インビザラインの部分矯正とは?適応症例から費用まで徹底解説
インビザラインの部分矯正とはどんなものなのでしょうか?本記事を読めば対応できる症例から費用相場まで、インビザラインの部分矯正がどんなプランなのかがわかります。
目立ちにくいマウスピース矯正で最も有名なインビザラインは、全体矯正と部分矯正どちらにも対応しています。部分矯正は、気になる部分を費用と期間を抑えて治療できる方法ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。
まずは本記事で、対応できる歯並びの条件・部分矯正の3つのプランの詳細・費用や治療期間の目安など、インビザラインの部分矯正を検討する際に知っておきたいポイントを押さえましょう。
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インビザラインは部分矯正と全体矯正どちらにも対応しています。まずはインビザラインの部分矯正の特徴を、全体矯正との違いとあわせて紹介します。
気になる部分のみを動かす矯正方法
インビザラインの部分矯正は、一部の歯のみを限定して整える矯正方法です。たとえば「上の前歯の隙間だけをおしたい」「斜めに生えている1本だけをまっすぐにしたい」など、気になる部分をピンポイントで矯正するのに適しています。
一方全体矯正は、奥歯からすべての歯を整える矯正方法です。噛み合わせの不具合も改善できるため、多くの症例に対応できます。
短期間で矯正が完了する
インビザラインの部分矯正は、歯を動かす距離や本数が少ないため、矯正期間は短いのがメリットです。結婚式や就職といった大事なイベントを控えているなど「あまり時間をかけずに気になる部分だけをなおしたい」という方にも利用されています。
一方全体矯正は、歯の大きな移動を必要とするケースが多く、その分治療期間も長くなります。
矯正費用を抑えられる
前述したように、部分矯正は歯を動かす距離や治療期間が短いため、矯正費用も全体矯正の半分程度に抑えられます。高額な費用がネックになっていた方も、利用しやすいでしょう。
比較的痛みや負担が少ない
インビザラインは、1~2週間ごとにマウスピースを交換していくことで歯を動かす矯正システムです。新しいマウスピースは、現在の歯並びから少しズレができるように設計されており、そのズレを利用して圧力をかけることで歯を動かします。
1枚のマウスピースで動かせるのは約0.25mmほどです。小さな力で少しずつ歯を動かすため、大きな力がかかるワイヤー矯正と比べて痛みを感じにくいです。インビザラインの全体矯正と比べても、部分矯正は一部の歯だけに力を加えるので、痛みや負担は抑えられます。
ここまで紹介した特徴以外にも、インビザラインの部分矯正と全体矯正共通のメリット・デメリットもあります。詳しくは以下の記事も参考にしてください。
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短期間でリーズナブルに気になる部分だけをなおせる部分矯正ですが、すべての歯並びに対応できるわけではありません。歯並びの状態によってはドクターから「部分矯正はできない」と診断されるケースもあります。
ここからは、インビザラインの部分矯正で治療できる歯並びの条件とともに、対応できる症例を紹介します。
【インビザラインの部分矯正で対応できる症例】
軽度の不正咬合
すきっ歯
矯正後の後戻り
治療できる歯並びの条件
インビザラインの部分矯正で治療できるかどうかは、以下のような条件があります。
噛み合わせに問題がない
インビザラインの部分矯正で治療する1つ目の条件は、噛み合わせに問題がないことです。
矯正治療は見た目だけでなく、正しい噛み合わせを作ることが非常に大切です。しかし部分矯正で噛み合わせを改善することは難しく、全体矯正での治療が必要になります。
たとえば噛み合わせが深い「過蓋咬合(かがいこうごう)」や、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯の間に隙間ができる「開咬(かいこう)」は、部分矯正での治療は困難です。
抜歯をせずにIPRで対応できる
インビザラインの部分矯正で治療する2つ目の条件は、抜歯をせずにIPR(歯の表面を少し削る処置)での対応範囲内であることです。
歯のサイズに対してあごのサイズが小さい場合、歯が並ぶスペースが足りず歯並びが乱れてしまいます。IPRとは、矯正治療で歯をきれいに並べるスペースを作る方法として用いられます。
IPRで削れるのは最大で1本0.5mmほどなので、前歯部分の6本を削って作れるスペースは3mm程度まで。つまり3mm以上のスペースが不足しているケースでは、前歯部分のIPRのみでは対応が難しいです。
また、抜歯を行うと大幅な歯の移動が必要になるため、部分矯正ではなく全体矯正での対応になります。具体的には、重度の八重歯や出っ歯は部分矯正では困難な可能性が高いです。
骨格に問題がない
インビザラインの部分矯正で治療する3つ目の条件は、骨格に問題がないことです。
たとえば上の歯よりも下の歯が前に突出した「受け口」は、歯並びが原因のものと骨格が原因のものがあります。骨格に問題のある受け口は、部分矯正での対応は難しいです。
