信頼できる矯正歯科の選び方のポイント8つ【歯科医師監修】
安心して通える矯正歯科の選び方には、いくつかポイントがあります。それはコミュニケーションが取りやすいか、メリット・デメリット双方を説明してもらえるか、などです。本記事を読めばポイントを抑えた矯正歯科医院選びができ、満足のいく歯科矯正につながります。

「信頼できる矯正歯科の選び方がわからない」
「いい歯医者の見分け方って?」
こう悩んでいませんか?
歯医者はコンビニよりも多く、その中から矯正治療を受けるクリニックを選ぶのは一苦労ですよね。そこで本記事では「どんな基準で矯正歯科医院を選べばいいのかわからない」と悩む方に向けて、安心して通える矯正歯科の選び方を8つ紹介します。
【安心して通える矯正歯科の選び方のポイント】
コミュニケーションが取りやすいか
メリット・デメリット双方を教えてもらえるか
複数の選択肢を提示してもらえるか
継続的に通いやすいか
トラブルに対応してもらいやすいか
どんな料金体系になっているか
大人・子供関係なく親切に対応してくれるか
複数のクリニックに矯正相談に行ってみる
上記のポイントの詳細に関しては本文で解説していきます。満足のいく歯科矯正治療を受けたい方はぜひ参考にしてくださいね。
- 矯正歯科の選び方8つのポイント
- ①コミュニケーションが取りやすいか
- ②メリット・デメリット双方を教えてもらえるか
- ③複数の選択肢を提示してもらえるか
- ④継続的に通いやすいか
- ⑤トラブルに対応してもらいやすいか
- ⑥どんな料金体系になっているか
- ⑦大人・子供関係なく親切に対応してくれるか
- ⑧複数のクリニックに矯正相談に行ってみる
- 矯正相談で聞くべきこと
- 治療方法について
- 治療期間の目安
- 治療費の目安
- 料金体系
- 支払い方法
- 前処置の必要性
- 起こり得るリスク
- 矯正歯科を選ぶ前に知っておきたいこと
- 歯科矯正の流れ
- 歯科矯正のリスク
- 歯科矯正の種類
- 矯正歯科の選び方でよくある疑問
- 矯正歯科と一般歯科との違いは?
- 「認定医」「専門医」とは?
- 矯正相談で伝えるべきことは?
- まずは気軽に矯正相談に行ってみよう

矯正歯科クリニックを選ぶ際には、以下の8つのポイントを押さえましょう。
①コミュニケーションが取りやすいか
まず矯正歯科クリニックの選び方で押さえてほしいのが「ドクターやクリニックとのコミュニケーションの取りやすさ」です。
歯科矯正を進める上でコミュニケーションが不足すると、ドクターと治療ゴールをしっかりすり合わせられず、理想通りの歯並びに近づけない可能性が高まってしまいます。
また、子どもが通う場合は、十分にコミュニケーションが取れないことが「歯医者はこわい」というイメージにつながってしまうリスクも。親子で安心して通える矯正歯科クリニック選びのためにも、コミュニケーションの取りやすさは重視した方がいいでしょう。
②メリット・デメリット双方を教えてもらえるか
歯科矯正には歯肉退縮や歯根吸収など、開始前に知っておくべきリスクもあります(歯科矯正のリスクについては後ほど詳しく紹介します)。
また矯正方法によっては矯正中の違和感や費用も変わってくるため、それぞれにメリット・デメリットがあるものです。
種類 | 表側矯正(ワイヤー矯正) | 裏側矯正(ワイヤー矯正) | ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正) | マウスピース矯正 |
---|---|---|---|---|
治療内容 | 歯の表側につけたブラケットとワイヤーで歯を動かす | 歯の裏側につけたブラケットとワイヤーで歯を動かす | 上顎は裏側に、下顎は表側にブラケットとワイヤーをつけて歯を動かす | 透明なマウスピース型の矯正装置で歯を動かす |
メリット | さまざまな歯並びに対応可能 | 目立たない | 見た目と実用性のバランスがよい | 目立たない |
デメリット | 目立つ | 発音に影響が出やすい | 舌先が装置に当たりやすい | 自己管理が必要 |
さまざまな観点から考えて、矯正についてのメリットだけでなくデメリットも説明してくれるドクター・クリニックを選べると、安心して矯正を進められる可能性が高まるでしょう。
③複数の選択肢を提示してもらえるか

