歯が小さいのはなぜ?矮小歯の原因や治療の選択肢を紹介

「歯が小さい気がする」「前歯の形がいびつで気になる」と感じたことはありませんか?
もしかするとその歯は、矮小歯(わいしょうし)かもしれません。
矮小歯とは、周囲の歯に比べて極端に小さい歯のことで、見た目のバランスが悪くなるだけでなく、噛み合わせや発音に影響を与える可能性もあります。
この記事では、矮小歯の特徴や原因、放置することで起こりうるリスクをわかりやすく解説。さらに、矯正や補綴(ほてつ)などの治療法や、よくある疑問への回答もまとめています。
「この小さな歯、気になるけれど治療が必要?」「どんな治療法があるの?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 歯が小さい「矮小歯」とは?見た目や特徴について解説
- 矮小歯(小さい歯)の原因は?
- 遺伝的要因
- 栄養不足(カルシウムやビタミンD不足)
- 歯の退化現象
- 矮小歯(小さい歯)がもたらすリスク
- 噛み合わせが崩れる
- すきっ歯になり発音が不明瞭になる
- 「ガミースマイル」になって見た目が悪くなる
- 歯の寿命が短くなる
- 矮小歯(小さい歯)の治療法
- 矮小歯(小さい歯)についてよくある質問
- 矮小歯は自然に治りますか?
- 矮小歯はかわいいと言われますが、治した方が良いですか?
- 矮小歯にならない予防策はありますか?
- 矮小歯の治療にかかる期間や費用は?
- 子どもや学生でも矯正や補綴治療は受けられますか?
- 矮小歯(小さい歯)にお悩みの方は歯科医院に相談を
- Oh my teethなら原則通院不要で矮小歯の治療が可能
人間の歯の大きさはある程度の個人差はあるものの、通常は男性で8.6mm前後、女性で8.5mm前後、長さは10〜11mm程度とされています。
しかし、こうした平均と比べて著しく小さい歯は「矮小歯(わいしょうし)」と呼ばれ、中でも多いのは、上あごの側切歯(前から2番目の歯)が極端に小さくなるケースです。
円錐形や蕾のような形をしており、こうした矮小歯は見た目に違和感が出やすいためにすきっ歯やガタついた歯並びの原因にもなります。
また、矮小歯は先天的な形成異常として現れることも多く、1本だけに限らず複数の歯に見られる場合もあります。
とくに、矮小歯は「過剰歯(かじょうし)」と呼ばれる余分な歯が生えている人にも併発しやすい傾向が強いです。
矮小歯は先天的に現れることもあれば、生活習慣や環境の影響で後天的に見た目が小さく見える場合もあります。
ここでは、矮小歯の主な原因として考えられている3つについて詳しく解説していきます。
遺伝的要因
矮小歯は、遺伝によって引き起こされる先天的な特徴として現れることがあります。
家族の中に同じように歯が小さい人がいる場合、子供にもその特徴が受け継がれる可能性が高いです。
栄養不足(カルシウムやビタミンD不足)
歯の正常な発育には、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が重要な役割を果たしています。
カルシウムは、歯や骨の主成分となるミネラルであり、歯のエナメル質や象牙質を構成するうえで欠かせません。
またビタミンDは、カルシウ ムの吸収を助け、体内での利用効率を高める働きがあります。
これらの栄養素が成長期に不足すると、歯の石灰化が不十分になり、歯が小さく形成されたり、形がいびつになったりする可能性があります。
歯の退化現象
矮小歯は、現代人の食生活や生活環境の変化に伴う“退化現象”のひとつとも考えられています。
現代は昔に比べて硬いものを噛む機会が減り、顎を十分に使わない生活スタイルが増えています。
その結果、顎の発達が不十分になり、それに合わせて歯も小さくなる傾向があると言われているのです。
矮小歯は見た目の違和感だけでなく、口の機能や健康面にもさまざまな影響を及ぼすことがあります。
ここでは、矮小歯が引き起こす代表的な4つのリスクについて詳しく見ていきましょう。
噛み合わせが崩れる
矮小歯によって歯の大きさにばらつきがあると、噛み合わせのバランスが崩れやすくなります。
本来、上下の歯はそれぞれしっかり噛み合うことで、食べ物を効率よくすりつぶしたり、発音を助けたりする役割を果たします。
しかし、一部の歯だけが極端に小さいと、隣接している歯が移動しやすくなり、歯並びが乱れて噛み合わせが不正確になることがあるのです。
その結果、硬い食品を避けたり、偏食につながったりすることで、栄養不足に陥るリスクが高まります。
すきっ歯になり発音が不明瞭になる
矮小歯があると、歯と歯の間に隙間ができやすくなり、すきっ歯の原因になります。
とくに前歯に矮小歯があると、見た目に目立つだけでなく、歯と歯の間から息が漏れてしまい「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になるケースも多いです。
このようなコンプレックスがあると、日常生活での対人関係をストレスに感じることも増え、気づかないうちに笑顔や会話を遠ざけてしまうこともあるでしょう。

すきっ歯の原因と治療方法は?放置するリスクや影響を解説【歯科医師監修】
「ガミースマイル」になって見た目が悪くなる
矮小歯によって歯ぐきが強調され、いわゆる「ガミースマイル」になることがあります。
歯が通常よりも小さいと、笑ったときに歯よりも歯ぐきの面積のほうが目立ってしまうため、バランスの悪い口元に見えることがあります。
見た目の印象に影響するため、コンプレックスに感じている方も少なくありません。

ガミースマイルの原因は?原因に合わせて治し方を徹底解説
歯の寿命が短くなる
矮小歯は、見た目だけでなく、将来的な歯の寿命にも影響を及ぼす可能性があります。
歯と歯の間に隙間ができやすいため、食べカスや汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まり、最終的には歯を失う原因になることもあります。
さらに、矮小歯は一般的に歯の根が短いことが多く、噛む力に対しての耐久性が弱いため、抜けやすいという特徴もあります。
こうした理由から、他の歯と比べて寿命が短くなってしまう恐れがあるのです。
矮小歯はそれ自体がすぐに問題となるケースは多くありませんが、歯の大きさが周囲と異なることで、歯並びのバランスが崩れたり、見た目や噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。
治療をのぞむ場合は、歯科医師と相談しながら適切な対処法を検討していくことが大切です。
実際に治療する際は、次のような方法が検討されます。
歯列矯正で歯を動かす
マウスピース矯正やワイヤー矯正で、歯並びや噛み合わせを整える方法。矮小歯が原因で生じたすき間やズレに対応できます。補綴(ほてつ)治療で歯の小ささを補う
人工物を使って歯の大きさや形を整える方法。ラミネートベニア・セラミッククラウン・ダイ レクトボンディングなどがあります。歯肉整形で見た目を整える
歯ぐきが歯を覆って小さく見える場合に行う処置。歯ぐきのラインを整えて、歯を大きく見せることができます。

矮小歯は治療すべき?7つの治療法と費用・選び方まで解説
矮小歯に関する疑問や不安は、人によってさまざまです。
ここでは、治療を検討する際によくある質問や、知っておきたいポイントについて、Q&A形式でわかりやすく解説します。
矮小歯は自然に治りますか?
矮小歯が自然に治ることは基本的にありません。