特に重度の受け口は、骨格に大きなズレが生じているため、全体矯正でも改善できない可能性があります。その場合は、歯科矯正に外科手術を併用した治療が行われます。
軽度の不正咬合
「出っ歯」やデコボコした歯並びの「叢生(そうせい)」も、軽度であればインビザラインの部分矯正で改善できます。
すきっ歯
歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」は、もともと歯を動かすスペースがある場合も多く、インビザラインの部分矯正に適しています。
ただし実際に検査をしてみると、過蓋咬合などほかの不正咬合を併発しているケースもあり、その場合は抜歯が必要になったり、全体矯正での対応になったります。
矯正後の後戻り
インビザラインの部分矯正は、過去に矯正治療を行ったけれど、保定装置(リテーナー)の装着不足などで後戻りをしてしまった歯並びにもおすすめです。後戻りの再矯正は、一度きれいな歯並びに整えているため、比較的短期間で治療が完了する傾向があります。
費用相場 | 費用相場 | |
---|---|---|
部分矯正 | 20~65万円 | 3~7ヶ月 |
全体矯正 | 70~100万円 | 1~3年程度 |
上記のように部分矯正は動かす範囲が限定されている分、全体矯正と比較して費用や治療期間が抑えられる傾向にあります。ただし矯正治療は自由診療なので、受診するクリニックによって値段は異なります。
追加で必要な費用
提供するクリニックによっては、基本料金のほかに追加で費用がかかることもあります。追加費用の平均相場は以下の通りです。
カウンセリング料:無料〜10,000円
検査・診断料:10,000〜50,000円
調整料:3,000〜10,000円
リテーナー(保定装置)料:10,000〜60,000円
観察料:3,000〜5,000円
ただしトータルフィー(治療に必要な費用の全額を最初に提示する)を採用しているクリニックでは、上記の費用も基本料金に含まれているため、基本的に追加料金は発生しません。
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インビザラインには5つのプランがあり、そのうち「エクスプレス」「ライト」「Go」の3つが部分矯正に対応したプランです。それぞれ使用できるマウスピースの枚数や適応症例、費用相場、治療期間が異なります。
歯並びの状態や希望する治療ゴールによって、ドクターが最適なプランを診断します。
種類 | 治療範囲 | 適応症例 | 枚数 | 費用相場 | 治療期間 |
---|---|---|---|---|---|
インビザライン エクスプレス | 部分矯正 | ごく軽度の不正歯列 | 最大7枚 | 20〜40万円 | 3〜4ヶ月 |
インビザライン ライト | 部分矯正※ | 軽度の不正歯列 | 最大14枚 | 45〜65万円 | 最大5ヶ月 |
インビザライン Go | 部分矯正 | 比較的軽度の不正歯列 | 最大20枚 | 35〜50万円 | 最大7ヶ月 |
インビザライン モデレート | 全体矯正 | 中度の不正歯列 | 最大26枚 | 70〜90万円 | 1年程度 |
インビザライン コンプリヘンシブ | 全体矯正 | 重度の不正歯列 | 最大99枚 | 80〜100万円 | 1年半〜3年程度 |
※インビザライン ライトは矯正範囲に制限はないですが、マウスピースの最大枚数が限られているため部分矯正として用いられることが多いです。
※クリニックによって取り扱っているプランの種類は異なります。
インビザライン エクスプレス
インビザラインの中で最も軽い症例に対応したプランです。わずかなズレや後戻り防止などに適しています。適応となる症例が限定的なので、取り扱っているクリニックは少ないです。
インビザライン ライト
軽度のでこぼこ・出っ歯・すきっ歯などに利用されるプランです。すべての歯の移動が可能ですが、マウスピースは最大14枚に限定されているため、奥歯を大きく動かす矯正には向いていません。
前歯を改善するときに、歯並び全体を少し矯正しなければならないケースに適しています。
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インビザライン Go
動かせる範囲は、大臼歯を除く前から5番目の小臼歯までに限定されたプランです。矯正歯科だけでなく一般歯科でも取り扱っています。
専用のスマホアプリで口腔内を撮影し、アップロードするだけで、すぐに矯正可能かどうかを判定できます。
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インビザラインの部分矯正は、費用を抑えて短期間で治療が完了するメリットがあります。しかし、すべての方に適応するわけではなく、軽度の不正咬合に限定されています。
部分矯正ができるか判断するには、しっかりと検査をした上でドクターによる診断が必要です。あなたの歯並びに最適な矯正方法を選択するためにも、まずはお近くのクリニックに相談へ行ってみましょう。
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