たとえば、子ども向けの矯正装置には大人以上にさまざまな種類があるため、診断に基づいて選択しなければいけません。
また大人であっても、歯並びの状態を検査した上で、複数の矯正方法を提示し、その中から選べるような状態にしてもらえるかどうかも大切なポイントとなるでしょう。
以下の記事では大人と子供の矯正装置の種類を紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

歯の矯正治療の種類と比較ポイント!大人と子供の矯正の違いも解説
④継続的に通いやすいか
歯科矯正は一度スタートしたら同じクリニックに通い続けるのが理想的です。
もし途中で転居になり転院しなければならなくなった場合は、治療内容の引き継ぎなどをしてもらわなくてはなりません。
場合によっては治療を中断せざるを得なくなったり、そのときの治療の進み具合によって費用が余分にかかったりすることもあるでしょう。
⑤トラブルに対応してもらいやすいか
歯科矯正は長期間かかるのが一般的です。
その間に「矯正器具が外れてしまった」「矯正器具を失くしてしまった」といったトラブルが起こることもあり得ます。
そのようなとき、すぐに電話やオンラインなどで対処方法を教えてもらえたり、直接診てもらえたりしやすいクリニックだと安心でしょう。

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⑥どんな料金体系になっているか
歯科矯正には高額な費用がかかります。
費用の種類にはさまざまありますが、クリニックによっては矯正期間中の通院のたびに調整料などの費用が発生することも。
あらかじめ総額の料金が提示されるシステム(トータルフィーシステム)を採用しているクリニックもあるので、どんな料金体系になっているかを事前に調べることをおすすめします。

大人の歯列矯正の費用平均はいくら?相場・種類別の値段・支払い金額を抑える方法を紹介
⑦大人・子供関係なく親切に対応してくれるか

「①コミュニケーションが取りやすいか」に通じる部分でもありますが、大人や子供関係なく親切に対応してくれる矯正歯科クリニックは、長い矯正期間中も安心して通える可能性が高いでしょう。
特に親子で矯正を受けられるクリニックを探している人は、大人も子供も通い続けやすいクリニックを選ぶことが大切です。
⑧複数のクリニックに矯正相談に行ってみる
今やクリニックの口コミも調べてみるとたくさん出てくる時代。しかし矯正歯科選びで失敗しないためには、やはりクリニックへ実際に相談しに行ってみることが大切です。
なぜなら口コミを寄せている人はあなたの歯並びの状態と全く同じとは限らないから。
歯並びはひとりひとり異なるため、適した矯正方法が異なります。
そのため複数のクリニックへ相談に行ってみて、ここまで紹介したポイントを踏まえて比較検討するのが理想的です。

「まず矯正相談に行ってみることが大事」と言われても、実際に行って何を聞けばいいのかわからない……そんな人に向けて、矯正相談で質問すべきポイントを紹介します。
【矯正相談で聞くべき項目】
治療方法について
治療期間の目安
治療費の目安
料金体系
支払い方法
前処置の必要性
起こり得るリスク
治療方法について
矯正治療と一口にいっても、さまざまな種類があります。もし希望する方法があるのであれば、その方法が治療可能かどうかを聞いてみましょう。逆に希望がない場合は、その歯科クリニックではどんな方法で治療できるかを尋ねてみるといいです。
すでにほかのクリニックで相談しているのであれば、そのクリニックで勧められている方法について問題がないかを確認してみましょう(セカンドオピニオン)。
治療期間の目安

