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歯科矯正
最終更新日:2023年10月5日

ワイヤー矯正の期間はどれくらい?大人と子供に違いはある?

ワイヤー矯正の期間の目安は1年〜3年程度です。ただし矯正範囲や種類によってかかる期間は異なります。本記事ではワイヤー矯正の期間を種類別に紹介し、具体的にどんなことをするのかも紹介します。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

この記事では、ワイヤー矯正はどれぐらいの期間がかかるのか、子供も同じような期間がかかるのか詳しく解説します。

あなたは歯科矯正のワイヤー矯正と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?

「時間がかかりそう」「何年も治療するとしたら続けられるんだろうか」「痛みはないのか」

と不安に思うかもしれません。

確かにワイヤー矯正の期間は1〜3年が目安と言われています。ただし矯正装置や矯正の種類によっても異なります。

本記事で詳しく紹介していきますので、ワイヤー矯正の期間を知りたい方はぜひ参考にしてください。

【本記事の要点】

  • ワイヤー矯正の期間の目安は全体矯正だと1〜3年、部分矯正だと2か月〜1年程度かかる

  • ワイヤー矯正の期間は矯正範囲や種類によって異なるため一概には言えない

  • 子どもの場合、骨がまだ柔らく歯が動きやすいので短期間で終了する場合もある

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ワイヤー矯正の期間の目安は1〜3年程度

ワイヤー矯正の期間を表したイメージ

結論からいうと、ワイヤー矯正の期間の目安は1〜3年程度です。

ただし矯正範囲や種類によって異なります。どのように違ってくるのか、詳しく紹介します。

全体矯正と部分矯正で期間の目安は異なる

ワイヤー矯正の期間は、矯正する範囲によっても目安が異なります。

最初に紹介したワイヤー矯正の期間の目安は、全体矯正の期間です。

全体矯正とは、奥歯を含めた歯全体を動かす矯正方法のこと。

一方部分矯正というものもあり、これは笑ったときに見える前歯のみなど、部分的に歯を動かす矯正方法です。部分矯正は、歯を動かす距離が短いため矯正期間が短くて済みます。

それぞれの矯正方法により歯を動かす範囲に応じて、矯正期間の目安も異なります。

  • 全体矯正の期間の目安:1〜3年程度

  • 部分矯正の期間の目安:2か月〜1年程度

上記はあくまでも目安です。治療の範囲や年齢、現在の歯並びの状態や歯の状態によって変動します。また、矯正装置の種類によっても異なってきます。

矯正装置の種類によっても期間の目安は異なる

矯正範囲に加え、矯正装置の種類によってもワイヤー矯正の期間の目安は異なってきます。

ワイヤー矯正には、大きく分けて以下の3種類です。

  • 表側矯正:ワイヤーとブラケットを歯の表側に装着する(ブラケットとは、ワイヤーを通す装置のこと)

  • 裏側矯正:ワイヤーとブラケットを歯の裏側に装着する

  • ハーフリンガル矯正:上あごの歯は裏側に、下あごの歯は表側に装着する

上記の矯正装置の種類別期間は以下の通りです。

全体矯正

部分矯正

通院頻度

表側矯正

1年〜3年程度

2ヶ月〜1年程度

1ヶ月に1回

裏側矯正

2年〜3年程度

5ヶ月〜1年程度

1ヶ月に1回

ハーフリンガル矯正

2年〜3年程度

5ヶ月〜1年程度

1ヶ月に1回

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ワイヤー矯正に必要な期間の内訳

ワイヤー矯正

ここまではワイヤー矯正の矯正期間の目安を紹介しました。ただワイヤー矯正には矯正期間(実際に歯を動かす期間)のほかにも必要なステップがあります。

以下にワイヤー矯正に必要な期間の内訳を紹介しますので、参考にしてください。

【ワイヤー矯正に必要な期間の内訳】

  • カウンセリング

  • 精密検査

  • 診断

  • 準備期間

  • 矯正装置の装着・矯正開始

  • 定期的な通院

  • 矯正装置の取り外し

  • 保定期間開始

①カウンセリング

カウンセリングをする医師

ワイヤー矯正を含め、歯科矯正を行う際にはまずカウンセリングの時間が設けられます。歯科矯正のカウンセリングでは、ドクターに歯並びの悩みや治療に対する疑問や不安を相談したり、自分の希望を伝えたりできます。

カウンセリングの所要時間は30〜60分程度。矯正治療の内容や流れ、費用、おおよその期間なども相談して聞いてみましょう。特に費用の相談はしっかりしておくのがおすすめ。なぜなら矯正治療は基本的に保険外治療のため、費用が高額になるからです。

