拡大床の使い方や種類・メリット・デメリットを解説
「矯正相談に行ったら拡大床をすすめられた」
「大人でも拡大床で矯正することってあるの?」
「『床矯正で出っ歯になった』などのトラブルを聞いて不安」
本記事ではこのような悩みを抱えている方に向けて、拡大床のメリット・デメリットや、トラブルの回避法を解説します。種類や使い方、費用や期間の目安などの基本的な情報も紹介しますので、拡大床や床矯正(拡大床を用いた矯正治療)に関して詳しく知りたい方は必見です。
目次
- 歯科矯正で使われる拡大床とは?
- ネジを回して少しずつ拡大していく
- 装着時間は1日8時間以上
- 拡大床の種類
- 拡大床(可撤式)
- 急速拡大装置(固定式)
- クワドヘリックス(固定式)
- 咬合挙上床(ジャンピングプレート)
- 拡大床を用いた矯正が適用される歯並びの例
- 八重歯やデコボコの歯並び(叢生)
- 出っ歯(上顎前突)
- 受け口(反対咬合)
- 深い噛み合わせ(過蓋咬合)
- 拡大床のメリット・デメリット
- 拡大床のメリット
- 拡大床のデメリット
- 床矯正で起こりうるトラブル
- 何年経っても治療が終わらない
- 奥歯が噛み合わなくなった
- 口元が突き出てしまった
- 結局抜歯をすることになった
- 拡大床を使った矯正の費用・期間の目安
- トラブルを防ぐ矯正歯科の選び方
- 歯並び相談を快く受けてくれる
- 検査内容を説明してくれる
- 治療方法や値段を丁寧に説明してくれる
- 急なトラブルに対応してもらえる
- 自分と似た症例について教えてくれる
- 拡大床に関するQ&A
- 大人でも適用されることはある?
- 装着すると痛いときはどうしたらいい?
- はまらないときはどうしたらいい?
- お手入れ方法は?
- 拡大床をすすめられて不安なときは
マウスピース矯正 Oh my teethでは、拡大床を使用しません。抜歯をせず、必要に応じて歯の表面を少しずつ削る処置を行うことで歯の移動スペースを作り、矯正を進めていきます。
必要な処置や処置を行う箇所は、事前にシミュレーションで確認できます。まずは無料の適合診断へお越しください。
拡大床とは、歯科矯正で使われる矯正装置の一種。「床装置」や「アクティブプレート」などと呼ばれることもあります。また拡大床を用いた矯正は「床矯正」とも呼ばれます。
歯が並ぶスペースがない場合に、歯列を頬側に拡大し、スペースを確保する目的で使われます。また、歯の傾斜を矯正する場合に使われるケースもあります。
ネジを回して少しずつ拡大していく
拡大床には、真ん中あたりにネジがあります。このネジを回すと拡大床を広げられ、それを装着し続けることで、少しずつ歯列を拡大できます。
装着時間は1日8時間以上
拡大床の装着時間は、基本的には1日8時間以上で、 場合によっては14時間以上、18時間以上の装着が求められることもあります。
装着時間は連続している必要はありませんが、1回あたりの装着時間は30分以上が理想的です。
拡大床と一口にいっても、実はさまざまな種類があります。
拡大床(可撤式)
歯列を頬側に拡大する目的で使用されます。また、歯が内側に傾いているケースに用いられることも。
着脱可能なので、食事やブラッシングのときには外すことができます。拡大ネジを回すのは1週間に1回程度です。
急速拡大装置(固定式)
固定式の拡大床です。「急速」とある通り、拡大ネジを回すペースが早く(1日1〜2回)、歯列をあごの骨とともに拡大することができます。
クワドヘリックス(固定式)
固定式の拡大床です。拡大床と急速拡大装置の中間ぐらいのスピードで、歯列を拡大できます。
こちらはネジを回すタイプではありません。4つのヘリックスとアームでできており、この部分を広げて調整することで歯列を拡大していきます。
咬合挙上床(ジャンピングプレート)
噛み合わせが深い場合に用いられることがある、着脱可能な矯正装置です。
装置を装着すると奥歯が噛み合わなくなり、徐々に奥歯が伸びてきます。その結果深い噛み合わせを改善することができます。
拡大床を用いた矯正が適応される可能性があるのは、以下のような歯並びのときです。
八重歯やデコボコの歯並び(叢生)
八重歯や凸凹の歯並びは、あごが狭く歯が並ぶスペースが十分確保できず、歯が重なって生えてきてしまったことが原因であることが多いです。そのため拡大床によって歯列を拡大するのが適切と判断されることがあります。
出っ歯(上顎前突)
出っ歯も歯が並ぶスペースが十分にないことが原因になっていることがあります。並び切らなかった前歯が押し出され、出っ歯になってしまったケースです。
このような場合、前から4番目あたりの歯を抜歯し、突出している部分を後退する矯正を行うこともありますが、拡大床で歯列を広げる矯正を行うこともあります。
