抜歯矯正は口元が引っ込みすぎる?原因や予防方法を紹介
「抜歯矯正は口元が引っ込みすぎる」と聞いて不安になっていませんか?歯並びが整っても口元が下がってしまうと、後悔につながることがあります。そこで本記事では、抜歯矯正で口元が引っ込む原因や下がりやすい歯並び、元に戻したいときの対処法を紹介します。
「抜歯矯正は口元が引っ込みすぎる」
インターネットやSNS上でこのような声を聞いて不安になっていませんか?
矯正治療では歯を並べるスペースが足りない場合、歯を抜いてスペースを確保することがあります。しかし、抜歯矯正は歯の移動距離が大きくなるため、口元が引っ込みすぎてしまうことも。きれいになるために歯科矯正をするのに、自分の理想から離れた口元になるのは避けたいですよね。
そこで本記事では、以下の内容を紹介します。
抜歯矯正で口元が引っ込み過ぎる原因・対処法・予防方法
矯正で口元が下がりやすい歯並び
口元の引っ込みすぎで起こる顔の変化
抜歯矯正についてよくある質問も紹介しているので、抜歯矯正が不安な方やこれから矯正治療をはじめる方は必見です。
- 抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる3大原因
- ❶歯の移動距離が大きいから
- ❷Eラインを気にしすぎたから
- ❸治療計画が合っていなかったから
- 後悔しないために。歯科矯正は最初のカウンセリングが肝心
- 抜歯矯正で口元が引っ込みすぎるのを防ぐ唯一の方法
- 理想の歯並びをドクターとしっかりすり合わせる
- 見た目だけでなく機能も整えられた状態を目指す
- 相談しやすい歯科医院を選ぶ
- 精密検査を適切に行う歯科医院を選ぶ
- セカンドオピニオンを活用する
- 矯正で口元が下がりやすい歯並び
- 出っ歯
- 軽度の不正歯列
- 上下顎前突(口コボ)
- 下あごの骨が小さい方
- 口元の引っ込みすぎで起こる変化
- あごがしゃくれたように見える
- 口元が貧相に見える
- 上下の歯が噛み合わなくなる
- 人中(鼻の下)が伸びたように見える
- 面長に見える
- 抜歯矯正で引っ込みすぎた口元を戻すのは難しい
- 抜歯矯正でよくある質問
- 口元はどれくらい下がりますか?
- 抜歯の隙間はいつ埋まりますか?
- 非抜歯矯正は何ミリ下がりますか?
- 抜歯矯正による口元の変化が不安なあなたへ
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抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因は、歯の移動距離が大きい、Eラインを気にしすぎたから、治療計画が合っていなかったからなどが挙げられます。
❶歯の移動距離が大きいから
抜歯矯正は非抜歯矯正よりも歯が動くスペースが確保しやすく、移動距離は大きくなります。そのため、前歯が大きく後ろに下がってしまうと、結果的に口元が引っ込みすぎてしまうのです。
しかし抜歯矯正で口元がどれくらい引っ込むかは個人差があります。また、そもそも歯並びの状態を見たドクターが「抜歯が必要」と診断したケースは、「抜歯をして歯が動くスペースを確保した方がよい状態」ということです。
本来は抜歯して矯正を行うべきなのに、無理に非抜歯矯正を行うと、見た目や噛み合わせが崩れる原因になります。
たとえば、抜歯してスペースを作らずに歯を並べようとした結果、前歯が全体的に前に出てしまうことも。その結果、人中(鼻の下)が伸び、正面から見て口元が下がった印象になったり、横から見たときに口元が前に出てしまったりすることも可能性としては考えられます。
❷Eラインを気にしすぎたから
口元が下がりすぎる原因にはさまざまなものがありますが、中には「Eラインの気にしすぎ」が原因になっていることも。「Eライン」とは鼻先とあご先を結ぶラインのことで、横顔の美しさを図る指標として用いられることが多いです。
口先がEラインより内側、あるいはライン上にあると、いわゆる美しい横顔とされています。しかしEラインは、鼻やあごの高さも関わってきます。つまり鼻やあごに高さがなければ、たとえ歯科矯正によって口先が多少前後したとしても、理想的なEラインにならないこともあるのです。
