マウスピース矯正中で眠れないほど痛い!寝るときに試したい4つの対処法

「マウスピース矯正が痛すぎて眠れない」
「こんな痛みはいつまで続くの?」
とマウスピース矯正の痛みにお困りですか?きれいな歯並びになるためとはいえ、歯の痛みは辛いものですよね。
そこで本記事では、マウスピース矯正の痛みが和らいで少しでも楽になれるように対処法やNG行為を解説します。
「痛みで挫折しそう」「眠れなくて仕事や私生活に支障が出そう」という方もこの記事を参考に、痛みと上手に向き合ってマウスピース矯正を完走させましょう。

木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
- マウスピース矯正中で痛すぎて眠れないときの対処法
- 痛み止めを服用する
- 歯茎をマッサージする
- 塩水でうがいする
- クリニックへ連絡する
- マウスピース矯正の痛みで眠れないとき【NG行為】
- 温める
- 冷やしすぎる
- 痛み止めを常用する
- マウスピース矯正の痛みのピークは?いつまで痛い?
- 痛みのピーク:治療開始から3日ほど
- 痛みや違和感に慣れるまで:1週間ほど
- マウスピース交換時の痛み:2日から3日ほど
- マウスピース矯正が眠れないほど痛い理由
- マウスピース矯正が痛くて眠れないときによくある質問|Q&A
- Q1:痛くて眠れません。寝るときだけマウスピースを外してもいいですか?
- Q2:新しいマウスピースに交換したら痛くて眠れません。一つ前のマウスピースに戻してもいいですか?
- マウスピース矯 正は上手く痛みに対処してきれいな歯並びを手に入れよう


マウスピース矯正は痛みが少ない矯正方法だといわれますが、なかには眠れないほどの痛みを感じる方もいます。
特にマウスピース矯正治療の開始時や、新しいマウスピースに交換したタイミングで痛みが出やすくなる傾向にあります。
ここでは、マウスピース矯正が痛くて眠れないときの対処法を4つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
痛み止めを服用する
歯茎をマッサージする
塩水でうがいする
クリニックへ連絡する
痛み止めを服用する
マウスピース矯正が痛くて眠れないときは、無理に我慢せずにクリニックで処方された痛み止めを服用しましょう。
もし痛み止めが処方されていなかったり、夜間でクリニックと連絡が取れなかったりする場合は、市販の痛み止めを服用します。その際は、歯の移動を妨げずに鎮痛効果を発揮する、アセトアミノフェン系の痛み止めを選ぶようにしましょう。
一方で、非ステロイド性抗炎症薬の一種であるロキソニン・バファリン・ボルタレンなどは矯正効果の低下につながることがあるため、おすすめできません。
歯科矯正は「歯を支える骨の炎症反応」を利用しており、抗炎症作用が強い薬だと歯の移動を阻害してしまうためです。
市販薬でもアセトアミノフェン配合の痛み止めがありますので、一例を紹介します。
市販薬名 | アセトアミノフェン含有量 | 対象年齢 |
---|---|---|
タイレノールA | 300mg | 15歳以上 |
ラックル | 300mg | 15歳以上 |
ノーシン | 150mg | 7歳以上 |
アセトアミノフェンK錠 | 100mg | 5歳以上 |
バファリンルナJ | 100mg | 7歳以上 |
※添付されている説明書をよく読んで、用法用量を守って服用しましょう。
歯茎をマッサージする
マウスピース矯正で痛みを緩和する方法として、歯茎をマッサージするのも効果的だといわれます。
矯正中は歯の根元で炎症が起こり、歯茎が血行不良になっている状態です。そこで、マッサージで凝り固まった歯茎を緩めると、痛みの軽減が期待できます。
歯と歯茎の境目に人差し指の腹をあてて、小刻みに動かしたりクルクルと小さな円を描くように動かしたりしてマッサージしましょう。
また電動音波歯ブラシをお持ちの方は、電動音波ブラシで歯茎をマッサージするのもおすすめです。電動音波歯ブラシを歯茎全体にあてると、音波の振動でマッサージ効果があらわれ痛みが和らぐという研究結果も出ています。
日本顎咬合学会誌でも紹介されていますので、詳しくご覧になりたい方はこちらをご覧になってみてください。
歯茎のマッサージは強すぎると痛みが悪化することも考えられますので、優しく心地よい程度を目安に行いましょう。
塩水でうがいする
家にあるもので簡単に試せる方法が、塩水でうがいすることです。塩水でうがいをすると塩分によって口の中の浸透圧が変化し、矯正治療の痛みが和らぐといわれます。
コップ一杯の水(またはぬるま湯)にスプーン一杯の塩をよく混ぜて、口の中全体にいき渡るようにうがいしましょう。
糖分は含まれていないのでマウスピースを装着したままでも試せますが、気になる方は塩水でうがいをして少し時間を置いてから真水で口をすすいでください。
痛み止めを服用できないときや、これ以上薬は飲めないというときにおすすめの方法です。
クリニックへ連絡する
耐えられないほど痛いときは「痛いだけで連絡してもいいのかな」などと遠慮せずに、クリニックへ連絡しましょう。痛み止めの服用についてなど、適切なアドバイスを指示してくれ るはずです。
また、我慢できないほどの痛みが続く場合には、歯が動く際の痛み以外に原因があることも考えられます。
「痛み止めを飲んでも効かない」「何日間も耐えられない痛みが続く」といったケースでも、クリニックにご相談してみるとアドバイスをもらえます。
なお、マウスピース矯正On my teethでは、24時間365日LINEサポートをしています。
夜間でも休日でも、専属医療チームが対応しますので、お気軽にご相談ください。

