ジルコニアの歯で後悔しないために!メリット・デメリットや費用についても解説
本記事では、ジルコニア治療で後悔しないために、事前に知っておくべきメリット・デメリットや費用について解説します。ジルコニアを使った治療を受けるか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
「ジルコニアとセラミックはどっちがいいの?」
「銀歯からジルコニアの歯にするメリットは?」
ジルコニア治療に疑問や不安をお持ちではありませんか?
「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるジルコニアは、強度と審美性を兼ね備えた人工歯です。
ただ、ジルコニアにも種類があり、それぞれ費用も異なります。治療を受ける際には、事前にジルコニアについての予備知識をつけておくことが大切です。
そこで本記事では「ジルコニア治療で後悔したくない」という方に向けて、ジルコニアの特徴を解説します。
メリット・デメリット、治療にかかる費用についても紹介するので、ジルコニアでの治療を検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。
- ジルコニアの歯とは?後悔しないための基礎知識
- ジルコニアといっても種類はたくさんある
- ジルコニアの歯を使った治療の費用相場
- ジルコニアとセラミックの違い
- ジルコニアの歯【デメリット5つ】
- セラミック歯より審美性で劣る
- 壊れることがある
- 噛み合う歯がすり減る
- 調整や取り外しが難しい
- 費用がかかる
- ジルコニアの歯【メリット7つ】
- 強度が高い
- 虫歯になりにくい
- 変色しにくい
- 金属アレルギーでも安心して使える
- 生体親和性が高い
- 歯茎が黒くならない
- 仮止めができる
- 後悔しないために!ジルコニア治療で知っておくべき注意点
- 天然歯を削るのでよく考えて検討する
- 経験豊富な歯科医院を選ぶ
- 治療後の検診やセルフメンテナンスも重要
- ジルコニア治療で後悔しないために予備知識をつけておこう
ジルコニアはセラミックの一種であり、ジルコニアの歯を使った治療もセラミック治療の一つです。
ジルコニアの正式名称は「二酸化ジルコニウム」。ジルコニアは強度の高い素材で、「人工ダイヤモンド」とも呼ばれます。
もともとは宝飾品として用いられるのが一般的でしたが、近年歯科治療においては耐久性と審美性に優れた有効な補綴(ほてつ)材料として注目されています。(※補綴とは虫歯や欠損した歯を人工歯で補うこと)
ただジルコニアがどんなに優れた素材であっても、治療で後悔しないためにはジルコニアについてよく知ることが大切です。
そこでここでは、ジルコニアの歯について詳しく解説していきます。
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ジルコニアといっても種類はたくさんある
セラミック治療で使用されるジルコニアの歯には、下記のような種類があります。
フルジルコニア
ジルコニアセラミック
ジルコニアステイン
ジルコニアを使ってセラミック治療を受ける際には、それぞれの特徴を理解することが重要です。
ここでは、3種類のジルコニアクラウン(ジルコニアの被せもの)について解説します。
フルジルコニア
フルジルコニアは、ジルコニアだけで作られている歯科素材です。セラミック歯の中でも強度が高く、強い力がかかっても割れにくいことから奥歯の補綴に適しています。
しかし、フルジルコニアは単色なため、天然歯と比較すると自然さに欠けるなど審美性の面では劣ります。
天然歯と並ぶと違和感があり人工歯だと気づかれやすいため、前歯にはあまり用いられません。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、ジルコニアの表面を審美性の高いセラミックで覆った素材です。
ジルコニアの強さとセラミックの美しさを兼ね備えた、機能性の高いセラミック歯といえるでしょう。
天然歯と遜色のないきれいな見た目なので、前歯の補綴にも適しています。ただし、フルジルコニアと比較すると、強度が少し落ちるのがデメリットです。
ジルコニアステイン
ジルコニアステインは、天然歯の色に近づけるため表面に着色を施した素材です。
単色であるフルジルコニアに対して、色の濃淡がつくので天然歯のような自然な仕上がりになります。