カウンセリングは初回無料というクリニックもあるので「話だけ聞きに行ってみようかな」など、気軽に相談してみてください。

②精密検査

マウスピース矯正 Oh my teeth 導入クリニックにおけるレントゲン撮影の様子

矯正をすると決めたら、次に精密検査を行います。初回カウンセリングと精密検査を一緒に行うクリニックもあります。

精密検査の所要時間は60分程度です。

  • 歯型採取

  • 噛み合わせの検査

  • CT検査

  • レントゲン撮影

  • 写真撮影

  • 虫歯や歯周病

などのチェックを行い、矯正可能かどうかを診断し今後の治療方針を決めます。

結果が出るのは約1〜2週間後になるでしょう。

③診断

カウンセリングと精密検査の結果をもとに立案された、治療計画の説明(費用・期間・抜歯の有無など)を受けます。

所要時間は30〜60分程度です。

治療の不安や疑問などはこの時点で解決しましょう。ドクターとしっかり相談し治療計画をすり合わせられると安心して通院でき、矯正後の理想に近づけるためです。

矯正治療の内容やかかる費用に納得できたら契約に進みます。

④準備期間

歯科医院での処置風景

矯正治療が開始しても、すぐに装置をつけて矯正を始められるとは限りません。

虫歯があったり歯周病になっていたりすると、まずはそちらの治療をしなければいけません。矯正中に虫歯や歯周病がわかると、矯正をストップしなければいけなくなるからです。

そのため虫歯や歯周病がある場合は、矯正前にその治療期間も必要です。虫歯や歯周病の治療にかかる期間は、治療内容によって異なります。

あくまでも目安ですが、以下を参考にしてください。

虫歯:1日〜1か月程度

虫歯の治療にかかる期間は、軽度の虫歯か、神経をとらなければいけないほどの重度の虫歯かによって異なります。インプラントの埋め込みが必要な場合は最短でも半年かかります。

歯周病:1か月〜1年程度

歯周病の治療も、進行度合いによって異なります。軽度の場合は1か月程度で済みますが、中度の場合は3か月程度かかるでしょう。さらに重度の場合は外科治療も必要になってくるため、6か月〜1年を要することも。

抜歯:1か月程度

矯正前に抜歯が必要と判断された場合は、抜歯を行う期間も必要です。抜歯する本数や1回で抜く本数にもよりますが、1か月程度の期間が必要でしょう。

数本抜歯が必要な場合、矯正期間だけを考えて一気に歯を抜いてしまうと、食事がしにくくなるなどの支障が出る可能性も。仕事や学業との兼ね合いもあるでしょうから、ドクターと相談してスケジュールを決めるようにしましょう。

上記のような虫歯・歯周病の治療や抜歯が不要の場合、最初のカウンセリングから装置がつくまでの期間は1か月程度です。

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⑤矯正装置の装着・矯正開始

ブラケットやバンド(歯に付けるリング状の薄い金属板)を2〜3回に分けて装着します。ほかの装置が必要な場合、作成するのに1か月程度期間を要する場合も。

装置を装着しワイヤーを通してから、実際に矯正がスタートします。それまでには約2か月の期間を要する場合もあるでしょう。

⑥定期的に通院

歯科医院での処置の様子

ワイヤー矯正の場合、矯正がスタートしクリニックへ通院するペースとしては、1か月に1回が目安です。

歯の動きに合わせて、ワイヤーを調整しなければならないためです。

歯並びの状態によっても異なりますが、矯正期間の目安は全体矯正の場合1〜3年、部分矯正の場合2か月〜1年程度です。この期間はドクターの指示に従って通院するようにしましょう。

1回の通院にかかる時間は30〜90分程度です。

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⑦装置の取り外し

矯正が完了したら、装置を取り外します。矯正装置の取り外しにかかる時間は、90〜120分程度。裏側矯正の場合は取り外しに時間がかかります。

また審美ブラケット(プラスチックやセラミックなど目立ちにくい素材のブラケット)の場合は撤去時に割れて歯に残ってしまうこともあり、時間がかかりやすい傾向があります。

装置が撤去できたら、矯正後の記録を残します。内容は矯正前の検査と同じで、写真やレントゲン撮影、歯型採取などを行います。

⑧保定期間開始

矯正装置が外れたら、保定装置(リテーナー)を装着し、歯並びを固定する期間がスタートします。

保定装置を装着しなければ、せっかく矯正し歯並びがキレイになっても後戻りしてしまう可能性が高いため、必ず装着してください。

保定期間は、矯正にかかった期間が必要です。一般的に2年程度となっていますが、保定装置は半年〜1年経過するとドクターの判断のもと就寝時のみ装着するという間隔になります。

また保定期間中の通院ペースとしては、3〜6か月に1回のペースで通院を続けるようにしましょう。

しかし保定期間終了後も、後戻りせず美しい歯並びを維持するために、就寝時はリテーナーをつけ続けるのが理想的です。

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ワイヤー矯正の期間に関する疑問

ワイヤー矯正の期間に関しての素朴な疑問にお答えします。

ワイヤー矯正に慣れるまでの期間はどれくらい?