そもそもEラインはアメリカの歯科矯正ドクターが提唱したもの。鼻やあごに高さのある欧米人に合わせた指標とも考えられます。日本人は骨格的に欧米人よりも鼻やあごに高さがない傾向があるため、歯科矯正のみでEラインを整えることは難しいケースもあります。
「自分は口元が突出しているのではないか」「美しいEラインになるためにはもっと口元が後ろに下がらなければ」と神経質になるあまり、歯科矯正によって不適切に口元を引っ込めてしまうケースもあるのです。
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❸治療計画が合っていなかったから
あなたが理想とする口元と治療計画が合っていないと、思うような治療結果が得られないことがあります。たとえば、本来は抜歯が不要な軽度の歯並びの乱れにも関わらず、抜歯をして歯の移動スペースができてしまうと、結果的に口元が下がりすぎてしまうことがあります。
また、大人の歯科矯正治療においては、年齢の考慮も重要です。年齢を重ねると口まわりの筋力が衰え、矯正治療による口元の変化が現れやすいからです。
たとえばもともと口まわりの筋力が衰え、皮膚にハリがなくなっていた場合、抜歯矯正によって口元が下がると、ほうれい線やたるみとなって目立ちやすくなることがあります。
後悔しないために。歯科矯正は最初のカウンセリングが肝心
以上の3大原因のように、歯科矯正は、矯正をはじめる前に理想の歯並び・口元をイメージし、そこに向けた適切な矯正計画を立てることが重要です。そのためにはまず、歯科医院でカウンセリング・診断・矯正シミュレーションを実施してください 。 一般的には3〜5万円の費用がかかりますが、無料で実施するクリニックもあります。
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不適切な抜歯矯正や非抜歯矯正で口元が引っ込みすぎるのを防ぐには、信頼できるクリニックを見つけることが重要です。相談しやすく、見た目だけでなく、噛み合わせといった機能面も考慮してくれるドクターのもとで治療を受けましょう。
理想の歯並びをドクターとしっかりすり合わせる
横顔の美しさばかりにとらわれていると、不適切な矯正につながり口元が下がりすぎるリスクも考えられます。そもそも歯科矯正は、横顔のバランスだけでなく、正面から見た顔のバランス、噛み合わせのバランスなども考慮した上で行われるべきです。
あなたが歯科矯正によってどんな歯並びになりたいのかをドクターとしっかりすり合わせ、その上で必要な検査や検査結果に基づいた矯正方法を提示してもらえるクリニックを選べるとよいでしょう。
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見た目だけでなく機能も整えられた状態を目指す
本来、歯科矯正が目指すべきゴールは、見た目も、機能も整えられた状態です。そのため、噛み合わせも考慮した上で「歯を並べるためには抜歯が必要」と判断された場合は、抜歯した方がいいのです。
なので「抜歯すると口元が下がりすぎるから非抜歯矯正をしてもらえるクリニックを探そう」とするのではなく、抜歯と非抜歯、いずれの選択肢も踏まえてクリニック選びを行えるとよいでしょう。
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相談しやすい歯科医院を選ぶ
歯科矯正治療による口元の下がりすぎを防ぐには「ゴールをドクターとしっかりすり合わせる」ことが重要とお話ししました。治療ゴールをドクターとしっかりすり合わせるためには、コミュニケーションをとりやすいドクターでなければなりません。
そのため矯正治療を受ける歯科医院を選ぶ際には、
歯並びの悩みを相談しやすいか
悩みにしっかり寄り添ってもらえるか
などをポイントに、コミュニケーションの取りやすさをはかってみましょう。
矯正治療は契約前だけでなく、契約後、矯正治療を開始した後も不安な点は出てきます。痛みが発生したとき、噛み合わせに違和感が出たときなどです。
そのような場合も、コミュニケーションをとりやすい歯科医院を選んでいれば、不安を解消しながら矯正生活を完走できるでしょう。
精密検査を適切に行う歯科医院を選ぶ
治療前の精密検査と説明が十分に行われないまま治療を開始すると、矯正中にトラブルが起きやすくなります。そのため、適切な精密検査を行い、十分に説明してくれる歯科医院を選びましょう。