受け口(反対咬合)
受け口は下あごが上あごよりも大きいことが原因で起こっていることがあります。この場合、上あごを床矯正で拡大して改善をはかることがあります。
深い噛み合わせ(過蓋咬合)
深い噛み合わせは、奥歯の噛み合わせに原因があることが多いです。そのためジャンピングプレートなどを用い、奥歯の噛み合わせを改善することがあります。
拡大床を用いた矯正は、次のようなメリットと注意点があります。
拡大床のメリット
拡大床による矯正のメリットは以下の通りです。
抜歯をせずに矯正できる
取り外しできるためストレスが少ない(固定式を除く)
矯正していることを気づかれにくい
痛みがほとんどない
メリットとして最初に挙がることが多いのは、抜歯をせずに矯正できる点でしょう。歯科矯正で抜 歯をすることは負担が大きいため、床矯正の歯列を拡大して抜歯をせずにスペースを確保できる点は魅力的です。
また、着脱可能の拡大床であれば食事やブラッシング時のストレスが少なく、装置が目立ちにくい、痛みがあまりないといったメリットもあります。
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拡大床のデメリット
拡大床による矯正の注意点は以下の通りです。
適応症例が限られる
装着時間を守らないと計画通りに治療が進まない
ワイヤー矯正との併用が必要なケースもある
適切に使用されないとトラブルの原因になる
拡大床はあごの成長過程にある子どもの歯科矯正 で用いられることが多いです。あごの成長が完了している大人の矯正に用いられることもありますが、適応症例は限られます。
もし適応されたとしても、ワイヤー矯正との併用が必要になることもあるでしょう。拡大床によるトラブルに関しては、次項で詳しく紹介します。
無理に拡大床を使った歯科矯正(床矯正)を行うことで、治療がなかなか終わらなかったり、奥歯が噛み合わなくなったりするリスクがあります。
何年経っても治療が終わらない
拡大床は子どもの矯正で用いられることが多いですが、「今のうちに床矯正を始めれば大きくなってからの矯正が不要になる」と言われて矯正をスタートするケースがあります。
しかし子どものあごの成長度合いには個人差があります。また矯正装置の装着時間を確保できないといったことも重なり、予定通りに歯列を拡大できず「結局ずっと矯正をしている」という状況に陥ってしまうこともあります。
奥歯が噛み合わなくなった
不適切な床矯正によって、奥歯が噛み合わなくなるトラブルがあります。これは、噛み合わせなどの精密検査をせずに拡大床による歯科矯正を行ってしまい、もともと噛み合っていた部分が噛み合わなくなることが原因として考えられます。
口元が突き出てしまった
本来拡大床は歯が並ぶスペースを確保するために用いられるものですが、歯列の拡大とともに歯も傾斜し、出っ歯になってしまうトラブルもあります。
結局抜歯をすることになった
「拡大床で矯正すれば抜歯せずに歯を並べられる」と話を聞いていたのにも関わらず、結局抜歯することになってしまうこともあります。
これはどちらかというと、治療スタート時にリスクとしてそのようなケースもあることを十分に説明されていなかったことに問題があると言えるでしょう。
ここまで拡大床の種類やメリット・デメリットを紹介してきましたが、「実際のところどれくらいお金や期間がかかるのだろう」と疑問に思っている人は多いはず。
拡大床を用いた矯正のことを「床矯正」といいますが、床矯正の費用の目安は20万〜30万円程度、治療期間の目安は半年〜2年程度 です(Oh my teeth調べ)。
ただしこれは、子供の矯正(小児矯正)の場合です。たとえば費用面でいうと、大人の矯正でワイヤー矯正やマウスピース矯正と床矯正を並行する場合、拡大床の装置料のみ加算されるケースもあります。また、矯正のための検査(30,000〜50,000円程度)や調整料(1回3,000〜5,000円程度)が別途必要になるクリニックもあります。
また治療期間は口腔内の状態やあごの発達状況、拡大床の装着状況によっても左右されます。
前項で紹介したような拡大床によるトラブルを防ぐには、以下のようなクリニックを選ぶとよいでしょう。
歯並び相談を快く受けてくれる
歯科矯正を受けるクリニック選びは慎重にしたほうがいいです 。もし少しでも「この治療法でいいのかな?」と不安に感じるのであれば、別のクリニックでのセカンドオピニオンを受けるとよいでしょう。
歯科矯正クリニックではセカンドオピニオンを受けたい患者さん向けに、無料の歯並び相談を実施しているところがあります。このような歯並び相談を実施していて、相談時の質問にも快く答えてくれるクリニックであれば、治療中の疑問点・不安点も解消してもらえる可能性が高いでしょう。
検査内容を説明してくれる
