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歯科矯正
最終更新日:2024年3月12日

矯正歯科の選び方|後悔しないためのポイント5選

矯正歯科の選び方|後悔しないためのポイント8選

矯正を始めたいけれど、どうやって矯正歯科を選べば良いか迷っていませんか?そこで今回は「これさえ押さえておけば最低限間違いなし」な矯正歯科の選び方をご紹介します。また矯正歯科に通う前に知っておくべきことも合わせてご紹介。矯正歯科選びで困っている方は必見です。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

「歯医者が多すぎてどこで矯正したら良いか分からない」と矯正歯科の選び方でお困りではありませんか?

Googleマップで口コミを参考にして、近場の矯正歯科を探してみたは良いものの、「本当にここで矯正して良いのかな?」と不安を抱く方も多いでしょう。

そこで本記事では、後悔しないための矯正歯科の選び方を解説します。

また「矯正歯科を受ける際に聞いておきたいこと」「矯正歯科を選ぶ前のよくある質問」についても紹介するので、失敗・後悔しない矯正を行うための参考材料として、ぜひご覧ください。

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【矯正歯科の選び方】5つのポイント

矯正歯科の選び方|後悔しないためのポイント5選

矯正歯科クリニックを選ぶ際のポイントは以下の5つです。

矯正歯科クリニックを選ぶ際のポイント
  • 経験豊富な歯科医師が在籍している

  • メリット・デメリットを教えてもらえる

  • 複数の選択肢を提示してもらえる

  • 継続的に通いやすい

  • 費用が明確で自分に合っている

①経験豊富な歯科医師が在籍している

矯正歯科を選ぶ際には、経験豊富な歯科医師が在籍しているかがとても重要です。

治療先を選ぶ目安のひとつとして、「矯正歯科専門開業医」という選択肢があります。

歯科の中に、小児歯科や口腔外科、歯周病治療を専門に行っているところがあるように、矯正歯科治療が専門のところもあります。なかには、一人の歯科医が一般歯科と矯正歯科の治療を両立している場合もありますが、大学病院などで矯正歯科治療の研鑽(けんさん)を積んだ矯正歯科専門開業医は、豊富な臨床経験をもっているという点で信頼できます。

(出典:公益社団法人日本臨床矯正歯科協会 治療先の選び方(成人)https://www.jpao.jp/10orthodontic-dentistry/1015consultation/05-adult-select)

矯正歯科には「認定医」という制度もありますが、認定医にこだわるというよりも、矯正専門ドクターとしての、「経験年数」や「実績」があるかが大切です。

公式ホームページのドクターのプロフィールを見ると、歯科矯正の実績や年数などを確認できるので、チェックしてみましょう。

②メリット・デメリットを教えてもらえる

歯科矯正を行うにあたり、歯肉退縮や歯根吸収などのリスクを、矯正開始前に教えてもらえるかも重要なポイントです(歯科矯正のリスクについては後ほど詳しく紹介します)。

また矯正方法によっては矯正中の負荷や費用も変わってくるため、それぞれにメリット・デメリットがあります。

種類

表側矯正(ワイヤー矯正)

裏側矯正(ワイヤー矯正)

ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)

マウスピース矯正

治療内容

歯の表側につけたブラケットとワイヤーで歯を動かす

歯の裏側につけたブラケットとワイヤーで歯を動かす

上顎は裏側に、下顎は表側にブラケットとワイヤーをつけて歯を動かす

透明なマウスピース型の矯正装置で歯を動かす

メリット

さまざまな歯並びに対応可能
実績が多い
発音に影響を与えにくい

目立たない

見た目と実用性のバランスがよい

目立たない
取り外せる
口腔内が傷つきにくい

デメリット

目立つ
歯磨きしにくい

発音に影響が出やすい
歯磨きしにくい
治療期間が長くなる傾向

舌先が装置に当たりやすい
上の歯が歯磨きしにくい
治療期間が長くなる傾向

自己管理が必要
対応症例が限られる

さまざまな観点から考えて、矯正のメリット・デメリットをていねいに説明してくれるドクター・クリニックを選ぶことが大切です。

③複数の選択肢を提示してもらえる

歯列矯正にはさまざまな種類があり、症例や目指す歯並び、予算などによって選択肢が異なります。

歯並びの状態を確認した上で、複数の矯正方法を提示してもらえるクリニックだと納得のいく選択ができるでしょう。どのような矯正方法があるのか、やりたい矯正方法を扱っているかを事前に公式ホームページなどで確認しておきましょう。