セカンドオピニオンを活用する
カウンセリングや精密検査を行っても納得できなかったり不安が残る場合は、セカンドオピニオンを活用するのも良いでしょう。同じ資格を持ったドクターでも、治療方針や考え方は一人ひとり異なります。すでに矯正治療を始めている場合は、再度検査費用や治療費がかかりますが、治療開始前であれば費用の負担も数万円程度で済みます。
歯科矯正で口元が引っ込みすぎるのは、リスクとしてはあり得る話です。特に以下のような歯並びの矯正治療において、口元が下がりすぎる可能性があります。
出っ歯
軽度の不正咬合
上下顎前突(口コボ)
下あごが小さい方
出っ歯
出っ歯によって口元が突出していた場合(口ゴボ)、歯科矯正で出っ歯が改善するとともに、口元の突出もなくなります。しかし歯が後ろに下がりすぎたことで、口元も後ろに下がりすぎるケースがあります。
「出っ歯の矯正で口元が下がりすぎた」という声は、抜歯をともなう歯科矯正で多く見られます。出っ歯の場合「抜歯をしないと歯が動くスペースが確保できない」と判断されると、第一小臼歯(前から数えて4番目の歯)の抜歯が選択されるケースが多いです。
適切な歯科矯正が行われた場合、第一小臼歯の抜歯でできたスペースに歯が移動し、口元の突出がなくなり横顔も美しく整えられます。しかし予想以上に歯が後ろに下がりすぎると、同様に口元も下がりすぎてしまうことがあります。
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軽度の不正歯列
軽度の不正歯列(歯並びや噛み合わせがよくない状態)は、抜歯をしなくても矯正治療が可能な場合があります。そのようなケースでは、抜歯すると口元が下がりすぎてしまうことがあります。抜歯の代わりに歯の表面を少し削る処置(IPRやディスキングと呼ばれる)を行うことで歯の移動スペースを確保し、矯正治療を行うのが一般的です。
ただし自分の歯並びの治療には抜歯が必要なのか、抜歯が必要なのかを自己判断することはできません。抜歯矯正が必要かどうかは、歯科医師が検査を行った上で診断します。
もし、歯科医師の診断で「抜歯が必要」と言われて不安が残っているのであれば、抜歯した場合と抜歯しなかった場合、両方のパターンを聞いてみるとよいでしょう。その上で「抜歯した方が自分が理想とする歯並びに近づける」と納得して治療に進めるのが理想的です。
上下顎前突(口コボ)
上下顎前突とは、上下の歯が前方に突出した状態のことです。上下の唇がEラインよりも前に出て、口元がモッコリしているように見えることから「口コボ」や「ゴボ口」とも呼ばれています。
上下顎前突の矯正治療では、上下の第一小臼歯を4本抜歯し、前歯を後ろに下げる治療を行うのが一般的です。ただし、歯の移動量が大きくなるため、口元も後ろに下がりすぎるケースがあります。
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下あごの骨が小さい方
下あごの骨が小さく後退しているアデノイド顔貌の方は、口元が突出しているように見えることがあります。この場合、下あごを前に出したり、上あごの歯並びを後ろに下げていく方法で歯並びを整えるのが一般的です。
また重度の場合は、歯科矯正と外科手術を併用することもあります。ただし、外科手術を併用せずに矯正治療だけで治そうとすると、下あごに合わせて抜歯矯正を行うケースもあるため、口元が下がって見えてしまうことがあります。
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歯科矯正で口元が引っ込みすぎると、あごがしゃくれたり口元が貧相に見えたりと顔貌の大きな変化をもたらすことがあります。また、上下の噛み合わせが悪くなって顎関節症を引き起こしてしまうことも。歯科矯正は見た目だけでなく、噛み合わせも考慮した治療が重要です。
【口元の引っ込みすぎで起こる変化】
あごがしゃくれたように見える
口元が貧相に見える
上下の歯が噛み合わなくなる
人中(鼻の下)が伸びたように見える
面長に見える
あごがしゃくれたように見える
不適切な歯科矯正によって上下のあごのバランスが崩れてしまうと、上あごよりも下あごが前に出てしまい、しゃくれたように見えることがあります。