強度と審美性を兼ね備えているため、奥歯と前歯の両方に用いられます。
ジルコニアの歯を使った治療の費用相場
セラミック治療は保険が適用されず自由診療になるため、ジルコニアの歯を使った治療費も高額になります。
ジルコニアの歯を使った治療の費用相場は下記の通りですので、目安として参考にしてください。
費用相場 | |
---|---|
ジルコニアインレー(詰めもの) | 5〜10万円/1箇所 |
ジルコニアクラウン(被せもの) | 10〜20万円/1歯 |
支台歯築造・支台歯形成 | 10,000〜15,000円/1歯 |
仮歯 | 1,000〜5,000円/1歯 |
ジルコニアの値段設定はクリニックによって異なるため、可能であれば複数のクリニックで見積もりを取るのがおすすめです。
また、ジルコニアの種類によっても値段が変わってきます。一般的に、フルジルコニア、ジルコニアステイン、ジルコニアセラミックの順で費用相場は高くなります。
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ジルコニアとセラミックの違い
ジルコニアはセラミックの一種に分類されますが、それぞれ以下のような違いがあります。
ジルコニア | セラミック | |
---|---|---|
素材 | ・二酸化ジルコニウム(鉱物) | ・アルミナ ・ニケイ酸リチウムガラス ・ポーセレン |
強度・耐久性 | ・セラミック歯よりも強度が高い | ・ジルコニアよりも強度や耐久性で劣る ・銀歯ほどの耐久性がない ・強度が高くないため奥歯の治療には向いていない |
審美性 | ・セラミックと比べると審美性で劣る ・前歯治療で用いると不自然さを感じることがある | ・透明感があり審美性が非常に高い ・天然歯と並んでも違和感が少なく前歯の設置に向いている |
強度や耐久性はジルコニアのほうが優れており、一方で審美性を追求する方にはセラミック歯がおすすめです。
それでも設置場所によっては向き不向きがありますので、ドクターとよく相談しながら自分に合った治療法を選択しましょう。
ジルコニアの歯には、次にあげる5つのデメリットがあります。治療してから後悔することのないように、事前にデメリットをしっかり理解しておきましょう。
セラミック歯よりも審美性で劣る
壊れることがある
噛み合う歯がすり減る
調整や取り外しが難しい
費用がかかる
セラミック歯より審美性で劣る
ジルコニアの歯は、セラミック歯よりも審美性で劣るといわれます。
セラミック歯よりも光の透過性が低く、天然歯のような自然な透け感や光沢を再現するのが難しいためです。
また、セラミック歯は人それぞれに合った色を選べますが、ジルコニアの歯は色の選択肢が多くありません。
特にフルジルコニアの場合は、単色で濃淡がないため、天然歯と並ぶと不自然さを感じることがあります。
壊れることがある
ジルコニアの強度がどんなに高いといっても、欠けたり割れたりしてしまうことはあります。
歯に強い圧力がかかる、噛み合わせが悪いなどがジルコニアの歯が破損する主な理由です。
特に歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、無意識のうちに歯に負荷をかけてしまうため注意が必要です。就寝時には、必ずマウスピース(ナイトガード)を着用しましょう。
もちろん、どんなに注意していても壊れてしまうことがあるため、多くのクリニックでは「セラミック歯の保証制度」を設けています。一般的な保証期間は3年ですが、なかには「10年まで」や「5年以降は◯割負担」といったところもあります。
セラミック治療を受ける際には、診察・治療の費用だけでなく、保証の手厚さも事前に確認しましょう。
噛み合う歯がすり減る
ジルコニアの一番のメリットは、強度が高い点です。しかし、硬度が高すぎるために、噛み合う歯がすり減ってしまうというデメリットがあります。
ジルコニアに噛み合う歯がすり減ると、歯の寿命が短くなったり、顎関節症の原因になったりすることもあります。
もし異常を感じたときには、クリニックで噛み合わせの調整をしてもらいましょう。
調整や取り外しが難しい
ジルコニアの歯を設置したあと、噛み合わせが合わず調整が必要になることがあります。ジルコニアの歯は硬く、通常の歯科用ドリルで削れないため調整するのは簡単ではありません。
また、土台の歯が虫歯になった場合には、ジルコニアの歯を外して治療する必要があります。