④継続的に通いやすい

歯科矯正は一度スタートしたら同じ矯正歯科クリニックに通い続けるのが理想的です。

歯科矯正は一般的に1年〜3年ほどの長い期間がかかるため、自宅や勤務先から通いやすいかどうかは重要なポイントです。無理のないスケジュールで通えるよう、立地の他に営業時間、予約の取りやすさなども確認しておきたいですね。

もし途中で転院しなければならなくなった場合は、治療内容の引き継ぎなどをしてもらわなくてはなりません。

場合によっては治療を中断せざるを得なくなったり、そのときの治療の進み具合によって費用が余分にかかったりすることもあるため、慎重に選ぶようにしましょう。

⑤費用が明確で自分に合っている

歯科矯正には高額な費用(20~100万円ほど)がかかります。

費用にはさまざまな種類がありますが、クリニックによっては矯正期間中の通院のたびに調整料などの費用が発生することも。最初に支払う費用だけでなく、矯正期間中のトータルの金額を確認しておくと安心です。

トータルフィーシステム(あらかじめ総額の料金が提示されるシステム)を採用しているクリニックもあるので、どんな料金体系になっているかを事前に調べることをおすすめします。

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矯正歯科選びで聞いておきたいこと

矯正歯科の選び方|後悔しないためのポイント5選

「まず矯正相談に行ってみることが大事」と言われても、実際何を聞けばいいのかわからない……そんな人に向けて、以下の矯正相談で質問すべきポイントを紹介します。

【矯正相談で聞いておきたい項目】
  • 治療方法について

  • 治療期間の目安

  • 治療費の目安

  • 料金体系

  • 支払い方法

  • 前処置の必要性

  • 起こり得るリスク

治療方法について

矯正治療と一口にいっても、さまざまな種類があります。目指したい歯並びや期間、予算などの希望を伝え、自分に合った治療方法を提案してもらいましょう。

あらかじめ希望する治療法がある場合、その治療法が可能かどうかを聞いてみると良いです。逆に希望がない場合は、その歯科クリニックではどんな方法で治療できるかを尋ねてみましょう。

すでにほかのクリニックで相談しているのであれば、そのクリニックで勧められている方法について問題がないかを確認し、セカンドオピニオンをもらうのもおすすめです。

治療期間の目安

実際に治療を受けるとしたら、どれくらい通院しなければならないのか、治療期間の目安は必ずチェックしておきましょう。

なぜなら歯科矯正治療は長期間かかるケースが多く、それまでに引っ越しなどの予定がある場合は、治療をスタートする時期をずらした方がいいこともあるためです。

特に、「半年後までに歯並びを整えたい」など、期間をとにかく早めたい場合は、早く終わりやすい部分矯正に変更する必要があります。

矯正方法によっても治療期間の目安は異なってくるため、その点についても確認しておきましょう。

治療費の目安

矯正相談では、矯正治療にかかる費用も必ず確認しておきましょう。歯科矯正治療は基本的に保険適用外の自由診療になるため、治療費は高額になります。

あらかじめどのくらいの金額が必要なのかを把握しておかないと、計画を立てられません。

複数の方法で治療が可能な歯科医院の場合は、それぞれの方法で行った場合の費用目安を提示してもらい、比較できると理想的です。

また可能な限り、ほかの矯正歯科でも費用目安を提示してもらうことをおすすめします。

料金体系

歯科矯正治療は長期間かかるのが一般的です。矯正歯科の中には、通院のたびに料金が発生しない料金システム(トータルフィー)を採用しているところもあります。

一般的に1回につき3,000〜10,000円程度かかる調整料も、トータルフィーシステムだと最初に提示される総額に含まれることが多いです。このような料金体系もあらかじめ尋ねておけると、安心して治療が受けられます。

