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マウスピース矯正
最終更新日:2024年4月19日

インビザラインのアタッチメントとは?絶対必要?気になる疑問を解説

インビザラインのアタッチメントとは?絶対必要?気になる疑問を解説

インビザライン矯正でアタッチメントがなぜ必要なのか、また、アタッチメントなしで治療ができるのか気になりませんか。本記事ではインビザライン矯正でアタッチメントをつける目的をはじめ、多くの方が抱えているアタッチメントの気になる疑問について解説します。

丸の内 帝劇デンタルクリニック 阿部院長
歯科医師

阿部 洋太郎

丸の内帝劇デンタルクリニック 院長。東京の有楽町駅の丸の内帝劇デンタルクリニックにて審美・矯正歯科に従事。日本大学松戸歯学部を卒業後、歯科保存学入局。千葉県の歯科医院、都内の歯科医院にて勤務。松島歯科・新橋インプラントオフィスにて副院長およびインプラントオフィス所長を兼務。日本大学大学院松戸歯学研究科を卒業(インプラントと口腔粘膜病変の研究、コラーゲンとエラスチンの研究、カンジダと癌の研究)。マウスピース矯正 Smile TRU認定。マウスピース矯正 インビザラインGO日本Top100。

インビザライン矯正ではマウスピースを装着する前に、アタッチメントと呼ばれる白い突起を歯の表面につけるケースが多いです。

「目立ちにくい」「周囲から気付かれにくい」という理由でインビザライン矯正を検討している人にとっては、アタッチメントの必要性や装着期間、どれぐらい目立つのか気になるのではないでしょうか。

そこで本記事では、インビザラインのアタッチメントに関する疑問を解決するべく、丸の内帝劇デンタルクリニック 院長の阿部 洋太郎さんにお伺いしました。インビザライン矯正を検討している方は、ぜひ参考にご覧ください。

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インビザラインのアタッチメントとは

インビザラインのアタッチメントとは?絶対必要?気になる疑問を解説

インビザラインをはじめ、マウスピース矯正では、アタッチメントと呼ばれる補助矯正器具を歯の表面につけて治療を行うことが多いです。一般的には治療計画の際に歯の動かし方を決め、それに合わせて矯正をはじめる前に歯科クリニックで装着します。

アタッチメントは「コンポジットレジン(CR)」という歯科用のプラスチック素材でつくられています。虫歯治療で用いられる詰め物と同じ素材で、長期間使用しても人体への害はありません

大きさは2~5mm程度で、米粒よりも小さいくらいのサイズです。形状は後述で詳しく解説しますが、長方形や楕円形などがあり、動かしたい歯に合わせて使い分けます。

インビザラインでアタッチメントをつける目的

インビザラインでアタッチメントをつける目的

インビザラインでアタッチメントをつけることが多いのは、以下の理由があるためです。

  • マウスピースと歯を密着させるため

  • マウスピースの矯正力を調整するため

アタッチメントなしでインビザラインを行った場合、マウスピースの効果が十分に発揮されず、治療期間に遅れが生じる場合があります。

マウスピースと歯を密着させるため

アタッチメントなしでインビザラインを行った場合、歯がすべることでマウスピースが浮いてしまい、治療が計画通りに進まなくなることがあります。マウスピースと歯の密着性が弱まることで、矯正力が歯根にまで届かないためです。

アタッチメントをつけると歯の表面に凸凹ができ、これがフックとなってマウスピースとの密着性を高められます。

マウスピースの矯正力を調整するため

全体の歯を覆うインビザライン矯正は、「ガタついた歯並びを治したい」「ねじれた歯を回転させたい」など、複雑な歯の移動に対応するのが難しい矯正方法です。

しかし、アタッチメントをつけることで、特定の歯にかかる矯正力を調整できるため、歯並びの状態に応じて細やかな調整を行えます

以前と比べ、インビザラインで幅広い症例に対応できるようになったのは、アタッチメントの影響が大きいです。歯並びの状態にもよりますが、基本的にインビザラインを行う場合はアタッチメントの装着を勧められることが多いでしょう。

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インビザラインで使用するアタッチメントの種類

インビザラインで使用するアタッチメントの種類

インビザラインで使用するアタッチメントは大きく2種類に分類されます。

  • 通常アタッチメント

  • 最適アタッチメント

通常アタッチメントは患者の歯並びに応じて、主にドクターが数や形状、位置を判断して装着する標準的なアタッチメントです。長方形・傾斜付長方形・楕円形の3種類があります。

