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歯科矯正
最終更新日:2023年10月8日

歯科矯正中の痛みを和らげる3つのツボ

辛い歯科矯正中の痛み。市販薬を飲んで痛みを和らげることもできますが、薬を切らしていたり、買いに行こうにも薬局が開いていなかったりすることも…。本記事ではそんなときに試していただきたい、虫歯なども含めた歯の痛みを緩和するツボを紹介します。

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歯科医師/歯学博士

古川雄亮

大阪心斎橋矯正歯科 院長。歯学博士。東北大学歯学部卒業。九州大学大学院歯学府博士課程(歯科矯正学専攻)修了。日本矯正歯科学会所属。歯医者お悩み.com管理人。直近の研究実績「カンボジアのHIV感染感児におけるCD4細胞数と口腔内衛生管理の関連性について(2019, Scientific Reports)」。代表記事「ボリビアにおける歯科医療の実態とは?」。

歯科矯正中はワイヤーやマウスピースなどの矯正装置によって矯正力がかかった状態。歯を移動させるためには相応の力が必要ですから、少なからず痛みや圧迫感が生じます。

特に矯正開始直後や、ワイヤー調整直後、新しいマウスピースに交換直後は痛みがともないやすいです。

「昼間は大丈夫だと思っていたのに、夜になってジンジン痛みはじめた」
「鎮痛剤が家になくて、この時間は薬局も閉まっているし、どうしよう」

こう悩んでいる方に向けて、本記事では歯科矯正中だけでなく虫歯・歯周病などの歯の痛みにも役立つ、3つのツボを紹介します。

歯科矯正中の歯の痛みを和らげる3つのツボ

歯の痛みを和らげるツボには、「頬者(きょうしゃ)」「顴髎(かんりょう)」「合谷(ごうこく)」があります。それぞれどこにあるのか、イラスト付きで解説していきますね。

頬者(きょうしゃ)

頬者

下顎の骨にあるツボで、口と耳たぶの真ん中付近にあります。グッと噛み締めると筋肉(咬筋)が盛り上がる箇所です。歯の痛みや腫れ、顎の痛みを減少させる効果があるといわれています。

顴髎(かんりょう)

顴髎

頬骨の下部分に位置するツボです。つぼを見つけるポイントは眼の外側の凹みから垂直に線を下ろすことです。歯の痛みや蓄膿症の痛みを和らげます。

合谷(ごうこく)

合谷

手の人差し指と親指の間にあるツボです。歯の痛みに加えて、頭痛や顔面痛にも効果があり、炎症を和らげる効果も期待できるといわれています。

※妊娠中の女性が合谷のツボをおさえると陣痛が起こると言われています。妊娠中の方は違うツボをおさえるようにしましょう。

歯の痛みを和らげるツボの押し方

歯の痛みに効果のあるツボをご理解いただけたと思うので、指圧のやり方のポイントをお伝えします。

  • 快適な姿勢をとり、目を閉じて深呼吸する

  • ツボにしっかりと圧を加えてマッサージする

  • 1回に数分間ツボを円を描いたり上下に押すなどしてマッサージする

  • 快適に感じる(痛みが緩和される)まで、マッサージを続ける

途中で諦めず、辛抱強く指圧してみてください。ただし、痛みが激しい場合は指圧で痛みを緩和させることが難しいです。

上記の方法を試しても痛みが治らない場合は、近くの医院を受診するようにしましょう。

指圧療法の概要

今回紹介したツボ押し(指圧療法)について改めて解説します。

指圧は、全身のツボ(指圧点)を主に親指で押し、圧反射により人体に備わる自然治癒力を促進させる手技療法です。

指圧と聞くと、多くの方はあん摩マッサージを想像するかもしれませんが、身体の不調改善や疾病予防にも効果があります。

歯の痛みにも効果のあるツボがあります(WHOにも歯の痛みに効果がある療法として指圧が挙げられています)。しかし残念ながら、歯科医師でもツボの場所を知る方はほとんどいません(歯学部の教育カリキュラムには学ぶ機会がありません)。

指圧はどんな痛みに対応できる?

今回紹介したようなツボ押しは、矯正力による歯の痛みだけでなく、虫歯や歯周病、歯が生えるときの痛みも和らげることが報告されています。具体的には以下のようなケースです。

  • 穴になっているような大きな虫歯

  • 壊れた(欠けた)詰め物による刺激

  • 欠けた歯(咬合痛や知覚過敏などが起こる)

  • 歯の根っこの歯周病(根尖病巣)

  • 歯が生える時(親知らずも含む)

  • 歯茎の炎症(歯茎にできた膿など)

  • 蓄膿症(上顎に痛みを感じることあり)

  • 顎関節の痛み

  • 神経痛(顔面神経など)

指圧が歯の痛みに効果的な理由

歯科矯正や虫歯、歯周病による歯の痛みがツボ押しで緩和する理由としてはさまざまな意見があります。以下はその一例です。

  • 脳による痛覚神経からの知覚の受け取り方の変化

  • 心拍数、血圧、エピネフリン放出の減少

  • 中枢神経をリラックスさせる化学物質の放出

  • 炎症を和らげる物質の放出

  • 血流の増加と腫れの減少

  • 痛みを感じにくくするエンドルフィン放出の上昇

歯科矯正中のツボ押しは試してみる価値あり

今回紹介した指圧療法の効果は個人差があります。効くという方もいらっしゃれば、全く効果を感じない患者さんもいらっしゃいます。

また、歯科矯正中の痛みが指圧により完全に消失することは無いと考えられます。マウスピースやワイヤーによる矯正力が原因で痛みが起こっているからです。矯正力を解除すれば、痛みは無くなります。

マウスピース矯正なら取り外しができるので、どうしても我慢できない痛みが出ているなら取り外ししても良いでしょう(ただし、1日20時間以上装着することが基本であるため、歯の移動が遅くなる可能性もあります。歯科医院に痛みのことを相談しましょう)。痛みは消失していきますが、身体が上手く順応することによるものと考えられています。

虫歯や歯周病の痛みも同様で、指圧により一時的に痛みを緩和することは可能ですが、完全に痛みが消えることはありません。虫歯菌や歯周病菌による細菌感染が原因なので、細菌を除去する必要があります。歯科矯正中(特にブラケット矯正中)は磨きにくく虫歯や歯周病がブラケットの周囲に起こりやすいので歯間ブラシなどもしっかりと使用するなどして、口の中を清潔に保ちましょう。

私も矯正中の歯の痛みは非常に苦手でした。硬い物が全く食べられず、食事で非常に困った記憶が残っています。ワイヤーを交換するたびに痛みを感じていましたが、薬を服用せずに数日間我慢していました。今回紹介した3つのツボを知っていれば押していたかもしれません。

ツボを押して痛みを和らげるポイントは「辛抱強く押すこと」です。すぐに押すのを諦めてしまうと効果がでません。数分間円を描いたり、押す力を変えるなどして痛みが緩和されるまで続けてみましょう(痛みが和らがないなら医師の診察を受けるようにしてください)

本記事に書かれているものは一般的な内容です。患者さんにより効果が大きく異なる可能性があります。どうしても我慢できない痛みが出ている場合、虫歯の進行などの深刻な問題が起きている可能性も考えられるので、通院している歯科医院に相談しましょう。

矯正中の痛みに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。

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マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも比較的痛みにくい矯正方法として知られます。 マウスピース矯正 Oh my teethの適合診断は無料です。痛みに関するご相談も可能ですので、まずはお気軽にご予約ください。

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