ここでは、痛みで眠れないときにしてはいけないNG行為について解説します。
よかれと思ってしたことでも痛みを増幅させてしまったり、矯正治療の効果を妨げてしまったりすることもあるため注意が必要です。
温める
冷やしすぎる
痛み止めを常用する
温める
マウスピース矯正で痛みがあるときに、患部を温めるのはNGです。
患部を温めてしまうと血流がよくなりすぎて、結果として炎症も激しくなり痛み増してしまうことがあるためです。
このようなことからも、痛みがあるときは長風呂を避けて、シャワーだけで済ませた方がよいでしょう。
冷やしすぎる
血流が悪くなり歯の移動を阻害してしまうことがあるため、矯正の痛みに冷やしすぎはよくありません。
ただ、先述したように体が温まると痛みを感じやすくなります。もしお風呂上がりなどに痛みが出たときには、軽く冷やすぐらいであれば問題ありません。
ただし、冷やす際には濡らしたタオルやハンカチなどで包んだ保冷剤を使って、冷やしすぎないようにしましょう。
痛み止めを常用する
痛みの原因を見逃してしまうことがあるため、痛み止めの常用はNGです。
通常、マウスピース矯正で感じる痛みの原因は歯が動くことによって生じます。しかし、虫歯や歯周病など、痛みの原因がほかにある可能性もゼロではありません。
薬で痛みを抑え続けると虫歯などに気づかず対処も遅くなり、結果として矯正治療も計画通りに進まなくなってしまいます。
また、痛み止めを常用すると胃の粘膜に負担がかかり、体調を崩す原因にもなりえます。こうしたトラブルを避けるためにも、痛み止めを常用することのないよう注意しましょう。

マウスピース矯正が痛くて眠れない夜は、「この痛みはいつまで続くのだろう...」と不安になってしまうものです。
そこでここでは、マウスピース矯正の痛みのピークや痛みを感じる期間について解説します。
痛みのピーク:治療開始から3日ほど
痛みや違和感になれるまで:1週間ほど
マウスピース交換時の痛み:2日から3日ほど
痛みのピーク:治療開始から3日ほど
マウスピース矯正の痛みは、治療開始から3日ほどがピークです。
初めてマウスピースを装着したときは、歯を全体的にギューっと締めつけられるような圧迫感や圧痛を感じることがあります。人によっては眠れないほどの痛みを感じることもありますが、こうした痛みは3日ほどで徐々に落ち着いてくるのが一般的です。
また、治療をはじめて3日くらいまでは、マウスピースの着脱時にも強い痛みを感じる方が多いです。
マウスピース矯正の経験者からは、「初めてマウスピースを外したときは、歯ごとマウスピースと一緒に取れてしまうかと思うくらい痛くてビックリした」という声も。
現在、マウスピース矯正をはじめたばかりで痛みと格闘中の方は、今が山場だと思って諦めずに頑張って乗り切りましょう!
痛みや違和感に慣れるまで:1週間ほど
マウスピース矯正の痛みや違和感は、1週間ほどで慣れるという方がほとんどです。
痛みのピークを過ぎてしまえば、マウスピース矯正生活も一段と楽になってきます。マウスピースの装着時間(1日20時間以上)やチューイーを噛む時間(1日30分)などをしっかり守りながら、矯正治療を進めていきましょう。
1週間を過ぎても眠れないほどの痛みが続くときには、何か異常があることも考えられますので、クリニックにご相談ください。
マウスピース交換時の痛み:2日から3日ほど
新しいマウスピースへ交換したときに「痛くて眠れない」と感じる方もいますが、2日から3日ほどで痛みは落ち着きます。
痛みの原因は、歯が新しいマウスピースにフィットしようと再び動きはじめるためです。また、新しいマウスピースに交換して数日間は、食事の際に硬いものを噛むと痛みを感じやすくなります。
このように、マウスピース矯正は治療をスタートしたときだけでなく、マウスピースを新しく交換する際にも痛みが出るということを覚えておきましょう。