実際に治療を受けるとどれくらい通院しなければならないのか、治療期間の目安は必ずチェックしておくべき項目です。
なぜなら歯科矯正治療は長期間かかるケースが多く、それまでに引っ越しなどの予定がある場合は、治療をスタートする時期をずらした方がいいこともあるためです。
また、「半年後までに歯並びを整えたい」といった希望があれば、それに応じた方法を考える必要もあります。矯正方法によっても治療期間の目安は異なってくるため、その点についても確認しておきましょう。
治療費の目安
矯正相談では、矯正治療にかかる費用も必ず確認しておきましょう。歯科矯正治療は基本的に保険適用外の自由診療になるため、治療費は高額になります。
あらかじめどのくらいの金額が必要なのかを把握しておかないと、計画を立てられません。複数の方法で治療が可能な歯科医院の場合は、それぞれの方法で行った場合の費用目安を提示してもらい、比較できると理想的です。
また、可能な限りほかの歯科クリニックでも費用目安を提示してもらうことをおすすめします。
料金体系
歯科矯正治療は長期間かかるのが一般的です。歯科クリニックの中には、長期間かかっても通院のたびに料金が発生しない料金システム(トータルフィー)を採用しているところもあります。
一般的に1回につき3,000〜10,000円程度かかる調整料も、トータルフィーシステムだと最初に提示される総額に含まれることが多いです。このような料金体系もあらかじめ尋ねておけると、安心して治療が受けられます。
筆者もマウスピース矯正の経験者ですが、料金はトータルフィーシステムでした。あらかじめ予定されていた治療期間を終えてももう少し治したい部分があったため、再度治療計画を立ててもらいました。その結果矯正期間は延長しましたが、追加の費用はかかりませんでした。
このように、納得いくまで治療したい場合は、トータルフィーシステムの方が安心かもしれません。ただしクリニックによって総額に含まれる項目は異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
支払い方法

矯正治療の費用目安とあわせて、その歯科クリニックがどんな支払い方法に対応しているのかも確認しておきましょう。
窓口での現金払いのほか、クレジットカードやデンタルローンなどに対応していると、高額な治療費を分割して計画的に支払いたい場合に便利です。
歯科矯正治療費は基本的に保険適応外ですが、条件を満たせば医療費控除を受けられます。医療費控除を受けるには診断書が必要なので、対応してもらえるのか確認できると安心です。
前処置の必要性
歯並びの状態によっては、矯正治療開始前の処置が必要になることも。たとえば抜歯やIPR(研磨処置)などがあります。抜歯やIPRは、矯正治療で歯を動かすスペースを確保するために必要な処置です。
抜歯では、歯を抜いた分、歯の移動スペースを確保できます。一方IPRは抜歯せず、歯の表面を少しずつ削ってスペースを確保する方法です。これらの処置が必要になると、別途費用が発生したり、矯正開始までの期間が必要になったりするので、事前に確認できると安心です。
あわせて抜歯のメリット・デメリット、非抜歯のメリット・デメリットなども聞けるとよいでしょう。
起こり得るリスク
歯科矯正治療にはメリットだけでなくリスクも存在します。たとえば歯茎が下がったり、歯の根が短くなったりするリスクがあります。
矯正治療に関わらず、医療行為にはリスクがつきものです。矯正開始前にリスクを把握しておくことは、トラブルを回避するためにも重要ですので、必ず確認しておきましょう。
矯正治療のリスクについては、後ほど詳しく紹介します。

矯正相談に行く前に、以下の項目も確認しておきましょう。
歯科矯正の流れ
歯科矯正をはじめる上でどんな検査が必要なのか、どういう流れで治療が進むのかを事前に知っておくと、矯正相談に行く際も適切な質問をしやすくなるでしょう。
また、ドクターからの説明も理解しやすくなります。
筆者もマウスピース矯正の経験者ですが、事前にIPRの可能性があることを知りつつも、どれくらいの患者さんで実施されているのかを把握していませんでした。そのため実際に自分がIPRが必要とわかったときに少し戸惑いました。
このような矯正治療の流れを事前にわかっていて、疑問点は矯正相談のときに解消できていると、スムーズな治療につながるでしょう。
歯科矯正のリスク

