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マウスピース矯正
最終更新日:2023年11月15日

マウスピース矯正中に歯がしみる?知っておきたい歯髄炎のリスク

マウスピース矯正中に歯がしみたり、痛いと感じたりする場合は歯髄炎の可能性が疑われます。本記事ではマウスピース矯正を行う上で知っておきたい、歯髄炎のリスクを解説します。

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歯科矯正ブログ編集チーム

木村真由美

Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。

マウスピース矯正中は人によって「歯がしみる・痛い」と感じることがあります。冷たいものやあたたかいものがしみたり、何もしていないのにズキズキ痛みがひどくなったりする場合は、歯髄炎や歯髄充血のサインかもしれません。

本記事ではマウスピース矯正中に注意したい歯髄炎の症状や、歯髄炎が疑われた場合の対応について解説します。現在マウスピース矯正を行っている方はもちろん、これからマウスピース矯正をはじめようと考えている方もぜひ参考にしてください。

歯髄炎とは

歯髄炎

歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経組織があります。歯髄炎とは、この神経組織に何らかの刺激が加わることで発生する炎症です。

歯髄炎の原因

歯髄炎の原因はさまざまですが、最も多いのは虫歯による細菌感染です。虫歯が進行すると、エナメル質や象牙質だけでなく、歯髄にまで細菌が感染し、炎症を引き起こします。

また、外傷などによる歯の損傷や歯ぎしり、食いしばりなどの物理的刺激も歯髄炎の原因の一つです。非常に稀なケースですが、マウスピース矯正中も物理的刺激により歯髄炎を起こす可能性があります。とあるクリニックではマウスピース矯正を行った患者のうち、0.8%の人が歯髄炎と疑われる症状を発症したと報告されています。

しかし、マウスピース矯正はケア不足による虫歯や歯周炎などのリスクもあるため、仮に矯正中に歯髄炎と疑われる症状が出ても、マウスピース矯正による物理的刺激が原因と断定するのは難しいです。

一般的にマウスピース矯正は歯を動かす力のコントロールが難しく、さらに着脱の際に強い圧力がかかることから、ワイヤー矯正よりも歯髄炎になるリスクが高いとされています。

とくにマウスピースの装着時間が守れていない場合や、マウスピースに難しい動きが組み込まれている場合は歯髄炎のリスクが高くなるため、十分な注意が必要です。

マウスピース矯正中に注意したい歯髄炎の症状

歯髄充血から歯髄壊死

マウスピース矯正中は上の前歯に歯髄炎の症状が発現するケースが多いです。しかし、歯の状態によって症状は異なります。マウスピース矯正中に注意したい歯髄炎は以下の通りです。

  • 歯髄充血

  • 急性単純性歯髄炎

  • 歯髄壊死

歯髄充血

歯髄充血は歯髄炎の初期段階で、歯髄の血管が充血している状態です。外部刺激に対して過敏になっているため、冷たいものや熱いもの、甘いものなどを口にすることで、一時的に不快感が現れたり、軽い痛みを感じたりします。一方、何もしなければ痛みを感じることはありません。

急性単純性歯髄炎

歯髄充血が悪化すると、歯髄が炎症を起こして急性単純性歯髄炎の症状が現れます。初期においては外部刺激による痛みを感じるほか、自発的な痛みが途切れ途切れに現れるのが特徴です。

症状が進行すると痛みが強くなり、どの部位が痛むのか自身でわからなくなったり、終夜眠れなくなるほどの激しい痛みが続いたりすることがあります。

歯髄壊死

急性単純性歯髄炎は初期段階で適切な処置を行えば回復が見込めますが、治療せずにそのまま放置していると、歯髄壊死へと陥ります。歯髄壊死とは文字通り、歯の神経が死んでいる状態を指します。

歯髄の機能が失われているため、この状態になると痛みを感じません。また、歯の色が徐々に薄暗い灰色へと変色していくのも歯髄壊死の特徴です。

マウスピース矯正中に歯髄炎が疑われた場合の対応

マウスピース矯正中に歯髄炎が疑われた場合の対応

マウスピース矯正中に歯髄充血や歯髄炎が疑われた場合は、一旦マウスピースの装着をストップしなければなりません。

マウスピース矯正 Oh my teethでは、矯正中に歯がしみる・痛むとユーザーから相談を受けた時点で、まずは状況に関係なく歯髄炎を疑います。矯正中に歯がしみる・痛むと感じる場合は自己判断せず、すぐに連絡してください。連絡を受けたあとは、以下の流れで対応を進めます。

痛みの発生時期を確認

まずはいつから歯が痛むのか確認します。マウスピース矯正をはじめてから、あるいはマウスピースを交換してから数日しか経っていない場合は、矯正による一時的な痛みの可能性があるためです。

痛みの発生時期によってはすぐにマウスピースの装着をストップせず、しばらく様子を見ることがあります。数日様子を見ても痛みが続く場合はマウスピースの装着をストップし、改めて連絡してください。

一方、1週間以上にわたって痛みが続いている場合など、歯髄充血や歯髄炎の可能性が高い場合はすぐにマウスピースの装着をストップします。

オフライン診療

歯の痛みが長期間続いている場合は、オフラインでの診療が必要です。このような場合はOh my teeth導入クリニックにお越しいただき、ドクターに直接診てもらいます。(県外など遠方に住んでいて受診が難しい場合は、近くの歯科クリニックを受診するよう勧めております。)

診療では歯にエアーをかけて様子を見たり、歯が変色していないかチェックしたりします。エアーをかけて一瞬しみる場合は、矯正による一時的な症状と判断し、ボンディング剤を塗布して知覚過敏処置を行います。

一方で、エアーをかけて痛みがしばらく継続する場合や、歯が変色している場合は歯髄充血や歯髄炎の可能性が高いです。発症が疑われた場合は矯正を一旦ストップし、一般歯科を受診してもらいます。

その後、一般歯科で歯髄炎と診断された場合は3〜6ヶ月ほど様子を見ます。その間、マウスピースは使用できません。一定の期間を経て症状が完全に回復した場合は、改めて歯型をスキャンし、再矯正をはじめます。

マウスピース矯正中に歯がしみると感じたらすぐに連絡を

歯髄炎の原因の多くは虫歯ですが、マウスピース矯正によっても起こる可能性があります。確率としては非常に低いですが、最初の歯並びや年齢などに関係なく、誰しもに起こる可能性があるため、マウスピース矯正を行う場合は注意しなければなりません。

もしマウスピース矯正中に歯がしみる・痛むと感じた場合は、自己判断で装着をやめたり様子を見たりせず、すみやかに歯科クリニックへ連絡しましょう。

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