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歯科矯正
最終更新日:2024年9月9日

八重歯はかわいいから矯正しなくても大丈夫?放置してはいけない4つの理由

八重歯は「かわいい」と言われていますが、海外では悪いイメージを持たれる原因になります。また何より、八重歯は不正歯列(歯並びや噛み合わせがよくない状態)で、多くの場合歯科矯正が必要です。

本記事では八重歯になる原因や放置するリスク、治療するメリット・デメリットを解説します。本記事を読めば、あなたの八重歯は治した方がいいのかわかりますよ。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

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八重歯はかわいいと言われているのはなぜ?

八重歯がかわいい女性のイラスト

日本では八重歯がチャームポイントの一種として捉えられているため「治さなくてもいい」と思ったり、治そうとすると「かわいいからそのままでいいよ」と言われたりします。

八重歯が可愛いと言われるのは、歯を見せたときのギャップや、特徴的で印象に残ることが関係していると考えられます。

ギャップがあるから

口を閉じていると完璧な美人だけど、笑うと八重歯が見えて、その未完成さに惹かれる方もいるでしょう。口を閉じているときと歯を見せたときのギャップから、かわいいという印象を与えることがあります。

また、八重歯は幼く見える要因になっていることもあります。八重歯がかわいい芸能人を思い浮かべると、どこか幼く、あどけない印象を持つ人が多いのでは?八重歯が見えてキュートに見えるのは、年齢よりも若く見えるのが関係しているのかもしれません。

特徴的で印象に残るから

八重歯があってもきれいに見えたり、可愛く見えたりする理由として、そもそもほかの目鼻立ちがハッキリしていることも多いです。八重歯のほかにもしっかりチャームポイントがあることから、一つの特徴として捉えられます。

海外での印象は?

実は、海外では八重歯のことを「悪魔の歯(devil teeth)」「ドラキュラの歯(vampire teeth)」ともいいます。日本では犬歯が尖っている芸能人などを「かわいい」と言うことも多いため、この事実に驚かれる人も多いでしょう。

特に欧米などでは、八重歯を治さずそのままにしていると、人によくない印象を与えてしまいます。それは前述したようなイメージがあるほか、「矯正にかけられる経済的な余裕がない」と思われる原因になるからです。就職活動や結婚に影響が出ることさえあります。

このように、海外では歯に対する意識が高く、きれいな歯は教養や教育の程度を示すものとなっています。そのため、子どものうちから矯正治療で歯並びを整えることが親の義務として一般的に浸透しているのです。

今後、海外で活躍したい方、日本でもグローバルに活躍したい方は、八重歯がビジネスのハンデになるかもしれません。

八重歯になる原因

八重歯になる原因は、あごと歯のサイズが関係しています。特に八重歯になりやすい犬歯は、あごのサイズが小さかったり、あごのサイズに対して歯が大きかったりすると歯を並べるスペースが足りなくなるため、歯列からはみ出して生えてしまいます。

▼限られたあごのスペースに歯がきれいに並びきらずガタガタになるイメージ

スペース不足の歯並びのイメージ

また、乳歯の抜ける時期が通常よりも早かったり遅かったりすると、八重歯になる可能性があります。

なぜなら、犬歯は永久歯の中でも最後のほうに生えてくる歯。乳歯の抜けるタイミングが悪いと、ほかの永久歯が歯列のすき間を埋めるようにして生えてしまい、結果犬歯が生えるスペースが足りなくなって八重歯になってしまうのです。

特に以下の特徴がある人は八重歯になりやすいです。

  • 一本一本の歯が大きい

  • 歯の数が多い(過剰歯がある)

  • 顎が小さい

上記のような特徴がある場合、歯がきれいに並び切るスペースが確保できず、八重歯になる可能性が高いです。

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「かわいいから」と八重歯をそのままにする4つのリスク

「八重歯が可愛いと言われたからそのままでもいい」とは言えません。なぜなら八重歯は不正歯列の一種で、放置すると虫歯や歯周病、口臭リスクを高めてしまうからです。

虫歯・歯周病になりやすい

八重歯のように重なり合っている歯は、歯ブラシが届きにくいです。虫歯・歯周病の原因となる歯垢が溜まりやすい状態で、虫歯・歯周病になるリスクが高まります。

また、重なり合っている部分はレントゲンでも映りにくく、トラブルの早期発見が困難になることが多いです。

口臭の原因になる

八重歯が邪魔になって唇が閉じにくいと、口呼吸になりがちです。口呼吸はお口の中が乾燥し、唾液による自浄作用(じじょうさよう)※が低下するため、細菌が繁殖しやすい環境に。細菌が繁殖すると硫化水素やメチルメルカプタンといった物質が作られ、口臭が発生する原因となります。

※自浄作用(じじょうさよう)とは?
唾液には、さまざまな働きがあります。自浄作用は、食べかすや細菌を洗い流す働きのことです。唾液は、ほかにも発音をスムーズにする潤滑作用や、細菌の繁殖を抑える抗菌作用などがあります。

ほかの歯に悪影響を及ぼす

八重歯になりやすい犬歯は、歯ぎしりから前歯と奥歯を守る大切な働きがあります。犬歯が正しく機能していないと、ほかの歯に大きな負担がかかって、知覚過敏を引き起こしたり、奥歯が欠けたり割れたりする可能性があります。

口内炎ができやすい

八重歯は、歯列よりもはみ出して生えているため、お口の中の粘膜に接触しやすいです。粘膜に傷がつき、そこに細菌が侵入すると口内炎ができる可能性があります。

特に犬歯は、先端が尖っている形態をしているため、粘膜を傷つけやすく口内炎ができやすい傾向にあります。

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治した方がいい八重歯とは?