一方、最適アタッチメントとは、インビザラインのプログラムによって設計される特殊な形状および作用のアタッチメントです。ここではインビザラインで使用される代表的な最適アタッチメントを紹介します。

ルートコントロール用最適アタッチメント

ルートコントロール用最適アタッチメントは、歯の根元の動きを調整したいときに使用するアタッチメントです。一つの歯に対し、二つのアタッチメントを装着し、それぞれの方向から力をかけて傾斜を改善します

傾いている歯やすきっ歯の矯正に使われることが多いです。また、前歯に装着することが多く、中でも犬歯や中切歯の調整によく使用されます。

回転用最適アタッチメント

回転用最適アタッチメントは、ねじれている歯を回転させたいときに使用するアタッチメントです。

回転させたい方向に斜面がついたアタッチメントを装着し、ねじれている歯に力をかけます。主に犬歯や奥歯の治療に使われており、ガタついた歯並びの矯正に効果的です

オープンバイト用最適アタッチメント

オープンバイト用最適アタッチメントは、奥歯を噛んだときに前歯にすき間ができる「開咬(かいこう)」を改善したいときに使用するアタッチメントです

前歯にアタッチメントを装着し、歯を先端に差し出す「廷出(ていしゅつ)」の動きを促します。

ディープバイト用最適アタッチメント

ディープバイト用最適アタッチメントは、奥歯を噛んだときに上の前歯が下の前歯を覆う「過蓋咬合(かがいこうごう)」を改善したいときに使用するアタッチメントです

歯科クリニックにより装着する歯は異なりますが、主に下の前歯や小臼歯につけて奥歯の廷出の動きを促します。

アンカレッジ用最適アタッチメント

アンカレッジ用最適アタッチメントは、インビザラインで抜歯が必要な場合に使用するアタッチメントです。

主に第二小臼歯、第一第二大臼歯に装着し、抜歯によってできたすき間をふさぐように歯を動かします。

アタッチメントのつけ方・外し方

アタッチメントのつけ方・外し方

インビザラインに限らず、マウスピース矯正のアタッチメントは自身でのつけ外しができません。生活をする中で自然と外れることはありますが、無理やりアタッチメントを外すのは絶対にやめてください。

アタッチメントは歯科クリニックで装脱着を行います。ここではアタッチメントをつけるとき、外すときの流れを紹介します。

アタッチメントのつけ方

アタッチメントをつけるときの手順は以下の通りです。

  • 歯の清掃・研磨

  • エッチング塗布

  • ボンディング塗布

  • アタッチメントテンプレートにCRを注入

  • アタッチメントテンプレートを装着し、光でCRを硬化

  • 余分なCRを削って取り除く

アタッチメントの装着時に痛みを感じたり、接着剤がしみたりすることはありません。所要時間もさほど長くなく、30分から1時間程度で終わります。

アタッチメントの外し方

アタッチメントを外すときの手順は以下の通りです。

  • レジンリムーバーでアタッチメントを外す

  • 歯の表面を研磨し、残った部分を取り除く

アタッチメントを外すときは、専用の器具を使いながら慎重に削り取っていきます。歯そのものを削るわけではないため、痛みを感じたり、歯に傷がついたりする心配はありません

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インビザラインのアタッチメントでよくある疑問

インビザラインのアタッチメントでよくある疑問

インビザラインをはじめるにあたり、「アタッチメントが目立つのではないか」「大事な場面でもつけなければいけないのか」という心配を抱えている方もいるでしょう。ここではインビザラインでよくある疑問について回答します。

インビザラインはアタッチメントなしでも可能?

歯科クリニックごとに対応は異なりますが、歯並びの程度や患者の希望によっては、アタッチメントなしでインビザラインができるケースもあります。

しかし、先にもお伝えしたように、アタッチメントをつけずにインビザラインを行うと、治療期間が計画よりも長くなりやすいです。またアタッチメントがないと行えない歯の動きもあります。

できるだけ短期間で矯正を終わらせたい場合は、アタッチメントをつけてインビザラインを行ったほうがよいでしょう

インビザラインのアタッチメントは目立つ?

