ホワイトニングは歯がもろくなるからしない方がいい?安全に受ける方法を紹介
「ホワイトニングをすると歯がもろくなる」と言われるのは、薬剤による一時的な知覚過敏(歯がしみるといった症状)や間違ったやり方が原因です。ドクターの指示のもと適切に施術・処方されている場合は安全ですので、怖がる必要はありません。
しかし、そもそもホワイトニングをしない方がいいケースがあったり、インターネット上で危険なセルフホワイトニング方法が紹介されていたりすることがあります。
本記事を読んで、安心して受けられるホワイトニングと、リスクのあるホワイトニングを見極められるようになりましょう。
目次
- ホワイトニングすると歯がもろくなるって本当?
- 「ホワイトニングは歯に悪い」と言われる4つの理由
- 歯にしみることがあるから
- 歯茎に刺激が加わることがあるから
- 色戻りするから
- 使われている薬剤に負のイメージがあるから
- ホワイトニングをしない方がいい人
- 無カタラーゼ症の人
- 光線過敏症(日光アレルギー)の人
- 知覚過敏などがある人はドクターに要相談
- 安全にホワイトニングを受けるには?
- カウンセリングで気になることを質問する
- ホワイトニング後の注意事項を確認する
- 効果を持続するためのメンテナンスについて確認する
- 市販のホワイトニンググッズの方が安全?
- “自己流”ホワイトニングが歯に与えるリスク
- インターネットの情報をもとにした方法
- 海外の薬剤を個人輸入して行う方法
- 適切に施術・処方されたホワイトニングは安全
ホワイトニングでは、薬剤を使って歯を白くします。人によっては薬剤の刺激で痛みが発生し、その経験が「ホワイトニングは歯を弱くするのかも」と思うきっかけになることがあります。
しかしホワイトニングの薬剤は、ドクターの指示のもと適切な濃度で施術・ 処方されている場合、問題はありません。現在ホームホワイトニング中の人も、歯科医師から説明を受けた内容で行っているなら問題ありませんので、安心して継続いただければと思います。
ただし海外から個人輸入した薬剤などを使用したり、インターネットの情報をもとに自己流のホワイトニングを行ったりしている場合、方法を誤っていることで歯にダメージを与えかねません。詳しくはこちらでも解説していますので参考にしてください。
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ホワイトニングの仕組みを知って本当に満足できる方法を選ぼう
「ホワイトニングが歯に悪い」というイメージは、「歯にしみて痛い」「歯茎が痛くなる」といった経験談や、薬剤に含まれる成分のリスクから生じていると考えられます。
歯にしみることがあるから
ホワイトニングの薬剤により、一時的に知覚過敏の症状が出ることがあります。知覚過敏の症状が出る原因は、以下のケースが考えられます。
ペリクルが剥がれる
歯に傷や割れがある
虫歯がある
ペリクルが剥がれる
ペリクルとは、歯の表面を保護している唾液由来のたんぱく質です。薬剤の刺激により、ペリクルが剥がれることで、一時的に知覚過敏の症状が出やすくなります。
ペリクルは12時間から48時間かけ、再び歯の表面を覆います。その間の飲食では歯への刺激を避けるため、冷たいものや熱いもの、酸性の食品は控えるようにしましょう。
歯に傷や割れがある
歯に傷や割れ(クラック)がある場合、ホワイトニングの薬剤の刺激により、知覚過敏の症状が出やすくなります。日ごろから、歯を強く噛み締める習慣があったり歯ぎしりをしたりする方は注意が必要です。
虫歯がある
虫歯がある場合、進行状況によっては治療を終えてからホワイトニングを行います。しかし、まだ痛みが出ない初期の虫歯は、場所によっては気付かないことも。虫歯を放置したままホワイトニングをすると、虫歯が進行して詰め物が外れたり、痛みが出たりします。
日ごろから、知覚過敏の症状がある方、歯ぎしりや噛み合わせが強い方は、術前のカウンセリングで相談しましょう。
歯茎に刺激が加わることがあるから
歯茎にホワイトニングの薬剤が付着すると、刺激が加わり痛みを感じることがあります。クリニックで行うホワイトニングの場合は、歯茎を保護してから薬剤を塗布するため、歯茎への刺激は避けやすいでしょう。
一方自分でマウスピースに薬剤を注入して行うホームホワイトニングの場合、薬剤の使用量を誤ると歯茎に漏れ出てしまう原因に。その結果歯茎が痛んだり、荒れたりする可能性があります。薬剤の使用量は適量を心がけ、取扱いには十分注意しましょう。
色戻りするから
ホワイトニングの効果は永久的なものではありません。生活習慣やホワイトニングの種類によって色戻りする期間が異なります。