特に抜歯をともなう歯科矯正を行った場合、抜歯した歯の本数分、残った歯が動くスペースが確保できます。適切な歯科矯正によって前に出ていた歯が後ろに下がればいいのですが、下がりすぎてしまうと下あごの位置は変わらないのに上の歯列が引っ込みすぎてしゃくれたように見えてしまうのです。
口元が貧相に見える
歯並びの乱れの原因があごの小ささにある場合、歯が並ぶスペースを確保するために抜歯が必要になることも多いです。
適切な治療計画を立てた上で抜歯する分には問題ありません。しかし本来抜歯すべきでない箇所まで抜歯してしまうと、抜歯した分口元が下がるとともに、全体的に口元が萎んで貧相に見えることがあります。
上下の歯が噛み合わなくなる
歯科矯正で口元が下がりすぎることによって起こるのは、見た目のデメリットだけではありません。
たとえば不適切な矯正によって口元が下がりすぎて、上下の歯がうまく噛み合わなくなるケースも。この場合、一部の歯に過度な負担がかかり歯の寿命が縮まったり、顎関節症を発症したりするリスクさえあります。
人中(鼻の下)が伸びたように見える
歯科矯正後、正面から見て口元が下がったような印象になることもあります。その原因の1つとして考えられるのが、歯科矯正によって人中(鼻の下)が伸びてしまうこと。
これは非抜歯矯正を行った際に起こり得ることです。抜歯すべきなのに抜歯をしないで矯正を行った結果、口元が全体的に前に突出し、鼻の下が伸びたような状態になってしまうことがあります。
面長に見える
歯科矯正をした面長になり、結果的に口元が下がったような印象になることも。これは噛み合わせの乱れによってエラが張り、顔が横に広がっていたケースで起こり得ます。
この場合、口元が直接下がったとは言いにくいでしょう。しかし全体的な顔のバランスとして、口元が下がったような印象に見えることがあります。
このほか、矯正中に矯正装置が気になって咀嚼が十分にできず、表情筋が衰えることで「口元が下がった」「面長になった」といった印象になることも。この場合、表情筋のトレーニングによって面長が治るケースもあります。
表情筋トレーニングについて以下の記事で紹介していますので、あわせて参考にしてください。
歯科矯正で頬がこけるって本当!?原因や改善する方法を紹介
歯科矯正で面長は治る?改善する歯並びと難しいケースを解説
結論としては、歯科矯正で引っ込みすぎた口元を前に出すことは不可能ではありません。再び矯正治療を行うことで改善される可能性があります。
しかし、抜歯矯正により口元が引っ込みすぎた歯並びは、すでに歯が大きく動いているため戻すのは困難です。なぜなら、抜歯をして歯列全体を引っ込めているため、元に戻すためにそれをそのまま前に押し出したり無理に歯列を広げたりすると、今度は歯と歯の間に隙間が生じるリスクがあります。いわゆるすきっ歯の状態となり、見た目を損なう可能性が。そもそも抜歯をするかしないかは、ドクターが顔のバランスや噛み合わせなど、さまざまな視点から考慮し、判断しています。
歯科矯正を行う際はドクターと十分に話し合い、コミュニケーションを取ることが重要です。あなたが理想とする口元をドクターに伝え、治療のゴールをすり合わせたうえで、治療の選択肢を提示してもらう必要があります。それでも解決しない場合は、セカンドオピニオンで他のドクターの意見を聞くのも良いでしょう。
ここでは抜歯矯正でよくある質問について紹介します。
口元はどれくらい下がりますか?
第一小臼歯の幅は約6~7.5mm程度で、抜いた本数分下げることが可能です。ただし、歯並びの状態によって下がる量は異なるため、必ずしも約6~7.5mm下がるわけではありません。
歯科矯正で横顔はきれいになる?症例別の変化と変わらない人の特徴を解説
抜歯の隙間はいつ埋まりますか?
第一小臼歯を抜いた場合、スペースの大きさによって個人差がありますが、隙間が埋まるまで1年~1年半程度かかります。なぜなら、歯を抜いた箇所の骨が回復するまで1年程度かかるからです。
矯正で抜歯をして隙間が埋まるまでの期間は?目立たなくする方法も解説
非抜歯矯正は何ミリ下がりますか?
非抜歯矯正では、抜歯の代わりにIPRやディスキングと呼ばれる研磨処置で歯の表面を0.25mm程度削ります。歯1本あたり0.5mm程度のスペースが確保でき、最大2mm程度前歯を下げることが可能です。
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