インビザラインで使用されるアタッチメントは非常に小さく、自身の歯に近い色でつくられるため、つけてもそこまで目立ちません。至近距離で話をする場合は気付かれる可能性がありますが、ワイヤー矯正のように一目見ただけで周囲に気付かれることはまずないでしょう。

ただし、アタッチメントの素材であるコンポジットレジンは変色しやすいため、矯正中の食事内容には注意が必要です。ワインやコーヒー、カレーなど、色の濃い飲食物を口にすると、着色汚れでアタッチメントが目立ってしまうことがあります。

インビザラインのアタッチメントはいつまで必要?

アタッチメントは歯を動かすための補助矯正器具であるため、基本的にはインビザラインをはじめてから保定器官に入るまで、ずっとつけていなければなりません。

装着期間は症例にもよりますが、1〜2年が一般的です。前歯だけを動かしたいときなど、治療によっては矯正の途中でアタッチメントを外す場合もあります。

インビザラインのアタッチメントによるトラブルと解決策

インビザラインのアタッチメントによるトラブルと解決策

インビザラインの効果を高める上で欠かせないアタッチメントですが、一方で装着時は以下のようなトラブルが起こる場合もあります。

  • アタッチメントが取れる

  • 痛みを感じる

  • 黄ばみなどの着色汚れが出てくる

  • 口内炎ができる

ここでは上記のトラブルが起こったときの解決策を紹介します。

アタッチメントが取れた場合

インビザライン矯正中にアタッチメントが取れた場合は、できるだけ早く再装着することが望ましいです。外れてすぐに支障が出るわけではありませんが、アタッチメントが取れた状態のまま過ごしていると、歯が計画通りに動かず、治療期間が延びる可能性があります。アタッチメントが取れたら、まずは歯科クリニックへ連絡を入れましょう。

万が一、取れたアタッチメントを飲み込んでしまった場合にもさほど問題はありません。ただし、飲み込んだあとに不快な症状が長く続く場合は、アタッチメントが気道に入っている可能性もあります。このような場合は医療機関を受診してください。

インビザライン矯正中はアタッチメントが取れないよう、食事やマウスピースの外し方に注意することも大切です。硬いものや粘着性の高い食べ物はアタッチメントが取れる原因となるため、インビザライン矯正中はなるべく避けたほうがよいでしょう。

また、片手でマウスピースを外したり、無理に力を加えたりすると、アタッチメントが引っかかって取れることがあります。歯科クリニックで教わった正しい方法でマウスピースを着脱しましょう。

アタッチメントで痛みを感じる場合

アタッチメント装着後に痛みを感じる場合は、以下の原因が考えられます。

  • 歯が動いている

  • マウスピースの外し方に誤りがある

インビザラインをはじめて間もない、もしくはマウスピースを交換してすぐの頃は、歯が動くことで痛みを感じることがあります。このような場合は時間の経過とともに慣れるため、とくに心配はいりません。

一方、数日経っても痛みを感じる場合は、間違った方法でマウスピースを外している可能性があります。マウスピースを外すときは両手を使い、奥歯からゆっくり丁寧に外しましょう。

黄ばみなどの着色汚れが気になる場合

前述の通り、色の濃い飲食物を口にすると、アタッチメントが変色することがあります。

対策としては飲食後の歯磨きが一番効果的ですが、もし黄ばみなどの着色汚れがどうしても落ちない場合は、歯科クリニックへ相談しましょう。歯科クリニックによっては、着色除去用の機器でクリーニングを行ってもらえます

アタッチメントが当たる箇所に口内炎ができた場合

アタッチメントは突起になっているため、装着する箇所によってはアタッチメントのとがりが頬や舌に当たって口内炎ができる場合があります。

アタッチメントが原因でできた口内炎は、アタッチメントの角を丸める対処をとることもあります。自身でアタッチメントの角を丸めることは難しいため、口内炎ができた場合も歯科クリニックへ相談しましょう

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インビザラインでアタッチメントあり・なしで大きく変わる

インビザラインのアタッチメントは絶対に必要なわけではありませんが、あり・なしで矯正結果に差が出る場合があります。

「見た目が気になる」という方もいるかもしれませんが、アタッチメントは非常に小さく、自身の歯に近い色味であるため、周囲に気付かれる可能性は非常に低いです。もしどうしても事情があってアタッチメントをつけたくない場合は、インビザラインをはじめる前に歯科クリニックへ相談しましょう。

  • 本記事の監修医師のクリニックはこちら(インビザライン対応クリニック)

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