これから八重歯を治すかどうか決める人は、以下を一定の基準にしてみてください。

  • 周囲の歯に悪影響がある

  • 頭痛・肩こりなどがある

  • 口内炎ができやすい

  • 痛みがある

  • コンプレックスにつながっている

周囲の歯に悪影響がある

八重歯によって周囲の歯との間に汚れが溜まりやすく、虫歯・歯周病リスクが高まっているなど、周囲の歯に悪影響がある場合は、きれいに治した方がいいでしょう。磨き残しは自分自身で気づけないこともあるため、まずは歯科医院でチェックを受けることが大切です。

頭痛・肩こりがある

原因不明の頭痛・肩こりがある場合、八重歯の治療で噛み合わせが改善することで解消することもあります。噛み合わせが改善すると身体全体のバランスも整うためです。

口内炎ができやすい

尖った犬歯が八重歯になっていることで口腔内が傷つき、口内炎ができやすい状態は放置しない方がいいです。犬歯が八重歯になっており、その周辺の口腔内に口内炎がよくできるという場合は、治療を検討しましょう。

痛みがある

八重歯自体や周囲の歯に痛みがある場合、歯と歯の重なりの間に虫歯ができてしまっているのかもしれません。できるだけ早く治療してもらい、虫歯になりにくくするために八重歯の治療を検討しましょう。

コンプレックスにつながっている

八重歯がコンプレックスにつながっている場合は、治療をおすすめします。実際に八重歯を治すことで自分に自信がつき、人前でコミュニケーションをとる際も抵抗感がなくなったという人は多いです。

歯科矯正で八重歯を治すメリット

歯科医院の診察のため口を開ける男性

八重歯を治すと、歯列がきれいに並ぶため、歯磨きがしやすくなったり、汚れが溜まりにくくなることで口臭リスクが低下したりします。

歯磨きがしやすい

八重歯がなくなることで、歯並びのガタつきがなくなるため歯磨きがスムーズにできます。凸凹がなくなるためブラッシングで汚れを落としやすく、虫歯、歯周病、口臭リスクが低下します。

コンプレックスの解消

八重歯が歯列にきれいにおさまることで、見た目のコンプレックスが解消します。これまで八重歯が気になって人前で歯を見せられなかったり、コミュニケーションで積極的になれなかったりした場合、治療を受けることがQOL(生活の質)の向上につながります。

口腔内トラブルの改善

犬歯が八重歯になっていると、その鋭い形状から口腔内を傷つけることがあります。例えば口元にボールなどが当たった際に口腔内を傷つけやすいことがあります。

噛み合わせの改善

八重歯は叢生(凸凹した歯並び)の一種で、噛み合わせにも問題があります。八重歯を治すことで噛み合わせが改善すると、食べ物を十分に咀嚼しやすくなり胃腸の負担が軽減したり、頭痛・肩こりが改善したりすることがあります。

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八重歯を治すデメリット

八重歯を治すのはメリットが大きいですが、治療法によってはデメリットや注意点もあります。例えば基本的に保険適用外で高額な治療費がかかる点や、治療に長期間かかる点などです。

治療費が高額

八重歯の治療は基本的に保険適用外の自由診療なので、高額な費用がかかります。医療費控除を受けたりデンタルローンを利用したりすると負担を軽減したり分割払いで少しずつ払ったりすることはできますが、ある程度お金を貯めてから治療を受けるのがおすすめです。

長期間かかることがある

八重歯の治療は、種類によっては長期間かかります。例えば八重歯や周囲の歯を動かして並びを改善する歯科矯正治療は、歯に適切な力をかけて少しずつ移動させるため、少なくとも2ヶ月〜の治療期間が必要です。

治療方法によって注意点がある

八重歯の治療方法には大きく補綴治療と歯科矯正治療があり、それぞれリスクや注意点があります。

補綴治療のリスク

補綴治療とは、虫歯で歯を削って詰め物や被せ物をしたり、歯を失った際に入れ歯やインプラントを入れたりする治療方法のこと。歯を失った箇所を人工物で補う治療のことを指します。

八重歯を補綴治療で改善するリスクは、健康な歯を削らなければならず、歯の寿命を短くしてしまう点です。特にセラミッククラウンの場合、大きく歯を削るため、場合によっては神経を抜く処置が必要です。神経を失った歯の寿命は短くなってしまうため、事前にリスクも把握した上で治療を受けることが大切です。

歯科矯正治療のリスク

歯科矯正治療のリスクには、歯根吸収(歯の根が短くなってしまう)、歯肉退縮(歯茎の位置が下がってしまう)、後戻りがあります。

歯根吸収や歯肉退縮は、歯に力をかけて移動するため起こるリスクです。後戻りも同様ですが、リテーナーを正しく装着することで予防することができます。

八重歯が気になる場合は歯科医院に相談を

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八重歯は不正歯列の一種で、ほとんどの場合治療するのが望ましい状態です。かわいいからと言って八重歯を放置すると、虫歯・歯周病になりやすかったり、頭痛や肩こりにつながったりします。

あなたの八重歯はどの治療法で治すべきなのかは、検査をしてみないとわかりません。もし八重歯が気になっているのなら、一度歯科医院に相談し、治すとしたらどんな治療法が適切なのか尋ねてみましょう。Oh my teethでも無料の歯並び相談を受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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