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マウスピース矯正
最終更新日:2024年3月30日

マウスピース矯正中にアイコスは吸える?紙タバコの影響も解説

本記事ではマウスピース矯正中にタバコは吸えるのか、喫煙による影響について解説します。喫煙習慣があり矯正治療を検討している方や、矯正中の方はぜひ参考にしてください。

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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

「マウスピース矯正中、タバコやIQOS(アイコス)を吸っても大丈夫?」と疑問に思っていませんか?

結論からいうと、矯正中にタバコを吸ってもOKです。 しかし、紙タバコや加熱式タバコ(アイコス)、電子タバコを含め、マウスピース矯正中の喫煙にはいくつかの注意が必要です。

治療の進行に悪影響を及ぼしたり、お口の健康を害したりするリスクがあるため、禁煙が推奨されています。

本記事では、喫煙がマウスピース矯正に及ぼす影響について紹介します。

喫煙習慣があり矯正中の方、矯正治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正 Oh my teethでは、無料相談を実施しています。「マウスピース矯正中の喫煙はできる?」といった質問にも丁寧にお答えしています。まずはお近くのクリニックをチェックしてみてくださいね。

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マウスピース矯正中でも紙タバコや加熱式タバコ(アイコス)は吸えるけど注意が必要

電子タバコを吸う男性

結論からいうと、喫煙習慣があってもマウスピース矯正はできます。アイコスを含む加熱式タバコや電子タバコ、紙タバコも吸えます。

ただし矯正中の喫煙は、治療の進行やお口の健康に悪影響を及ぼす可能性が高いです。矯正中に喫煙する際は、以下の点に気をつけましょう。

つけたままはNG!喫煙の際はマウスピースを外す

マウスピース矯正中は、マウスピースを外してから喫煙するようにしましょう。マウスピースをつけたまま喫煙すると、次のようなリスクが高まります。

マウスピースをつけたまま喫煙するリスク
  • マウスピースが着色する

  • マウスピースが劣化する

  • マウスピースに熱が伝わり変形する

紙タバコにはタールやニコチンが含まれているため、マウスピース矯正中に喫煙すると歯だけでなくマウスピースも着色します。

また、喫煙方法や頻度によっては、マウスピースの劣化につながることもあります。

マウスピースはプラスチックでできているため、熱に強くありません。紙タバコや加熱式タバコの熱がマウスピースに伝わると、変形する可能性があります。

変形したマウスピースを気づかないままつけ続けていると、計画通りに歯が動かないリスクが高まります。喫煙する際は、その点をよく理解しておきましょう。

喫煙によって進行に遅れが生じる可能性がある

「マウスピースを外せばいくら吸ってもいい」といわれると、そうではありません。タバコを吸うことで、ニコチンの作用により血管が収縮します。それにより血流が滞り、歯の移動速度が遅くなることが考えられます。

また、喫煙するたびにマウスピースを外すと、場合によっては装着時間が足りなくなるケースも考えられるでしょう。

マウスピース矯正は「いかに装着時間を確保できるか」が成功のカギです

装置がつきっぱなしで1日24時間ずっと矯正力がかかっているワイヤー矯正と比較すると、着脱可能なマウスピース矯正は外している時間は矯正力がかかっていない状態です。

1日あたりの喫煙時間が長いと、そのぶん矯正力がかからない時間(マウスピースを外している時間)が増え、計画通りに歯が動きません。

マウスピース矯正は全体矯正の場合、通常1〜3年程度かかります。ただでさえ長期間かかるのですから、喫煙によってさらに治療期間が長引くのは避けたいですよね。

タバコは「百害あって一利なし」といわれているように、マウスピース矯正にも影響を与えてしまうのです。

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マウスピース矯正中は禁煙するのが望ましい

マウスピース矯正をきっかけに、思い切って禁煙するのもおすすめです。理由としては、ここまで紹介したように、喫煙習慣があるとマウスピースを外す頻度が増えてしまう点が挙げられます。

クリニックによっては喫煙者の矯正治療を行っていない場合もあります。「気づかれない」と思っていても歯や歯茎の状態や匂いでわかるものです。

もしマウスピース矯正を検討しているなら、この機会に禁煙にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

電子タバコや加熱式タバコ(アイコス)の影響は?

