拡大床の使い方や種類・メリット・デメリットを解説
「矯正相談に行ったら拡大床をすすめられた」
「大人でも拡大床で矯正することってあるの?」
「『床矯正で出っ歯になった』などのトラブルを聞いて不安」
本記事ではこのような悩みを抱えている方に向けて、拡大床のメリット・デメリットや、トラブルの回避法を解説します。種類や使い方、費用や期間の目安などの基本的な情報も紹介しますので、拡大床や床矯正(拡大床を用いた矯正治療)に関して詳しく知りたい方は必見です。
![万樹さんアイコン](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/6a15Dn9ac4sIzCQOrbYRvw/cf2ded0ba8562eac2db0f086c25c94db/s-512x512_webp_9abd1f09-9406-4b7f-8207-1ab3f78fb94e.webp)
目次
- 歯科矯正で使われる拡大床とは?
- ネジを回して少しずつ拡大していく
- 装着時間は1日8時間以上
- 拡大床の種類
- 拡大床(可撤式)
- 急速拡大装置(固定式)
- クワドヘリックス(固定式)
- 咬合挙上床(ジャンピングプレート)
- 拡大床を用いた矯正が適用される歯並びの例
- 八重歯やデコボコの歯並び(叢生)
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(反対咬合)
- 深い噛み合わせ(過蓋咬合)
- 拡大床のメリット・デメリット
- 拡大床のメリット
- 拡大床のデメリット
- 床矯正で起こりうるトラブル
- 何年経っても治療が終わらない
- 奥歯が噛み合わなくなった
- 口元が突き出てしまった
- 結局抜歯をすることになった
- 拡大床を使った矯正の費用・期間の目安
- トラブルを防ぐ矯正歯科の選び方
- 歯並び相談を快く受けてくれる
- 検査内容を説明してくれる
- 治療方法や値段を丁寧に説明してくれる
- 急なトラブルに対応してもらえる
- 自分と似た症例について教えてくれる
- 拡大床に関するQ&A
- 大人でも適用されることはある?
- 装着すると痛いときはどうしたらいい?
- はまらないときはどうしたらいい?
- お手入れ方法は?
- 拡大床をすすめられて不安なときは
マウスピース矯正 Oh my teethでは、拡大床を使用しません。抜歯をせず、必要に応じて歯の表面を少しずつ削る処置を行うことで歯の移動スペースを作り、矯正を進めていきます。
必要な処置や処置を行う箇所は、事前にシミュレーションで確認できます。まずは無料の適合診断へお越しください。
![拡大床を用いた矯正](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/b8696d70-e6d1-478f-8d81-acf86f8d741f/eddd42dc24c722688dfb5661c8cda56f/s-2400x1600_v-frms_webp_9ad1e73a-c652-486a-a997-bae0fbf3fa6c.jpg)
拡大床とは、歯科矯正で使われる矯正装置の一種。「床装置」や「アクティブプレート」などと呼ばれることもあります。また拡大床を用いた矯正は「床矯正」とも呼ばれます。
歯が並ぶスペースがない場合に、歯列を頬側に拡大し、スペースを確保する目的で使われます。また、歯の傾斜を矯正する場合に使われるケースもあります。
ネジを回して少しずつ拡大していく
拡大床には、真ん中あたりにネジがあります。このネジを回すと拡大床を広げられ、それを装着し続けることで、少しずつ歯列を拡大できます。
装着時間は1日8時間以上
拡大床の装着時間は、基本的には1日8時間以上で、場合によっては14時間以上、18時間以上の装着が求められることもあります。
装着時間は連続している必要はありませんが、1回あたりの装着時間は30分以上が理想的です。
![さまざまな拡大床](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/b3b35269-5448-4292-ba5b-cbb51f1eb628/d7713d6b1c841fb450ac87db388d59b6/s-2400x1600_v-frms_webp_d90ef483-1e2d-45f6-ae51-3e976330405f.jpg)
拡大床と一口にいっても、実はさまざまな種類があります。
拡大床(可撤式)
歯列を頬側に拡大する目的で使用されます。また、歯が内側に傾いているケースに用いられることも。
着脱可能なので、食事やブラッシングのときには外すことができます。拡大ネジを回すのは1週間に1回程度です。
急速拡大装置(固定式)
固定式の拡大床です。「急速」とある通り、拡大ネジを回すペースが早く(1日1〜2回)、歯列をあごの骨とともに拡大することができます。
クワドヘリックス(固定式)
固定式の拡大床です。拡大床と急速拡大装置の中間ぐらいのスピードで、歯列を拡大できます。