場合によっては、ホワイトニング後そこまで期間が経っていないのに色戻りすることで「余計に歯が黄ばんだ=歯に悪い」というイメージを持たれることもあります。
特にクリニックで行うオフィスホワイトニングは、歯を白くする即効性がある一方、ホームホワイトニングよりも色が戻りやすい特徴があります。
また、ホワイトニングを受けた直後の歯は着色しやすい状態なので、食事内容に注意しなければなりません。
以下の記事では、「歯にしみた」「すぐ色戻りした」といったホワイトニングでよくある後悔の声をまとめています。あわせて参考にしてください。
ホワイトニングでよくある後悔とは?原因や注意点を解説
使われている薬剤に負のイメージがあるから
ホワイトニングは、薬剤を使用して歯を白くするため、少なくともリスクが伴います。ホワイトニングに使われる薬剤には、以下の成分が含まれています。
過酸化水素
過酸化尿素
酸化チタン
チッ素
上記のようなホワイトニングの薬剤は、ドクターの指示のもと適切な濃度で施術・処方されている場合、問題はありません。
ホワイトニングジェルに含まれる成分のリスクについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
ホワイトニングに危険性はある?リスクや副作用・避けるべき人を解説
ホワイトニングをすることが危険な人もいます。たとえば以下のような人です。
無カタラーゼ症
光線過敏症
無カタラーゼ症の人
カタラーゼとは過酸化水素を分解する働きを持つ酵素。過酸化水素は歯医者で受けるホワイトニング(オフィスホワイトニング)の薬剤に含まれることが多い成分です。
無カタラーゼ症はカタラーゼが不足する病気なので、オフィスホワイトニングを受けると体内に過酸化水素が残ってしまい、進行性口腔壊死などを引き起こすリスクがあります。
光線過敏症(日光アレルギー)の人
オフィスホワイトニングなどでは歯に薬剤を塗布したのち光を照射することがあります。光線過敏症の人はその際にやけどのような症状が出るリスクがあるため、避けるべきです。
知覚過敏などがある人はドクターに要相談
以下のような人は、事前にドクターにその旨を相談しましょう。
知覚過敏がある人
虫歯がある人
歯周病の人
歯にヒビ(クラック)が入っている人
15歳未満の人
妊娠中・授乳中の人
上記に当てはまる人は、ホワイトニング前の治療が必要だったり、しみる可能性が高くなったりします。
歯周病や虫歯がある場合、その治療が優先されるかどうかはドクターの診断次第。ごく初期段階の場合 はホワイトニングができると診断されることもあります。
ホワイトニングは虫歯があってもできる?治療後に施術する際の注意点も解説
このほか、15歳未満、妊娠中、授乳中の人はホワイトニングを避けましょう。15歳未満は歯が未成熟なため、妊娠中、授乳中の場合は過酸化水素や過酸化尿素といった成分が胎児や乳児に影響を与える可能性があるためです。
ただし薬剤に含まれる成分によってはホワイトニングが可能なこともあります。いずれにせよ、必ず事前に年齢や妊娠の可能性、授乳中であるかを伝えることが大切です。
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ホワイトニングが妊娠中にできない理由は?歯磨き粉やシートもダメ?
ホワイトニングを行う前に不安がある場合は、事前に行われるカウンセリングで相談してみましょう。事前に注意事項がわかっていれば、対処もしやすくなります。
カウンセリングで気になることを質問する
ホワイトニング前のカウンセリングでは、あらかじめ質問する項目を決めておくのがおすすめです。
どれくらいの白さを目指せるのか
歯にしみることはあるのか
効果はどれくらい持続するのか
ホワイトニングの種類や値段
ホワイトニング前に気になることを質問することで「思ってたものと違った」など、後悔やトラブルを防ぐことができます。また、ホワイトニングの特性を知ることで“歯に悪い”という不安が解消されるでしょう。
以下の記事でもホワイトニングの仕組みや、種類別の費用相場を紹介しています。あわせて参考にしてくださいね。
ホワイトニング種類別に期間・費用・効果を徹底解説!比較表も紹介
ホワイトニング後の注意事項を確認する
ホワイトニング後は、飲食やメンテナンスについて注意事項があります。事前にこれらの注意事項を把握しておけば、「すぐに色戻りしてしまった」と言う後悔を避けられるでしょう。
ホワイトニング直後に避けた方がいいもの
【酸性の食品】
炭酸飲料
スポーツドリンク
柑橘系の食品
酢
アルコール類
ヨーグルトなど
ホワイトニング直後はペリクルが剥がれて過敏な状態なため、刺激物には十分注意しましょう。