電子タバコを吸う男性

近年愛用者が増えている電子タバコや、IQOS(アイコス)などの加熱式タバコ。たばこ葉を加熱しないためタールは発生しません。

また、紙タバコと比較すると有害物質もカットされているため、体への害が少ないとされています。しかし、マウスピース矯正中は注意が必要です。

電子タバコはリキッドの成分に注意

電子タバコはたばこ葉を燃やして煙を発生させるのではなく、リキッドと呼ばれる液体を加熱して蒸気を発生させています。そのためマウスピース矯正中、通常のタバコのように着色汚れなどの影響はありません。

ただし、電子タバコのリキッドの中には、ニコチンが含まれるものもあります。

ニコチンが含まれていると、それを吸うことによる歯の動きへの悪影響などが考えられるので、マウスピース矯正中はできる限り禁煙・減煙するのがおすすめです。

加熱式タバコは紙タバコ同様に注意

アイコス・プルーム・グローなどの加熱式タバコは、紙タバコと異なりたばこ葉を燃焼させず、加熱によって発生した蒸気を吸うものです。

煙ではなく蒸気ではありますがたばこ葉を加熱したものなので、蒸気にはニコチンが含まれます

熱による変形、ニコチンによる血管収縮など、ここまで紹介したような喫煙による悪影響が生じます。

加熱式タバコも紙タバコ同様、マウスピース矯正中に吸いたい場合はマウスピースを外すようにしましょう。

タバコ葉を使用しているシーシャや水タバコも注意

シーシャや水タバコは、紙タバコに比べてニコチンやタールの含有量が少ないといわれています。しかし、有害物質はゼロなわけではありません。

影響は少ないかもしれませんが、紙巻きタバコや加熱式タバコと同じように注意が必要です

マウスピース矯正中にシーシャや水タバコを楽しみたい場合は、ノンニコチンフレーバーを選ぶことをおすすめします。

マウスピース矯正中にタバコ・加熱式タバコ(アイコス)を吸うリスク

茶色く着色したマウスピース

マウスピースを外せば喫煙は可能ですが、矯正中にタバコを吸う際は以下のリスクについて十分理解しておきましょう。

マウスピース矯正中にタバコを吸うリスク
  • 歯の動きが妨げられる

  • 歯やマウスピースの変色が起こる

  • 歯周病のリスクが高まる

  • 口臭が発生しやすくなる

  • 歯茎の黒ずみが生じる

  • 口腔がんの罹患リスクが上昇する

歯の動きが妨げられる

喫煙習慣があると、矯正中の歯の動きに悪影響を及ぼすリスクがあります。なぜなら喫煙すると歯茎の血行が悪くなり、組織の再生が制限されるからです

喫煙による血行不良

そもそも矯正治療は、歯周組織の「破壊」と「再生」を繰り返すことで歯が移動していきます。

矯正治療で歯が動く仕組み

タバコの煙に含まれるニコチンは、末梢血管を収縮させる作用があります。またタバコが不完全燃焼することで発生する一酸化炭素により、血液中の赤血球が酸欠状態になります。

血流が悪くなった歯を支える骨は代謝が悪くなり、再生がスムーズに行われないので歯の動きが鈍くなってしまうのです

また、喫煙により歯茎をつくるコラーゲンの再生が制限され、歯茎の老化が進んでしまう可能性もあります。

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歯やマウスピースの変色が起こる

喫煙時にマウスピースを外せば、マウスピースの変色はある程度防げます。ただ、喫煙後は口の中がタバコのヤニ(タール)で汚れた状態です。

タールはネバネバしていて歯につくと、少しずつ汚れが蓄積し、歯の黄ばみにつながります。そのままマウスピースを装着すると変色の原因になりえます。通常のブラッシングでは取るのが難しく、歯医者でクリーニングを行わないと落とすことができません