歯科矯正には以下のようなリスクがともないます。
歯肉退縮:重なり合っていた歯の下に骨が存在していなかったケースなど、歯並びが整う過程で歯の根が一部露出するリスクがある
歯根吸収・歯髄壊死:歯の根が短くなったり、神経が死んでしまったりするリスクがある。これを防ぐためには事前のCT検査などを踏まえた無理のない治療計画の立案が必要。
金属アレルギー:金属製の矯正装置を使用する場合に発生するリスク
不定愁訴:治療中、頭痛・肩こり・倦怠感・吐き気などを起こすリスク
顎関節症:口が開きにくい・耳鳴りがするといったリスク。発症した場合は経過観察を行ったり改善のための治療をおこなったりする
後戻り:矯正治療後は歯が動きやすく、そのままだと歯並びが再び乱れてしまう。一般的に治療完了後1〜2年はリテーナーと呼ばれる保定装置を装着して後戻りを防ぐ
上記のようなリスクがあることを知った上で矯正をはじめると、万が一可能性がある症状が出たときに適切に相談しやすくなるでしょう。

歯科矯正の失敗事例7つと原因・予防法・対処法を解説
歯科矯正の種類
歯科矯正の種類にはどんなものがあるのか、自分の希望としてどの矯正方法をしたいのかが前もって少しでもわかっていると、相談しやすくなるでしょう。
見た目などを考慮して自分の希望の矯正方法があるなら、それを取り扱っているクリニックを事前に調べることもできます。

歯科矯正とは?種類からタイプ別のおすすめ方法まで徹底解説

ここからは、矯正歯科の選び方に関してよくある疑問にお答えします。
矯正歯科と一般歯科との違いは?
一般歯科では、虫歯や歯周病の治療や入れ歯治療など一般的な歯科治療を行います。一般歯科での診察・治療の結果、より専門的な治療が必要と判断された場合、専門性の高い診療科を紹介します。その一つが矯正歯科です。
歯並びを整える矯正治療は、基本的に一般歯科では行っておらず、矯正歯科で行われます。矯正歯科では、悪い歯並びを改善する矯正治療をメインに行っています。軽度の虫歯や歯周病も診ることはできますが、基本的には矯正治療が専門です。
「認定医」「専門医」とは?

矯正歯科を調べていると「認定医」や「専門医」といったワードを目にすることも多いでしょう。加えて「指導医」というものもあります。
認定医、専門医とは、所定の学会が定める基準に達していると認定された医師のことです。それぞれ以下のような基準があります。
認定医:学会が定めた大学病院、矯正医療機関での5年以上の臨床経験を持つ。学会での発表等で審査に合格する必要がある。
専門医:臨床試験の合格が必要。治療してきた症例の提示が必要。
指導医とは、所定の学会が定める基準に達しており、認定医、専門医を指導するための能力があると認定された医師のことです。
日本の矯正歯科においては、日本矯正歯科学会が最大の学会です。ほかには日本歯科矯正専門医認定機構、日本成人矯正歯科学会などがあります。日本歯科矯正専門医認定機構には認定医の資格がありません。
日本矯正歯科学会には認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)の制度があります。
矯正相談で伝えるべきことは?
信頼できる矯正歯科を選ぶためには、矯正相談の際に以下のような自分の希望や要望を伝えることも大切です。
現在の悩み(出っ歯が気になる・食べる際に噛みにくい など)
矯正治療によってどんな歯並びになりたいか
いつまでに治療をスタートさせたいか
現在の悩みと治療で目指したいゴールが定まっていると、歯科医師もそれに応じた適切な治療方法を提示しやすいです。
また希望する矯正開始のタイミングや、完了したいタイミングを伝えておくと、それに応じたスケジュールを立ててくれたり、矯正方法を提示してくれたりします。
ただし子供の場合は顎の成長度合いなどによって適切な治療開始時期が異なります。大人の場合は治療開始のタイミングは希望が通ることが多いです。

歯並びは一人ひとり異なるため、適切な矯正方法も異なってきます。
そのため矯正歯科選びは、実際に相談に行ってみないとわからない部分がたくさんあります。
今回紹介した8つのポイントを踏まえると、比較検討しやすくなるでしょう。
矯正相談は無料で行っているクリニックも多いため、ぜひ近所の矯正歯科クリニックを調べてみてくださいね。
以下の記事では各エリアのおすすめ矯正歯科クリニックをまとめています。あわせて参考にしてみてくださいね。
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