「マウスピース矯正は危険」って本当?その理由と回避方法5つを解説
「マウスピース矯正は危険だからおすすめしない」
「マウスピース矯正業界は闇が深い」
このような情報を見聞きして不安を感じていませんか?
マウスピース矯正には、適応できない症例や、シミュレーション通りに矯正が進まないケースがあります。治療を受けるためには、事前にマウスピース矯正の特性を正しく理解しておかなければなりません。
そこで本記事では、マウスピースが危険だと言われる理由と、起こり得るリスクを解説します。トラブルを回避する方法も紹介していますので、マウスピース矯正で後悔や失敗したくない方は参考にしてください。
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩む すべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
結論から言うと、マウスピース矯正自体が危険というわけではありません。適切に使用し、正確な診断と治療計画に基づいて治療すれば、マウスピース矯正は十分歯並びの改善が期待できる矯正方法です。
しかし、適切な診断が受けられず無理にマウスピース矯正で治療してしまうと、歯並びが改善されなかったり噛み合わせが悪くなったりする恐れがあります。
歯並びの状態やライフスタイルは一人ひとり異なるので、理想の歯並びを手に入れるためには歯科医師に適切な矯正方法を診断してもらうことが重要です。
マウスピース矯正が危険と言われる理由としては、適応できない症例があること、経験の少ない歯科医師が治療していることなどが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
①適応できない症例があるから
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べてなおせる症例が限られます。具体的には、歯を内側や外側に動かすのは得意ですが、前後に大きく動かすのは苦手です。
そのため、歯を大きく動かす必要がある重度の歯並びの乱れは、マウスピース矯正だけでは改善できない可能性があります。また、あごの骨格が原因で歯並びが乱れている場合は、マウスピース矯正を含め歯科矯正だけでの対応は難しいです。
適応できない歯並びをマウスピース矯正で無理に治療しても、満足のいく矯正結果は得られません。マウスピース矯正は、すべての歯並びをなおせるわけではないことを理解しておきましょう。
【マウスピース矯正できない例6つ】あなたは当てはまる?【歯科医師監修】
②経験の少ない歯科医師が治療していることがあるから
マウスピース矯正では、コンピューターを使って歯の動きをシミュレーションします。そのため、歯科医師の知識はそれほど必要ないと思われがちですが、実際は非常に専門性の高い治療です。
なぜなら、コンピューターが作成した治療計画をそのまま進めるのではなく、実際の診断と治療ゴールに照らし合わせて歯科医師による修正が必須だからです。矯正結果は担当する歯科医師の知識や経験が大きく影響します。
経験不足の歯科医師だと正確な診断ができず、歯並びや噛み合わせの悪化といったトラブルを招くこともあります。
③シミュレーション通りにならないこともあるから
マウスピース矯正は、矯正をはじめる前にシミュレーションでどのような歯並びに変化するのかを確認できます。しかし、シミュレーションはあくまでも予測であって、必ずしもその通りに歯が動くわけではありません。
シミュレーションとのズレが生じるのには、主に以下のような原因が考えられます。
マウスピースを1日20時間以上装着できていない
チューイーを使用していない
破損や変形したマウスピースを使っている
口周りの悪癖がある
特に歯科医師の指示通り にマウスピースを装着できていないと、シミュレーション通りに歯が動かず、矯正期間が長期化する可能性もあります。
マウスピース矯正のシミュレーションとは?気軽に使えるアプリも紹介
マウスピース矯正は、歯を動かす医療行為です。そのため、ほかの医療行為と同じようにリスクが存在します。マウスピース矯正をはじめてから後悔することがないよう、あらかじめ次のようなリスクがあることも理解しておくことが大切です。
歯肉退縮・歯根吸収
マウスピース矯正で過度な力を加えてしまうと「歯肉退縮」を起こすことがあります。歯肉退縮とは、歯茎が下がって歯が長く見えたり、歯と歯の間に三角の隙間(ブラックトライアングル)ができたりする状態です。
また、適切な力で歯を動かさなかったり、無駄な動きが加わったりすると、歯の根っこが短くなる「歯根吸収」が起きることもあります。
虫歯・歯周病
マウスピース矯正は矯正装置を取り外せるため、ワイヤー矯正と比べて口腔ケアはしやすいです。しかし、歯磨きがしっかりできていない状態でマウスピースを装着すると、内部で雑菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
