インビザラインのゴムかけとは?効果や痛いときの解決策を紹介
インビザライン矯正でゴムかけを指示されたものの、痛い・すぐ取れる・上手くかけられないなどの理由でやりたくないと考えていませんか?
インビザラインのゴムかけは、治療の完成度をあげるために欠かせない作業の一つです。
より理想的な歯並びに近付けるよう、本記事では正しいゴムかけのやり方やトラブルが起こった場合の対処法をご紹介します。現在、インビザラインのゴムかけでストレスを抱えている方はぜひ参考にしてください。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
- インビザラインのゴムかけとは
- インビザラインのゴムかけの期間
- インビザラインのゴムかけで期待できる効果
- 噛み合わせを改善する
- 矯正の仕上がりを良くする
- インビザラインで行うゴムかけの種類
- Ⅱ級ゴム
- Ⅲ級ゴム
- 垂直ゴム
- 交叉ゴム
- インビザラインのゴムかけのやり方とコツ
- ゴムかけのやり方
- ゴムかけのコツ
- インビザラインのゴムかけの注意点
- 1日20時間以上つける
- 毎日新しいゴムと交換する
- 予備のゴムを持ち歩く
- インビザラインのゴムかけが痛いと感じるときの解決策
- ゴムかけ自体が痛い
- ゴムかけのフックが痛い
- ゴムかけのボタンが痛い
- インビザラインのゴムかけでよくある質問
- ゴムかけは目立つ?
- ゴムかけなしでインビザラインを行うことはできる?
- ゴムかけのボタンが取れたらどうすればいい?
- ゴムを二重に使ってゴムかけをしてもいい?
- インビザラインのゴムかけは歯並びの改善に効果的
- 通院不要で続けやすいクリニックを選ぼう
インビザラインでは、治療の段階に応じてゴムかけを行う場合があります。
ゴムかけとは、「顎間ゴム(またはエラスティック)」と呼ばれる歯科用の小さなゴムで、上 下の歯をつなげる処置のことです。
インビザラインのゴムかけは、マウスピースにフックを作ってゴムをかける方法と、ボタンと呼ばれる突起物を自身の歯に取りつけてゴムをかける方法があります。
どちらも最初に歯科クリニックで指導を受け、その後は自身でゴムかけを行います。
ゴムかけの期間は症例によりさまざまです。
1ヶ月程度で終わる人もいれば、半年以上ゴムかけが必要となる人もいます。
また、ゴムかけを開始するタイミングも症例によって異なります。
歯並びや噛み合わせがある程度整っている場合は、早いタイミングでゴムかけをはじめることが多いです。
一方、出っ歯や乱ぐい歯の症状が強い場合は、インビザラインである程度歯並びを整えてからゴムかけをはじめることが多いです。
インビザラインのゴムかけで期待できる効果は以下の通りです。
噛み合わせを改善する
インビザラインで使用するマウスピースは、上下の歯並びをそれぞれで整えることを得意としています。
そのため、症例によっては歯並びを整えることができても、上下の噛み合わせを改善するのは難しい場合があります。
そこで上下の噛み合わせを改善するために行うのがゴムかけです。
ゴムかけを行うことで、上下の歯が正しい位置に動き、噛み合わせのバランスが整いやすくなります。
出っ歯や受け口などの治療では、とくにゴムかけが行われることが多いです。
矯正の仕上がりを良くする
ゴムかけは歯の移動を補助する役割も担っています。
マウスピースだけで矯正を行うよりも歯並びを細かく調整でき、矯正の仕上がりが良くなります。
ゴムかけは以下の4種類があります。
II級ゴム
Ⅲ級ゴム
垂直ゴム
交叉ゴム
上記はゴムかけのやり方であり、使用するゴムの大きさや太さを指すものではありません。
顎間ゴムの大きさや太さは動かしたい歯や距離、かけたい矯正力に応じて異なります。
Ⅱ級ゴム
II級ゴムは主に出っ歯の改善に使われます。
上の歯列の前方と下の歯列の後方にまたがるようにゴムをかけることで、上の前歯を後ろに移動させます。
上の 歯は前歯から3番目、下の歯は前歯から6番目にゴムをかけることが多いです。
Ⅲ級ゴム
Ⅲ級ゴムは主に受け口の改善に使われます。