筆者もマウスピース矯正の経験者ですが、料金はトータルフィーシステムでした。あらかじめ予定されていた治療期間を終わったあとも、まだ治したい部分があったため、再度治療計画を立ててもらいました。

その結果矯正期間は延長しましたが、追加の費用はかかりませんでした。

このように、納得いくまで治療したい場合は、トータルフィーシステムの方が安心かもしれません。ただしクリニックによって総額に含まれる項目は異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。

支払い方法

信頼できる矯正歯科の選び方8つ

矯正治療の費用目安とあわせて、その歯科クリニックがどんな支払い方法に対応しているのかも確認しておきましょう。

たとえばクレジットカードやデンタルローンなどに対応していると、高額な治療費を分割して計画的に支払いたい場合に便利です。

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前処置の必要性

歯並びの状態によっては、矯正治療開始前に抜歯やIPR(研磨処置)など歯を動かすスペースを確保するための処置が必要になることも。

抜歯では、歯を抜いた分、歯の移動スペースを確保できます。一方IPRは抜歯せず、歯の表面を少しずつ削ってスペースを確保します。

これらの処置が必要になると、別途費用が発生したり、矯正開始までの期間が必要になったりするので、事前に確認しておきましょう。そして「抜歯のメリット・デメリット」、「非抜歯のメリット・デメリット」などを一緒に確認するのもおすすめです。

起こり得るリスク

歯科矯正治療にはメリットだけでなくリスク(歯肉退縮・歯根露出など)も存在します。矯正治療に関わらず、医療行為にはリスクがつきものです。

矯正開始前にリスクを把握しておくことは、トラブルを回避するためにも重要ですので、必ず確認しておきましょう。

矯正治療のリスクについては、後ほど詳しく紹介します。

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矯正歯科を選ぶ前に知っておきたいこと

矯正歯科を選ぶ前に知っておきたいこと

矯正相談に行く前に、以下の項目も確認しておきましょう。

歯科矯正の流れ

歯科矯正をはじめる上でどんな検査が必要なのか、どういう流れで治療が進むのかを事前に知っておくと、矯正相談に行く際も適切な質問をしやすくなるでしょう。

また、ドクターからの説明も理解しやすくなります。

筆者もマウスピース矯正の経験者ですが、事前にIPRの可能性があることを知りつつも、どれくらいの患者さんで実施されているのかを把握していませんでした。そのため実際に自分がIPRが必要とわかったときに少し戸惑いました。

このような矯正治療の流れを事前にわかっていて、疑問点は矯正相談のときに解消できていると、スムーズな治療につながるでしょう。

歯科矯正のリスク

歯科矯正には以下のようなリスクがともないます。

歯科矯正のリスク
  • 歯肉退縮:重なり合っていた歯の下に骨が存在していなかったケースなど、歯並びが整う過程で歯の根が一部露出する

  • 歯根吸収・歯髄壊死:歯の根が短くなったり、神経が死んでしまったりする。これを防ぐためには事前のCT検査などを踏まえた、無理のない治療計画の立案が必要。

  • 金属アレルギー:金属製の矯正装置(ワイヤー矯正)を使用する場合に発生する

  • 不定愁訴:治療中、頭痛・肩こり・倦怠感・吐き気などを起こす

  • 顎関節症:口が開きにくい・顎が痛い・耳鳴りがする。発症した場合は経過観察を行ったり改善のための治療を行ったりする

  • 後戻り:矯正治療後は後戻りしやすく、そのままだと歯並びが再び乱れてしまう。一般的に治療完了後1〜2年はリテーナーと呼ばれる保定装置を装着して後戻りを防ぐ

上記のようなリスクがあることを知った上で矯正をはじめると、万が一症状が出たときに適切に相談しやすくなるでしょう。

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歯科矯正の種類

歯科矯正の種類にはどんなものがあるのか、自分の希望としてどの矯正方法をしたいのかを前もって理解していると、相談しやすくなるでしょう。

見た目などを考慮して自分の希望の矯正方法があるなら、それを取り扱っているクリニックを事前に調べることもできます。

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矯正歯科の選び方でよくある疑問

ここからは、矯正歯科の選び方に関してよくある、以下の疑問についてお答えします。

よくある疑問
  • 矯正歯科と一般歯科・審美歯科との違いは?