もちろんタバコを吸うたびにブラッシングなどのオーラルケアを行えば、着色リスクは防げるでしょう。

しかし、毎回しっかりブラッシングするのは現実的ではありません。「歯やマウスピースをきれいに保ちたい」という方は、禁煙を検討してみましょう。

歯周病のリスクが高まる

歯周病とは歯茎に炎症が起こり、歯を支える骨が溶けてしまう病気のことです。

喫煙者は非喫煙者と比較すると、歯周病の発症リスクが高い傾向にあります

タバコの煙を吸うと、その中の成分が口の中の粘膜や歯茎から吸収されます。すると歯茎の血行不良が起こり、体内に十分に酸素が行き渡らなくなります。その結果、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の中で歯周病の原因菌が繁殖。

原因菌が出す毒素が歯周ポケットをさらに深くし、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かします。支えきれなくなった歯はぐらつき、最悪抜け落ちてしまうのです。

喫煙していると、さらに怖いことがあります。それは歯周病の症状に気づきにくい点です。喫煙すると歯茎の血行不良が起こるとお伝えしましたが、それによって歯周病由来の歯茎の腫れ・出血も抑えられてしまいます。

つまり喫煙は歯周病発症リスクだけでなく、歯周病の進行に気づけないリスクにもつながるのです。

【参考ページ】

口臭が発生しやすくなる

口臭を気にして口を手で押さえる男性

喫煙による口臭の発生原因はさまざまありますが、まず挙げられるのがタバコの煙に含まれるタールです。

タールはタバコのヤニの成分。悪臭を放つ成分が含まれており、舌の表面の細かい突起部分にヤニが沈着するとひどい口臭を発します。またタール自体が水にほとんど溶けず、ネバネバしている点にも注意が必要です。

タールが口腔内につくと、さらにそこに汚れがつきやすくなるのです。蓄積した汚れから口臭の原因菌が増え、さらに口臭が強くなるという悪循環も引き起こされます。

歯茎の黒ずみが起こる

黒ずんだ歯茎

タバコの煙に含まれるニコチンは歯茎の血行不良を招き、歯茎が黒ずんで見えるようになります。また、喫煙すると有害物質から歯茎を守るためにメラニン色素が多くつくられ、色素沈着が起こりやすくなります。

メラニンが沈着した歯茎は黒く、ゴツゴツとした歯茎になってしまいます。

口腔がんの罹患リスクが上昇する

口腔がんとは、舌がん、舌と歯茎の間にできる口底がん、歯肉がん、頬粘膜がんなど口の中の粘膜にできる扁平上皮がん全般を指します。

初期症状は白板症(はくばんしょう)と呼ばれる白い粘膜の病変で、症状が進むと潰瘍や出血が見られます。

タバコは、口腔・咽頭がんの罹患リスクを男性では2.4倍、女性では2.5倍増加させるというデータがあります。タバコに含まれる発がん性物質がDNAを損傷させることなどが原因で、がん発生に大きく影響を及ぼすと考えられています。

さらにタバコは口腔がんだけでなく、肺がん、喉頭がん、鼻腔・副鼻腔がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、子宮頸がん、膀胱がんなどの罹患リスクとの因果関係が明らかになっているので注意が必要です。

【参考ページ】

画像リンク

マウスピース矯正中は思い切って禁煙してしまうのがおすすめ

矯正中は禁煙に挑戦する絶好の機会といえます。特にこれからマウスピース矯正を始める方は、禁煙を検討することをおすすめします。

とはいえ、禁煙は簡単にできることではありません。まずは、マウスピース矯正開始と同時に禁煙を目標にし、モチベーションを高めましょう。

食後など吸いたくなる瞬間は、すぐに歯を磨く方法もおすすめです。吸いたい気持ちを抑えながら口腔衛生を保てます。自力での禁煙が難しいと感じた場合は、禁煙外来を受診するのもよいでしょう。

マウスピース矯正中のタバコには注意が必要

マウスピース矯正中は喫煙しても大丈夫ですが、以下の点には注意が必要です。

  • 喫煙時はマウスピースを外す

  • 歯の動きが妨げられるリスクがある

そのため、おすすめはマウスピース矯正をきっかけに禁煙してしまうこと。すぐに禁煙が難しい場合、まずは電子タバコ(リキッドにニコチンが含まれないもの)に切り替えるのもおすすめです。

マウスピース矯正をきっかけに喫煙や間食習慣がなくなれば、一気に健康体になれるかもしれません。歯科矯正検討中の方は、ぜひ禁煙も検討してみてくださいね。

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