しかし、ジルコニアは取り外す際に割れてしまったり、隣接する歯にダメージを与えてしまう危険性もあります。
不安であれば、ジルコニアの歯を装着したあとのことについても事前にクリニックに確認しておくといいでしょう。
費用がかかる
セラミック治療は保険適用外になるため、ジルコニアの歯を使った治療費用も高額になります。
ジルコニアを使った治療が特に高額になる理由は、以下の4つがあげられます。
材料費:銀歯やプラスチックなどと比べると高価な素材を使用している
製作費:精密な機械で作るため製作費がかかる
技術料:セラミック治療には高度な技術が必要なため技術料が高くなる
メンテナンス料:定期的なメンテナンスが必要なため費用がかかる
「こんなに費用がかかるとは思っていなかった…」と後悔しないためにも、複数のクリニックで見積もりを取ったり、治療計画を比較検討したりすることが重要です。
また、破損した場合や寿命ごとに新しく作る費用も軽視できません。
もし治療費用をすぐに準備できないときは、デンタルローンの利用も検討してみましょう。
デンタルローンとは高額になる歯科治療に特化したローンで、利息が5%程度と低く抑えられます。(※デンタルローンには審査があります)
ただし、クリニックによってはデンタルローンを適用できない場合もありますので、利用予定のある方は事前に確認しておきましょう。
歯科矯正はデンタルローンを使える?仕組みや月々の支払い額を解説
なお、マウスピース矯正Oh my teethは、デンタルローンでのお支払いも可能です。
セラミックやジルコニア治療との費用比較も兼ねて、ぜひ無料相談へお越しください。
(※セラミック治療は行なっておりません)
ここからは、次にあげるジルコニア歯のメリット7つについて解説していきます。
強度が高い
虫歯になりにくい
変色しにくい
金属アレルギーでも安心して使える
生体親和性が高い
歯茎が黒くならない
仮止めができる
強度が高い
ジルコニアはセラミックや銀歯と比べて、強度が高いことが最大のメリットといえるでしょう。
ジルコニアはスペースシャトルの断熱保護剤や人工関節にも使用されており、耐久性はお墨付きです。
強度が高く耐久性があるため、強い力が加わる奥歯にも使用できます。
虫歯になりにくい
ジルコニアはほかの素材と比べて表面が滑らかに加工されているため、虫歯になりにくいといわれます。
表面がツルツルしているため、食べかすなどの汚れが付着しにくく、虫歯の原因となる酸の生成を抑えられます。
また、ジルコニアの歯は口腔内スキャンを用いた高精度なデータに基づいて作られるため、歯茎との隙間が少ないのもメリットです。
隙間に汚れが溜まるリスクを軽減できるため、それだけ土台の歯が虫歯になりにくくなります。
とはいえ、必ずしも虫歯にならないわけではありません。虫歯予防のために、毎日の歯磨きやクリニックでの検診、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
変色しにくい
ジルコニアは変色しにくいことも、メリットとしてあげられます。
変色しにくい理由は、ジルコニアの素材である二酸化ジルコニウムが、色素沈着や経年劣化による変色を起こしにくい性質を持っているからです。
また先にも述べたように、表面が滑らかで汚れが付着しにくいため、食べ物や飲み物による着色も少なくなります。
ただ、喫煙をしたり、コーヒーやワインといった色素の濃い飲食物を摂取したりすると変色することがあるので注意が必要です。
もし変色してしまった場合にはクリーニングをすることはできるので、クリニックに相談してみましょう。
金属アレルギーでも安心して使える
ジルコニアやセラミックは金属を含まない素材なので、金属アレルギーがある方でも安心して使えます。(※メタルボンドは金属を使用しているため注意が必要です)
従来の金属が含まれた補綴材料では金属イオンが溶け出してしまい、アレルギー症状を引き起こすことがありました。その点、ジルコニアであればそのような心配はありません。
生体親和性が高い
ジルコニアは生体親和性が高い素材であるため、拒絶反応や炎症などを起こしにくいのも特徴です。
金属製の補綴物は、唾液によって腐食してしまうことがあります。腐食によって溶け出た金属イオンが体内に蓄積され、健康被害を引き起こしてしまう可能性もゼロではありません。
他方、ジルコニアをはじめとしたセラミック歯は、銀歯のように経年劣化による変質や腐食が起こりにくいため、身体に優しい治療法といえます。
