリット双方を考慮しよう

本記事で紹介してきた通り、歯科矯正にはリスクもありますが、対処方法もあります。

歯科矯正は歯並びが整い審美的なメリットがあるだけでなく、しっかり噛むことができて、汚れもつきにくくなり、機能的なメリットも多い治療です。

歯並びがキレイになるなどメリットだけに注目せず、あらかじめリスクも理解した上で矯正をスタートすると、矯正期間中の過ごし方も変わり成功に近づけるでしょう。

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