程度によっては虫歯の治療が優先されるため、治療期間が長引く原因にもなります。
後戻り
矯正治療が完了しても、整った歯並びが元の位置に戻ってしまう「後戻り」が起こることもあります。後戻りの最大の原因は、保定装置(リテーナー)を正しく装着できていないことです。
リテーナ ーの装着は、最短でも矯正にかかった期間と同程度必要で、1日20時間以上装着しなければなりません。自己判断でリテーナーの装着をやめてしまうと、後戻りを起こして再矯正が必要になるケースもあります。
マウスピース矯正のトラブルを回避するためには、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。また、歯科医師と理想の歯並びを擦り合わせたり、矯正中の違和感をすぐに相談したりすることで防げるリスクもあります。
①信頼できるクリニックを選ぶ
マウスピース矯正を成功に導くためには、クリニック選びが重要です。信頼できる矯正歯科を選ぶ基準は、以下のポイントを参考にしてください。
検査や説明を丁寧にしてくれる
悩みや疑問を相談しやすい
デメリットやリスクも教えてくれる
複数の選択肢を提示してもらえる
経験豊富な矯正専門の医師が在籍している
トラブルへの対応が素早い
クリニックを選ぶときは口コミだけではなく、実際にカウンセリングを受けてから判断することが大事です。できれば複数のクリニックを比較検討して、あなたが本当に信頼できると思えるクリニックを選びましょう。
②マウスピース矯正のメリット・デメリットを十分理解する
メリット | デメリット |
---|---|
・矯正装置が目立ちにくい ・取り外して食事や歯磨きができる ・比較的痛みが少ない ・滑舌への影響が少ない | ・1日20時間以上の装着が必要 ・装着したまま飲食できない ・自己管理が必要 ・マウスピースのお手入れが必要 |
マウスピース矯正には、メリットだけでなくデメリットもあります。たとえば、マウスピース矯正は装置を自由に取り外せるため、矯正前と同じように食事を楽しめることがメリットです。しかし、マウスピースを装着した状態では水以外の飲食はできません。
コーヒーを飲む際もマウスピースを外し、歯磨きしてから再び装着しなければならないため、なかには「めんどくさい」と感じる方もいるでしょう。また職業柄、何度もマウスピースを外す必要のある方は、計画通りに歯が動かなくなるリスクがあります。
患者さん自身もマウスピース矯正のメリットとデメリットを十分に理解しておくことで、避けられるトラブルもあるでしょう。
マウスピース矯正とは?メリットや後悔しないために特徴を徹底解説
③理想の歯並びを歯科医師としっかり擦り合わせておく
マウスピース矯正を受ける際は、理想の歯並びについて歯科医師と共有しておくことも重要です。なぜなら「医学的に正しい歯並び」と「患者さんの理想の歯並び」は必ずしも合致するわけではないからです。
治療ゴールの擦り合わせが不十分だと歯科医師との認識にズレが生じて、満足のいく歯並びにならないまま矯正完了してしまうこともあります。必ず「どんな歯並びになりたいか」をしっかり擦り合わせた上で矯正をはじめましょう。
④矯正中の違和感はすぐに歯科医師に相談する
噛み合わせに違和感がある
マウスピースがあたって痛い
あごが痛い
マウスピースが浮いている気がする
矯正中のこのような違和感は、なるべく早めに歯科医師に相談しましょう。マウスピースの不具合や、矯正計画のズレが原因になっていることもあります。早めに相談すれば、危険な状態になる前にリカバリーできる可能性が高まります。
⑤正しいセルフケア方法を身につける
虫歯や歯周病のリスクを減らすためには、徹底した口腔ケアが必要です。ブラッシングの際は、歯間ブラシやデンタルフロスを併用して丁寧に磨きましょう。正しい歯磨き方法を身につけるためにも、クリニックでブラッシング指導を受けてみるのもおすすめです。
またマウスピース矯正は、矯正装置のお手入れも必要になります。マウスピースを外した際は、柔らかめの歯ブラシを使い水で洗浄しましょう。週一回程度はマウスピース用洗浄剤を使うと清潔な状態を保ちやすいです。
マウスピース矯正は、「適応できない症例がある」「経験の少ない歯科医師が治療している」などの理由から危険と言われることがあります。しかし、事前にマウスピース矯正の特性を理解しておくことで回避できるリスクは少なくありません。
マウスピース矯正を検討する上では、まずはカウンセリングに行って不安に感じていることを相談してみましょう。
「マウスピース矯正は気になるけど本当に危険はないのか不安……」そう考えているなら、一度Oh my teeth 導入クリニックでマウスピース矯正に関する悩みを相談してみませんか?
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