こちらはネジを回すタイプではありません。4つのヘリックスとアームでできており、この部分を広げて調整することで歯列を拡大していきます。
咬合挙上床(ジャンピングプレート)
噛み合わせが深い場合に用いられることがある、着脱可能な矯正装置です。
装置を装着すると奥歯が噛み合わなくなり、徐々に奥歯が伸びてきます。その結果深い噛み合わせを改善することができます。
拡大床を用いた矯正が適応される可能性があるのは、以下のような歯並びのときです。
八重歯やデコボコの歯並び(叢生)
八重歯や凸凹の歯並びは、あごが狭く歯が並ぶスペースが十分確保できず、歯が重なって生えてきてしまったことが原因であることが多いです。そのため拡大床によって歯列を拡大するのが適切と判断されることがあります。
出っ歯(上顎前突)
![出っ歯の症例](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/66640db6-8a5b-4160-9c3f-1b2304011387/ea9d6948194c1894e2fca2ca70acfd2c/s-1774x856_v-fms_webp_895a1c3c-c073-4b92-975f-fcc83e0a0d63.png)
出っ歯も歯が並ぶスペースが十分にないことが原因になっていることがあります。並び切らなかった前歯が押し出され、出っ歯になってしまったケースです。
このような場合、前から4番目あたりの歯を抜歯し、突出している部分を後退する矯正を行うこともありますが、拡大床で歯列を広げる矯正を行うこともあります。
受け口(反対咬合)
![受け口の症例](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/444b387f-bc25-436a-bf45-2d63c4c76c13/a896bcefc9af39b7796eeffb96e1b0d1/s-1788x550_v-fms_webp_da3c401c-f99e-4b9a-9ad1-a26f909da8b9.png)
受け口は下あごが上あごよりも大きいことが原因で起こっていることがあります。この場合、上あごを床矯正で拡大して改善をはかることがあります。
深い噛み合わせ(過蓋咬合)
深い噛み合わせは、奥歯の噛み合わせに原因があることが多いです。そのためジャンピングプレートなどを用い、奥歯の噛み合わせを改善することがあります。
![拡大床のメリット・デメリット](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/6f5b147e-adf1-4a0d-b5fc-eac22b8240ba/eeb79cb54d9a468d6b4c4010525bc58a/s-1200x757_v-fms_webp_d2f070ff-fe93-451f-9c73-b351a492c932.png)
拡大床を用いた矯正は、次のようなメリットと注意点があります。
拡大床のメリット
拡大床による矯正のメリットは以下の通りです。
抜歯をせずに矯正できる
取り外しできるためストレスが少ない(固定式を除く)
矯正していることを気づかれにくい
痛みがほとんどない
メリットとして最初に挙がることが多いのは、抜歯をせずに矯正できる点でしょう。歯科矯正で抜歯をすることは負担が大きいため、床矯正の歯列 を拡大して抜歯をせずにスペースを確保できる点は魅力的です。
また、着脱可能の拡大床であれば食事やブラッシング時のストレスが少なく、装置が目立ちにくい、痛みがあまりないといったメリットもあります。
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矯正で抜歯は必要?歯を抜く理由やデメリット・メリットを紹介
拡大床のデメリット
拡大床による矯正の注意点は以下の通りです。
適応症例が限られる
装着時間を守らないと計画通りに治療が進まない
ワイヤー矯正との併用が必要なケースもある
適切に使用されないとトラブルの原因になる
拡大床はあごの成長過程にある子どもの歯科矯正で用いられることが多いです。あごの成長が完了 している大人の矯正に用いられることもありますが、適応症例は限られます。
もし適応されたとしても、ワイヤー矯正との併用が必要になることもあるでしょう。拡大床によるトラブルに関しては、次項で詳しく紹介します。
![床矯正で起こりうるトラブル](/cdn-cgi/image/quality=75/https://images.ctfassets.net/m1i3lr99rtt2/2ba6a479-c800-4629-982a-8950c0205d4a/6c5600072c7ce734fb30e12ac95ab148/s-1200x757_v-fms_webp_fc8285c8-ac79-4586-8923-308d1f2a6e16.png)
無理に拡大床を使った歯科矯正(床矯正)を行うことで、治療がなかなか終わらなかったり、奥歯が噛み合わなくなったりするリスクがあります。