マウスピース矯正が痛いと感じる一番の理由は、歯を動かすために持続的な負荷を加えることで歯根が炎症を起こしているためです。
歯科矯正は歯根の炎症反応が起きる働きを利用して歯を移動させるため、痛みを完全に回避して治療を進めることはできません。また、負荷がかかることで歯根を覆っている歯根膜が押しつぶされ、毛細血管に血流障害を起こります。
このようにマウスピース矯正では、歯が動くと同時に炎症反応や血流障害が起きているため、人によっては「眠れないほど痛い」と感じることがあります。
しかしこうした痛みは矯正効果が現れている証拠なので「きれいな歯並びに近づいている!」と前向きに捉えるようにしましょう。マウスピース矯正に慣れてくると逆に、「痛みがないと歯が動いているか不安になる」と感じる方もいるほどです。
ただし、マウスピース矯正で眠れないほどの痛みが長引くことは、通常では起こりません。もし、3日間以上も眠れないほどの痛みが続く場合には、何か異常があることも考えられますのでクリニックにご相談ください。
また、マウスピース矯正は歯が動く際の痛みだけでなく、下記のような原因で痛みが起きることもあるということを覚えておきましょう。
咀嚼時の痛み(歯根膜が敏感になっているため)
マウスピース・アタッチメントが粘膜にあたり傷になったときの痛み
口内炎による痛み
虫歯・歯周病による痛み

マウスピース矯正は痛い?理由や対処法5つとNG行為【歯科医師解説動画付き】

ここからは、マウスピース矯正の痛みに関してよくある質問を2つ紹介します。
Q1:痛くて眠れません。寝るときだけ外してもいいですか?
Q2:新しいマウスピースに交換したら痛くて眠れません。一つ前のマウスピースに戻してもいいですか?
Q1:痛くて眠れません。寝るときだけマウスピースを外してもいいですか?
「痛すぎて眠れない」そんなときはマウスピースを一旦外すのも方法の一つですが、睡眠時間など長い時間マウスピースを外すのは控えましょう。
マウスピースの装着時間が短くなると、治療期間が延びてし まい矯正のゴールが遠のいてしまうためです。矯正治療を計画通りに進めていくためには、1日20時間以上のマウスピース装着が推奨されています。
また、マウスピースを外していた間に歯が後戻りしてしまい、再びマウスピースを装着する際により痛みを感じてしまうことも懸念されます。
痛くて眠れないときは痛み止めを服用するなどして、マウスピース矯正の痛みに上手く対処しましょう。
Q2:新しいマウスピースに交換したら痛くて眠れません。一つ前のマウスピースに戻してもいいですか?
眠れないほどの痛みがあるときは、ドクターの許可をもらい一つ前のマウスピースを装着するのも対処法の一つです。
本来であれば、ドクターの指示に基づいてマウスピースを替えるのが大前提です。しかし、夜間でクリニックと連絡が取れない場合など、やむを得ないこともあるでしょう。
もし自己判断でマウスピースを一つ前のものに戻す場合には、必ず翌日にその旨をドクターに伝え、指示を仰いでください。

マウスピース矯正は痛みの少ない矯正方法だといわれますが、まったく痛みが出ないわけではありません。実際「我慢できない痛みは感じなかった」という人もいれば、「痛すぎて眠れなかった」と感じる人もいます。
痛みの感じ方には個人差があるうえ、歯並びの状態によって歯の動かし方や歯の移動距離も人によって異なります。
もし、眠れないほどの痛みがあるときは無理に我慢せずに痛み止めを飲んだり、ご紹介した痛みを和らげる対処法を試したりしてくださいね。
ただし、マウスピース矯正の治療にともなう痛みは、歯が計画通り動いている証拠です。
痛みを我慢する時間は辛いものですが、「きれいな歯並びを手に入れるため!」と前向きに捉えて乗り越えましょう。