拡大床による矯正トラブルは、精密検査不足に原因があるケースもあります。歯並びを見ただけて拡大床をすすめられる場合は注意したほうがよいでしょう。
各種検査の内容を説明してくれたり、検査結果からどのような矯正方法が適しているかを丁寧に説明してくれたりするドクター・クリニックであれば、矯正がスタートしても不安を解消 しやすいでしょう。
治療方法や値段を丁寧に説明してくれる
歯科矯正を受けるクリニック選びにおいては「あらゆることを丁寧に説明してくれるか」を重視しましょう。「あらゆること」の中には、治療方法や値段も含まれます。
拡大床がすすめられたのであれば、なぜ自分の歯並びには歯列の拡大が必要なのかや、抜歯をしてワイヤー矯正する場合とはどう異なるのかを質問してみるとよいでしょう。
また治療費がかかるタイミングや、万が一途中で転医しなければならなくなった場合に治療費は返金されるのかなども確認しておきましょう。
このような一つひとつの質問や相談に丁寧に対応してくれるクリニックであれば、歯科矯正も安心して進められる可能性が高いです。
急なトラブルに対応してもらえる
歯科矯正を進める上では、途中でトラブルが発生することがあります。拡大床であれば「装置のネジが回らない」「ネジを回したあとに装置を装着できない」といったトラブルが考えられるでしょう。
このようなとき、電話やオンラインで対応方法を教えてもらえたり、実際に診てもらいやすいクリニックであれば、矯正中も不安を解消しやすいでしょう。装着時間をしっかり確保するためにも、トラブルに対応してもらいやすいかは重視するのがおすすめです。
自分と似た症例について教えてくれる
歯科矯正はドクターの日々の勉強が重要な分野でもあります。勉強熱心なドクターであれば、これまでの症例をしっかり見直しています。自分と同じような症例について質問をした場合も、適切な症例を紹介し、説明してもらえるでしょう。
ここでは拡大床に関する質問と、それに対する回答を紹介します。
大人でも適用されることはある?
歯並びの状態によっては大人でも拡大床を適応されることがあります。拡大床が適応される歯並びについては「拡大床を用いた矯正が適用される歯並びの例」の部分を参考にしてください。
歯の矯正方法はどんな種類がある?大人と子供の矯正の違いも解説
子どもの歯科矯正は何歳から?小児矯正と大人の矯正との違い
装着すると痛いときはどうしたらいい?
拡大床を装着すると痛いのは、大きく以下が原因として考えられます。
歯が圧迫されているから
装置が歯茎や粘膜に強くあたっているから
①が原因の場合、ネジを回して装置を拡大したときに痛みが起こりやすいでしょう。これは歯列を拡大するためにはある程度仕方のない痛みと言えます。
しばらく装着していて痛いのが和らぐのであれば、そのまま装着して問題ないでしょう。もし、正しく装着しても強い痛みが続くのであれば、クリニックに相談しましょう。
②が原因の場合は、そのまま装着し続けても痛みがおさまらないケースが多いです。装着は中断し、クリニックを受診して装置の調整をしてもらいましょう。
はまらないときはどうしたらいい?
「拡大床がうまくはまらない」「パカパカする」といった場合は、ぴったりはまるところまでネジを再調整してみましょう。それでもうまくはまらない場合はクリニックに相談してみましょう。
お手入れ方法は?
基本的に流水でゆすいだり、歯ブラシでこすり洗いすれば大丈夫です。歯石の付着を予防するには、食器洗い用の洗剤を水で薄めたものを使い、歯ブラシでこすり洗いするのがおすすめです。
拡大床によるトラブルを知ると「このまま拡大床の矯正をしてもいいのかな」と不安になってしまいますよね。もし拡大床をすすめられて不安な場合は、セカンドオピニオンを受けてみましょう。
ほかの歯科矯正クリニックでも相談することで、自分の歯並び治療には本当に拡大床が適しているのかどうか、複数のドクターの見解を聞くことができます。
マウスピース矯正 Oh my teeth では、ドクターによる口腔内診査・レントゲン撮影・3Dスキャンが無料で受けられます。歯並び相談をしたいときは、Oh my teethも検討してみてくださいね。無理な勧誘はいたしませんのでご安心ください。
※保険適用外の自由診療です。効果や感じ方には個人差があります。マウスピース橋正(Oh my teeth含む)の主なリスク:虫 歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・1日20時間以上のマウスピース装着が必須・マウスピースにより痛みを感じる可能性・治療中に一時的にかみ合わせに不具合をきたす可能性・リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみの着用推奨。