歯茎が黒くならない
ジルコニアの歯はメタルフリーであるため、歯茎を黒く変色させる「メタルタトゥー」の心配がありません。
メタルタトゥーは、金属製の補綴材料から溶け出した金属イオンなどが、歯茎に沈着することで起こります。
ジルコニアの歯はメタルタトゥーの心配がないことから、審美性の観点でも優れた素材だといえるでしょう。
仮止めができる
ジルコニアは調整や研磨はしづらいものの、仮止め治療は可能です。仮止めとは、被せ物を仮に設置して様子を見る処置のこと。仮止めで噛み合わせなどに問題がなければ、本止めをして詰めものを固定します。
セラミック歯では強度の問題から仮止めができません。しかし、ジルコニアは強度があり仮止めが可能なため、実際に設置する前に噛み合わせなどを確認できます。
ジルコニア治療で知っておくべき注意点は、次の3つです。自分の求める治療結果を得るためにも、治療が始まる前に注意点を把握しておきましょう。
天然歯を削るのでよく考えて検討する
経験豊富な歯科医院を選ぶ
治療後の検診やセルフメンテナンスも重要
天然歯を削るのでよく考えて検討する
ジルコニアの歯は、ほかのセラミック歯と同様に被せものの土台となる歯を厚めに削る処置を施します。
特にセラミック矯正をする場合には、複数の歯を削らないといけないケースもあります。
歯は削れば削るほど寿命が短くなることから、治療法を選ぶ際には慎重に検討しましょう。
また、歯を削る際に痛みが生じると、痛みをやわらげるために神経を抜かなければなりません。
神経を抜いた歯は栄養供給が行われなくなるため、歯が弱ってしまい破損しやすくなってしまいます。
被せものの下で虫歯ができても痛みを感じず、気づかずうちに進行してしまう弊害も考えられます。
ひとたび歯を削ってしまえば、当然後戻りはできません。あとで違う治療法に変えたいと思っても、歯を小さく削りすぎていて希望する治療を受けられないこともあります。
ジルコニア治療では、天然歯を大きく削る必要性があることを理解しておきましょう。
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経験豊富な歯科医院を選ぶ
ジルコニア治療には高度な技術が必要になるため、歯科医院選びも重要なポイントです。
経験豊富な歯科医院であれば、治療で起こりうるトラブルを最小限に抑え、的確な処置を受けられるでしょう。
また、補綴専門医や噛み合わせの専門医がいる歯科医院を選ぶことも、ジルコニア治療で後悔しないための方法の一つです。
なお、補綴専門医とは下記に当てはまる歯科医師を指しています。
補綴専門医は歯科補綴学の専門的知識および臨床技能・経験を有する優れた歯科医師(5年毎の更新)
引用元:公益社団法人 日本補綴歯科学会「日本補綴歯科学会の専門制度」
噛み合わせの専門医に関しては、 特定非営利活動法人 日本咬合学会のホームページで専門医一覧が紹介されていますので、こちらも参考にしてください。
治療後の検診やセルフメンテナンスも重要
ジルコニアの歯を長持ちさせるには、定期的な検診やセルフメンテナンスも重要です。
検診では、主に以下の点についてチェックが行われます。
セラミック歯の破損
セラミック歯の変色
歯茎との隙間
噛み合わせ
二次虫歯歯周病 など
もし何かトラブルが起きた際には、ジルコニアの歯を外して治療しなければなりません。そうなると、ジルコニアを作り直す費用がかかり経済的な負担が増えてしまいます。
思わぬ出費を避けるためにも、日々のセルフメンテナンスで虫歯や歯周病などを防ぐことが重要です。
歯磨きと合わせて、フロスや口腔洗浄液(マウスウォッシュ)なども上手く活用するといいでしょう。
セラミック歯の一種であるジルコニアは、強度が高く審美性にも優れた治療法です。しかしメリットばかりではなく、ジルコニアならではのデメリットもあります。
「こんなはずじゃなかった」「そんなこと聞いていない」と後悔しないためにも、治療を行う前にジルコニアについて知識を深めておくことが大切です。
その上で、医師に相談しながら自分に合った治療法を検討しましょう。
もしセラミック矯正を検討されているのであれば、目立たず治療期間が短いマウスピース矯正でも歯並びを整えられることがあります。
まず歯科クリニックで、どのような矯正方法が適用されるのか診断を受けてみましょう。
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