Ⅱ級ゴムとは反対に、上の歯列の後方と下の歯列の前方にまたがるようにゴムをかけ、下の前歯を後ろに移動させます。
垂直ゴム
垂直ゴムは、奥歯を噛んだときに前歯にすき間ができる「開咬(かいこう)」の改善に使われます。
文字通り、上下の歯に垂直になるようにゴムをかけ、歯を先端に差し出す「廷出(ていしゅつ)」の動きを促します。
交叉ゴム
交叉ゴムは、上下の噛み合わせが左右にずれて上手く噛み合わない「交叉咬合(こうさこうごう)」や「鋏状咬合(きょうじょうこうごう)」の改善に使われます。
垂直ゴムと同じく、上下の歯に垂直になるようにゴムをかけますが、上の歯の表側と下の歯の裏側というように、ゴムを交差してかけるのが特徴です。
傾いた歯に逆方向から力をかけて噛み合わせを改善します。
インビザラインのゴムかけは自身で行わなければならないため、慣れるまでは難しいと感じるかもしれません。
とくに奥歯や歯の裏側は鏡で確認しても見えにくいため、最初のうちは苦戦しやすいでしょう。
ここではインビザラインのゴムかけのやり方とコツを紹介します。
ゴムかけのやり方
インビザラインのゴムかけのやり方は以下の通りです。
片方のボタン(フック)に顎間ゴムを引っかける
顎間ゴムをゆっくりと伸ばしながら、もう片方のボタン(フック)にゴムをかける
慣れるまでは、エラスティックホルダーと呼ばれる専用の器具を使ってゴムかけを行うのがおすすめです。
鏡を見ながら繰り返し練習を行うことで、徐々にコツが掴めます。
慣れてくるとエラスティックホルダーを使わず、手でゴムかけができるようになることもあります。
ゴムかけのコツ
コツとしては、見えにくい位置からゴムを引っかけることです。
例えばⅡ級ゴムやⅢ級ゴムは奥側の歯から、交叉ゴムは裏側の歯からゴムをかけることで、もう片方の歯にゴムをかけやすくなります。
また、マウスピースのフックにゴムをかける場合は、あらかじめゴムをかけた状態でマウスピースを装着すると、ゴムかけが行いやすいです。
どうしてもゴムかけが上手くできない場合は歯科医師に相談しましょう。
インビザラインのゴムかけはいくつかの注意点があります。
1日20時間以上つける
インビザライン矯正では、効果が十分に発揮できるよう、マウスピースと同等の時間のゴムかけが推奨されています。
そのため、1日最低でも20時間以上はゴムを装着しなければなりません。
ゴムか けの指示があった場合は必ずマウスピースとセットでゴムを装着しましょう。
毎日新しいゴムと交換する
ゴムかけで使用するゴムは毎日新しいものと交換してください。同じゴムを使い続けるのは不衛生だからです。
また、ゴムの伸縮性は1日のゴムかけで大きく消費されます。
伸びきったゴムを使い続けていても、矯正の効果を十分に得られません。
予備のゴムを持ち歩く
あくびをしたり、口を大きく開けたとき にゴムが切れてしまうことがあります。
そのような場合は再度ゴムかけが必要となるため、外出時は予備のゴムを持ち歩くことが必要です。
ゴムかけに慣れていない場合は、エラスティックホルダーも一緒に持っておきましょう。
万が一、何かの拍子でゴムが切れてしまった場合は、ゴムの引っ張る力を左右で均等にするため、切れていないほうのゴムも新しいものと交換してください。
インビザラインのゴムかけは、人によって痛みを感じる場合があります。
しかし、痛いからといってゴムかけを怠っていると、矯正の仕上がりに影響が出る可能性も。
ここでは原因別に、痛みを解消するヒントを紹介します。
ゴムかけ自体が痛い
インビザラインでゴムかけをすると、歯に矯正力がかかって痛いと感じることがあります。
そのような場合は数日程度で痛みが治まることが多いです。
長期的に痛む場合は別の原因が考えられるため、数日経っても痛みが変わらない場合は歯科クリニックへ相談しましょう。
また、ゴムかけを行うときにゴムを勢いよく引っ張ると、歯に過剰な力がかかって痛みを感じることがあります。
ゴムかけをするときに痛みを感じる場合は、ゴムをゆっくり伸ばしながらボタンに引っかけることを意識してください。
歯にかかる力を最小限に抑えられます。