ワイヤー矯正に慣れるまでに個人差はありますが、1週間程度かかるでしょう。最初は食事がしにくかったり、話しにくかったりするかもしれませんが徐々に慣れていきます。

装置をはめ続けていると、1か月程度経てば装置が口に馴染み、装着したままでも話すのに慣れてくるでしょう。

ワイヤー矯正で痛みを感じやすい期間は?

矯正装置を使って、歯に負荷をかけ続けるため矯正装置をつけてから3日目までは痛みを感じやすくなるでしょう。

それから徐々に慣れていき、1週間程度でおさまっていきます。

またワイヤー調整時も、歯を動かすための調整を行うため痛みを感じやすいでしょう。

この場合も、2〜3日経つとおさまっていきます。

しかし、痛みがひどい場合や続く場合には我慢せずクリニックに相談しましょう。

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すきっ歯や出っ歯など歯並びによってワイヤー矯正の期間は違う?

歯と歯の間の隙間が大きいすきっ歯や、歯が前に大きく出ている出っ歯など、歯並びの乱れにはさまざまな種類があります。

このような歯並びによってワイヤー矯正にかかる期間は異なるのかというと、一概に「すきっ歯のワイヤー矯正にかかる期間は○年」などと言うことは難しいです。

なぜなら「すきっ歯」や「出っ歯」と一口に言っても、程度は一人ひとり異なるからです。

自分の歯並びの乱れをワイヤー矯正でなおすにはどれくらいの期間かかるのかを知りたい場合は、まずは歯並びの状態をドクターに見てもらうことが大切です。

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子供は大人よりもワイヤー矯正の期間が短く済むの?

ワイヤー矯正装置と子ども

成長過程にある子供は骨がまだ柔らかく、あごの骨もできあがっていないため歯も動きやすいです。

そのため、あくまでも目安ですが、中学生までの子供の場合はあごの成長を生かした矯正を行うことが多いでしょう。永久歯が生え揃い、あごの成長も止まった中学生・高校生の場合は、大人と同様の矯正を行います。

また、子供は大人よりも新陳代謝が活発なため、大人よりも歯が動きやすい傾向があります。そもそもワイヤー矯正を含め歯科矯正で歯が動くのは、歯の周辺組織の代謝が関わっています。

歯に力がかかると、動く方向にある歯根膜という組織が圧迫されて縮み、骨を溶かす細胞ができてスペースを作り出します。反対側は歯根膜が引き伸ばされ、骨を作る細胞が出てきて移動後の隙間を埋めてくれます。

このような骨の吸収や生産には個人差がありますが、体の代謝速度が関わっています。そのため一般的に大人よりも新陳代謝が活発な子供の場合は、歯が動きやすい傾向にあるのです。

ただし矯正期間が長くなるか短くなるかは歯並びの状態にもよります。子供のうちから矯正を開始しても、大人になってから再矯正が必要になるケースもあるでしょう。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正どっちが短期間で矯正できる?

比較検討する女性

歯並びの状態や矯正範囲にもよるので一概には言えません。ただしワイヤー矯正とマウスピース矯正いずれも、気になる部分だけ矯正する部分矯正が適応された場合は、数か月で矯正完了できるケースがあります。

迷っている場合はどちらがいいのか、歯並びの状態を見てもらいクリニックで相談して決めることをおすすめします。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の比較ポイントは以下の記事でもまとめています。あわせて参考にしてみてください。

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ワイヤー矯正の期間は矯正範囲や種類によって異なる

ワイヤー矯正の期間は歯並びの状態や矯正する範囲、装置の種類や方法によって異なるため一概には言えません。

この記事で紹介した期間は、あくまでも目安です。

自分の歯並びがワイヤー矯正でどれくらいの期間かかるのか正確に知りたい場合は、検査を受ける必要があります。まずはワイヤー矯正を行っている近所のクリニックなどで、カウンセリングを受けてみましょう。

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