  • 「認定医」「専門医」とは?

  • 矯正相談で伝えるべきことは?

  • 矯正歯科医選びで失敗することはありますか?

それぞれの疑問が解決できるように、くわしく見ていきましょう。

矯正歯科と一般歯科・審美歯科との違いは?

矯正歯科・一般歯科・審美歯科の概要は以下のとおりです。

  • 一般歯科:虫歯や歯周病の治療や入れ歯治療など一般的な歯科治療を行う矯正治療:歯並びや噛み合わせを整える専門の歯科

  • 審美歯科:審美(見た目の美しさ)に特化した歯科

一般歯科は、虫歯・歯周病・インプラントや入れ歯などの、一般的な治療を行う歯科です。矯正歯科はその名のとおり、矯正専門の歯科で、歯並びや噛み合わせを治すことに特化しています。軽度の虫歯や歯周病を診ることもありますが、基本的には矯正治療が専門です。

審美歯科は、審美治療で歯のホワイトニングやセラミック治療を得意としています。

実際には、審美歯科だけのクリニックという施設は少なく、「一般歯科クリニック」や、「美容外科クリニック」のなかの一つの診療科目として扱われていることが多いです。

「認定医」「専門医」とは?

矯正歯科を調べていると「認定医」や「専門医」「指導医」といったワードを目にすることも多いでしょう。

認定医、専門医とは、所定の学会が定める基準に達していると認定された医師のことです。それぞれ以下のような基準があります。

  • 認定医:学会が定めた大学病院、矯正医療機関での5年以上の臨床経験を持つ。学会での発表等で審査に合格する必要がある。

  • 専門医:臨床試験の合格が必要。治療してきた症例の提示が必要。

指導医とは、所定の学会が定める基準に達しており、認定医、専門医を指導するための能力があると認定された医師のことです。

日本の矯正歯科においては、日本矯正歯科学会が最大の学会です。ほかには日本歯科矯正専門医認定機構、日本成人矯正歯科学会などがあります。日本歯科矯正専門医認定機構には認定医の資格がありません。

日本矯正歯科学会には認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)の制度があります。

矯正相談で伝えるべきことは?

信頼できる矯正歯科を選ぶためには、矯正相談の際に以下のような自分の希望や要望を伝えることも大切です。

  • 現在の悩み(出っ歯が気になる・食べる際に噛みにくい など)

  • 矯正治療によってどんな歯並びになりたいか

  • 治療を完了させたいタイミング

  • 歯科矯正にかけられる予算

現在の悩みと治療で目指したいゴールが定まっていると、歯科医師もそれに応じた適切な治療方法を提示しやすいです。

また歯科矯正を完了したいタイミングや、希望する予算を伝えておくと、それに応じたスケジュールを立ててくれたり、矯正方法を提示してくれたりします。

矯正歯科医選びで失敗することはありますか?

場合によっては失敗することもあるでしょう。

「とにかく安い歯科であればいい」「この矯正方法でないといや!」というマインドで選ぶと、失敗する恐れがあります。

矯正歯科医選びで失敗しないためには、以下のことを意識してみてください。

  • インターネット上の口コミだけを鵜呑みにしない

  • 検査結果をていねいに説明してくれるクリニックを選ぶ

  • 複数の治療法の選択肢を提示してくれる

矯正歯科選びで失敗しないためのポイントについてくわしく知りたい方は、以下の記事を参考にしてくださいね。

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選び方が不安な場合は複数の矯正歯科で相談してみよう

歯並びは一人ひとり異なるため、適切な矯正方法も異なってきます。

事前に公式ホームページの情報や、口コミを調べてみて、通いたい矯正歯科をピックアップしてみましょう。もちろん、実際に行ってみないとわからない部分がたくさんありますので、今回紹介したポイントを踏まえて、ぜひ一度相談してみるとよいでしょう。

矯正相談は無料で行っているクリニックも多いため、ぜひ近所の矯正歯科クリニックを調べてみてくださいね。

以下の記事では各エリアのおすすめ矯正歯科クリニックをまとめています。あわせて参考にしてみてください。

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